死んだふり


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題名:死んだふり
原題:Just Play Dead (1998)
作者:Dan Gordon
訳者:池田真紀子
発行:新潮文庫 2000.5.1 初版
価格:\514



 最近はこういう作品が流行るだろうなといかにも想像されるところの少しカルト系のノワール。

 男女三角関係の中で勃発する保険金殺人計画。三人それぞれがその計画を知っており、騙し騙されの物語……。三角関係と言えば映画『白いドレスの女』『デストラップ~死の罠~』、あるいはハイスミスの『太陽がいっぱい』等々、前例に事欠かない。

 だれが死ぬのか、だれが生き残るのか、そういう状況をいかに楽しめるかという小説……(なのか?)、あるいはラストに用意されたどんでん返しのようなものをいかに味わえるか(なのかな?)の物語なのだと思う。

 ということだが、結果的にぼくはパス……かな。最大の原因は、文章が読みにくいということ。それから心理ゲームそれ自体に、前述のようにいろいろな作品例を挙げるまでもなく新しさを感じないということ。どんでん返しも特にどうとでもできるだろう(つまり読んでいる身としてどう転んでも別に構わないという気分にさせられてしまった)というつまらなさを感じてしまったこと。ラストよりは駆け引きの過程に力を入れているのもわかる。ラストもひねってみているのもわかる。でも読みにくいんである。ただひたすらに。文章が。

 この手の時間軸を若干狂わしたような小説作法って、最近では『ボビーZの気怠く優雅な人生』以来かなと思うけれど、あちらは活劇でプロットもそれなりに細かいので、文体はそもそも嫌いながらも結果的に読んで楽しかった。でもこの作品は物足りなさばかりが印象に残ってしまった。こちらの体調もあるのかな? ちょうど頭痛の最中で読んでいたという……。

 映画のシナリオライターによる小説作品ということで、力が入り過ぎているということもあったかもしれない。正直言って、この作品はシナリオ形式の方がぼくは読みたい気がしている。でも、解説によれば既に映画化は決定し、アル・パシーノ、アントニオ・バンデラス、メラニー・グリフィスとキャスティングされているみたいだから、ぼくはこちらの方で、この癖のある物語をもっとちゃんと楽しめるのような気がするのだ。

 奇しくも小太郎さということを書いていますね。小説は大なり小なり、読み手を選ぶというところがあるとは思うが、この作品の場合、それが極端かもしれない。

(2000.06.28)