「わ~い」
「ほら、あまり一人で進みすぎないでよ?」
 自然あふれる山々に囲まれた、とある山の中にある川。
 日に照らされ水が光っている川の中を、白い猫のような尻尾を生やしている少女が楽しそうに水で遊んでおり、その少女を一人の少年が後を追う。
 少年、優奈と少女、白虎は他の四神達と共にある依頼を受けこの山へと訪れていた。
 その依頼とは、この山々のどこかに出没するという化け物を退治するといったもので、途轍もなく広いので3手に分かれて捜索中であり優奈は白虎と一緒に探している。
 元々一人でやろうとしていた仕事であったが、四神達がどうしてもと言うので、優奈は連れてきており優奈の手には愛刀の魂剛。
 現段階では何も感じておらず震えていないので、優奈もいつもの優しげな表情。
 仕事なんて忘れたように川の中で遊んでいる白虎の傍に優奈は近寄っていくと、白虎に川の中に引きずり込まれお互いびしょ濡れになった。
「あはは~♪ ゆーなびしょびしょ~」
「白虎、もうだめだよ」
 川の中で優奈と白虎は笑っていた。
 お互い川から上がり、火を熾して服を乾かしている。お互い背を向き合いながら。
「くちゅんっ!」
「あ、大丈夫ゆーな? ごめんなさい」
「い、いいよ別に。今日は天気もいいし服もすぐに乾くと思うから」
 尻尾をいじりながらしゅんとする白虎に、優奈は笑って見せると白虎も笑顔を見せた。
 しばらくして、白虎は優奈の背中にもたれながら寝息を立てていた。。
 優奈の耳には川のせせらぎと木々が風で鳴る音、火が燃える音だけが聞こえ、優奈は白虎とであった時の事を思い出していた。
 他の四神と出会うきっかけを作った頃の事を。


「ここ、ですか」
「あぁ」
 それは今から数ヶ月前のこと。
 優奈は、親戚で同じような仕事をしている神崎和魔とそのパートナー蝙蝠のヘルと、ある洞窟に前に立っていた。
 その時も化け物退治という依頼内容で、雲はまるで漆黒のように黒く雷が鳴っている。
「ひゃんっ! かみなりこわ~い」
「っるせー! どさくさに紛れて血ぃ吸おうとすんじゃねぇ!」
「チッ」
「あ、あはは」
 雷が鳴り、ヘルはカズマに抱きつき首元で牙を出すものの、カズマによって阻止され頬を膨らませる。
 カズマは不機嫌そうな表情になり、優奈はただ苦笑しているしかない。
「ったく、今日の仕事といい最悪だぜ。なんでこんな女男と」
「す、すみません」
 思わず謝ってしまう優奈を、カズマは少し怒鳴り声で冗談だと言う。
「まぁいい。とにかくこの奥に何かいるのは確かだな。お前の魂剛も震えてるし」
「そうですね、とにかく入ってみないことにはどうにも」
 優奈の刀とカズマの2丁の銃が震えている、何かに反応しているかお互いに危険が迫っている証拠である。
 そんな武具を握り締め、三人は洞窟の奥へと歩いていった。
 寒ささえも感じさせる空気の中、カズマがヘル用の武器である大きな鎌をヘルヘ渡した時だった。
「っ! 何か、来ます!」
 優奈は何かを感じた。そして何かが3人の前に現れた。
「……ありゃなんだ?」
「蛇、かな? でも上半身は女の人だよ?」
「妖怪か何かでしょうきっと。動物の擬人化というのも珍しいことではないですし」
 現れたのは上半身人間の女だったが、下半身が蛇のものという化け物だった。
 優奈達にとっては既に見慣れているのであまり驚きはしていない様子。
 妖艶な笑みを浮かべながらカズマと優奈を見つめている蛇達に対し、三人はそれぞれの武具を構えると、蛇女達は一斉に優奈達に襲い掛かる。
「チッ、蛇の分際で人間様にたてつくたぁいい度胸だなぁ!!」
 カズマは両手に持っている銃の銃口を蛇女達に向けて撃つ。
 洞窟内に銃声が響き、弾はすべて蛇女の下半身に命中し、赤い血が噴出し蛇女達は次々と倒れていく。
「おいヘル! お前も戦えっての! 新鮮な血が選り取りめぐり吸い放題だぞ!」
「あ! 本当だ!」
 ヘルは大いに喜んだ様子で、倒れている蛇女の一体に近寄り下半身の血を嬉しそうに吸い始めた。
「ちょっと! なに吸ってんのよ!!」
 しかしすぐに蛇女に押さえられ壁に叩きつかれると、ヘルはムッとした表情になり鎌を構えた。
「いいじゃんそんなに出てんだし!」
「それとこれとは話が違うでしょ!!」
「だったら実力行使だもん! 斬って斬って斬りまくってやる~~!!」
 そう叫ぶとヘルも蛇女の群れに飛び込んでいった。
 そして優奈もまた、魂剛で応戦していた。
「っ!」
 人間部分ではなく、下半身の蛇部分のみを斬っていく優奈。
 頬には蛇女達の血が付き、なるべく致命傷にならないよう深くは斬らず、斬った後遠くに吹き飛ばすだけ。
 そんな攻防も、数で勝っている蛇さん達によって優奈はじわりじわりと追い詰められていき、ついには数匹の蛇女によって地面に押さえつけられた。
「うわっ!」
「優奈! こいつ等、落ちろってんだよ!」
「優ちゃんっ!」


 カズマとヘルは優奈に駆け寄ろうとするも、蛇女達に囲まれているので応戦するしかない状態。
 優奈は魂剛を持ちながらジタバタと暴れているが、蛇女達の方が力が上だった。
「あはは、可愛い坊やだこと」
「こんなに暴れちゃってさ」
「っく、離れて!」
 腕や足、胴体に下半身の蛇部分を巻きつけられている優奈は、微弱に体を揺らすだけ。
 そんな優奈を、数人の蛇女達は妖艶な笑みで見下ろしていた。
「そんなに暴れないでぇ、もっと締めちゃうわよ?」
「はぁうっ!」
「んふふ、鳴き声も可愛い」
 蛇女達はゆっくりと優奈の体に顔を近づけていく。
 そして一体の蛇女が口を押し付け、他の女達も耳を頬を、胸や手と足の指と至る所を嘗めていった。
「んっ! んんんっ!」
「ふふ……気持ちよさそうね、舐められるの好き?」
「んふぁっ! こ、こん、剛っ!」
 体中を舐められていく優奈。
 蛇女達はそんな優奈に更に舐めあげようとするが、その前に優奈の左手が魂剛と融合し、全員巨大化した魂剛の腕により壁に叩きつけられた。
「ハァ、ハァ、な、なめないでください」
「誰がうまいこと言えと。とりあえず無事か?」
「は、はい」
 呼吸を乱しながら魂剛の左手を構える優奈の背後に、カズマが駆け寄ると、優奈は真紅に変わった瞳を細めて笑って見せた。
「無事らしいな。だったらお前、この洞窟の奥入って来い」
「え?」
「奥に何か別のを感じるだろ? ここは俺らで何とかしてやっから」
「でも」
「いいからさっさと行けっつーのバカ!」
「バ……ッ! 分かりましたよ!」
 そして何やら言い争いのような口調で優奈とヘル&カズマは分かれていき、優奈は蛇女達を左手で祓いながら洞窟の奥へと進んでいった。
「さぁてと、あいつも入ったことだし、そろそろ本気出すか」
「マジで? やっちゃうの?」
「ああ、マジもマジ大マジだ」
 カズマは驚くヘルを背後に2丁の銃を蛇女達に向けると、銃は眩く光りだした。
「輝け! もっと輝けぇぇぇ!!」
 そして爆発音は一層高まったのだった。
勿論洞窟が崩れないよう力を抑えてだが。


「ハァ、ハァ、こ、ここか」
 カズマ達と別れ、蛇女達に追いかけられながらも優奈は洞窟の最奥へとたどり着いた。
 魂剛の力を解放し、身体能力も向上している優奈の背後には蛇女達は居らず随分引き離している。
 息を切らしている優奈の目の前には、学校の教室ほどの広さがある空間が広がっていて、洞窟の上には穴があり月明かりが差し込んでいる。
「……あれは」
 月の光が差し込んでいる箇所に優奈の目がいき、体がブルッと震えた。
 そこには小さな祠があった。
 かなり古い祠で周りには埃が充満しており、優奈は左手を構えながらゆっくりと祠に近づいていき目の前まで行くと足が止まった。
 埃で咽ながら優奈は祠を調べていくと、木造で閉じられている小さな戸の中央に古びた札が張られている。
「……びゃ……びゃっ……だめか」
 札に書かれている文字を読み取ろうとする優奈だが、ボロボロになっている上によくわからない字なのであまり読めていない様子。
 そして優奈は祠の戸を開けようと右手で札に触れた。
 その瞬間、
「あ、破けちゃっ……わわっ!!」
 札は少し触れただけでバラバラになり地面に落ち、祠全体が白く眩く光り暗い洞窟内を照らす。
 光の直撃を受けた優奈は、驚き目を瞑って尻餅をついた。
 光はやがて消えていき、優奈はゆっくりと目を開けると次は驚きで目が見開いた。
「……う……う、ん」
「お、女の子?」
 祠の前、自分の目の前に裸の女の子が一人眠っている。
 外見は優奈と同じか少し年下といった感じの女の子だが、優奈の目はその女の子の下半身に向けられた。
 尻尾がある、白くて長い猫のような尻尾が眠っている女の子のお尻から生えている。
「なっ……どこから」
 混乱する優奈。
 尻尾が生えた人間自体は見慣れている優奈だが、いきなり現れたことは説明がつかず脳内をフル稼働させて考えていた。
 そんな中、少女の体がブルッと震えると、少女の瞳がゆっくりと開き金色の瞳で辺りを見渡した。
「ん……んぁ……ふわぁ~~………ん~、おやふみ」
「ちょっと待って」
 そして一度大きな欠伸をし、眠そうな瞳を再び閉じようとするが優奈に止められる。
 予想もしない第一声に思わず少女の肩を両手でガッと掴む優奈を、少女はボーっと見ていたがやがて瞳を見開いた。
 そして満面の笑みで優奈に飛び掛る。
「ちょっ!!!」
 さらに予想もしない事に驚いた優奈はそのまま少女に押し倒され、優奈の頬に自分の頬をすり合わせてくる少女に戸惑う。
 優奈の混乱など知らないと言った様子の少女は、まるで懐いた猫のようで頬をすり終えると瞳を輝かせて優奈の顔を見つめる。
 可愛い女の子の顔が目と鼻の先にあり、優奈は頬を赤らめている。
「名前は?」
「ゆ、優奈」
 少女の問いに、つい反射的に答えてしまう優奈。
 優奈の名前を聞いた少女は再び優奈抱きついた。
「じゃあ、ゆーながびゃっこの新しい主なんだ~♪ よろしくねゆーなぁ~」
「は!? びゃっこ? よろしく? あるじ? 話が見えないよ~!」
 一方的な少女白虎の挨拶に、優奈の混乱は更に増し、左手で白虎の体を掴み引き離し上体を起こした。
 その時だった。


「捕まえた~」
「っ!!」
 優奈の背後から妖しい声。
 優奈は真紅の瞳を開き振り向こうとするが、その前に首に痛みが走った。
 いつの間にか優奈達に近づいていた、蛇女の一人が優奈の首に噛み付いていたのだった
「かっ!!」
 声が出ないほどの痛みが走り、優奈の左手は元の人間の腕に戻っていき刀に戻った魂剛が地面に落ちる音が洞窟内に響く。
 蛇女が優奈の首から離れると、力なく優奈は倒れ、蛇女は優奈を仰向けにし妖艶な笑みで見下ろしていた。
「ふふふ、油断大敵よ坊や。どお? 私の毒は。痺れるくらい強烈でしょ?」
「ぁ……か……」
「声も出ないのね。でもそのまま死んでもらっては困るわぁ。ゆっくりとその身体、壊してあげるから」
 身体は痺れて動けず、熱く苦しく黒い瞳に戻った優奈の意識は今にも途切れそうであった。
 そんな優奈を楽しそうに見ながら、蛇女が言うとその背後から次々と他の蛇女達が現れ優奈に身体に絡み付いていく。
 その光景を白虎はポカーンと見ており、地面に落ちていた魂剛は蛇女が遠くに投げ捨てられる。
「さぁて、一緒に楽しみましょうね」
「可愛い唇は私が頂こうかしら。んっ」
「……っ! ……っ……!」
 一体の蛇女に口を押し付けられ、再び体中を嘗め回されていく優奈。
 しかし蛇女の毒により身体が動かず、意識は戻るが、ただ眉間にしわを寄せて口内や体中を嘗められる刺激に耐えているしかなかった。
「ぴちゅ……れろ、んふふ、涙なんて流しちゃって可愛い。辛いの?」
「でも、おちんちんは大きくなってるわよ」
 蛇女の一体が優奈のズボンをパンツごと脱がすと、硬くなりそそりたっている肉棒が姿を現す。
 亀頭からは透明液が零れ始め、既に無力と化している優奈は恥ずかしさと悔しさが混じり瞳からは涙が流れる。
 その涙さえも蛇女の一体が嘗め取った。
「しょっぱい、こんなに泣いちゃって」
「悔しいわよねぇ、私達みたいな化け物に嘗められてこんなに勃っちゃうんだから」
「でもね、それもすぐに快感になるわ……」
「……っっ!!」
「あ、ずるい」
 そして一体の蛇女が優奈の肉棒の根元を掴むと肉棒を口の中に入れていく。
 ざらついた舌の感触に、身体に快感が流れ優奈の頭の中は真っ白になる。
 さらにこれが普通の人間の舌なら、少しは我慢できただろう。
 しかし、蛇である彼女の舌は細長く巻きつくように亀頭を竿を口内で嘗め上げていき、人間にはできないであろう舌技に優奈はあっという間に絶頂した。
「っ!」
「んんんんんっ! んっく、んくっ」
 勢いよく放出される精液を蛇女は驚きはするも、目を細め喉を鳴らし飲んでいく。
「あらら、随分早いわね、んちゅっ」
「坊やの口の中、甘くておいしい」
「次は私、休む暇なんて与えないから」
 未だ射精が続く中、優奈の口はようやく開放されるもすぐに別の蛇女が塞ぎ、優奈は呼吸すら間々ならない。
 そして長かった射精が終わると、優奈は驚愕した。
 たった今放出が終わったというのに、肉棒は萎えるどころか先ほどより硬くなっており痛みさえも感じていた。
「んんっ、はぁ、とっても濃い、喉に絡みつく。ふふ、驚いた? 私達の毒には媚薬の効果もあるの」
「次はわ・た・し♪ 坊やの精液はどんな味なのかしら」
 肉棒を咥えていた蛇女が口を離し、口の周りについた精液を舌で舐め取りながら妖艶な笑みで呆然としている優奈を見下ろし言う。
 そして休む暇を与えないかのように次の蛇女が肉棒を咥えると、それに反応し優奈の身体はビクッと痙攣した。
「ぁ、かっ……た、す……け……て」
「ダメね。私達の仲間を傷つけた罰よ。全部搾り取ってあげるから」
「じゃあ、私は坊やの処女を頂こうかしら」
「っ! や、め……てぇ」
 辛うじて出た優奈の悲痛な訴えも、蛇女達の興奮を高めていくものでしかなく、一体に蛇女の下半身の先端が優奈の不浄の窄まりへあてがられた。
 優奈の表情が恐怖に染まる。
 その時、ただ優奈と蛇女達を眺めていた白虎が、優奈が危険にさらされていると気づきハッとなり金色の瞳をで蛇女達を睨んだ。
「だめーーーーーーーーーーーー!!!」
 そして蛇女達に対する白虎の叫びが洞窟内に響いた。


 洞窟内に白虎の叫びが響き、優奈を襲っていた蛇女達は手を止めて一斉に白虎の方を向く。
 白虎は明らかに敵対の眼差しで蛇女達を見るが、蛇女達は怖がる素振りすら見せずクスクス笑っていた。
「あら、どうしたのお嬢ちゃん? 何が駄目なのかしら?」
「安心して、この坊やの次は貴女の番だから。それとも我慢できなくなっちゃった?」
「ゆーなを……」
「え?」
「ゆーなをいじめないでーーーー!!!」
 白虎が叫んだ瞬間、蛇女達の余裕の笑みは消えた。
 白虎の体から青い雷が放出し洞窟内を眩く照らす。
 その雷により洞窟内の壁は砕け、白虎の体は人間型から白く大きな虎へと変わっていった。
 雷撃が治まった頃には、少女の姿はなく白銀の体毛に金色の瞳、鋭い爪や牙をむき出しにした虎が蛇女達に唸っている。
「な、何この――!」
 少女の変貌に驚く蛇女達の一体が口を開いた瞬間、白虎の前足の爪により引き裂かれ壁に叩きつけられる。
 蛇女は悲鳴すらあげられず、白虎の白銀の体に赤い返り血が付着し、その後も爪や牙を使い蛇女達を薙ぎ払っていった。
 2分もしないうちに、優奈が倒れている周りには無数の蛇女達が倒れ、彼女たちの血が壁や地面に飛び散った後があった。
「……ぅ」
「……」
 既に気を失っている優奈に、白虎はゆっくりと近寄り金色の瞳で見下ろしていた。
 その時、洞窟内が大地震にあったのではないかというほどに揺れ、爆発音のような音が響き渡ると洞窟の天井は崩れていき大小問わない石や岩が白虎達に降り注いだ。
 白虎は驚きながらも優奈を背中に乗せ、振ってくる岩を避けながら洞窟の出口へと向かった。
 魂剛は既に生き埋めとなってしまったが……。


「……ん……うぅん……」
 洞窟崩壊から数時間後、風が吹き木々がざわめく森の中の少し広い空間に優奈は仰向けで眠っていた。
 そして意識が戻り、優奈はゆっくりと目を開けると周りを見渡した。
「ぅ……ここは、僕は」
「あ! 気がついた! ゆーな大丈夫!?」
「ぇ? き、君はっ! あれ? あの蛇達はっ! ……あれ?」
 優奈の目に映るのは、何故か自分の上着を羽織っている洞窟で出会った裸の尻尾少女、白虎。
 白虎は優奈の意識が戻ったことに気がつくと、嬉しさと心配さが混じった声を上げて優奈に駆け寄った。
 その時、優奈の意識は完全に戻り起き上がろうとするも体が動かないことに気づき困惑する。
 しかし、自分は蛇女の毒を受けていた事にすぐに気づくと、声は出るので何があったのかと白虎に聞いた。
「僕は、どうなったの? たしか、あの蛇達に、やられて……」
「あの蛇さんならびゃっこがやっつけたから!」
「君が? そうだ、和魔さんと、ヘルちゃんは……えっと、ちょっと乱暴なお兄さんと、背中に黒い翼がある女の子を、見なかった?」
 声が出るとはいえ、毒が抜けていない優奈の口調は絶え絶えであったが、白虎に色々と聞いている。
「えっと、そのカズヤ……」
「和魔さん」
「和魔とヘルって子なら、こんごうっていうもの見つけに行くって言ってたよ?」
「魂、剛を?」
「うん。ゆーなの毒なら、解毒剤を使ったからしばらく動けないけど大丈夫だって」
「そう、なんだ。よかった」
 毒によって死ぬことはないと白虎は嬉しそうに笑顔で言い、優奈もホッと胸を撫で下ろし次に疑問に思っていた事を口にした。
「それは、いいんだけ、ど。君は、誰なの? さっきは、僕の事、主って……」
 そう、それは洞窟内にて白虎から一方的に言われたことだった。
 優奈も人間だ、いきなり主だの言われれば混乱もするだろう。
「だからぁ、ゆーなはびゃっこの新しい主なの!」
「だから何で?」
 優奈の問いに全く答えになっていない回答を返す白虎。
「うんとね、ゆーながびゃっこの封印解いたから」
「……」
 然も当然のように言い放った白虎。
 思わず黙ってしまった優奈には心当たりがあった。
 あの祠のことである、いいや、きっとあの祠の札を破いてしまった為だと優奈は確信してしまった。
「ゆーな?」
「あ、いや、なんでも、ないよ。名前は、びゃっこ、白い虎でいいのかな?」
「うん」
「それじゃあ、白虎。主って、僕は何を、すればいいの?」
 こうなったら認めてしまおうと、半自棄になりつつ優奈はニコニコ顔で尻尾を揺らしている白虎に問う。
「うーん……よくわかんない。主の言うことは絶対だって言ってたし、あ、でもびゃっこは主であるゆーなの側にいなきゃいけないから」
「それって、つまり僕と、一緒に暮らすって事?」
「うん」
 白虎が頷くと、優奈の脳裏には驚きより喜びのほうが高かった。
 両親が他界して以来、一人同然で暮らしてきた優奈にとって同じ家の下で暮らす者が現れたのは嬉しいことなのだ。
 例え成り行き上でも。
 とりあえず白虎との今後の事は後回しにしようと考えた優奈は、改めて白虎を見る。
 それがまずかった。


 よく見たら、白虎は優奈が来ていた上着以外は裸で、胸を含め上半身は服に隠れて僅かにしか見えないが、下半身が丸見えだった。
 少し幼さの残る体型だが、全裸より服を一枚上半身のみ羽織っている姿は、優奈の興奮を高めるには十分だった。
 思わず頬を赤くし白虎から顔を背ける優奈。
 そんな優奈の変化に気づいた白虎は、不思議そうに優奈の顔を覗き込んだ。
「どーしたの?」
「あ、いや、その……」
 優奈の目の前には白虎の顔。
 目と鼻の先にある白虎の顔は、優奈が少し顔を上げれば唇が重なりそうで、そんな事も考えてか優奈の肉棒は覚醒値を増していく。
 その事が更に恥ずかしくなり、優奈は目を瞑って意識を別のところに移そうとするも体は正直で肉棒は既に完全覚醒を果たしてしまっていた。
 顔を真っ赤にさせる優奈の様子を、白虎は不思議そうに眺めていたが、優奈の体を見てみるとズボンがテントのように盛り上がっていることに気づいた。
「ゆーな……」
「ち、違うんだ、これは、その、さっきの、毒で……」
「毒? へぇ~」
 白虎に覚醒した肉棒を見られたことに気づいた優奈は、つい嘘をついてしまった。
 無論その嘘は白虎に見破られ、白虎はニコッと笑うと優奈のズボンとパンツを脱がし始めた。
 突然の白虎の行動に動揺しまくる優奈であったが、体が動かない以上何の抵抗もできずそのまますべて脱がされた。


「び、白虎? な、なにして……」
「毒でこうなったんだから、ちゃんと治さないと、だめ。びゃっこに任せてよ。ここの治し方は、前の主から教わったから」
「い、いいよ、すぐにおさま、る、んっ!」
 治まるかどうか自信はないが白虎を止めようとする優奈の言葉は、白虎が肉棒を咥えこんだ事によって中断された。
「や、やめて」
「んんっ、おっひぃ……んぐっ」
 弱々しい声で訴える優奈。
 しかし、その訴えを聞き流すように白虎はそそり立った肉棒を咥えこんでいく。
 瞳に涙を溜めて、少し苦しそうな表情を浮かべる白虎は限界まで肉棒を飲み込むと、片手で根元を押さえて頭を上下に動かし始める。
「んちゅっ! ぢゅぶっ、んんっ、んふふ」
「あっ、かっ、び、白虎ぁ、だめ、だって」
 暖かい空間の中で小さな舌が亀頭をチロチロと舐められ、優奈に快感が流れる。
 口内を汚してはいけないと、優奈は迫りくる射精感を抑え様としているが体はやはり正直で肉棒から射精感がこみ上げてきていた。
 亀頭が大きくなり始め、白虎の動きは一層激しくなっていき口の端からは白虎の唾液と亀頭から出る透明液が混ざった液が溢れ出していた。
「だ、だめ……もう、出、る……んああっ!」
「んんんんっ! んぁっ!」
 そして口内に唾液を溜め、白虎が一気に吸い上げた時、亀頭から精液が勢いよく放出され白虎の口内を汚していった。
 数時間前に蛇女に出された後とは思えないほどの量が流れ、驚いた白虎は思わず口を離すと精液は白虎の顔に直撃した。
 精液は白虎の頬や鼻の上、髪の毛にまで飛び掛り、放出が終わると白虎は口内の精液を飲み干し、顔についたのを指ですくい美味しそうに舐めていく。
「ご、ごめん、白虎」
 自分より年下の少女を汚してしまった罪悪感的なものから、優奈は白虎に謝ると白虎は指についた精液を舐めながらニッコリと笑う。
「いいんだよ、出してくれてびゃっこは嬉しい。それに、これは治療なんだから」
「だから、何とも、あぅっ!」
「あ、まだ大きい、もっと出さないとだめみたいだねぇ」
 白虎が再び肉棒を舌で舐めると、射精して敏感になっていた肉棒は瞬時に硬さを取り戻し優奈は甘い声を上げた。
 クスっと笑う白虎に対し、優奈はとても恥ずかしそうである。


「もっと効率よくしなきゃ、びゃっこの口が壊れちゃう」
「え? ちょっと」
 白虎は優奈に跨ると、硬くなった優奈の肉棒を片手に自らの秘所にあてがった。
 優奈は驚きの声を上げる。
 白虎の秘所は既に十分すぎるほど濡れており、月に照らされ光っていたから。
「実はね、ゆーなの飲んだら、びゃっこのココもムズムズしちゃって……」
「で、でも、それは、やっぱりだめ」
「ふふ、もう遅いよぉ……んんっっ!」
 既に優奈の言葉は白虎には届いていない。
 快楽に支配されトロンとした表情で白虎は優奈の肉棒を秘所へゆっくりと沈めていく。
「んっ……ふぅっ! おっき、い」
「び、白虎ぁ」
「くっぁぁ、は、はいったよぉ」
 目を瞑り瞳に大粒の涙を溜めながら、眉間にしわを寄せ根元まで咥え込む白虎。
 見た目の幼さどおり、白虎の膣内はかなり狭く、優奈の肉棒を容赦なく締め付け優奈もグッと快感に耐えていた。
「う、動くよ……んっ……ああっ!」
「ぅっ、んっ!」
 そして優奈の両肩に手を置き、前かがみの姿勢で白虎は腰を上下に動かし始めた。
 結合部からはジュブジュブと水っぽく卑猥な音が鳴り、白虎が腰を沈める度に肉棒の亀頭は膣内の最奥に当たっていた。
「あっ……んふッ……あぁッ」
「っ……っ!」
「おっきぃ……あッ……ひゃああぁんッ!」
 森に響く白虎の甘い喘ぎ声。
 優奈は歯を食いしばり射精感を我慢しているが、白虎から与えられる快感にそれも薄れていった。
「あッ……び、びゃっ……こぁ、もう、だめッ」
「ひゃうんッ! にゃッあぁッ!! び、びゃっこもッ……もう……ッ!!」
 白虎の膣内の締め付けが一層増し、白虎の腰使いは激しいものへと変わっていく。
 そして、白虎の膣が肉棒を根元まで咥え込んだ時、白虎の体はビクッとなり激しく痙攣し白虎は絶頂した。
 その直後、優奈の我慢も切れ白虎の膣内に精液を放出した。
 お互い声を上げ、結合部からは行き場の失った精液が溢れ地面を汚す。
 永遠に続くかと思われた射精は終わり、白虎は全て受け入れるとグッタリと優奈の胸の上に倒れこんだ。
「はぁ……はぁ……はぁ………ゆーなぁ、もっとぉ」
「はぁ……はぁ……えぇ? も、もっとって、うぁっ」
 そして、潤んだ瞳で何かをねだる子供のような口調で白虎は優奈に言うと、再び腰を動かし始めた。
 肉棒は再び覚醒し、この後も二人の交わりは続いていった。


「……な……ゆーな」
「……ん? あぁ、白虎」
 優奈はいつの間にか、白虎との出会いを思い出しながら眠ってしまっていた。
 それを白虎は優奈の体を揺すりながら起こすと、優奈は静かに目を開け少し微笑む。
「ごめん、寝ちゃったね」
「いいよ。それより服乾いたよ?」
「あ、本当だ。それじゃあ、仕事再開しようか」
 目を擦りながらゆっくりと起き上がる優奈。
 二人はお互い背を向いたまま、既に乾いている服に着替えた。
「なんの夢見てたの?」
 着替え終えると、白虎は優奈の顔を覗き込むようにして優奈に聞く。
 その瞳はキラキラと輝いており、優奈自身も秘密にするような事ではないので話すと白虎は少し頬を赤らめる。
「へぇ、なんかうれしい」
「そお?」
「うん」
「なら、見た甲斐もあるかな」
 嬉しそうな白虎の表情。
 そして優奈もそれに答えるように微笑み、二人はこの後も青龍達と合流し依頼は無事解決したそうな。


―完―

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最終更新:2006年12月11日 10:09