ロバート・B・パーカー Robert B. Parker

<スペンサーシリーズ>は、現在ではハードボイルドの系譜の主流に近いところで長年に渡って続いている実に貴重なシリーズだ。ロバート・B・パーカーがチャンドラーの遺稿に手を加えて『プードル・スプリングス物語』を書いたとき、あるいは初の西部劇である『ガンマンの伝説』を書いたときにも、世の中はすんなり彼に喝采を送ったわけではなかった。だが、そうした冒険心溢れる作家であり、生真面目にこつこつと一つのことを積み重ねてゆくプロフェッショナルな人間であることは、蓄積された作品の数、その質の安定を見る限り明白な事実だと思う。

 大切にしてきたハードボイルド文体をいささかも損なうことなく、書き続けている唯一の作家であることだって、ぼくにとってみれば重要な事実であるように思われる。時代時代を映す鏡のような作品であり、アメリカの抱える病的な部分をスペンサーもジェッシイ・ストーンも、サニー・ランドルもしっかりと内側にまで抱え込み、それに挑んでいるように思われる。内的葛藤を内に秘めて、外なる敵と戦うシンプルかつ野太い骨子に支えられて、パーカーは今後も多くの魅力ある脇役たちととともに主役の道筋を切り拓いてゆくに違いない。

スペンサー・シリーズ


ジェッシイ・ストーン・シリーズ


サニー・ランドル・シリーズ


コール&ヒッチ・シリーズ



その他