一応補足。  独と参謀は女で男はもちろん男  男は閣下の前では一人称「私」    妄想wや参謀相手の時は「俺」  年齢は勝手に考えて  ○○国は決して日本ではないニダ!陸続きの隣国だと思っといて  台詞中心の作品にしたかったので所々説明が足りない所もあるかも  他にも、たぶん突っ込みどころ満載だが気にするな ----------------------------------------------------------------------------------  「私は、閣下に伝えなければならない事があります。」   言葉にしなきゃいけない気持ち。   言葉に乗せて届けなければいけないこの想い。  「私は…私は…   …。   …事の始まりは一週間前…  独 「暇だ暇だー!わらわは暇すぎて死んでしまうぞ!」  男 「お言葉ながら閣下。暇すぎて死ぬ事はございません。」  独 「うるさいうるさい!とにかく暇なのだ!」  男 「暇と言うのは平和である証拠。私はこうやってのんびりと閣下と過ごすこの時間をとても大切に思いますよ。」  独 「(//////)だ、だまれ!貴様その様な事よくもぬけぬけと!」  男 「私は思ったことを言ったまでです。」  独 「も、もう良い!わらわは昼寝をすることにする!」  男 「そうですね。たくさん寝て早く大きくなってください。」  独 「子ども扱いするなー!」   いつも通りのやり取り。俺はこのやり取りがいつまでもずっと続くものだと思っていた。   しかしその「日常」は一人の客人によって見事に打ち砕かれた…。  参 「閣下。表に隣国○○国の使者と申すものが来ておりますが…。」  独 「○○国か…。わらわはあの国は嫌いだ。あの国の王、麻生がどうも好きになれん。」  男 「しかし閣下、今わが国にとって○○国からの援助が無くなるのは大きな痛手に…」  参 「そうですね。もし経済制裁でも発動されたら多くの国民が飢えに苦しむ事になります。」  独 「そうか。ならば仕方あるまい。その者を通すが良い。」  参 「はっ。」  男 「…。」   そう…この時から、俺はなんとなく嫌な予感がしていた。  使者「ご機嫌麗しゅう、閣下殿。閣下殿の御高名は…」  独 「挨拶はよい。内容だけ話すのだ。簡潔にな。」  使者「…。それでは単刀直入に申し上げます。我が国の王、麻生が閣下に結婚を申し込みたいと申しております。」   結婚…閣下が?     時間が止まったかのようだった。   俺は頭が真っ白になって…でも胸の鼓動は信じられないくらい早くなっていた。  参 「なっ!」  男 「何をバカなことを!もう一度言ってみよ!」  使者「閣下殿も齢十六になられたと聞きます。もう立派な女性でしょう。ですから…」  男 「貴様―!」   気が付くと俺はその男の胸倉を掴んでいた。   しかしその男はニヤニヤ不気味な笑みを浮かべながら言った。  使者「おやおや、良いのですか?この国は我が○○国の援助無しでやっていけるのですか?」  男 「くそっ!」  参 「…汚い…。」  独 「男。手を離せ。」  男 「しかし!」  独 「離せと言っている!」  男 「…はい。」   静かに俺は手を離した。  使者「ごほん。ではまた数日後にお返事を聞きに…」  独 「その必要は無い。わらわは…わらわはその求婚受ける事とする。帰ってそなたの国の王に伝えよ。」  参 「そ、そんな!」  男 「閣下!考え直してください!」  独 「良いのだ。もう決めた事だ…。」  男 「しかし閣下!」  独 「黙れ!…これで…これで良いのだ…。」  参 「…。」  男 「…。」  使者「では王にそう伝えておきます。婚礼の儀は一週間後になりますので、当日に迎えに参ります。」  参 「そんな!急すぎます!」  使者「ちょうど一週間後が王の生誕祭なのですよ。その時、一緒に婚礼の儀を行いたいと王が申してますので。」  男 「くそっ!初めから全部仕組まれてたのか。」  独 「…承知した。では一週間後、迎えをよこせ。」  使者「はっ。ではまた一週間後。失礼します。」   使者が去っていく様を、俺はただただ見送る事しか出来なかった。  参 「閣下!本当にこれでよかったのですか!?」  独 「…仕方ないだろう。政略結婚なんて良くある事だ…。いつかこんな日が来ると…覚悟はしていた…。」  男 「…。」   閣下は震えていた。そんな閣下に…俺は何も言えなかった。   その後、閣下は一人で部屋に閉じこもってしまい、俺は参謀と二人、   テラスで夕暮れの街を眺めていた。  参 「はぁ。まさかこんな事になるなんて…」  男 「あぁ。そうだな…。」  参 「こんなのってあんまりよ。麻生の奴あったまきちゃう!」  男 「あぁ。そうだな…。」  参 「閣下も閣下よ!あんなの断っちゃえばいいのに!そりゃ経済制裁は困るけど…でもでも!」  男 「あぁ。そうだな…。」  参 「男君?」  男 「あぁ。そうだな…。」  参 「…。」  男 「…え?あ!そ、それで…なんだっけ?」  参 「んもぅ!全然聞いてない!閣下の事考えてたんでしょ!?」  男 「い、いや、そんな別に…そんな…。」  参 「顔に書いてあるよ?まったく。」  男 「ご、ごめん。」  参 「…男君。閣下の傍に居てあげたら?」  男 「…。でも俺…閣下になんて言ったら良いのかわかんない…」  参 「別にわからなくたっていいじゃない。言葉にしなくたって…伝わる気持ちはあるはずだよ…。」   …。  男 「参謀…。ちょっと俺、いってくる!」     タッタッタッタッタッタッタ  参 「…私の気持ちは男君に伝わんなかったみたいだけどね。はぁ…。」   閣下の部屋の前に立つ。心臓がバクバク言ってるのは   今走ってきた所為だろうか。それとも…。     俺は静かにドアを叩いた。   コンコン。  独 「誰だ。」  男 「閣下、私です。」  独 「男か…入れ。」  男 「はい。失礼します。」   静かにドアを開けると、すでに寝巻きに着替えた閣下がベッドに潜り込んでいた。  独 「わらわは今は誰とも話したく無い気分だ…。」  男 「…。」   沈黙…。  独 「しかし…誰かに傍にいて欲しい。」  男 「…私でよろしければ。」   俺はベッドで横になっている閣下の手を握った。  独「…。」  男「…。」   閣下の手は、とても小さくて…暖かかった。   『言葉にしなくても伝わる気持ち』…か。   俺はぼんやりとそんなことを考えたまま眠りについていた。  独 「こら!男!」  男 「ん〜むにゃむにゃ…。後五分…」  独 「いつまで寝ておる!後十分で定例軍事会議が始まるぞ!?」  男 「ん…。かっ…かぁ?」     寝ぼけた目で辺りを見渡すと、いつも通りの閣下。そして時計…  男 「のわぁあああ!もうこんな時間!あ、そんな事より、かかか閣下おはようございます!」  独 「ふふふ。男、涎が垂れておるぞ。」  男 「はっ!すすすすいません!!」   わしゃわしゃと顔を拭っていると…      『ぐー』   …。お腹の虫。それも二人分の。  男 「そういえば昨日は夕飯食べてませんでした…。」  独 「わらわもそうであった…。」  独 「クスっ…」  男 「ははは…」  独「ふふふふふっ!」  男「ははははははははっ!」   俺はなんだか急に気が抜けて、閣下と二人大笑いしてしまった。  独 「ふふ、もうアレだ、会議は時間をずらして、今は朝食を取る事としよう。」  男 「はは、そうですね。では食堂に参りましょうか。」   俺は閣下の手を取り、そのまま歩き出した。  独 「(/////)男…、その…手…。」  男 「まぁ少しくらいいいじゃないですか。」  独 「し、仕方ない、許可してやる!」  男 「光栄です。」   そのまま閣下の手を引き、俺たちは食堂に向かった。   それからの一週間は…驚くほどいつも通りだった。   俺も閣下も参謀も誰一人婚礼の儀の事は口に出さなかった。   いや、出したくなかったのだろう。それを口に出せば…「日常」が壊れてしまいそうで…。   いつもと同じはずなのに…どこか違う「日常」。     そして…とうとう   婚礼の儀前夜。  参 「閣下…明日の予定をお伝えいたします…。」  男 「…。」  独 「…。頼む。」  参 「…。はっ。明朝、護衛の車にて○○国へと向かいます。おそらく○○国の群集が閣下を迎え、     歓迎セレモニーが行われるものと。」  男 「…。」  独 「…。それで?」  参 「そのまま生誕祭の会場まで車で直行する事になると思います。     そこで生誕祭パレードに参加し、そのあと夜から…、その…。」  男 「…。」  参 「…。」  独 「わかった。もう良い。二人とも今までご苦労であった。     明日からこの国には○○国から派遣され新たな指導者がやってくるだろう。     その者の下でも立派に働き、この国を守ってくれ…。この国の事は…任せたぞ。」   …。   そんなの…そんなの嫌だ!  男 「私は…、私が忠誠を誓ったのは閣下だけです!他の者の下に仕えるなど考えられません!」  参 「私だって。やっぱり…こんなの間違ってる!」  男 「国民だってわかってくれるはずです!今からでも遅くない!婚約は…」   俺は拳を握り締め、参謀は涙を流し閣下に訴えた。   しかし、俺たちは閣下を見て言葉を失った。  独 「うっ…うっ…。二人には感謝している…。二人がいなかったら…     わらわはここまでやって来れなかった…。うっ、ひぐっ…。     そんな二人だからこそ…うっ、わらわは国を託すのだ!…わかってくれ!」   泣きながら訴える閣下。俺もいつの間にか泣いていた。       そうしてしばらくして…。  独 「そうだ、最後にお前達に命令がある。」  男 「は、はい!」  参 「なんでしょう?」  独 「話がしたい。…その…最後の夜は…二人といっぱい話しておきたいのだ。」  男 「そんなの…お安い御用ですよ!」   参 「では宴会をしましょうか!私お酒持ってきます!あ、もちろん閣下はジュースですからね!」  独 「子ども扱いするなといってるだろうが!…。でも…ありがとう…。」   俺たちは閣下の部屋に移り、ずっと思い出話を話していた。   話し始めればキリが無かった。   元々閣下の世話係だった俺と参謀は、幼い頃の閣下のいたずら話や、   恥ずかしい過去なんかを話して閣下をからかっていた。   そのたびにほっぺをふくらませて怒る閣下を見て二人は笑い続けた。     この閣下の姿を心に焼き付けておかないと…。     そして夜も更けた頃、序盤から大量に飲んでいた参謀はすでに爆睡していた。  参 「…zzz…zzz」  独 「よく寝ているな。」  男 「参謀は元々酒は弱いですからね。」  独 「そうか。」   …。   少し閣下はさびしそうな顔をする。   この顔…閣下は俺が参謀の話をするとたまにこんな顔をする…。  独 「男。」  男 「はい?」  独 「お前は以前言ってくれたな。『閣下と過ごすこの時間をとても大切に思う』って。」  男 「はい。言いました。」  独 「わらわも同じ想いだ。そなたと共にいる時間が…わらわにとってかけがえの無いものだったんだぞ(/////)」   窓から射す月明かりに照らされた閣下の横顔は…美しかった。   ついこの前まで子供だと思っていたのに…。   さっきからうるさかった胸の鼓動は酒の所為だけでは無いみたいだ。  男 「そのような言葉…ありがたき幸せ。」  独 「だから…この一週間、いつも通りに過ごす事が出来てわらわは本当に幸せだった。」  男 「はい。」  独 「だから…ありがとう。」  男 「…」   次の瞬間俺は閣下を抱きしめていた。  独 「!」  男 「…非礼をお許し下さい。…でも今だけは…。」  独 「…許可する。」   俺は力いっぱい閣下を抱きしめた。   閣下が泣いているのがわかったから。   この一瞬だけでも…閣下を全てから守ってあげたかった。  独 「…男。お前に捧げたいものがある。初めては…お前に…」  男 「はい。」   閣下の唇は涙の味がした。   翌日   閣下は朝早くこの国を去っていった。   閣下は最後、笑って護衛車に乗り込んでいった。   めったに笑わない閣下が…。     俺は胸にぽっかりと穴が開いたような気分で、残務整理をしていた。   これから新しい誰かががこの国を支配していく。引継ぎやなんかで忙しくなりそうだな…。   でも、手を動かしていた方が気分が落ち着くだろう…。     そんなことを考えていると、  参 「男君はこれで良かったの?」  男 「!?」   いつの間にか参謀が後ろに立っていた。  男 「閣下が決めた事だ。俺はそれに従う…。」  参 「男君…。嘘ついてる。」  男 「え?」  参 「自分の気持ちに嘘ついてる!」   自分の気持ち?   …閣下…閣下…。     …そうか。俺、閣下の事…。  参 「言葉にしなくても伝わる気持ちも有るけど…言葉にしなきゃいけない気持ちだって有るんじゃないかな…。」   そうだ。俺まだ伝えてなかった。閣下に。大事なコト。  男 「伝えなきゃ…。俺、伝えに行かなきゃ。」  参 「そうこなくっちゃ。表に車を用意してあるわ。○○国の国境警備隊の方は私が何とかしておくから。」  男 「何から何まで…すまない。じゃ行こう!」  参 「私はまだちょっとやる事があるから…、先に行って!あとで必ず追いかけるわ。」  男 「?…わ、わかった。参謀、お前が仲間で本当に良かった!行ってくる。」   参謀から荷物一式を受け取ると俺は走り出した。    参 「仲間か…。それでいいんだよね。…昨夜あんな場面見せられちゃね。     …って、失恋に浸ってる場合じゃないわ!私は私の仕事を。」   参謀のお陰で国境はすんなり越えられた。隣国○○国の首都は近い。   もう日も傾きかけている。間に合ってくれ!   ○○国首都に到着すると、まだ生誕祭の最中だった。   何とか間に合ったようだ。   場所は知っている。あとはどうやって潜り込むかだ。   …。   俺はそこで参謀から受け取った荷物を空けてみる。  男 「こ、これは…」。   そこから出てきたのは○○国の軍服だった。  男 「参謀…ありがとう。帰ったら上手い飯でも奢ってやらなきゃな。」   俺はそっと呟き、軍服に着替えた。  男 「おい、交代の時間だ」   軍人「交代?そんな話聞いていないぞ?貴様、見ない顔だな…。」  男 「さっさと交代すりゃいいんだよ!」   俺は軍人のみぞおちを目掛け、思いっきり拳を突き出した。  軍人「ぐっ!くせ…も…の…。」   バタッ。  男 「よし。この奥に…閣下がいるはず…」   ゴクっ。俺は息を呑んでそのドアノブに手を掛けた。   ガチャ。  独 「なんだ?言われたとおり着替えたぞ。これで良いのだろう。」   そこに居たのは…ウエディングドレスに身を包んだ…閣下だった。  男 「…。」   俺は言葉を発する事が出来なかった。       閣下が…余りにも美しかったから…。  独 「おい、軍人。これから婚礼の儀に向かうのであろう。早く連れて行け。」  男 「閣下…。私です。」   俺は深く被っていた軍の帽子を脱いだ。  独 「そ…そんな…。ウソ…男…。」     閣下は大きな瞳からぽろぽろと涙をこぼした。  男 「迎えに参りました。閣下」  独 「うっ…うっ…ば、ばかぁ…迎えに来るなんて…。ばかぁあああああ!」   そういいながら閣下は俺の胸に飛び込んできた。  男 「よく頑張りましたね。」  独 「ぅ…う、うぐぅ…。ひっく…。」  男 「私は、閣下に伝えなければならない事があります。」  独 「ぅ…ひぐぅ。な、なんだ…。い、言ってみよ…。」   言葉にしなきゃいけない気持ち。   言葉に乗せて届けなければいけないこの想い。  男 「私は…私は…閣下のことが好きです。愛しています。     国民の事とか、国の事とか、もうそんなことはどうでもいいんです。     貴女が居てくれないと…私が、いや、俺が困るんです。     ずっと…ずっとずっと俺の傍に居てください!」  独 「…『俺』って初めて聞いた…。」  男 「非礼は承知の上です。」  独 「いや、良い。また好きになった…。わらわも…いや、私も貴方を愛している。」   二人どちらともなく唇が重なり合う。     時間が止まった様な気がした…。     閣下の唇はやっぱり涙の味がした。    『ウーッ!ウーッ!』   その時警報がけたたましく鳴り響いた!  男 「早いところここから脱出しましょう!」  独 「そうだな。」  男 「あ!その前にもう一つ、閣下に申し上げなければならないことが…。」  独 「なんだ?」  男 「そのお姿、大変お美しゅうございます。」  独 「(/////)!ばっ…!何を急に!」  男 「言いたくなったから言ったまでです。さ、参りましょう!」  独 「(/////)お前って奴は…。」   男 「〜♪」     俺は閣下の手を取り窓から外に飛び出る。   閣下もしっかりと俺の手を握り返し、後に続いた。       俺と閣下は車を置いて来た場所に向かって必死に走った!   しかし…  男 「くそっ!車が無くなってる!」   軍人「いたぞ!あそこだー!!」  独 「男!追っ手が来たぞ!」   ちくしょう!ここまでか。     半ば諦めかけたその時!   キキーッ!!   真っ黒い車が俺たちの前に停まった。  ??「早く乗って!」  男 「お前は!?」  独 「参謀!」  参 「いいから早く乗って乗って!」   俺と閣下はそのまま後部座席に乗り込む。    参 「行くわよぉー!しっかりつかまっててね!」   参謀は猛スピードでその場を立ち去った。  男 「それにしても危なかった…。」  独 「良いタイミングであったぞ、参謀。褒めてつかわそう。」  参 「もったいないお言葉です。しかしお二方…いつまで手をつないでるんです?」  男 「(////)!」  独 「(////)!」   ばっ!   二人一斉に手を離す。  参 「ふふふ。別に構わないですよ?」  独 「ば、ばか!からかうでない!」  男 「そ、そうだそうだ。」  参 「…その様子だとちゃんと伝えられたみたいね、男君。」  男 「あぁ、色々すまなかったな。」  参 「いえいえ、どーいたしまして。まったくもぅ。」  独 「?」  男 「それにしてもこれからわが国はどうなるんだ…。」  独 「…。そうであった。わらわが逃げ出したとなると、○○国からの援助はもう…。」  参 「閣下、遅ればせながら報告させていただきます。」  独 「なんだ?申してみよ。」  参 「この度の○○国王、麻生の資金援助を盾にした卑劣な閣下への求婚を国連に報告させていただきました。」  俺 「な、なんだって!?」  独 「…続けよ。」  参 「はい。ブッシュを始め各国の代表が麻生のやり方に抗議しております。     ○○国もこれで援助を打ち切るような事をすれば更に各国からの非難を浴びる事になるでしょう。     ですから、援助は無くなる事は無いと思われます。ご安心を。」   なるほど。そんなことしてたから遅れたわけか。参謀…大した女だ…。  独 「参謀…。」   ぎゅ!    後ろから運転中の参謀に抱きつく閣下。  参 「かか、閣下!?」  独 「参謀!お前も、大好きだぞ…。」   参 「…もったいないお言葉。閣下…私も大好きですよ。」  男 「それにしてもよくそこまで上手くブッシュ達を動かせたなー。」  独 「うむ。確かに…。」  参 「あら?閣下は思ってる以上に各国の代表に人気なんですよ?     ブッシュなんか『独タンに手を出す奴はゆるさないぞー!』とか張り切っちゃって…。」    男 「なんだかなぁ…。」   そのまま車は国境を越え、祖国の首都に到着。   そこには数え切れない程の群集が集まっていた。  国民 『うぉー!帰ってきたぞぉー!!』     『お帰りなさい!!!!』     『閣下!閣下!閣下!閣下!』   国民もみんな心配してたんだな。相変わらず閣下の人気は凄い。   閣下もその声に答えるように窓から身を乗り出して手を振っていた。  独 「もう二度とこの国の土を踏む事は無いと思っていたが…。やはり良いものだな。祖国というものは。」  男+参「お帰りなさい!閣下!」  独 「…ただいま!」       数日後…。  独 「暇だ暇だー!わらわは暇すぎて死んでしまいそうだ!」  男 「お言葉ながら閣下。暇すぎて死ぬ事はございません。」  独 「またそれか!あー暇だー!」  男 「暇と言うのは平和である証拠。私は再びこうやって閣下と過ごせる事を幸せに思います。」  独 「…そうだな。わ、わらわもそう思うぞ…。」  男 「閣下…。」  独 「男…。」  参 「あのー…私も居るんですけど…。」  男 「閣下…。」  独 「男…。」  参 「あららー。二人の世界に入っちゃってるわ…。こうなったら、ポチッとな!!」       『私は…私は…閣下のことが好きです。愛しています。     国民の事とか、国の事とか、もうそんなことはどうでもいいんです。』       …ん?参謀の持っているスピーカーからなにやら聞き覚えのあるセリフが。    『貴女が居てくれないと…私が、いや、俺が困るんです。     ずっと…ずっとずっと俺の傍に居てください!』  男 「っておい!!!なんでこんなもん録音してあるんだよ!」  独 「(/////)!」  参 「いやー実はあの荷物の中に盗聴器なんか仕掛けちゃったりして…。」    『私は…閣下のことが好きです。愛しています。     国民の事とか…』  男 「だぁーーーー!(/////)!何でも良いからもうそれ止めろーーー!!」  参 「ほほほほほ!私を無視した罰ですのよー♪」  男 「待てーーーー!こらーーー!!」  独 「(/////)…後であの音源もらおっと…。」   …。   繰り返されるいつもの「日常」。   その「日常」は   いくつかの小さな変化を伴って   再び動き出す。   小さな変化は   大きな変化に姿を変え   「日常」を更に変化させる。   しかしそれもまた「日常」。   まぁ何はともあれ   この国は今日も平和みたいです。          お   し   ま   い