じゅぷじゅぷ、ぐぷぐぷぐぷ

……なんだろうか、さっきから変な音がするような……
あー、ひょっとしたらシャワーの栓をしっかり締め切れなかったのか?
あそこ、ちゃんと締め切らないと、何時までもぼとぼとと水が零れまくるからなぁ……。

ちゅぶちゅぶちゅぶ、じゅぷじゅぷじゅるる

で、俺は何で布団も敷かず炬燵で寝てるんだっけ?
……あー、そういや、俺は前回も前々回もカウントダウンを見逃したから、
今年こそは失敗しないと、今回の『笑ってはいけないシリーズ』を泣く泣くビデオ録画にしたんだっけ。
で、年越しそばを食べて、後はカウントダウンを待つだけと安心しきった所で……、
昨日までしていたバイトの疲れもあって、そのままうっかり寝てしまった、と。……マヌケ過ぎるだろ、俺。
何の為に『笑ってはいけないシリーズ』をビデオ録画したんだよ。もうバカなの? 死ぬの?

ぐじゅぐじゅ、ぢゅっぢゅっぢゅっ、くちゅくちゅくちゅ

まあ、そんな自分自身のバカさ加減に悲しさを感じているのはここまでにしておいて、
今年の年越しは何か足りないような気がしていたんだよな、そう、ここ数年は毎年の様にあった事だけど。
つか、さっきから聞こえるこの音は何だ? もう明らかにシャワーの閉め忘れの音じゃねーだろ?
おまけにその音に合わせて股間の辺りに柔らかい物や熱くぬめる物が蠢いて……

「――って、何やってんじゃぁ!!」

俺が目を覚まし様に跳ね上げる様に炬燵の布団を捲ると、その闇の奥に輝くのは金色の双眸。
良く見ると、それは自分の背で炬燵を押し上げながらも、俺の愚息を大きな乳房と舌先で弄ぶ全裸の虎姐の姿があった。

「んぢゅ…――あ、起きた」
「『あ、起きた』じゃない! いきなり何してるんだと俺は聞いて――」
「光喜、それより新年の挨拶を忘れてるぜ?」
「―――あ、そうだった、明けましておめでとう、虎姐」
「うんうん、こちらこそあけおめだ、光喜。 今年も宜しくな!」
「ああ、こちらこそ今年もよろし……って、そうじゃない! 話を逸らすな、話を!」
「ちぇ、話の流れを逸らせなかったか……」

こ、こやつは……ま、まあ良い、こんな事で新年早々カッカしてたら今年はずっと怒っていそうだ。
だから落ちつけ、光喜。冷静に冷静に、クールにクールにだ、光喜。

「……で、改めて聞くが、虎姐はいきなり何やってるんだ?」
「いやぁ、見れば分かるじゃないか。夜這いだよ、夜這い」
「…………」
「そ、そんなに怖い顔しないでくれよ、光喜。ちょっとした冗談じゃねーか」

睨みつける俺の顔が余程怖かったのか、獣耳をぺたりと伏せて苦笑いを浮かべる虎姐。
尻尾丸めて怯える位ならくだらん冗談を言うんじゃないっつーの。と、怒っているのは其処までにして、と。
先ずは聞くべきことを聞かねば何時まで経っても話がまとまらん。

「で、虎姐、何だって今更夜這いなんかしてるんだ?、今までは堂々と来てただろうに……」
「何でって聞かれると、そうだなぁ……去年はなんだかんだであの熊女に先越されちまっただろ?」
「ああ、そうだな……。あの後、何発出したのかも覚えて無い位に熊谷さんにヤられたからな……」
「あの熊女…そんなに…! って、そんな事より。まあ、そんな形で散々だった去年の新年の経験を踏まえてだな、
今まで堂々と来ていた新年の挨拶を変えて、今回は光喜が寝入った所をこっそりと頂いちまおうって事にしたんだよ」
「なるほど。そう言う訳か……でも納得はしないぞ?」

言ってジト目を向ける俺、更に苦笑いを深める虎姐。
と、其処で俺はある人が居ない事に気付き、虎姐に問いかける。

「なあ、所で獅子沢さんは? 何時もだったら一緒に居てもおかしくないのに……」
「ああ、アキラの奴だったら、あたしが光喜の家に行く前に、電話で『今年も行かないか?』って誘ったんだけど
あいつ、『今年は先輩が主役の虎年ですから、先輩が光喜さんを一人占めにしちゃってください』って言ってな」
「……先輩想いの良い後輩じゃないか……」
「そうだな……後でアキラに何か奢ってやらねーとな……」

そうやって二人で暫くの間しみじみとしていた所で、俺ははと気付く。
ってか、今の俺って虎姐に性的な意味で襲われてる最中じゃなかったっけ? 
もうしみじみしている場合じゃなくて早く何とか……って、もう完璧にマウント取られてますね。俺オワタ\(^o^)/

「ふふ、やっと自分の置かれてる状況を思い出したな、光喜♪」
「うあー、くそー、やっぱり今年もこうなるのかよチクショー」

言って、好色な笑みを浮かべ圧し掛かる虎姐、無論、俺に出来る事といえば首を左右に振る事くらい。
愚息の辺りに押し付けられた虎姐の秘所がぬるぬるに濡れている辺り、もう準備は万端の様だ。
ついでに胸にふぬふぬと押し当てられる虎姐のチョコレート色の乳房が、やたらと気持ち良く感じるのが少し悔しい。
つーか、それ以前にそろそろ自重しろ我が愚息よ。

「口じゃ嫌がってながらこっちは元気じゃないか、それじゃ、行くぜ」
「ちょ、それは虎姐がフェラしてたかじゃn―――の゛あ゛っ!?」

俺が抗議の言葉を言い切る間すら与えず、虎姐は腰に体重をかけて秘所へ俺の愚息を根元まで挿入した!
途端に俺の愚息全体へぬめぬめと絡み付く虎姐の膣壁、相変わらず熱いゼリーのような感触が心地よすぎる……!
しかし、何時もならば挿入した後、直ぐに腰を振る筈の虎姐は、腰を密着させたまま静かに俺を見下ろすばかり。
クソ、こうなると逆にもどかしいとしか……!

「どうしたんだ光喜? 何か期待してるみたいだけど、あたしに何をしてもらいたいんだ?」

言って、にやりと嗜虐的な笑みを浮かべる虎姐。
……そ、そうか、虎姐は弄んでいるんだ! ネコ科の猛獣が捕らえた獲物を弄ぶ様に。
そもそも言えば虎姐は虎の獣人、捕らえた獲物である俺を弄んでも何らおかしくはない!

「あれぇ? 光喜ぃ…あたしの中で大きくしちゃってどうしたんだ? 
さっきまであんなにあたしにヤられるの嫌そうだったのに、今はなんだかヤられたそうな顔をしてるぜ?」
「ぐっ……」

虎姐はニヤニヤと嗜虐的な笑みを浮かべながら、べろりと俺の首元を舐め上げ、尻尾で俺の太腿をなで上げ、
押しつけた乳房で俺の胸を撫でまわし、更には胎内の愚息をやわやわと締め上げる事で、俺の心を性的に弄んで行く!
たちまち腰の奥に渦巻き始める甘く熱い感覚、イきたい、されど決定打が無いのでイけない。ああ、なんてもどかしい!
そんな俺の心のうちを読んだ様に、虎姐は俺に耳打ちする様に囁き掛ける。

「光喜ぃ、あたしに『何』をしてもらいたいんだい? 早く言ってくれないと何もしてやれないぜ?」
「ぐ、ぐぐぐ……」

虎姐の言葉に呼応する様に、イきたい、もう思いっきり射精したい! と俺の本能が叫ぶ。
しかし、俺の生まれ持った偏屈さが形成した理性が「素直に従ってたまるか」と本能へ反発する。
やがて俺の心の内で激しく攻めぎ合う本能と理性、そして……

「わ、分かった……」
「んー、何が分かったって?」
「俺の負けだ! だから、だからガンガンに攻めて、俺をイかせてくれっ!!」

俺の心の内を舞台にした理性対本能の勝負は、本能の大逆転ホームランによって幕が降りた!
そして、それを待ってましたとばかりに虎姐は満面の笑みを浮かべ。

「良し、光喜がそう望むなら……いくぜいくぜいくぜっ!!」
「えっ!? うぉっ!?」

ぱんぱんぱんぱんっ!

腰を僅かに浮かせるや、凄まじい勢いと早さをもって、腰と腰を打ち付かせる様に激しく腰を振り始めた!
先ほどの緩やかな責めがまるで嘘だったかの様に、愚息が虎姐の肉襞によって激しく責め舐られて行く!
その際、虎姐の背中が押し上げていた炬燵が、虎姐が腰を動かし始めた事で勢い良くひっくり返ったが、
んな事気にしている余裕なんて、責められている俺にある筈も無く。

「ちょ!? とっ、虎…ねぇ!? 少しっ、激しっ、過ぎっ!!」
「何をっ、はっ、言ってるんだっ、ふぁんっ! 攻めてくれって、くっ、言ったのはっ 光喜の方だろっ?!」
「やっ、それはっ、クっ、確かに言ったけどっ! だからって、くぅっ、幾等なんでもっ!」

俺は腰の打ち付けられるリズムに言葉がぶつ切りにされつつも、必死に虎姐へ自制を求める、だが……

「残念だけどっ、あっ、光喜が何言おうと、ハッハッ、あたしはっ、あはっ、もうっ、自分でも止まらないっ!」

もう既に性本能の獣と化した虎姐がそれを聞き入れてくれる筈も無く、その腰の動きの激しさをより強くさせる!
虎姐の膣壁が時には激しく愚息を吸引し、そして時には激しく愚息を撫で付ける。
その度に脳髄を激しく揺らす快感、更に快感を得ようと腰が勝手に動いてしまう。も、もう何も考えられない。
ああ、もう、限界が…――――

「―――う゛っ、あ、ああっっッ!!」
「ふぁっ!?―――あ、ふぁぁぁぁァっ!!」

虎姐が一際強く腰を打ちつけたと同時に俺は限界に達し、虎姐の胎内奥へ熱い滾りを解き放つ。
そしてそれと同時に虎姐も絶頂に達したらしく、膣壁を激しく蠢かし愚息の射精を促すと共に
大きく身体を仰け反らせて身体を震わせた後、どさりと俺の胸へ倒れこんだ。

……あー、今回はかなり激しかったなぁ……。これはちょっと後の初詣に響きそうかな?
まあ、これで虎姐が満足してくれると言うなら、これはこれで満更でも……

「光喜ぃ……お前、これで終わったと思ってないかな?」
「え゛」

そんな賢者モードに入っていた矢先。
顔を突っ伏したままの虎姐が言った事に、俺は思わず目が点になってしまう。

「せっかくアキラから、「一人占めにしちゃってください』って言われたんだ。
これくらいで満足しちゃあ可愛い後輩に面目立たんよなぁ?

ええっと、ひょっとするとこれはもしや虎姐はまだ……。

「そう言う訳で、ラウンド2だ光喜。頑張ってくれよな♪」

言って、ゆっくりと顔を上げた虎姐の金色の双眸は、
明かりの無い部屋から見ても分かる位に情欲の炎が激しく渦巻いていた。

―――そして、ボロアパート中に虎姐の嬌声と、俺の嬌声混じりの悲鳴が木霊するのだった。



……その後、ようやく意識を取り戻した俺が見たものは、初日の出ならぬ初夕日であった。
結局、今年もこのパターンですかこんちくしょう。

――――――――――――――――終われ――――――――――――――――