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*逃げ切る (「ナイトランナー」へ改題) #amazon(4894564947,right,image) 題名:逃げ切る 作者:今野敏 発行:祥伝社ノン・ノヴェル 1993.7.20 初版 価格:\750(本体\728)  『蓬莱』で昨年話題になった今野敏という作家を、ぼくはよく知らなかったのだけれど、快適な読みやすさ、乗りやすさ、とっつきやすさなどある種の興味を覚えたものだった。そういう意味ではこのボディガード・シリーズは、そういう『蓬莱』での第一印象を、よりよりストレートにスタンダードにぶつけてくれる冒険娯楽であった。  『蓬莱』でも、乗りやすさの割に淡白な締めくくり、というのが気にならないではなかったのだが、 約 200 ページという制限の中でこれだけまとめてくれれば、こういう本はそれなりに成功しているかな、との印象が強い。プロット、主役設定、脇役、リズム感、すべてそれなりに楽しい。  いつかすがやみつるさんが、東京-大阪間の新幹線車内で読むのにちょうどいい本を「新幹線小説」と呼んでいるということを、この会議室でおっしゃっていたけれど、このシリーズはそれですね、まさに。  確かに志水辰夫や船戸与一ばりの凝りに凝った大型冒険小説というのはこういうノベルズの手触りの中には求むべくもないのだけれど、ぼく自身、山田正紀、田中光二などの軽めの冒険小説から、今のこういう冒険小説読者になって来たことを考えると、ある読書人材をたやすくこっち方面に引っ張るという意味では、ぼくは今野敏という作家をいま注目しています。  ストーリー、プロットなど、かつての森詠を思い起こさせるような国際冒険小説のエッセンス豊かで、なおかつここでは軽い意味ではない環境論という一つの背骨をしっかりと通しているあたり曲者であるように思う。今のこの作品では決して満足していないけれど、ぼくはこの作家の未来に一票入れておきます。 (1995.06.12)
*逃げ切る (「ナイトランナー」へ改題) #amazon(4894564947,right,image) 題名:逃げ切る 作者:今野敏 発行:祥伝社ノン・ノヴェル 1993.7.20 初版 価格:\750(本体\728)  『蓬莱』で昨年話題になった今野敏という作家を、ぼくはよく知らなかったのだけれど、快適な読みやすさ、乗りやすさ、とっつきやすさなどある種の興味を覚えたものだった。そういう意味ではこのボディガード・シリーズは、そういう『蓬莱』での第一印象を、よりよりストレートにスタンダードにぶつけてくれる冒険娯楽であった。  『蓬莱』でも、乗りやすさの割に淡白な締めくくり、というのが気にならないではなかったのだが、 約 200 ページという制限の中でこれだけまとめてくれれば、こういう本はそれなりに成功しているかな、との印象が強い。プロット、主役設定、脇役、リズム感、すべてそれなりに楽しい。  いつか漫画家のすがやみつるさんが、東京-大阪間の新幹線車内で読むのにちょうどいい本を「新幹線小説」と呼んでいるということをおっしゃっていたけれど、このシリーズはそれですね、まさに。  確かに志水辰夫や船戸与一ばりの凝りに凝った大型冒険小説というのはこういうノベルズの手触りの中には求むべくもないのだけれど、ぼく自身、山田正紀、田中光二などの軽めの冒険小説から、今のこういう冒険小説読者になって来たことを考えると、ある読書人材をたやすくこっち方面に引っ張るという意味では、ぼくは今野敏という作家をいま注目しています。  ストーリー、プロットなど、かつての森詠を思い起こさせるような国際冒険小説のエッセンス豊かで、なおかつここでは軽い意味ではない環境論という一つの背骨をしっかりと通しているあたり曲者であるように思う。今のこの作品では決して満足していないけれど、ぼくはこの作家の未来に一票入れておきます。 (1995.06.12)

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