湾岸リベンジャー





題名:湾岸リベンジャー
作者:戸梶圭太
発行:祥伝社 2001/7/01初版 ISBN4-396-63192-8
価格:1700円+税




 走り屋たちの湾岸道路での闘いと聞いて、矢作俊彦『マイク・ハマーへ伝言』を思い出すのはぼくだけではあるまい。『マイク……』の時代、湾岸道路などはまだなく、東京湾の底にトンネルは通じていなかった。横羽線が横浜公園までで途絶えて、その先のベイブリッジはまだ未来という虚空に浮かぶ幻でしかなかった。

 もちろん本書の舞台の中心となる大黒PAはあの当時には存在せず、若き日のぼくは、営業で一帯を担当していた。横浜に週に一度は出かけていた。

 と『マイク……』からの連想だけで勝手に期待させていただいたのに、後半に小説がどんどん、湾岸道路からずれて行って別の方角に向かってしまうのが非常に残念。焦点が掴み難いばかりか、物語の主筋までも破壊してしまったせいで、収拾がつかない。これが成功に繋がることも多い戸梶節なのだが、裏目に出ると目も当てられない。『レイミ』以来の駄作だ……と、表紙を眺めれば、『レイミ』と同じ祥伝社。三流の本屋(?)だからと言って作者が三流におつきあいすることもあるまい、と思ってしまうのだが。

(2002.01.05)
最終更新:2007年09月30日 15:20