トカジャンゴ



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題名:トカジャンゴ
作者:戸梶圭太
発行:角川書店 2002.09.10 初版
価格:\1,500

 『トカジノフ』との姉妹編みたいな短編集。短編の発表年度を見るとほぼ2000-2002に渡って、どちらの本も満遍なく散らばっているようだし、発表誌もいろいろ。どうやって二冊の本に分けたのかわからないけれど、上下巻の短編集だったのだと解釈すれば、あまり悩む必要はなさそうである。

 やはり基本はスプラッタ・パンクであり、ホラー、SFに、発想の豊かさが広がる。特に『トカジャンゴ』収録の短編で強く感じたのは社会風刺の色が濃い点である。社会を、あるいは社会の底辺に性悪説を振り撒き、そこにいるゴミ虫のような人間どもを笑い飛ばしてしまう。世の中を大胆な構想でかき混ぜてしまう。

 愉快犯による殺人を個人の犯罪というより社会のトレンドとして描いたり、国が特定の人物に的を絞って銃器の携帯と激安犯罪者の撲滅を命ずるシステムができたり……。また世の中の馬鹿女や激安男の各種パターンの見本市みたいな一冊でもある。

 露悪。嗜虐。黒い笑い。混乱。破滅。それらの負の要素を血と内蔵のスプラッタな物語として表現し、破壊しまくる短編集。この本からは、戸梶圭太は完全に自分の世界を確立してしまっているという感覚を覚えるし、無尽蔵な発想にも戦慄を覚える。

 タブー度外視、爆発エネルギーの飽和度に関しては、最初に『闇の楽園』に触れた頃そのままだ。思えばその頃から世界を確立し終えていた作家だったのだろう。

(2003.06.24)