己の擬人化脳の限界に挑戦してみたので投下するよ。3レスの予定。
注意事項: 実験作 動物じゃないのも混ざってる エロ薄い



 夢を見ていた。
 はるかな昔、地球創世から間もないころの原始の海を漂う夢を。極端なまでに清潔で虚無的な海中を漂い、漂い続ける。
 流れ着いたのは、深海の闇の中。そこに、この惑星で最初の生物がいた。海底から突き出た煙突から、猛毒の硫化水素が吹き出す場所に。
この灼熱の地獄のような光景こそが、生命の始まりの場所なのだ。
 黒い硫化物の煙幕の中から、全ての生命の母なるものが手招きしていた。まるで糸が手繰り寄せられるように、『私』はそちらに漂っていく。
 『彼女』は私を優しく迎えてくれた。まだ幼く、生まれたばかりの彼女が、慈母のように私を抱く。拙い手で、私を愛撫する。
やがてその手は、何かを求めるように私の生殖器へと伸ばされた。小さい手が、擦るというよりはまとわりつくように、やわやわと私のそこに触る。
当然、それだけの刺激では達することはできない。だが、その手はいつまでも離れず、あるかなしかの快楽を私に流し込み続ける。
 やがて、そんな行為も数億年続いたころ、ついに私は射精した。飛び出した私の精は海中に拡散し、その一部は彼女の体にも付着した。
付着したそれは、彼女の体に溶け込むように消えた。

――ありがとう。また、しばらくしたら来て――

 彼女に促され、私は再び無秩序に海中を漂いだした。

 それから何億年か経ったある時、私は彼女に再会した。

「見て! 私、口ができたんだよ!」

 嬉しそうに、無邪気にいう彼女は、その透明な体を揺らして踊った。近づくと、ゼリー質の体に、小さいながらもちゃんと機能する口がついているのが見て取れた。
まだ海流に漂うだけの弱々しい生き物ではあったけれど、海面近くで陽光を受けながら踊る彼女は、確かに美しかった。

「ねえ、またちょうだい」

 銀糸でできたような触手をきらきらと輝かせながら、彼女がねだる。私はただ、彼女に身を任せるだけだ。

「せっかくだから、口を使ってあげるね」

 触手で私の体を捕えた彼女は、ご自慢の口に私のそれをくわえた。ぬるぬるとした感触に包み、つるつると滑る肉を健気に収縮させて、
単調ながらも確かな快感を私に与える。ほどなく勃起し尽くしたそれは、彼女の小さな口には余るようだったけれど、それでも彼女は口を離さなかった。
そして私は、彼女の口内にたっぷりと精を放った。彼女はそれを至上のごちそうのように、懸命に体内に飲み込んだ。

「おいしかったよ。じゃあ、またね」

 彼女は別れを告げ、私とは別の海流に乗っていずこともなく去って行った。

 それからまた長い時が流れて、すっかり様相を変えた海の中で、私と彼女は再会した。

「久しぶり。ねえ、今度のわたしはどうかな?」

 彼女は、水中でくるりと輪を描いて見せていった。そんな風に活発に動くだけの力をすでに持っていたのだ。筋肉とひれと、
そして未発達ながら背骨らしきものを備えた彼女は、動物としての躍動感に満ちていた。

「さ、またしましょうか」

 すっかり活動的になった彼女は、私を捕まえてからそう言い放った。

「そうね。今度は、ここでするのはどうかな?」

 彼女は自分の肛門を私の前に差し出した。そこも、しばらく会わないうちに新しくできた器官なのだ。

「じゃあ、入れるよ」

 彼女はためらいもなく私の上にのしかかり、自らの胎内にそそり立つ男を迎え入れた。細い管を分け入る感触がして、私は彼女に包まれた。
彼女は私の上で体を躍らせる。筋肉の力強い収縮が、私の肉茎を絞り上げる。これまでにない強力な快感が、私のそこではじけた。
 にゅるにゅると蠕動する管の中で、私は容易く精を漏らした。彼女は自らの中に流し込まれる精の感触を味わい、微笑んだ。

「次のわたしを、楽しみにしてね」

 長々とした射精が終わると、彼女はそういって身をひるがえし、素早い泳ぎで去っていった。

 それからも、私と彼女との逢瀬は繰り返された。
 ある時は、彼女は銀の鱗と立派なひれで体を飾っていた。

「私にも、生殖専用の器官ができたのよ。ためしてみる?」

 ある時は、ぬらぬらとした粘液で包まれた体と四肢を持ち、水辺で妖艶に体をくねらせた。

「ねえ、このぬるぬるした手でこすってみたら、気持ち良いと思わない?」

 またある時は、鉤爪で武装した強大な姿を誇り、恐るべき俊足で私に襲いかかった。

「もうあなたに逃げるすべなんてないのよ。おとなしく食べられちゃいなさい」

 そしてまたあるときは、やわらかい毛皮と優しい瞳。そして溢れる母性で私を誘惑した。

「おっぱいができたの。ほら、触りたいでしょ? 思いっきり甘えてもいいよ」

 私と彼女は何回も何回も交わった。そのたびに、彼女は新しい彼女だった。
 繰り返し私は精を絞られ、彼女はそれを体で受け止めた。そのたびに私は小さく幼くなっていき、彼女はますます強く美しくなった。
 はるかな時が過ぎ、目覚めの時が近づく。

 やがて、僕は…………

 おぎゃあ ふぎゃあ――

 僕の目覚めの声が、白い部屋に響く。
 彼女は僕をその胸に抱え、優しく微笑んで、

「ねえ、次はどんな私がいい?」

                                                    ―――― 了

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最終更新:2010年06月12日 16:08