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*雪蛍 #amazon(4062645076,left,image) #amazon(4061820087,image) #amazon(4062079984,right,image) 題名:雪蛍 作者:大沢在昌 発行:講談社 1996.3.25 初版 価格:\1,600  ぼくは大沢在昌は『新宿鮫』シリーズくらいに読むのはとどめておこうと決めていた。『新宿鮫』はドタドタして面白い小説だけれども、ぼくの中ではドタドタして面白い小説として以外のなにものでもないのだ。ストーリーもあんまり覚えていないし、まあジェットコースター・ノヴェルというほど面白くはないものの、それなりに香港フィルム・ノワールを観て楽しんでいるくらいの快感を得ることはできるのだ。  『新宿鮫』以外の浮気と言えば『天使の牙』だけで、これも楽しくドタドタと読んだ。近未来小説なんてあまり好きではないぼくでも、これだけ面白ければ許してあげようか、くらいの気持ちにはなれるのだった。    だから『雪蛍』が佐久間公を主人公にしたシリーズものだなんてことも金輪際知りはしなかったのだ。ましてや、大沢在昌にこういうしっとりした作品が書けるとは誠に失礼ながら思ってもいなかったのだ。というくらい、ぼくの大沢在昌観を根底から変えてしまったのがこの小説なのである。一言で言えばイケルのだ。  こんな風にしっとりと男の内ぶところのようなものが描かれているとは思いもかけなかったのだ。L・ブロックのようなと言えば誉めすぎなんだが、誉めすぎを承知でそれでもブロックのような落ち着いた筆捌きで描かれてゆく多くの人たちの関わりかたに、たまらなく味が出ているように思う。ハードボイルド小説はこうでなくてはならない、というようなポイントを抑えた出来具合なのだ。  ちとくどい部分があるかもしれない。それを差し引けば非常にいい嗜好の作品で、大沢の趣味の良さに改めて敬服しました。  ちなみに過去の佐久間公シリーズや代表とされる大沢ハードボイルドを遅まきながら買い漁ってきました。 (1996.12.03)

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