嵐の眼


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題名:嵐の眼
原題:EYES OF THE STORM (1992)
作者:JACK HIGGINS
訳者:黒原敏行
発行:早川書房 1994.2.15 初版
価格:\1,900(本体\1,845)


 フォーサイスの『神の拳』に続いての湾岸戦争もの、ということで、イギリスの巨匠ふたりが同じ一つの記憶に新しい戦争をどのように料理して見せてくれるかが期待された。フォーサイスは真っ向から湾岸戦争の内幕を時系列的に展開して見せてくれたのに対し、娯楽的要素だけを劇画チックに散りばめて構成したのがヒギンズというところか。

 かつてのヒギンズにはフォーサイス的下調べの要素が十分にあったので、未だにこうして現実の出来事にインスピレーションを得て、小説を仕立てるという癖が残っているようなのだが、いかんせん下手屋の腕も落ちてきているのは否めない。

 今回はプロット自体に不満が多いのだが、問題は現実に起こった事件そのものが、スケールの小さなものであったこと、過去の作品の売れ線のキャラクターたちを大安売りして無理矢理時間の蓋をこじあけていることなど、少し安易さが目立つ気がした。

 『テロリストに薔薇を』はぼくはけっこう好きな作品なのだけど、その主人公、また例によってファーガスン准将、リーアム・デブリンまで大放出とサービス満点で、ヒギンズ・ミーハーにとってはまあ嬉しくもあり、泣きたくもあり。なんとも言えない感想になってしまうのである。

(1994.11.01)