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*超老伝 カポエラをする人
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題名:超老伝 カポエラをする人
作者:中島らも
発行:角川文庫 1993.3.25 初刷
価格:\430(本体\417)
大笑い連作長編である。カポエラというのは南米の地味な格闘技であり、これの使い手の爺ちゃんが、特異な取巻き連を従えて、さまざまな現代の意匠と対戦して行くといった構図の、小説の形を借りたエッセイみたいなものだ。
全章に渡って登場人物たちの独白と言うスタイルが貫かれている。説明文というか、作者の客観的な文章は皆無。
さて、読み始めるとあまりに大笑いしてしまうシーンが多いので、電車の中には持ち込まないことにした。しかし、それ以上に、『ガダラの豚』に通じる習作的意味合いを多く感じた作品でもある。中でも、爺さんが対決する心霊術師とか説得の達人とかは、そのまま直結するものがある。
他にもマスコミを道具にした面白さ、相対性理論に迫るいたずら心など、ぼくは中島らもの多彩な方向性を曼陀羅のように楽しむことができて、大変興味深かった。でも最後は、寸断されたような終り方で少々唐突である。続編があればなあ、と思われる実験小説である。
(1993.06.05)
*超老伝 カポエラをする人
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題名:超老伝 カポエラをする人
作者:中島らも
発行:角川文庫 1993.3.25 初刷
価格:\430(本体\417)
大笑い連作長編である。カポエラというのは南米の地味な格闘技であり、これの使い手の爺ちゃんが、特異な取巻き連を従えて、さまざまな現代の意匠と対戦して行くといった構図の、小説の形を借りたエッセイみたいなものだ。
全章に渡って登場人物たちの独白と言うスタイルが貫かれている。説明文というか、作者の客観的な文章は皆無。
さて、読み始めるとあまりに大笑いしてしまうシーンが多いので、電車の中には持ち込まないことにした。しかし、それ以上に、『ガダラの豚』に通じる習作的意味合いを多く感じた作品でもある。中でも、爺さんが対決する心霊術師とか説得の達人とかは、そのまま直結するものがある。
他にもマスコミを道具にした面白さ、相対性理論に迫るいたずら心など、ぼくは中島らもの多彩な方向性を曼陀羅のように楽しむことができて、大変興味深かった。でも最後は、寸断されたような終り方で少々唐突である。続編があればなあ、と思われる実験小説である。
(1993.06.05)