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*書物の旅
#amazon(4062639815,right,text,image)
題名:書物の旅
作者:逢坂剛
発行:講談社 1994.11.30 初版
価格:\1,700(本体\1,650)
途中で、逢坂剛を読んでいるのか、逢坂剛描くところの現代調査研究所の岡坂神策が述べる意見を聞いているのか、わからなくなってきた。それほど、逢坂剛の趣味 ---- つまりスペインと古書趣味 ---- が詰まったエッセイ集。逢坂ファンには興味深いところだと思う。
ただやたらめったらいろいろなところから集めてきたエッセイ集だけあって、ときには業界誌、ときには文庫解説などからの一文まであり、ちょいと興を削がれる感じもあった。楽しいのは、西部劇趣味と書評のコーナー。逢坂剛がいかに本が好きであり、「自分が書く本は自分にとって面白い本」という一点にこだわる作家であるかがわかる。
副業作家としての最大のメリットは食う以上に趣味に走れることだと思う。逢坂剛の作品の面白さはそういう読者側からの視点を常に備えた二面的な作家であるというところに起因しているのだと、常々思うのだ。
(1995.01.11)
*書物の旅
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題名:書物の旅
作者:逢坂剛
発行:講談社 1994.11.30 初版
価格:\1,700(本体\1,650)
途中で、逢坂剛を読んでいるのか、逢坂剛描くところの現代調査研究所の岡坂神策が述べる意見を聞いているのか、わからなくなってきた。それほど、逢坂剛の趣味 ---- つまりスペインと古書趣味 ---- が詰まったエッセイ集。逢坂ファンには興味深いところだと思う。
ただやたらめったらいろいろなところから集めてきたエッセイ集だけあって、ときには業界誌、ときには文庫解説などからの一文まであり、ちょいと興を削がれる感じもあった。楽しいのは、西部劇趣味と書評のコーナー。逢坂剛がいかに本が好きであり、「自分が書く本は自分にとって面白い本」という一点にこだわる作家であるかがわかる。
副業作家としての最大のメリットは食う以上に趣味に走れることだと思う。逢坂剛の作品の面白さはそういう読者側からの視点を常に備えた二面的な作家であるというところに起因しているのだと、常々思うのだ。
(1995.01.11)