「ふんふ~ん。ルンルン」
俺の隣でレトが嬉しそうに鼻歌を歌っている。
隠しているからわからないけどしっぽが出ていたらパタパタと揺れているはず。
外に出かける時はしっぽと耳は必ず隠させている。メイド服も禁止だ。
しかしスーパーのお買い得商品が買えたくらいでこうなるとはね。レトの可愛い所だ。
「今日の晩御飯はご主人様の好きなドリアですよ」
おっ、やった!!
レトの作るドリアは美味しい。それこそ店よりも数段上の味だ。
「だから荷物持ち頑張ってくださいね」
うーんと両手を上にし、レトはを気持ちよさそうに伸びをした。
残念ながら俺は両手がレジ袋で塞がっているから伸びはできない。
……重い
主人に荷物持ちをさせるとは。実は自分の方が力持ちなくせに。
「とはいえ、女の人に荷物持ちさせるわけにはいかないからな」
「ありがとうございます、ご主人様!!」
うっ、可愛い……
見た目だけなら立派な大人のお姉さんのくせに、たまに無邪気に笑う。
この笑顔を前にすると俺には何も言えなかった。
家に帰ると我が家のもう一人の住人であるハスキが迎えてくれた。
当たり前だけど玄関先で待つ姿は犬っぽい。
「ハスキちゃん、ただいま」
「おかえり。二人とも」
「頼むハスキ、この荷物を台所まで……」
差し出されたレジ袋をいともたやすく持ち去るハスキ。
あんなに小柄な彼女とは信じられない力だ。人間ではないことを意識させらるな。
「待っててくださいね。腕によりをかけますから」
メイド服へと着替えを済ましたレトがさっそく台所に立つ。
ようやく解放されたしっぽはピロピロと跳ねていた。
我が家の家事は全てレトがしてくれる。
俺とハスキはせいぜい買い物に付き合うか頼まれたら手伝う程度。
テレビを見ているとハスキが膝の上に乗ってきた。やっぱ女の子は軽いんだな。
ちょこんと座るハスキは愛らしい。見た目は俺と同じような年でもどこか幼さが残る。
ちょうどテレビでは動物番組をやっていて犬の特集をしていた。
どんな気分で見てるんだろう?元はといえばハスキも犬だ。
テレビで飼い主にじゃれる犬を見ると昔を思い出す。
元気なレトと静かだが甘えたがりのハスキ。よくじゃれついてきたっけな。
「くすぐったい…」
腕の中でハスキがもぞもぞと動いた。知らないうちに頭をなでていたらしい。
サラサラの美しい黒髪は触り心地がいい。
「ひゃっ、耳、ダメ」
おっとつい耳を触ってしまった。

髪の間、頭の上から飛び出す小さな耳。しっぽと同じく犬人間の特徴だ。
レトとは違い尖った白黒の耳はハスキの弱点、もとい性感帯。
あまり触りすぎると発情しかねないからやめとおこう。後で襲われるのはいつも俺だ。
「ご飯できましたよ―。席に着いてください」
本当にドリアを作ってくれたらしい。香ばしい匂いが鼻を刺激する。
匂いに敏感なハスキは余計に食欲をそそられたのか、気づけばもう席に着いていた。
いつの間に……って俺を置いていくなよ。
「で、レトは何をしてんだ?」
「熱いからご主人様が火傷しないように」
だからってふーふーしなくていい。それくらい自分でできるよ。
「はいご主人様、あ~ん」
言われるがままに口を開く俺。
面白くなさそうな顔をしているハスキが気になったが、ドリアの誘惑には勝てない。
「あの、どうですか?」
お…おいしい、ヤバいな。
「最高!!すんげーおいしい」
「本当ですか?」
「ウソをついてどうする」
褒めるたびにレトのしっぽがはちきれんばかりに揺れる。
その姿を見るとなぜだか犬だった頃を思い出した。
俺もスプーンでドリアをすくいふーふーする。そしてハスキの前に差し出した。
「……?」
「ほら、ハスキも食べてみ」
一瞬目を丸くするも言われた通り素直に口を開く。
ビーフジャーキーを食べさせた時みたいに口に入れてやる。
「な?おいしいだろ?」
「うん、おいしい」
ぴろぴろ揺れるしっぽ。
よかった…そこまで機嫌を損ねずにすんだみたいだ。
「あー!!ハスキちゃんだけずるい。ご主人様、私にもあーんしてください」
期待に目をキラキラと光らせたレトが口を同じように開いた。
「メイドが何言ってる。それくらい我慢しろ」
だいたいレトはお姉さんなんだからな。……俺よりも。
「わかりました。なら私はご主人様にあーんします」
うわ!?だからってくっつくな。む、胸当たってる。
しかもハスキは次に備えて口開けて待ってるし!
我が家の犬たちはなんなんだ。昔は俺の言うことをよく聞く賢い犬だったはずなのに。
人間になって主人の言うことを素直に聞かなくなった気がする。
「はい、ご主人様どうぞ」
「誠司……」
頼むから、ドリアを食べる時くらいは好きにさせてくれ……

「ご主人様はハスキちゃんに甘いですね」
夜、俺のベッドにシーツを被せながらレトはなんだか嬉しそうに言った。
さすがに寝るときはレトもパジャマ姿だが、開いた胸元が無防備すぎる。
この時間ハスキはもう夢の中だ。
なんか子供が寝た後の夫婦みたいだな……って何考えてんだよ俺。
「昔の名残かな。どんなに俺と同い年に見えても幼く感じるんだよ」
「でも子供扱いばっかりしちゃだめですよ。元の姿ならそろそろ大人ですから」
体もね、とレトは耳打ちした。
「自分からエッチに誘わないのも同じ理由ですか?」
誘うも何も俺はいつ襲われるか怯えながら暮らしてんだけど。
でも確かに自分からハスキに手を出すのは少し気が引ける。やっぱり昔を思い出すからか?
「ぶわっ!!レト!??」
「夜のご奉仕です」
ぷちぷちとパジャマのボタンを外すと、レトは上半身だけ裸になった。
豊かだがツンと上向きの張りがありとても綺麗な胸。白い肌に桜色の乳首が小さく乗る。
レトはそれを強調するように腕を交差させ両腕に挟んだ。見事な谷間だ。
いつもの可愛いお姉さんから魔性の大人の女へ。
ダメだ、たまには主人の威厳を見せるべきだ。思うようになってたまるか。
でも息子は本能のままに大きくテントを張っていた。
そんな俺の様子に満足したのかレトは目を細め、いよいよズボンに手をかけた。
下着ごと脱ぎ、足から服を抜き取るとフサフサなしっぽが妖しく揺れる。
肩を押されベッドに押し倒されるとゆっくり顔を近づけてくる。
一瞬だけ無邪気に笑った、そんな気がした。
レトは犬のように顔中にキスの雨を降らせた。次第に舌で舐める動きに変わる。
ただ俺の唇にだけは触れようとしなかった。
「ご主人様、どうしたんですか?」
耳元で静かに口を開く。
主人の威厳なんかどうでもよくなってきた。よくよく考えれば今は犬じゃないしな。
「レト、キスしたい……」
「なんかいつもよりその気ですね……ふふっ、いいですよ。ご主人様が望むなら」
いよいよ二人の唇同士が触れあうと柔らかいレトの舌が俺の口内を駆け回った。
奥歯を舐められたかと思うと今度は舌先をつついてくる。
「ぷっはぁ……ご主人様」
激しい動きの中で手際よく俺のパジャマを脱がせていく。
天を向く怒張を目にしたレトは獲物を狙う狼のようだ。
息子に手を添えすっかり濡れた秘裂にあてがうと、一息に腰を降ろした。
「んはッ…ご、主人様、のいつも、よりっ大きい」

けどそれはレトにとって苦痛ではなく快楽。
俺の胸板に両手をつき支えにすると腰のグラインドを激しくした。
「あぁ…はッ、ん……っ!!」
レトの中は熱くて柔らかくて、なのにきゅうきゅう締め付けてくる。
なんかこう襞一枚一枚が触手みたいに絡みついてくるのだ。
とにかく気持ちいい。
繋がってるのは体の一部分のはずなのに、全身が気持ちいい。レトとするといつもこうだ。
本当なら目の前で揺れる胸に触りたいけど、与えられる快楽に体が動かない。
ほとんど一方的なセックス。それでもレトは気持ちよさそうだった。そして俺も。
「レトっもう、そろそろ、なんだけど」
「私も、はんッ、です…あぁっ」
締め付けが一段と強くなったその時、俺は欲望をレトの中へと解き放った。
「あっっ、ご主人さ、まぁぁぁぁ、あん、ん、ゎ、わ、んッ!!」
遠吠えのように高い声で鳴きながらレトも同時に達した。
ドクドクという音が聞こえそうなほど長い射精を終えると、レトは倒れ込んできた。
自然と唇同士は触れあう。
「ぷはぁ、ご主人様…気持ちよかったですか」
答えるまでもない。答える代わりに頭を撫でてやった。
「じゃあもう一回……いやあと四回はしましょうね」
「いや、それは無理!!」
「そんなことありません、ほら」
繋がったままレトが肉襞を動かすと息子は瞬く間に硬さを取り戻した。
くそ、正直すぎる体だ。
「さすがご主人様ですね、んはっ」
しょうがないだろ、レトの中は本当に気持ちいいんだから。
ああもう、なんでいつもこうなるんだ。
「そういえばレト、さっきイく時にわんっ、て言わなかったか?」
「…………!!?」
ギクリとしたのか体としっぽがピンと伸びた。
「レト~?どうしたー?」
「や、やめてくださいっ、いくらなんでもわ、わんっなんて言いません。聞き違いですよ」
いや、明らかにわんって言っていた。レトの目も泳いでるしな。
「変なこと言うご主人様にはこうです」
ごまかすようにレトは腰を振りだした。もちろん膣内は盛んに収縮を繰り返す。
「やめ、ろ、レトっ」
このままだとすぐに射精しそうだ。
「もう、今日は、ぁっ、許しま、せん、から」
飼い犬に噛まれるどころか飼い犬に搾られる、快楽に溺れようとする中ふと思った。