加賀乙彦


 さて、どのジャンルをひっくるめてもぼくが一番好きな日本作家です。この人は純文ですが、どれも具体的にストーリーを語る作家ですから、もっとも小説らしい小説を書きます。際立った特徴はこの人が精神科医であることです。また刑務所内での勤務経験、若かりし頃のフランス留学経験などがいくつかの小説の題材になっています。同時にドストエフスキイの研究家でもあります。ぼくが世界一好きな作家はドストエフスキィでありますが、加賀乙彦が奇しくもドストエフスキィマニアであったことは、随分後になってわかりました。そこに認められる共通の空気をぼく自身どこかしらで感じ取っていたような気がします。

長編小説



随筆・エッセイ


  • 死刑囚の記録 1980
  • ドストエフスキィ 1989