アウトリミット


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題名:アウトリミット
作者:戸梶圭太
発行:徳間書店 2002.3.31 初版
価格:\1,600

 冒険小説の王道をゆくような立派な(?)タイトルがついているのだが、カバーや装丁を含めてどこからどう見ても戸梶プロダクツの気配がする一冊。この人の真骨頂の一つであるグロいバイオレンスというのが、縦横に生きていて、まあ言わば『レイミ』のようには、同じグロでも死んでいない。

 ただでさえ暑い盛りの夏の夕方、さらに暑苦しい東京下町の古く貧乏な街の一区画が舞台であり、主人公は血なまぐさい死体を抱えて逃げ始める逆走刑事。実に沢山の戸梶系キャラクターが次々とこの下町路地裏文化とでも言うべき場所に集合してくるのだが、いつにも増して爆発度がすさまじいのは、なんと隅田川花火大会の夕方、どこを向いても人や車でいっぱいというシチュエイションまでつくっちまったおかげだろう。

 スナック二階の板ベランダで花火に喚声をあげて飲んだくれるオヤジの群れというのも恐ろしいが、花火の音でかき消されてゆく銃撃の音の数々も恐ろしく、そこに救急車やパトカーのサイレンがかぶる。このうるささは並ではない。戸梶は最大限の音響効果をもった修羅場を作り出すことから考えたに違いない。

 分単位で描写される3時間ほどの物語、長編というよりは凝った中篇とでも言いたくなるくらいのこじんまりとした戸梶はちゃめちゃアクション・エッセンスとでも
言っておこうか。ちなみに、ぼくはこういう話は嫌いではなかったりします。

(2002.12.04)