エンドブレイカー小説“真の終焉へ導く者”

エンドブレイカー小説“真の終焉へ導く者”は2011年1月に発売されたランスブルグを舞台とした小説。
執筆は藤澤さなえさん、イラストは左さん。


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関することが書かれています。




概 要

2011年1月に発売されたエンドブレイカー初の小説。
不吉な未来が見える不思議な力を忌み嫌っていた少女リルのエンドブレイカーとしての成長と、それを支える大剣使いのおじさんヴェダの物語。この二人がランスブルグを駆け巡り、出会った人たちと交流しながら成長し困難を解決していく。
「ランスブルグに行って、その場の空気を吸えるような小説」をテーマに世界設定を丁寧に画いた上に「見えない運命と戦う女の子が、大人の世界に触れる」物語を展開させている。
そのテーマどおり、これまでPBWやルールブック上で「説明」しかなされていなかった部分が丁寧に描写され、登場人物を通じて世界が感じられるように表現されている。

あらすじ

ランスブルグの放置区域ロシュトに住む少女リルは相手の瞳から不吉な未来を見ることができる能力を持っていた。見えた未来は現実となるためそれを見ることを嫌うリルだったが、ある日知り合いがこうもりの羽を持ったピュアリィに殺される未来を見てしまう。
退治に行くティートについていき、見てしまった未来が実現する前にそのピュアリィを倒すことが出来たリルだが、次に見えたのはマスカレイドと化したティートの姿だった。
リルはティートをマスカレイド化させないためにピュアリィとの戦いで知り合ったヴェダと共にティートの向かった玉壁街へと追いかけるのだった。

舞 台

山斬烈槍ランスブルグが舞台。
最下層の街から最上階の玉壁街まですべての階層が登場する。階層を移動する描写もあるのでどのように行き来をしているのかがよくわかる。

登場人物

  • リル
    本作の主人公。ルーツ:スカードのエンドブレイカー。癖のある赤毛が特徴的な少女。
    数年前に大きな怪我をしてから他人の不幸な未来を見ることができるようになり、その力を忌み嫌っている。ティートがマスカレイド化する未来を見たため、それの阻止のため旅に出る。
    ナイフを持っているが戦闘に関しては素人。
  • ティート・メルキ
    リルの幼馴染。ラシェルトンに仕える城塞騎士の一人。短い金髪、日に焼けた肌、緑の目が特徴。
    二十歳に満たない少年だが、背も高く城塞騎士の格好もあって頼もしげに写る。
    ピュアリィ退治の後、玉壁街へ向かう領主ラシェントンの一行に参加することを命じられたためそれに同行する。
    リルをなにかと気にかけている。
  • ヴェダ・ローイズ
    大剣を持ったランスブルグの外からやってきたという旅人。白金髪の髪。無精髭を生やした四角い顎。堀の深い顔立ちで不思議な色合いの瞳が印象的で存在感のある30過ぎのおじさん。リルと共にティートを追う旅に出る。
  • テオバルド・ラシェルトン
    ラシェルトン領主の兄で星霊学士協会に勤める建設士で星霊術士。年齢は30過ぎころ、大きな鉤鼻で、目じりに皺のある優しい目をしている。女王騎士の遺物を祀ってるという塔を見て回って研究しているらしい。
  • ランダスタ・ラシェルトン
    第三階層石壁の街に領土を持つ領主。テオバルドの弟に当たる。
  • アドレ
    劇団ローズランス座長。“花の通り道”でも人気が高く、その名声は玉壁街の貴族から声がかかるほど。
    魔曲使いとしての実力も高い。
  • カーマ
    劇団ローズランスの団員の一人。
  • アイシャ
    劇団ローズランスの団員の一人。
  • ニニカ
    フロアーナをまとめる黒いローブを着た老婆。巫女という立場にあるらしい。
  • レィエンIII世
    ランスブルグを統べる現国王。
  • ユベーメル公
    第三階層石壁の街に領土を持つ領主。
  • ロン
    ロシュトに住む少年。アレックス、デーと親しい。
  • アレックス
    ロシュトに住む少年。ロン、デーと親しい。
  • デー
    ロシュトに住む少年。ロン、アレックスと親しい。
  • ノス
    旅を共にするオオトカゲ。

登場する地名

玉壁街
ランスブルグ最上階である第一階層の総称。王侯貴族が主に居を構えており、ここから領地を治めている。
鉄壁街
ランスブルグ第二階層の総称。星霊学士協会本部や紋章院のあるアカデミック街やランスブルグ随一の繁華街“花の通り道”がある。
  • アカデミック街
    鉄壁街にある星霊学士協会本部のある街。魔想紋章士になるための学院である紋章院もあり、ランスブルグの知識が集まっている。
  • 花の通り道
    鉄壁街にあるランスブルグ随一の歓楽街。
石壁の街
ランスブルグ最下層である第三階層の総称。ランスブルグは横に広がっているため最も広い階層。
  • ロシュト
    第三階層にあるリルの住む放置区域に指定されている街。元はラシェルトン領の街だったが数年前に放置区域に指定され寂れてしまった。
  • ラシェルトン領の街
    正式名称不明。第三階層にある貴族ラシェルトンの治める街。明るい色合いの建物が多く、今なお新しい星霊建築の建物が建てられ発展している。
  • エッテン自治区
    鉄壁街から南の関所を下り第三階層の南にある自治区。
  • フロアーナ
    鉄壁街から東の関所を下り第三階層にある街。古い土地で現在は放置区域になっている。



メディアミックス
ランスブルク 小説 真の終焉へ導く者
リプレイ 天槍の街、空駆ける少女 → 悪逆の仮面、探求者の系譜 →
→ 悠久の王都、福音を運ぶ者たち
アマツカグラ リプレイ 神の都といばら姫

外部リンク


関連項目

最終更新:2011年03月05日 11:45