百発百中 狼は走れ豚は食え、人は昼から夢を見ろ





題名:百発百中
作者:矢作俊彦、司城志朗
発行:角川書店 2010.09.30 初版
価格:\1,700


副題は『狼は走れ豚は食え、人は昼から夢を見ろ』。

 のっとりに合って、立ち退きを迫られる老人ホームに、ひょいとしたことから二人の古い侠客が立ち寄った。立ち上がる7人のROJIN。おお、西部劇かい、と思いきや、全編これスラップスティックなクライム小説。

 そう、和製ウエストレイクとでも言いたくなるような、芯のあるしっかしりたサスペンスであったのだ。

 おお、人が集まり、作戦が練られ、ついにクライマックスは、この二人の作家のお手の物であるドンパチ・パーティで、燃え上がってゆく。

 ラストに少し涙と痛み。

 格好いいなあ、古いヤクザって。

 全編初老の男たちと爺様婆様ばかりで繰り広げられる高齢者犯罪喜劇である。

 すっごいなあ。

(2010.10.23)
最終更新:2010年12月13日 01:28