その喫茶店は、広大な草原の真ん中にあった。
辺りは見渡す限りの草原。遥か彼方に目を移すと、雪を被った山脈が延々と連なっている。
牧場らしく、木製の簡単な柵が立ち並び、牛がのんびりと草を貪っている畦道の脇。
住居兼用と見られる喫茶店がちんまりと佇んでいた。
道の脇に、「IN 喫茶店」という看板が無ければ、誰も喫茶店と気が付かないだろう。

 その看板の前で、一人の男が安堵の溜息を付く。
自転車を引き、泥に汚れた格好の男。と、いうのも、
(転んだときに飲料水全部ぶちまけるとはな)
自転車旅行中の男にとって、コンビニはおろか、人の住まう住居すら見えない現状では、
看板が救いの神に見えたことだろう。

「ごめん下さい」

扉を開けると、乾いた鈴の音が客の来店を告げる。
見回すと、小奇麗に整理された木製のテーブルと椅子。
簡素ながらも、木の色に深みのあるカウンターが目に付いた。

「どなたか、いませんか?」

扉から手を放した男が店の奥へと歩みを進めるが、対応に出る者は誰もいない。
牧場に出ているのかと考えをめぐらせつつ、カウンター前の回転椅子に腰掛ける男。
何気なく目を横に移した瞬間、思わずその場から飛び退いた。
男の前に、すやすやと眠る人の顔があったからだ。
 カウンターに顔を突っ伏し、惰眠を貪る女性。
横にある巨大な花瓶に隠され、気が付かなかったのだろう。
驚きながらも顔を良く見ると、女性が普通の人間ではないことが分かる。
黒髪を掻き分けて生える二本の小さな角。顔の横から飛び出た細長い耳。
耳には、白地に黒い斑点が浮かび、彼女がホルスタインの獣人であることを示している。

 しかし、男がそれ以上に驚いたのは、胸の大きさだ。
普通の人間がカウンターに突っ伏して眠る場合、顔を直に載せるか、
腕をクッションにするのが普通。
 だが、眼前の牛娘は、カウンターに、顔以上の大きさを誇る胸を置き、
そこに自らの顔を載せて、寝息を立てる。
スイカほどの大きさを持つ胸の上に顔を載せているものだから、重みで胸が圧迫され、
みっちりと張った胸が服から零れ落ちそうになっていた。
 相手が眠っているのを良い事に、顔を近づけて覗き込もうとする男であったが、

「うっ、ん……んっ?」

 顔の横から延びる耳が僅かに反応し、胸の上に載った顔が男を見据え、視線が交わる。
気まずい空気が流れる中、相手の獣人は、何事も無かったかのように再び寝息を立てた。

「あ、あの、ちょっと」
「ふあっ、もしかして、お客様ですか?」

 牛娘もようやく目を覚ましたようで、のっそり立ち上がると、男を見下ろす。
身長2メートルはあろうかという巨体が立ちふさがり、思わず見上げる男。
視線の先には、先ほどの巨大な胸が、自らの大きさを誇っていた。

 視力が悪いのか、エプロンから黒縁の眼鏡を取り出すと、横長の牛耳にのせる。
おっとりとした顔がさらに愛らしく見え、角があることなど気にならない。

「あ、あのぉ」
「失礼しました、視力が悪いもので、てっきり、牡牛の太郎が除いているのかと……」
「へ、太郎……」
「お客様は久しぶりです、さぁ、メニューをどうぞ」

 促されるまま席に着き、メニューを眺める男。
だが、カウンターに両肘を付いた牛娘がおっとりとした笑顔を見せながら、
男の顔を覗きこむものだから、選ぶどころではない。
 牛娘は立ったまま腰を曲げているものだから、メニュー越しに胸の谷間が見える。
首に付けられた大きな鈴にジャマされ見づらいが、男の視線は、牛娘の胸に吸い付く。

「お客様、お決まりになりましたか?」
「はひっ、あの、うしちち……じゃなくて、牛乳を」
「牛乳ですね、牧場の絞りたてをお持ちします」

 言うや、とびっきりの笑顔を残し、カーテンの奥へ消えていった。
おそらく、キッチンでもあるのだろう。
後ろを向いた彼女の尻から細い尻尾が伸び、嬉しそうに踊っていた。

 久々の来客に胸が躍る牛娘。
文字通り、彼女が身体を揺するたびに、両の胸が上下に揺れ踊る。
牧場で採れた新鮮な牛乳を提供すべく、冷蔵庫の扉を開けた牛娘だが、

「あら、無いですねぇ」

 あるはずのモノが無く、牛娘の顔に困惑が浮かぶ。
牧場自慢の絞りたて牛乳。常に新鮮なものを提供できるよう準備していたはずだが、

「無いですうっ、困ったですうっ」

 今から絞りに行こうかとも考えたが、鈍足な己の足ではどれだけの時間が必要か、
考え付かない彼女ではない。
 途方に暮れる牛娘が視線を落とすと、自分の巨大な胸が目に入った。
中身の詰まった牛獣人の牛ちち。乳牛の誇る巨大な乳。
 両腕で自らの胸をもみしだいた彼女は、決意を持って上着を脱ぎ……


▽△▽


「遅いな、まさか、本当に牧場まで乳搾りに行ってるんじゃないだろうな」

 牛娘がカウンターの奥へ消えてから、どれだけの時間が過ぎたろう。
さすがの男も待ちくたびれ、腰を上げかけるが、

「おっ、おまたせしました」

カーテンに隠されたキッチンの向こうから、牛娘が姿を現した。
自らの胸を揺すりつつ、男の前にグラスを置く。
透明なグラスの中には、真っ白な液体がなみなみと注がれていた。

 男は置かれたグラスを手にした瞬間、違和感を覚えた。グラスが生暖かいのである。
疑問を抱きつつ視線を上げると、牛娘は息を乱し、上衣を乱している。
不思議と顔は赤らみ、興奮の呈を示していた。一瞬ながら、口にするのをためらったが、

(本当に、牧場まで走って行ったのかな)

 自分を納得させ、グラスに口をつけた。そして、そのまま一気に飲み干す。
生暖かいのは少々気になったが、甘い口当たりはそれすら気にさせぬ。
 口当たりはさらりとしているのに、喉腰は重く、喉を通った液体が胃全体へと満ちてゆく。
まるで、胃にも味覚があるような感覚を覚え、奇妙な幸福感が身体全体へ染み渡る。

「うまいっ、こんなうまい牛乳は初めてですよ」
「本当ですか、喜んでもらえて、私も嬉しいです」

 グラスを置いた男の顔に笑顔が広がり、心配そうに見つめていた牛娘も顔が綻ぶ。
目を瞑ると、広大な草原の光景が浮かび、自分がそこに立っている幻覚さえ見えてくる。
それを眺め、自らも幸福感に包まれる牛娘であったが、次に男が放った一言は、
牛娘を再び困惑させた。

「ふっ、うまかった、あの、もう一杯いただけますか?」
「もう一杯、ですか……」

 あきらかな動揺を示す牛娘。
顔と同様に身体と尻尾を左右に揺すりつつ、何かを言いあぐねているようであったが、
男に顔を向け直すと、赤く染まった顔が、再び男を見下ろした。

「あの、少々お時間がかかりますが、よろしいでしょうか?」
「また牧場まで行くんですね、なんなら、私が自分で絞りましょうか」
「じっ、直絞りですか……わかりました、お客様がそうおっしゃるのでしたら」

 何気なく言った男の言葉に、牛娘の顔が緊張で引き締まる。
一瞬の迷いを見せつつ、カウンターから出た牛娘は、男の前に立つと、上着を放り出した。
ブラも着けていなかったようで、服が投げ捨てられると同時に巨大な胸が空気に触れる。
丸く張った胸は、何の支えが無いにも関わらず、重力に負けることなく、
形の良い張りを保っていた。

「おっ、お姉さん、いったい何を」
「ですから、お客様に直絞りしていただけると」
「直絞りって、まさか、さっきの牛乳って、お姉さんの、乳?」
「はい、その通りです」

 牛娘は腰を屈めると、巨大な乳房を男の前に差し出す。
恥かしさに顔を逸らしながらも、視線は男の行動を凝視していた。
異常な事態の到来に男も困惑を見せる。
直に絞ってくれと胸を差し出されても、男は身体を硬直したまま動けずにいた。
その間にも、牛娘の興奮は高まり続け、呼吸は今までに無いほどの速さになり、そして、

「お客様、私、我慢できません」

 興奮した牛娘は、男の両肩を持つと、そのまま床に押し倒したのである。
地面に倒された男の顔に牛娘の胸が圧し掛かり、圧迫する。
脱出しようにも、男には牛娘の重量を跳ね除ける力は無かった。

 男の口へ片方の乳房が向けられ、牛娘は体重に任せて押し付ける。
もちのように柔らかな胸は男の口を塞ぐように形を変え、顔全体を包み込む。
呼吸の難しくなった男が口を開けると、大きく張った乳首が口内に飛び込んできた。

「あんっ、吸って、やさしく、吸ってくださいませ」
「んっ、んんっ」

 言われるままに口を窄め、乳首を優しく絞る。
乳首を傷つけないよう、歯を立てないように力を込めるのだが、乳が出る気配は無い。

「んっ、出ないですかっ、歯で優しく噛むように絞っていただければ、出るかと思います」

 言われたとおり、乳首に歯を添えると、恐る恐る力を込める。
乳首を両側からしっかり押さえながら舌先で先端を弄ると、僅かに甘みを感じた。
自由になっている両腕で胸を両側から押さえつけ、顔を埋めるようにして胸を圧迫すると、
さらに多くの甘みが口全体に広がった。

「もっと胸を押さえつけて、口でもっと吸ってください」

 息を吐き出し、胸に吸い付いた男は、両の歯で乳首に掴みかかると、一気に吸い込んだ。
すると、乳首の先から甘いミルクが迸り、喉の奥まで飛び込んできた。
歯の力をそのままに口を窄めると、その度にミルクが染み出し、飲み下す。

「赤ん坊みたいですね、もう片方の胸も、同じようにお願いします」

 牛娘が身体を放すと、男の舌が無念そうに宙を泳ぐが、もう片方の胸が男の頭上で
揺れると、再び男の口に向かって降下した。

「んふ、片方の乳首を吸ったら、もう片方も吸えって、どこかの神様も言ってましたね」

 頭の隅で違うだろうと突っ込みを入れるが、男の視線に映るのは巨大な乳房だけ。
我慢のならない男は、牛娘が胸を押し付ける前に自らの腕を牛娘の身体に絡め、
顔を乳房に押し付けた。
 積極的な男の行動に驚きつつも、牛娘はゆっくりとしたペースで身体を下ろし、
男に圧し掛かる。
牛娘の重量でやわらかな乳房が変形する頃には、男の吸引によってミルクが迸り、
男の喉を通る音が聞こえていた。

「あはっ、凄い勢い、これじゃあ、私の胸が、空になっちゃいますよぉ」

 口の動きを早める男に対し、牛娘はおっとりとした表情のまま、男の髪を優しく撫でる。
子をあやす母親のような、自愛に満ちた表情。
だが、乳房からミルクを吸いだされるたびに、その表情が母から牝へと変化してゆく。
乳房に夢中の男が知らぬ間に、逃げ出せぬ状況に陥りつつあった。

「んっ、ぷはぁ」
「ご満足されましたか、お客様の食欲は、満足、されましたよね?」
「ええ、とっても」
「よかった、食欲を満たしていただいたあとは、性欲も満足させて差し上げます」

 抱きついていた両腕を離し、床に寝転んで天を仰ぐ男の表情が凍りつく。
頭上で男を見下ろす牛娘の顔は、優しげなままなのに、
放たれた言葉には、一切の反論を許さない迫力があった。

「私のミルクを吸ったのですから、私にも、お客様のミルク、吸わせてくださいませ」

 男の上着を脱がしにかかる牛娘。身体をくねらせ僅かな抵抗を試みるも、敵わない。
力の差は歴然である。
服が上に引き剥がされると、両腕が自然と頭上で交差し、バンザイをしたような格好に。
 そのまま服が脱がされれば、男の両腕は解放されるはず。
なのに、服は手首辺りで動きを止め、男の手首をきつく締め付けた。

「あれ、手が動かない」

 首を何とか動かし、己の状態を確認しようとした男は、現状を知る。
牛娘は器用にも服を利用し、男の両腕を頭上で拘束したのだ。
 ご丁寧に、服は両腕だけでなく、近くの回転椅子にもしっかりと結ばれている。
つまり、男の腕は頭上でクロスしたまま、完全に拘束されたことになる。

「さて、次は下半身も脱がしてさしあげますね」
「ちょっと、やめっ……」

 その言葉を無視した牛娘は、巨大な尻を男の胸に乗せた。
拘束された男の視線には、後ろを向いた牛娘の巨尻と、嬉しそうに揺れる尻尾が映る。
下半身が露になると、すでに硬直した男のモノが現れ、牛娘を喜ばせた。

「元気な子、当然ですよね、私のミルク、あんなに飲んだのですから」
「君のミルクに、そんな効果が?」
「ご存知無いんですか、発情した牝牛のミルクは、媚薬にもなっちゃうんですよ」
「そっ、そんなぁ」
「ふふふっ、もっと元気にしてさしあげます」

 尻を後方にずらした牛娘は、身体を曲げると、両腕を自分の乳房に添える。
乳首を指でつまみ上げ、先端を男根に向けると、乳首を指で擦りあげた。
牛娘の背中しか見えない男には、何をされるのか分からない恐怖があったが、
直後、己の下半身に生暖かい物が降り注ぎ、何をされているのかを知る。

「私のミルクが、お客様の立派なモノに、いっぱいですうっ」

 牛娘のミルクが降り注ぎ、男の昂りは最高潮に達する。
男が飲んだ乳は、普通の牛乳と同じような粘度であったのだが、
下半身に降り注いだのは、ローションのようにねっとりと、男に絡みつく。
胸から手を放した牛娘は、ミルクで滑った男の竿を、ゆっくりと握りこんだ。

「おいしそう、この形はまさに、牝牛の乳首そのものですわっ、我慢、できませんっ」

 巨大で分厚い牛の舌が、竿を巻き絞める。
ミルクと先走りの交じった液体を嘗めとり、牛娘は悦に浸っていた。

「はむっ、おいひぃ、むちゅっ」

 牧草を食む牛のように、のんびりとした口の動きは、男を射精に至らせない。
射精寸前の昂りを維持したまま、男にとっては地獄のような責め苦が続く。
舌や口の動きに呼応して、顔を左右に揺する。口をしぼめて吸い上げる。
自らの重量で押さえつけ、身動き取れない男を執拗に舐る牛娘。
 牛娘本人にその気は無いのだが、焦らし続けられている男は、たまったものではない。
両腕を縛られ、圧し掛かられ、一方的に緩慢な愛撫を受け続けた。

「おっ、お姉さん、お願いだから、射精、させてっ」
「あらあら、もう我慢が出来ないんですか、いけない子ですねぇ」

 言うや、今まで無い強力な吸引が男を襲う。
牛娘の口内で分厚い舌が蠢き、竿をこすり上げると、男はそのまま精を放出した。
焦らされた分、射精の量も多かったはずだが、牛娘は気にすることなく飲み下す。

「お兄さんのミルク、全部飲んじゃいました。もっと、ご馳走してください。」
「お姉さん、もう満足したから、開放してください」
「駄目です、私はまだ満足してないんです、たくさん、はみはみしちゃいます」

 再び、男は口の中に収まった。
特に男を刺激したのが、牛娘の口から絶え間なく溢れる唾液。
牛娘が口をゆすぐ度に、唾液が泡立ち、細かな泡が繊細な刺激を与え続ける。
竿の根元までしっかり呑み込んだ牛娘は、顔を動かす事はない。
口と舌の動きだけが、男の意識を昇華させた。

「今、出したばっかりなのに、また、出るっ、ひいいっ」

 今度は、あっさりと射精を許す牛娘。
射精と同時に、精液と唾液の混じった口内の液体を飲み下す。
かと思えば、再び口内に唾液が満ち、男を果てさせる。
激しいバキュームフェラは、さながら搾乳機。
 さっきまで射精を懇願していた男が、今度は射精を拒んで声を荒げる。
牛娘は、男の悲痛などお構い無しに、白く粘った液体を、己の胃袋へ流し込んでいった。

「唾液が、こんな凄いなんて知らなかった」
「牛はね、一日に100リットルも、涎を垂らすんだそうですよぉ」
「おねえさんっ、そんな豆知識いらないからっ、もう開放して……」
「駄目ですよ、次は、もう一つのお口にも、ミルクをご馳走していただきます」

 牛娘は、背中を向けたままのっそりと立ち上がる。
身体を男の顔に向けなおすと、見せ付けるように自らの下着をゆっくりと下ろした。
牛娘の手を離れた下着は、床に落ちると、布らしからぬ重い水音を響かせる。
男の眼前には、濃厚な愛液が溢れ、透明な糸を引く秘所が露になっていた。

 牛娘の巨尻に備わった秘所は、周囲がプックリと脹れた無毛の丘。
その中央にある長い筋からは愛液が絶え間なく溢れているが、
入り口は両側の肉壁できっちりと閉ざされ、その奥を隠している。
牛娘が己の尻に手を添え、ゆっくり力を込めると、
入り口からは考えられぬ巨大な穴が、その姿を晒していた。

「下のお口からも涎がいっぱい、いただきまぁす……あら?」

 男のモノを呑み込もうと、腰を下ろしかけた牛娘の動きが止まる。
視線の先には、ついさっきまで自分の口の中にあった男のモノ。
すっかり萎えきった男根が、首を垂れていた。

「お客様、もう萎えられてしまったのですか」
「しょうがないですよ、だって、何発出したと思ってるんですか」
「しかたないですねぇ、じゃあ、もう一度飲んでいただきましょう」

 男に跨ったまま膝を突いた牛娘は、覆いかぶさるように身体を曲げた。
両の胸を手のひらで揉みこみ、中身がたっぷり詰まっているのを確認すると、
指で両の乳首を摘む。

「はい、口を大きく開けてください」

 言われるままに口を開くと、両の乳首が口内にねじ込まれた。
乳首に添えた指を転がすように動かすと、男の口内にミルクが噴射される。
口はどんどんとミルクで満たされるから、男は飲まざるをえない。
粘り気を盛った牛娘の発情ミルクは飲むたびに喉に引っかかるような濃さで、
飲めば飲むほど、男の滾りは増してゆき、萎えていた男根も、垂れていた首を起こした。

「あらあら、素直な息子さんですね」

 立ち上ろうとした牛娘は、活力を取り戻した男根に目を落とすと、笑みを浮かべる。
と、腰を完全に上げきることなく、尻を男根に下ろしていった。
亀頭の先端が閉ざされた入り口に触れると、牛娘の眉が僅かに反応する。

「んっ、今度こそ、いただきまぁす」

 牛娘が、体重に任せて腰を落とすと、男根はその姿を穴の奥へ消した。
入り口は狭いが、一歩入れば内部は異様に広い。
 男は根元だけをきっちり締め付けられ、他はわずかに肉壁が触れている程度だ。
きつく閉まった入り口が、亀頭や竿に溜まった血液を逃がさず、
怒張したままの男根に何が待っているのか、男は、不安そうに牛娘の顔を見上げた。

「さっきのフェラとは比べ物にならない、本物の搾乳を体感させてさしあげます」

 牛娘の膣が、僅かに絞まる。肉壁が男根に密着し、やわやわと刺激する。
膣がうねり、竿を下から上へ波打つように蠢く。
膣圧は次第に高まり、竿を刺激する力も強まる。
その動きは、搾乳という言葉にふさわしいものであった。
 膣の中では、腕で扱かれるような感覚が続くが、牛娘の身体に動きは無い。
牛娘は、膣の動きだけで、男の精を搾り取ろうとしているのである。
 身動きのとれぬ男は、一方的な愛撫の連続に辟易していたが、
収まらぬ男根の疼きと、萎える事を許さぬ膣の動きに、我慢が仕切れない。

「だめだっ、出るううっ」
「ああっ、熱いっ、お兄さんの絞りたてミルク、とっても熱いですう」

 最後は、あっけなかった。
飛び出た精液は、膣の脈動によってが奥へと押しやられ、戻ってくる事はない。
射精の痙攣の途中でも、膣の動きは留まる事を知らぬ。
尿道の精も全て搾り取るかと思えば、2度目の精を求めて刺激を強めた。
終わる事のない、機械的な動きが続く。

「お客様、私も久しぶりに、興奮してしまいました」

 おっとりとした瞳で男を見下ろしていた牛娘の表情にも、興奮の色を隠せない。
横長の耳が何度も振るえ、耳にかけた眼鏡が大きくずれている。
男が膣に3度目の精を捧げたころ、男の眼は、口をもごもごと動かす牛娘の様子を捉えた。
気付いた牛娘は、口内の液体を舌で手に塗りつけ、男に見せ付けた。
牛娘の手の平には、白く滑った液体が光っている。

「反芻ってご存知ですか、牛は、胃に呑み込んだものを、口へ戻せるんです」
「じゃあ、それはまさか」
「さっき呑み込んだ、あなたの精液です」

 驚きを見せる男を尻目に、牛娘は手の平を丹念に嘗め取ると、自慢げに口を動かす。
その行為に、牛娘本人も興奮の度を高めていた。
 牛娘は、身体を前後に揺する。
揺すってはいるが、腰をくねらせるだけで、根元はきっちり締め付け、抜けることは無い。
その乱れようは、怠惰で豊満な牛とは思えぬほどに激しく、美しい。

「お客様がいっぱい吸ったせいで、乳腺がゆるんで……あんっ、あふれるうっ」

両の乳房が上下に揺れるたびに、真っ白なミルクが雨のように降り注ぐ。
男の腹や胸、顔に至るまで、所々が白く染め上げられた。

「はうっ、精を出されながら、ミルクを出しながら、いっ、イクぅぅぅ」

 男の数度目の射精と同期するかのように、牛娘も絶頂に達した。
絶頂の瞬間は膣全体が締め付けられたが、牛娘の身体がぐったりと倒れこみ、
男の身体に寄り添うころには、牛娘の意思とは関係無しに、膣の脈動が再開される。

「お客様、もっともっとぉ、むにゃむにゃ」
「あの、お姉さん、寝ないで下さい、退いてください、せめて抜いてくださいっ」
「おいしいよぉ、はみはみ」
「うっ、胸が顔に、膣が脈動して……誰か、助けてぇ」


▽△▽


それからしばらく月日が流れ、同じ牧場の同じ喫茶店。
牛娘は今日ものんびりカウンターで転寝。
いつもと同じ光景のようで、いつもと違う日常が始まっている。
黒い影が牛娘の背後から近づくと、その巨体にゆっくりと覆いかぶさった。

「また、君の特性ミルクの注文が来ちゃった、どうする?」
「あらあら、胸に手を入れながらそんなこと言って、もう、せっかちさんなんだから」
「注文が来るのは嬉しいけど、貴重な発情ミルク、僕の分は残しておいて貰わないとね」
「うふふ、美味しいミルクが出るように、私をいっぱい、発情させてくださいねっ」

のんびりと雲が流れる風景も、牛達が牧草を食む光景も変わらない。
ただ、誰も来ない喫茶店で、愛を育む二人の姿が加わっただけだ。


【終】

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最終更新:2010年04月06日 20:39