深い眠りについていた俺は奇妙な物音によって起こされた。
ほんの少し仮眠を取るつもりでソファーに横たわってから、どれくらい経ったのか分からないが、次第に鮮明になってゆく意識の中で、自分の身に起きた異変に気付くのにそう時間はかからなかった。
気怠い体を持ち上げようとしても、体が全く持ち上がらない。
否、動きたくても動かなかった。
何故なら、両手両足が白い糸によって床に固定されていたからだ。

「な、なんだこれ…?」

四肢に巻かれている糸は「糸巻き」の様に何重にも分厚く巻かれ、思い切り力を込めても拘束を解くの叶わなかった。自分が寝ている間に何が起こったのか。
この状況を必死に理解しようと頭を巡らせているうちに、ふと部屋の隅に何か大きな影が目に付く。
それはこちらの視線に気がついたのか、ゆっくりとこちらに近づいてくる。
外はすっかり日が暮れており、明かりの点かない部屋は薄暗く、その物体をぼんやりとしたシルエットしか認識出来ない。
得体の知れぬ物体が迫る恐怖。
逃れようにも身動きが取れず逃げることもままならず、俺はただただ何事も無く済むように祈った。
そして、自分と謎の物体が丁度目と鼻の先まで迫っていたその時だった。雲の流れによって陰りになっていた月明かりが窓から射し込み、ようやく俺はその謎の物体の正体を目視出来た。
『化け物』
その者を一言で表現するのに、それ以上の言葉を知らない。
何故なら、そいつは上半身は透き通る様な白い肌に艶やかな黒髪の美しい女だったが、下半身は巨大な蜘蛛の胴体だからだ。
きっと、自分は眠り続けていて、これはきっと「悪い夢」を見ているのだと己にそう言い聞かせ、早くこの夢から醒めたいと思いながら、ぼんやりとその異形を見つめた。
しかし、夢の終わりを願う気持ちは無情にも打ち砕かれた。

「どうやら、目が覚めたみたいね。いい夢見れた?」

蜘蛛の化け物、もとい女の妖艶な声は俺に悪夢の始まりを告げたのだった。

話は遡ること数時間前。
会社から帰宅し、一人暮らししているアパートの部屋を目前にして、俺はいつもの見慣れた光景に少し違和感を覚えていた。
遠目に見た時は気付かなかったが、自室の扉の前には、蜘蛛の巣が張り巡らされているのだ。
まるでダンジョンで侵入者を阻むトラップといった様相だったが、このトラップの向こうにあるのは紛れもなく自分の住処。通過するのに邪魔でしかないし、なにより自分の部屋の扉の前に蜘蛛の巣が張り巡らされているのは、正直不気味である。
しかも俺が来る手前に引っ掛かったと思われる鮮やかな羽の蝶々が、蜘蛛糸に絡めとられ必死にもがいていた。この哀れな蝶々が蜘蛛の腹の中に収まるのも時間の問題かと思われる。
そこで、俺は目前の鬱陶しい蜘蛛の巣の撤去がてら、囚われの姫を救いだす事にしたのだ。
床に落ちていた手頃な木の枝を使い、羽にまとわり付いた糸を払って巻き取り、罠から解放してやると、自由になった蝶はまるで感謝の意を示すかのように、俺の周囲を華麗に舞った後、何処かへ飛び去っていってしまった。
一方、罠を仕掛けた張本人は、まるで「獲物を奪われてしまった」と憤慨するかのようにこちらを威嚇し、今にも襲いかからんとするかのようにも見えた。
俺はそんなものお構い無しに、蜘蛛の巣を木の枝に巻き取ってゆき、結局蜘蛛もろとも庭へと放り投げたのだった。

「まさか、君はあの蜘蛛だとでもいうのか…?」
「ご名答。まったく…、あたしが捕まえた獲物を逃がすどころか、私の巣を壊すなんて。人間って最低ね…」

そう、今目の前にいる半身人間半身蜘蛛の奇っ怪な女こそ、俺が迫害した蜘蛛その者だというのだ。
動物が人に化けて姿を表すというファンタジーは、お伽草子の中のでしか聞いた事が無い。ましてや、それが先ほどまで、部屋の前に巣を張っていた蜘蛛だなんてにわかに信じ難い話だ。
だが、この異常な状況を説明するには、彼女が人に化けた蜘蛛であるというのは、妙に説得力がある。第一この女の下半身の蜘蛛の腹部の模様には見覚えがあるし、先程の蜘蛛の巣の下りの部分と彼女の言動は辻褄が合う。
もはや、この状況は非情に良く出来たリアリティな夢、あるいはれっきとした現実のどちらかなのだ。

「わ、悪かったよ…。君の大切な住処を壊しちゃってさ…それに蝶々の事も…」
「あら? もしかして、謝れば許してもらえると思ってるわけ?」
「そんな事無いけど…、ただ俺は…むぐっ!」

突然、彼女は俺の反論の言葉を遮るかのように蜘蛛の脚で顔面を踏みつけた。

「アンタは逃げられた蝶々の代わり…。つまりわたしの『獲物』なの。どこに命乞いをする獲物をわざわざ助ける馬鹿がいると思って? ――もっとも、あんたが助けた蝶々がひらひらと飛んできて、恩返しにあんたを助けに来てくれるかもね?」

蜘蛛女は腕を組み、その美しい顔立ちに嗜虐的な笑みを浮かべながら、顔を踏みつけている焦げ茶色の毛で覆われた蜘蛛の脚に力を込める。
獲物を逃され、巣を壊された奴の怒りは尋常じゃないらしく、これ以上反抗したしたところで、徒に彼女を刺激するだけだと悟る。
俺は自分のしでかした事に悔みながら、これから捕食される草食動物のごとく観念の意を示すように、彼女に向けていた敵意の眼差しを解き、目を瞑った。

「…よろしい」

屈服の姿勢に満足した蜘蛛女は脚を退けると、次に品定めするように俺の姿を舐め回すように見た。
直後、背中を悪寒が走る。
いくら半分人間の姿をしていたとしても、その実態は蜘蛛であり、蜘蛛の糸で身動きがとれない自分など、餌としか見ていないだろう。
俺は蛇に睨まれた蛙の気持ちを知り、覚悟を決めた。

「そうね。まずは…」

そう言うと蜘蛛女は舌なめずりしながらズボンを両手で乱暴に鷲掴み、人外の怪力で左右に引き裂き、そのままパンツも片手で軽々しくビリビリに破いた。
すると下腹部が露出し、萎縮した陰茎が外気に晒される。

(よりによって『アソコ』からとは……趣味の悪い…)

ところが、彼女は露になった性器に食らいつく様子は見せず、ただ一言呟く。

「あら、かわいい」
「な、え…?」

今までの流れを汲めば、俺は食い殺されるのだと思い込んでいた。
だが、違った。
しょぼくれた陰茎の感想を言うだけ言っただけで、呆気に取られてる俺を他所に彼女は何も仕掛けてこない。
いや、彼女が何もしなかったというには語弊がある。
よく目を凝らすと何やら蜘蛛の後ろ脚二本で腹部の先端部分を何か弄っている。
わけが分からぬまま、その弄っている箇所をしばし凝視すること数秒。動きを止め、そのまま一対の脚を股間に『何か』を運んできた。

「さて、この糸責めで『この子』もかわいいままでいられるかしら…?」

妖艶に微笑みながら自分を見下ろす蜘蛛女は、一対の脚で運んできた白い塊を、おもむろに股間に塗りたくった。
『グチョリ』と粘質な音を立てて、白い接着剤のような塊が息子を覆い、生臭い匂いを漂わせる。
息子に絡みついた『白い何か』は、暖かくてヌルヌルしており、独特の匂いも相まってか、何だか妙な気分に陥る。

「こ、これは…」
「蜘蛛糸よ。獲物を捕まえる為に張り巡らせる物を、少し成分を変えたもの。…どう? ヌルヌルして気持ちいいでしょ?」
「ちょっと待て! いきなり何だよこれ!? お、お前は俺を食い殺すんじゃ…」
「わたしが獲物に何をしようが勝手でしょ。それにアンタにはわたしの巣を壊した罰として、辱めを受けてもらわないといけないのよねぇ…?」

すると、蜘蛛女はおもむろに二対の蜘蛛の脚の先を器用に折り曲げて息子を掴み取り、上下に擦り始めた。

「っ…!」

ローションの役割を果たす熱を帯びたヌルヌルの蜘蛛糸と、脚に生えた細かい毛のザラザラとしたものが包む感触に、意図せずとも呻き声を上げてしまう。

「あらら?」

蜘蛛糸ローションと脚コキによる快感によって、息子は呆気無く臨戦態勢となってしまう。
こんな化け物の脚に気持ちよくし、勃起させたかと思うと、恥ずかしさと悔しさでいっぱいになりそうだった。
蜘蛛女はまるで勝ち誇ったかのように口元をつり上がらせ妖艶な笑みを浮かべる。

「フフフ…中々いいもの持ってるじゃん。このちんぽからは、どれだけ濃い子種が出るのか、楽しみだわあ……」

白い蜘蛛糸にまみれながらも、その存在を誇示するかの如くそそり立つ肉棒をうっとりと眺めながら、息子を擦る動きを早める。

ぐちょぐちょグジュグジュ…

白く暖かい塊に包まれた肉棒は、粘着質な音を立てながら不気味な蜘蛛の脚に扱かれる。
少しずつジワジワと追い詰めるように徐々にスピードを上げ、快感もそれに比例するかのごとく増し、次第に腹の奥から何か熱い物が集約してゆく感覚を覚える。

「あらあら、随分辛そうねぇ? そろそろ我慢出来なくなってきたんじゃないかしら?」
「そんなこ、と…、くっ…」

獲物をいたぶり苦しむ様を眺めるという悦楽に浸り、興奮している彼女は、もう自分に限界が来ようとしている事を指摘する。
事実、この絶え間なく与えられる快楽に対し、何とか理性で絶えているもののもはや崩落寸前で、あと何か一つ決定打があれば容易く崩れてしまう。

「フフフ…あんまりにも辛そうだから、わたしが一気に楽にしてあげる…」
「…え?」

そう言うと、蜘蛛女は脚の動き一旦を止め、脚をもう二本肉棒に配置すると、三本の脚で周囲を覆い、残りの一本は剥き出しの亀頭へあてがうと、それぞれの脚を個々別々の動きで擦り始める。

「あっ! あぐぅ! くぅうう!」

肉幹を包む三本の脚をうなぎのように複雑にうねらせ、同時に亀頭を撫で回すという離れ業をやってのける。
器用な蜘蛛の脚の動きは快楽のツボを的確に突き、さっきの倍かあるいはそれ以上の快感が押し寄せ、情けながらも女のように喘ぎ声を上げてしまう。
もうすでに限界に近く、もはや暴発寸前。
『こんなのでイかされてたまるものか』という意地が、煩悩の解放を辛うじて踏みとどませている状態だった。

「ふんっ、しぶといわね。…でも、これに耐えられるかしら…っ」
「え……? っ!!?」

そう言うと、蜘蛛女は絡み付いた全ての脚に力を込め、肉棒を圧迫すると、強烈な締め付けが肉棒を襲った。

「あああああっ!!」

扱かれながら急に締め付けられるという思わぬ不意打ちに堪えきれず、暴発せぬよう堪えていた俺の分身もついに限界を迎えた。

どぴゅ! どぴゅる! どぴゅるう!

腰の奥からぐつぐつと込み上げていたものを、肉棒の先端から解放し、意識がホワイトアウトする。
噴火したマグマのごとく吹き出した欲望の塊は、女の顔に、蜘蛛の脚に、自身の体に飛沫し、白く汚していった。

「スゴイ量……ぺろっ。しかも濃い…」

女は満足気な表情で自分の顔に飛沫した白い液体を舐めとり、吟味する一方。
俺は酷い倦怠感と脱力感に襲われながらも、化け物の脚なんかでイかされるという覆せぬ事実に対して屈辱を噛み締めていた。

「気に入ったわ……」

無気力な俺を他所に、女は突然首筋に噛み付く。
今度こそ食べられるんだな。と半ば諦観の姿勢で覚悟したが、どうやら今度も俺の予想とは違っていたようだ。
首筋に食い込んでいた牙が抜かれると同時に、先ほど出したばかりでふやけていた息子が疼き始め、みるみるうちに大きく膨れ上がり、元の硬さと大きさを取り戻した。

「一体……何を…?」
「今あんたの体に流し込んだのは、ちょっとした特別な毒でね。たちどころに雄が何回も何回も連続で種を出せるようになる、いわば即効性かつ強力な精力剤みたいなものね」
「ど、どうして」
「どうしてって、そんなの決まってるじゃない」

そう言うと蜘蛛女は、人間の体で言うと股間に位置する場所にある割れ目に指を滑りこませ、いやらしくぱっくりと開いた。

「いっぱい子を産む為に、雄と何回もまぐわうからよ…」
「ま、まさか…」
「わたしそろそろ交尾の相手を探していたのよねぇ…。本当は食い殺そうかと思ったんだけど、気に入ったからあんたを交尾相手にする事にしたわ。せいぜい感謝しなさい?」

中から垣間見える膣壁はうねうねと蠢いており、既に十分に濡れているそれは、お腹をすかせた子供が大好物を目の前にしたかのように口の端から涎を垂らしている。
化け物の生殖器官にしてはあまりに蠱惑的。けれどモノをあれに呑まれれば、この人外と交配する事になってしまうという背徳的感情と、
『あの中に入れたらどれだけ気持ちいのだろう』という未知の快感への期待が興奮を増長させ、無意識に生唾を飲み込んでしまった。

「はぁ? まさか人間の癖に蜘蛛との交尾を想像して興奮しちゃってるわけ?」
「な! 違う!!」
「こんなにおっ立たせてる上に、いやらしい顔浮かべて説得力ないわあ。ま、お望みどおりその変態ちんちんを食べて差し上げるから安心しなさい?」

いうが早く、蜘蛛女は雄々しく隆起したペニスを荒々しく鷲掴み、秘所に誘導する。

「なっ、ちょっと待てって! さすがにそれは…っ!」
「じゃ、いっただきまぁす…」

俺の抗議の声を無視し、先端を愛液の染み出した入り口にあてがうと、そのまま何の躊躇いも無く腰を落とした。

ずぶずぶずぶ…

下の口に咥えられた肉棒は、いやらしい水音を立てながら、柔肉の詰まった蜜壷を掻き分けるようにして埋められてゆく。
ゆっくりと挿入された肉棒が根本まで収まると、蜘蛛女は恍惚とした表情を浮かべ、小さく喘いだ。

「あっ…んんっ……。はぁ……いいちんぽだわぉ…」
「あ…あぐ……」

生まれてこのかた、女性経験の無かった自分にとって、この肉棒に絡み付く熱くヌルヌルとした感触は、今まで味わった事のない凄まじい快感をもたらした。
ひとしきり挿入を終えたかと思うと、彼女の膣内のヒダがまるで肉棒の侵入を歓迎するかのようにざわめき始め、さらに奥へ奥へと取り込もうと、うねうねと複雑に蠢き、収縮し、貪欲に吸着する。
きっと事前に出していなかったら、この膣内の動きだけでもイっていたかもしれない。

「じゃ、動くから…」

その言葉を合図に彼女は、体を支える八本足を巧みに使って、始めからこちらの都合を考えないスピードで抽送を始めた。

ぐちゅっぐちゅじゅぷぷぐちょぐちゅ

「ッ! と…とまれ! やめ、……るんだ!」
「んっ! 硬くてぇ…はぁん! …ゴリゴリ…するぅ! きもち…いいっ」

最初こそはは単純な上下運動だったが、いくら乱暴に動いても彼女の生殖器官は肉棒をガッチリと銜え込んで離さないのを良い事に、多関節の蜘蛛の脚にしか出来ない動きで、
上下左右斜めにと三次元的な動きで腰を振りたくり始め、それにより肉棒が滅茶苦茶に扱き下ろされる。

ぬぷじゅぷぷぬちゃじゅっぽぬちゃぬちゅぐっぽぐじゅ

抽送を繰り返す度、粘着質な水音と肉体と肉体の衝突音が結合部から響き渡る。
彼女の縦横無尽で激しい動きと、膣内の生暖かくヌルヌルの柔肉の吸い付きが、容赦無くペニスを蹂躙し、その味を堪能されているかのように舐めしゃぶり尽くされる。

「うっ! …くあぁ! あああっ!」

体の自由が効かず、逃げ出すのもままならない俺は、無力にも蜘蛛女に良いように犯される。
せめてもの抵抗として出来る事といえば、この快楽の責め苦に対し、果てぬようただただ耐え続けるぐらいだった。

「んんんっ!! はぁっ…いいっ…! …このぉ……この…おちん…ちん…! 美味しい…っ!」

上品な白い肌をほんのりと赤く色づかせ、長く美しい黒髪を揺らす女はその艶やかさと裏腹に、涎を垂らしながら目を欲望の色に染め上げ卑猥な言葉を吐き捨てる。
蜘蛛女の煮えたぎる獣欲を体現するかのような醜い下半身は、雄を喰らいついたまま暴れ回り、本能の赴くまま貪る。
その様相はさながら獲物を食らう、捕食者とも見えなくもなかった。

「うぐぅっ! やば、も、もう…」

次第にじんじんとした甘い痺れが下半身を巡り、熱いものが肉棒に集約するかのような感覚がこみ上げてくる。
射精の予兆に気付き、どうにかして『最悪の事態』を避けようとした俺は、反射的に腰を引いて肉棒を抜こうとするが、体が固定されている状態ではそれは徒労に終わり、
惨めに藻掻く様を見た蜘蛛女の嗜虐心を煽るだけだった。

『蜘蛛の化け物と交配だなんて絶対に嫌だ』

俺の中に残った僅かな理性はそう主張したが、彼女の激しい交尾による快楽は理性を越え、本能を熱く焦がした。
肉棒がビクビクと脈打ち、射精の準備を迎える。
己の意思に反し、体は彼女への生殖行為を望んでしまっているのだ。

「ふふっ、さぁっ! さっさとだし、なさぁい! わたのナカにぃ! たっぷりとぉ!」
「ああっ! 抜いて、くれぇ! く…そぉ! だ、めだっ! で、るうっ!! ぁぁああああ!!!」

俺は己の身に押し寄せる快感に耐え切れず、事切れるように醜悪な蜘蛛の口の中で果ててしまった。

どぶゅる! ぴゅるるうう! ぶびゅるるる!!

「ああああんっっ!! 濃くてドロドロのがぁ…、私の中にいっぱい出されてるぅ!」

血管の隆起した醜悪なペニスは、蜘蛛の下半身に深々と突き刺さったままドクンドクンと胎動を繰り返し、濃厚な精液を彼女の体内へ大量にぶちまけた。

「う…あ……」

煩悩という膿を吐き出すがごとき射精の開放感は、強烈な快楽をもたらすと同時に、大きな虚無感を伴った。
理性、葛藤、人としての尊厳。それら全てが分身の先端から迸る欲望と一緒に彼女の中へ飲み込まれてしまったみたいな気がしたからだ。

「ふふ…ふふふ……、さぁ…もっと…出しなさい…あたしのなかに…一滴残らず…」



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俺はその後、延々と蜘蛛女に犯された。
毒の効能によって出しても出しても肉棒は衰える事を知らず、彼女に子種を提供し続ける。
もう何度果て、彼女の中にまき散らしたかは分からない。
女の喘ぎ声と淫靡な匂いにまみれながら、終わらない快楽地獄に身を委ね、いつしか気を失っていた。
次に覚醒した時、俺は見知らぬ場所にいた。
目を開けても視界には暗闇が広がるばかり。冷たくゴツゴツとした質感の床が、ここが洞窟の中である事を想像させるというだけ。
けど、あの忌々しい女が目の前にいるのが、俺には分かる。

「気がついたのね」

聞き覚えのある妖艶な声。
続けて、そいつは俺に向かってこう言い放った。

「ここはわたしの隠れ家。誰にも見つからない、アンタと私だけの空間。アンタはここでわたしの『子種袋』として一生過ごすの……。どう? 素敵でしょ?」