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**家族の名誉
題名:家族の名誉
原題:Family Honor (1999)
著者:ロバート・B・パーカー Robert B. Parker
訳者:奥村章子
発行:ハヤカワ文庫NV 2000.9.15 初版
価格:\780
パーカーがついに女性を主人公にして作品を書いた。過去にもチャンドラーの遺稿を引き継いで作品化したり(『プードル・スプリングス物語』)、チャンドラーの『大いなる眠り』の後日談を書いてみたり(『夢をみるかもしれない』)と、話題性には事欠かないタイプの作家であったけれど、マティズモを前面に押し出すタイプの探偵スペンサーの生みの親であり、ある意味で相当に男性主義的な作家であるこの人がフェミニストをヒロインに据えた小説というのは何よりも話題性においてビッグなものがある。
パーカー世界でのフェミニストと言えばスペンサー・シリーズの方のレイチェル・ウォレスを思い浮かべてしまうが、こちらの新しきヒロインであるサニー・ランドルは、どちらかと言えばスーザンに近いも!のがあるかもしれない。職業と私生活との両面において自立していながら、常に悩める女性としての存在。いつも何らかの問題を抱える日常。そうしてそうしたすべてと闘う職業選択。
女性版『初秋』という見方もできる。現代版『初秋』と言うこともできる。
きちんとした夫婦の形を成さない男女のかたちになぜかこだわるパーカー。ジェッシィ・ストーンのシリーズを思わせる、破綻仕切れぬ男女関係の未練もパーカーらしい。そしていつも感心するほどに整えられた名脇役の数々。舞台はスペンサーとだぶるボストン。パーカー・ファンなら垂涎もののシリーズが登場したというわけである。
**家族の名誉
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題名:家族の名誉
原題:Family Honor (1999)
著者:ロバート・B・パーカー Robert B. Parker
訳者:奥村章子
発行:ハヤカワ文庫NV 2000.9.15 初版
価格:\780
パーカーがついに女性を主人公にして作品を書いた。過去にもチャンドラーの遺稿を引き継いで作品化したり(『プードル・スプリングス物語』)、チャンドラーの『大いなる眠り』の後日談を書いてみたり(『夢をみるかもしれない』)と、話題性には事欠かないタイプの作家であったけれど、マティズモを前面に押し出すタイプの探偵スペンサーの生みの親であり、ある意味で相当に男性主義的な作家であるこの人がフェミニストをヒロインに据えた小説というのは何よりも話題性においてビッグなものがある。
パーカー世界でのフェミニストと言えばスペンサー・シリーズの方のレイチェル・ウォレスを思い浮かべてしまうが、こちらの新しきヒロインであるサニー・ランドルは、どちらかと言えばスーザンに近いも!のがあるかもしれない。職業と私生活との両面において自立していながら、常に悩める女性としての存在。いつも何らかの問題を抱える日常。そうしてそうしたすべてと闘う職業選択。
女性版『初秋』という見方もできる。現代版『初秋』と言うこともできる。
きちんとした夫婦の形を成さない男女のかたちになぜかこだわるパーカー。ジェッシィ・ストーンのシリーズを思わせる、破綻仕切れぬ男女関係の未練もパーカーらしい。そしていつも感心するほどに整えられた名脇役の数々。舞台はスペンサーとだぶるボストン。パーカー・ファンなら垂涎もののシリーズが登場したというわけである。