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*雪が降る
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題名:雪が降る
作者:藤原伊織
発行:講談社 1998.6.15 初版
価格:\1,600
ぼくは比較的短編集というのが好きだし、ある意味で追っていこうと決めた作家であれば、その短編集も蔑ろにしたくない。追っていこうという意味においては『テロリストのパラソル』当時は迷いがあったものの、『ひまわりの祝祭』でその実力を認めざるを得なくなった作家が、ぼくの中での藤原伊織。
デビュー作でやたら鼻についた団塊の世代への執着が、他の作品ではそれほど疎ましく思えなくなってきたことがその一つの理由である。もちろん作家の年齢と言うのはその作品に付き纏うかなり大きな要素ではあるものだし、完全に自分の世代や環境を払拭するする必要などは全くない。問題なのはその作家が持つ固有の世代を、他の世代である読者たちの大多数に普遍化できるかどうかなのだと思う。
この短編集はそのあたりの疑義をしっかりと瓦解させてくれるものだと思う。時には作家は長編以上に短編で力をはっきりと見せつけることがある。この作品集はそういう意味でまだ藤原伊織未読の方々に対してもお勧めできることができる佳品集であると思う。ストーリー・文体・情緒そしてリアリティの多くを兼ね備えて、さまざまな断面を見せてくれる、直木賞作家の名に恥じない一冊ではないだろうか。
(1999.02.11)
*雪が降る
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題名:雪が降る
作者:藤原伊織
発行:講談社 1998.6.15 初版
価格:\1,600
ぼくは比較的短編集というのが好きだし、ある意味で追っていこうと決めた作家であれば、その短編集も蔑ろにしたくない。追っていこうという意味においては『テロリストのパラソル』当時は迷いがあったものの、『ひまわりの祝祭』でその実力を認めざるを得なくなった作家が、ぼくの中での藤原伊織。
デビュー作でやたら鼻についた団塊の世代への執着が、他の作品ではそれほど疎ましく思えなくなってきたことがその一つの理由である。もちろん作家の年齢と言うのはその作品に付き纏うかなり大きな要素ではあるものだし、完全に自分の世代や環境を払拭するする必要などは全くない。問題なのはその作家が持つ固有の世代を、他の世代である読者たちの大多数に普遍化できるかどうかなのだと思う。
この短編集はそのあたりの疑義をしっかりと瓦解させてくれるものだと思う。時には作家は長編以上に短編で力をはっきりと見せつけることがある。この作品集はそういう意味でまだ藤原伊織未読の方々に対してもお勧めできることができる佳品集であると思う。ストーリー・文体・情緒そしてリアリティの多くを兼ね備えて、さまざまな断面を見せてくれる、直木賞作家の名に恥じない一冊ではないだろうか。
(1999.02.11)