amazon plugin Error : amazonから画像データを取得できませんでした。時間をおいて再度実行してください。また、image=(画像URL)パラメーターを利用することで、画像データを取得せず表示することができます。

amazon plugin Error : amazonから画像データを取得できませんでした。時間をおいて再度実行してください。また、image=(画像URL)パラメーターを利用することで、画像データを取得せず表示することができます。
題名:鎖
作者:乃南アサ
発行:新潮ミステリー倶楽部 2000.10.25 初版
価格:\2,200

 タイトルが類推させる通り、これは監禁小説である。直木賞受賞作であった『凍える牙』のヒロインである女刑事・音道貴子のシリーズ第二弾。ぼくは乃南アサはこの二作しか読んでいないので、他にどういうものを書く人なのか知らない。ただ『凍える牙』は面白かったものの、直木賞というのはどんなものなのかと当時疑問に感じた印象が残って後味が良くなかった。

 本書も、面白いには違いないのだけれど、少し劇画的というか、幼い、軽い、浅い、とそう思えてならなかった。すべての人間描写において。あまりにもデフォルメされ過ぎ特徴があり過ぎるキャラクターに、現実味がなさ過ぎる。あまり不思議かつ不自然な考え方をする人が多過ぎて、どうも引っかかりが多い。

 ストーリーに合わせさせられて、人間たちが奇妙に動き過ぎているように思えたし、最初の殺人事件については、こんなものこの作品に果たして必要だったのかな? と首を傾げてしまうくらいだった。

 そういう意味では、どこかストレスがたまる本であるように思った。警察小説でありながら、女性の生き方教室みたいな説教臭さや、キャラクターたちの能天気さには着いてゆくことができない。

 『凍える牙』のほうが、ぼくにはまだ良かったと思う。面白さだけ見れば、本書の方が優れているのかもしれないけれど、同じ監禁ものならジェフリー・ディーヴァー『静寂の叫び』の足元にも及ばない……のは仕方がないか。

(2001.03.18)