全身を赤黒い布で覆ったその店主が売っているのはどれもキワ物ばかりで―――
特殊な性癖を持つ僕の、目を引いた。

当時中学生だった僕は塾帰りの途中、薄暗い路地裏に見えた
明りに誘われフラフラとその露店を訪れた。そして
「コレヲオサガシデショウ?」
男とも女とも付かない外見をした店主が、かすれた声で
僕に金色の液体の入った小瓶を差し出した。
「これって・・・?」
「人ヲ虫ニシ、虫ヲ人ニスル薬」

「え?」
「マァ・・・タノシメ・・・フフ」
僕が顔を上げた時、売人はにんまりと笑いぼろぼろの歯を
こちらに見せたかと思うとそのまま店をたたみ姿をけした。

いつもより30分ほど遅れて家に帰ると、姉から怒号が飛んできた
「もう、早く帰って来てって行ったでしょ?
今日は私用事で夜出なきゃいけないんだからねっ」

両親が共働きで夜も帰るのが遅い我が家では
大学生の姉が料理を作っているのだが、今日は彼氏との
”お出かけ”の約束があるらしく気が立っていた。
「ちょっと塾が遅くなったんだよ・・・」
「はぁ?はいはい、じゃあご飯そこに置いてあるからね
 私、これ飲んだらもぅ行くから。」
あんたに構ってる暇ないのよ。との言葉を聞いて僕は一つの決心をした。

「姉さん。さっき充電中の携帯光ってたよ?」
「うそッ!?」
飲みかけの林檎ジュースを台所に置きっぱなしにすると
姉は急いでリビングに走った。僕は素早い動作でカバンから
例の物を取り出すと、数滴林檎ジュースに流し込んだ。

僕がテーブルに腰掛けたころ、姉がまたもや大きな声を出した
「もう!!誰もかけてないじゃない?あんたなんでこんな
嫌がらせすんのよ・・・まったく」
そんな姉を尻目に、僕の耳には何も入って来なかった。
台所に戻ってきた姉がジュースを手にしたからだ。
「あんたきィてんのォ?」
そして、ゆっくりとした動作で残りの液体を喉に流した。
「・・・?」
「なによ?ジロジロ見て、気持ち悪い。」

手に汗した僕の気持ちを裏切るように、姉には何の変化も起きず
予定どうりに家を出て行った。当たり前である。あたりまえ―
「ばかじゃん・・・僕」
その日は、風呂にも入らず直ぐに布団に横になると
あの露店の店主死ね、と思いながら瞳をとじた。


数分いや、数十秒後――
玄関が勢いよく開かれると、姉独特の足音が近づいてきた。
なんの忘れ物だよ。と思いながら、眠い目を擦っていると
突然、僕の部屋のドアを姉が叩いていた。それもすごい勢いで


「なんだよ。僕もう寝てんだよ」
と、鍵を開けるや否や・・・姉が僕を思い切り突き飛ばし
部屋に入って来た。驚き交じりに悪態を付きながら僕が
上半身を起こすと、カチャリと鍵のかかる音がした。

「ハァ、ハァ・・・ごめん、私なんか変・・なの」
変といわれても、息を切らしている事以外
弟目から見ても、悔しいながら今日の姉は小綺麗だったのだが
すぐに僕はピンと来た。同時に姉の体に変化が起きた。
「あぁあ!?・・・いやぁああ」

電灯の明かりの中で、姉の体は見る見る変わっていった。
腰から幾本かの黒い脚らしきものが飛び出たかと思うと
ミニのスカートを突き破り大きな腹部が現れ、下半身を覆い尽くした。
僕の視線に気付いた姉は電灯を、黒い脚で割って部屋を真っ暗にした。

僕はパニックに成りながらも、暗闇で携帯を探しライトをつけた。
そしてそこで、姉の姿を見た。
上半身こそ裸である事を除けば大した変化はないが、その下半身は
鋭利な爪のついた黒い大きな脚に巨大な腹部・・・まるで蜘蛛のソレであった。

僕は自分のしてしまった事に怯え、口をパクパクさせていた。


姉「はぁあぁあぁ・・・ふふ。なんかすっごいイイ気持ちィ・・・」
予想外の第一声に僕は驚いたが、途端彼女の紅い眼の色を見て
”これはもう姉じゃない”と何故か思ってしまっていた。
姉「ねぇ。私今すっごいお腹減ってるの・・・あんた頂戴」
僕「へ」
暗闇に目が慣れてきたころ、蜘蛛の下半身を持った姉が
僕に近づき黒い脚で容易に抱きかかえた。
スレンダーな姉の肉体はあまり胸はないものの、程よく引き締まっており
こんな状況下でありながら僕のモノは固くなっていた。



それを見計らったかのように姉は僕のズボンを引きずり下ろすと
僕のモノに口をつけて来た。中学生ながらにこの行為をフェラチオ
ということは知っていたが、僕の記憶しているものとは
明らかに違っていた。まるでストローで中の液体を吸い出すような
しゃぶり付き方だったのだ。
僕「うわっっ・・・つぅ!出るってぇえ」
僕は姉の口の中に迸りを放ってしまった。
姉「ん・ンく・・ンく・・ンく・・・」
ゴックンと音がでるほどの飲みっぷりを見せた姉は
紅い瞳で嬉しそうに僕を除き込んだ。
姉「なぁによう?そんな怯えた顔おねぃちゃんに見せて」
僕「・・姉さん・・・おかしいってコレ」
姉「じゃあ。モットおかしいことしようか?」

僕は釣りあげられた格好から、いきなり布団に寝かせられると
手足を何か粘性のモノで縛られた。それが糸であることは分かったが
姉の不敵な笑みは何か底知れない恐怖を髣髴させた。
姉「あんたのココだって、まだ出し足りないみたいじゃない(笑)」

体は震えながらも、僕のモノはまた固くなっており
姉の肉体の下でビクビクと先ほどの刺激の余韻に浸っていた。
すると姉が蜘蛛と化した巨大な下半身をこちらに向け
その一番下、糸を噴出した部分で僕のモノを飲み込んだ。


姉「あははははは、どう気持いい?気持ちいでしょ?」
ねばりつく糸が僕のモノに絡みつき、内部の複雑な肉の機関
が竿全体を愛撫し出した。あまりの快感に涙を流す僕を見下げ
姉は容赦なく奥に奥にと飲み込んだ。刹那、僕のモノは限界を迎え姉に射精した。
姉「もう出しちゃったの?堪え性なさすぎじゃないアンタ・・・」
僕のモノを引き抜くっと、糸と精液でベタベタになった一物に顔を近づけ丹念に舐めだした。

「ただいまー」

玄関の音がした。両親が帰ってきたのだ。
僕達は一瞬動きを止めた。が、姉は体制を変え僕の口を手でふさぐと
「さわいだら・・・」
とだけ囁き、僕の目を紅く嗜虐の色を帯びた瞳で覗き込んだままにした。

両親が僕たちの部屋がある二階に近づく気配がないと判断すると、
姉は今度は自分の秘部に当たるであろう、蜘蛛と人の境界の部位にある
膣から蜜のような液体を滴らせながら、僕のモノにあてがった。
そして束の間、僕のモノを撫でたかと思うと・・・一気に突き入れた。

ぐちゅり、ぐちゅり、という聞きなれない艶かしさを纏った音が
僕の耳に届き、次いで身を捩る快楽が下半身を痺れさせた。

姉「ぁぁぁあああん・・・・」
僕「んーー!?!?!?!?!?!?」

先程の糸の噴出孔の中とは別質の雌の肉ヒダが一物に吸いつき
狭い膣で蕩けさせるような感触を与えられ僕のモノは直ぐに射精した。
しかし、姉は無言で腰を振り続けた。おかわりを求めるが如く―
僕「姉さん、ま」
姉「・・食事中に喋りかけないで・・・はぁあん・・・さいっこう」

ねぇさん・・・僕もう・・・朦朧とする意識の中で只管に姉に助けを求めた。

翌朝、僕は裸で目が覚めた。きちんと服を着た姉に膝枕された状態でだ。
姉の姿は昨日見たおぞましい姿でなく完全に人で、心配そうに黒い瞳で覗き込んでいた。
姉「よかった目覚まさなかったらどうしようかと思ってたの
  ・・・その昨日、そのあの・・・ごめんね・・・ほんと私」
僕「え・・・?」
姉「ッだか、ら・・・その私なんか急に・・・変になってから
  記憶が曖昧で・・・唯、ね?あんたをその・・し・・・たことは覚えて」
?何かがおかしい。どうやら姉には記憶の改変でも起こっているのか・・・?
僕「姉さん、昨日の自分の姿覚えてる?」
姉の顔が見る見る赤くなるのが分かったが、僕は続けざまに尋ねた。
姉「・・・裸だったけど、なによ!自慢じゃないけど白くてきれいな
  脚だし、胸だってそこそこあったでしょ?」
姉は色々一杯一杯なのか混乱しているようだったが、僕は二つの
確信を得ていた。即ち”自分の姿が変わった事を忘れている”事
そして・・・・
僕「姉さんが思っているほど胸は無かったよ」
姉「ッ!?アンッタ、く・・・」
大分、沸点をオーバーしているようだが、弟をレイプしたという罪悪感からか
姉は何も言わずに立ち上がるとそそくさと部屋を後にした。

その後、姉が彼氏と別れたことを知った。あの日の事件が原因かは定かでないが。
また、姉にはある変化が表れた。如実に僕に対して優しくなったのだ。
それが、本来僕が抱かなくてはならない罪悪感を姉が自分の責任として
背負っているからからと理解していても、僕は居心地の良さに変化はかった。

そこで僕はあの日、露店の店主がいった「タノシメ」の言葉の意味を
噛みしめていた。

金色の小瓶の液体はまだたっぷりと残っており僕が次に行う実験の為に充分な量があった。