夏の盛りな香川県、Z市。
「ぬがー!やっと着いたぞー!」
苦楽を共にした自転車から降りると、その場にへたり込む。俺は昼下がりの蝉時雨を体いっぱいに浴びながら壮快な気分に浸っていた。

もともと自転車旅行は好きだったが、先輩に勧められたAIRというエロゲーをプレイして感動。
即日これを心の聖書に制定すると共に『こんな景色の場所に行きteeee!』と心に決めたところ、Z市にいる先輩から
「夏休みだし、こっち(Z市)来てみるか?www」
「明日から自転車で野宿しながら行きます。」
「ちょwwwおまwww」
両親を説き伏せ、荷物をまとめていざゆかん!

AIRのサントラを聞きながらひたすら自転車をこぎ、パンクや水不足に苦しみながらもバイク用のツーリングマップルを頼りにようやく到着した目的地。

夕闇に包まれ出した町を見ながら
「こっちの地方はなかなか日が沈まないんだな…遠くまで来たんだ…」
などと感慨にふける俺、若いなあ。
「うーむ…今晩はどこで寝ようか?」
今まではバス停、防波堤、神社の境内、海岸のベンチとまったくもって浮浪者同然の宿泊場所だった。


寝る場所を求めてフラフラと巡っていると、幻想的な風景に出くわした。
夏祭りの準備だろうか―――神社の鳥居から境内に続く参拝道の両端に竹の棒が四本ずつ渡されている。
それぞれの棒に敷きつめられたかのように赤提灯がぶら下がり、薄ぼんやりとした光を放っている。
自転車を押してその道を歩いていくと、高くそびえ立った木々から降りしきるひぐらしの声…。
まるでこの神社を別の世界に切り離しているような感覚がした。

「…ここに泊まらせてもらうか」
参拝をして、神様に一晩の宿を借りたい旨を伝えると境内のわきに寝袋を敷いて寝る準備をした。
自転車その他諸々を境内の横に停めて銭湯に行く。

銭湯から帰ると、野良犬が俺の自転車のそばをウロウロしていた。人懐っこく、頭を撫でるとすり寄ってきたりごろごろと腹を見せて転がったりとかわいい犬だった。

―――夜。
境内で大の字になって俺は寝ていた…が、なにやらうるさい。
何かを嗅ぐようにクンクン音がした後、ペロリと顔面を舐められた。我慢。
すると股間からぴちゃぴちゃと水音がする。我慢…だが、体は正直だったようだ。
「…もういいだろう」と声がすると、ぬぷと俺の息子がなにかに包まれる感触。

「ふぁっ!な、なんだ…?」
強烈な快感と共に目が覚めた俺に飛び込んできたのは、俺に跨って腰を振る…女の子?
でも、耳と尻尾はなんだ?
「あ…すまない…くぅ…起こして…ぁ…しまったか」
言葉とは裏腹にぐちゅぐちゅと腰をくねらせて肉棒の感触を楽しんでいる。
「はぁっ!あぁ…すごく熱くて…硬いぞ…」
彼女が腰をグラインドするたびに締め付けられ、肉ひだにしごかれる。
「――――っ!くあっ」
「貴様…あっ…童貞だろう?」

ぼん!と顔が赤くなる。
「違う!っく…彼女だって…おるし」
「ほう?貴様のここは…ふぁ…童貞そのものの硬さだが…あっ!」
急激に締め付けられる膣壁。
「くぅぅ…」
びゅく、びゅくと精を放出する。犬娘は子宮にかけられる精子の熱さに身を震わせていた。
「はぁぁ…熱い…孕みそうだぞ」
「でも…まだだ。んっ」
ぐりゅりゅっ!と繋がったまま後ろを向く。
「―――ぐっ!」
「ふふっ、どうした?出したばかりなのにこんなに硬くして…もっとしてほしいのか?」


「ち、違うっ!俺はただ…」
「ほう?まだ理性が残ってるか」
言うなり尻尾をパタパタと振ろながらゆっくりと腰を上下させる。
「いい加減に―――んく!」
悪態をつこうとした俺の口が誰かに塞がれ、口内が舌に蹂躙される。
「んー!んくー!――――…んぅ」
なすがまま舌にかきまわされ、意識が朦朧としてくる…目をやると、唇から糸を引いてもう一人の少女が顔を離す所だった。

「ふうっ!ジロちゃんだけには楽しませないよーだ!」
「…コロか。先に楽しませてもらってるよ。」
コロと呼ばれた犬少女はところどころ黒混じりのジロとは違い薄い茶色の耳と尻尾を持っている。
彼女はおもむろに自分の股間に手を伸ば自慰を始める。
「ん、はぁ…ジロちゃん、すごくエッチだよぉ…」
彼女は頬を上気させ、舌を出して身悶えしている。くちゅくちゅ、じゅぷじゅぷとした水音や肉を打ち付ける音。
おまけにどこか本能を刺激される匂い…快楽と興奮とが入り混じって混乱してくる。

「ん…ふぅ、コロはな。他犬の…ふぅっ…!交尾を見ながら…自分を慰めるのが一番好きなんだぞ?くぅ…貴様と私との交尾で発情する淫乱な牝だ。」
「が…ぅ…ぐ」
蕩けそうな意識を向けるとコロはギラギラとした"獣の目"でこちらを見ながら自慰にふけっている。半開きの口から舌を垂らし、ハッハッと息遣いだけが聞こえる。
ジロは背を向けて尻を打ち付けている。コロは声も出ないほどによがり狂っている。
我慢できずにびゅるびゅると精を出す。もっと…もっと!と獣がめちゃくちゃに犯す。
肉が蠢き、扱き、搾り出す。
満月の夜は長い…。


「って、暑いんじゃ~!」
じりじりと照らす太陽光線に焦がされて起きる夏の朝。ふと―――真夏の夜の悪夢がよぎる。
なんだ夢か…と手を大の字に伸ばすと何やらふかふかとした手触り。右見て左見てもう一度右。
右に犬の顔、左に犬の顔。
「………」


両側からべろりと顔を舐められた、そんな夏の日のこと。




―――数ヶ月後

○○方面隊総監部と書かれた封筒が届いた。中に入っていたのは『入隊☆通知♪』…つまるところの赤紙だ。
「前期教育課程はZ市Z駐屯地の第111教育大隊第322共通教育中隊にて行います」

去年自転車で行った所か。青春だったなあ…。
ふ、と悪夢を思い出しかけて心がそれを押し込む。

あっという間に4月→故郷を離れて教育隊に→入隊式を終えて最初の外出~☆

着慣れない制服に袖を通して駐屯地を出ると、どこか懐かしい雰囲気が漂う神社を見つけた。
何かが頭をよぎり、消える。

参拝しようと境内に向かうと2人の女性が参拝道をこちらに歩いて…来…る?
なんだろう?…不思議な感じがして歩みを止めるとすれ違いざまに声をかけられる―――

「…おかえりなさい」

振り向くとそこに人の姿はなく、二匹の犬が歩いていた…。


真夏の夜の夢は続く

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最終更新:2007年01月15日 11:56