彼女は俺を押し倒し、俺の上に乗った。
そして優しく微笑み、柔らかい唇で口付けをした。
やや酸味がかかった甘みを感じる。
さらに彼女は舌で、俺の口の中に割って入る。
俺はその舌を受け入れ、舌を絡ませる。
お互いの舌が、お互いの口の中を絡まったまま、往復する。
その中で、俺は彼女に情熱と愛しさを感じた。
彼女が口を離すと、二人の舌の間に銀の糸が伸びた。
その時の俺の表情はどんな顔かわからないが、彼女は恍惚としていた。
彼女が上体を起こすと、俺のイチモツにふわりとした柔らかい感触が当たった。
彼女の尻尾だ。
彼女の頭の上には、先端だけが黒く染まった黄色系の三角の耳がある。
さっきまで気づかなかったが、彼女は狐の獣人なのだ。
俺が尻尾で感じているのに気づいたのか、俺の上に腰を降ろし、彼女は嬉しそうに目を細め、ゆっくりとねっとりと、尻尾で俺を弄ぶ。
竿を上下に扱いたり、先端で亀頭や裏筋を弄る。
未知の刺激に俺は簡単に果てた。
それを見て彼女は「そーろーさん、そーろーさん」と言って笑う。
ちょっとむかついたが、彼女の笑顔を見てそれもすぐに飛んだ。
ふと、俺の腹部に湿り気があるのを感じた。
彼女も濡れ始めていたのだ。
そのことに彼女も気づいたのか、ちらっと赤い舌を見せた後、腰を浮かす。
人差し指と中指で秘部を広げて、俺に見せる。
そして挑発するように、俺の顔の前まで近づける。
思わず舌を伸ばした。
しかし彼女は腰を引き、俺の舌は空を切った。
そのまま半勃ちのイチモツを迎え入れた。
彼女の中は暖かくて、狭い。
その心地よさに、吐息を漏らす俺の口を、自らの口で塞ぐ。
彼女の唾液が体に入ってくるたび、イチモツに血が送られていく。
俺のモノが大きくなるのを膣内で確認すると、彼女は俺に抱きつくような形から座るような騎乗位に体位をシフトし、腰を振りはじめた。
熱い襞が絡みつき、擦りあげる。
ぬるぬるとして凄くきもちいい。
それは彼女も同じことだったようだ。
中で擦れあう度に嬌声をあげる。
一体になりながらお互いを感じあう。
往路の度に俺は彼女を受け入れ、彼女は俺を受け入れる。
復路の度に彼女は俺を求め、俺は彼女を求める。
そうした生々しい快感と共に、再び射精感が迫り来る。
「た、たのむ。出させてくれ」
俺の懇願に彼女は歯を見せて笑った後「いいよ」と返し、スパートをかけた。
今までのが戯れかと思うほどの激しさ。
肉と肉のぶつかり合う音はもとより、締め付け具合も熱を帯びていた。
俺はそれに応え、彼女の膣に吐き出した。
一滴たりとも残らないような尋常でない射精量。
それを彼女は恍惚としながら子宮で抱きとめる。
出し終わるとだんだん感覚が薄らいでいく。
「またね」と彼女が言ったところで目が覚めた。
ある日の淫夢だった。

それからというもの俺は彼女のことが頭から離れることはなかった。
また会いたい。また夢の中と同じようにSEXしたい。
するというよりも、犯されるといった形だが、それだけ衝撃的だった。
起床とともに妄想し、就寝とともに終える。
そんな日々を繰り返す。
しだいにそれは自分でもはっきりと自覚するくらいエスカレートしていった。
脳内の彼女が自分に話しかけてくるようになった。
元気?とかまた会いたいとかだけでなく、あれがいいとかこれが食べたいなど俺の私生活にまで関わるようになっていった。
「―――――」
いつもの道でいつものように彼女が話しかけてくる。
ただいつもと違って俺を呼んでいるようだった。
「―――――」
また聞える。
所詮は妄想にすぎないのに、聞えるとはおかしな話ではあるが、確かに聞える。
もしかしたら本当に呼んでるんじゃないかと思ってふと周りを見回すが、誰も聞えてはいないようだった。
仮に聞えたとしても誰も気にしていないのかもしれないが。
「―――――」
また聞える。
間違いない、彼女が俺を呼んでいるのだ。
彼女の声を頼りに歩いていく。
次第に辺りは知らないところになっていくが気にならない。
夢にまで見た彼女に会えるのだから。
あれ以来彼女の夢は見ていない。
そして気がつけば目の前には林があった。
こんなところがあったなんて全く知らなかった。
「―――――」
この先に彼女はいる。
確証はないが、確信はあった。
何より彼女がそう告げている。
林の中を進んでいくと、木造の小さな小屋が一軒あった。
「さあ、早くドアを開けて来て」
中から声が聞えた。
彼女はこの中に、と期待を胸にドアを開けると、そこには夢で見た姿と変わらない彼女が居た。
「久しぶりだね。ずっと会いたかったよ」
「私もずっと会いたかったわ」
言葉を交わしながら彼女へと近づき、そして抱き合った。
彼女の体は柔らかく、暖かかった。
「ねえ、あのときみたいに、『交尾』…しよっ」
返事の代わりに服を脱いで応えた。
「四つん這いになって、あっち……向いててくれない?」
理由は聞かず、彼女の言われるままにした。
正直会えただけでもうれしいのに、彼女に求められたら断ることなんてできない。
「んっ、あうん」
小さく彼女が声をあげたかと思うと、尻が突然熱くなった。
肛門よりやや上の尾てい骨のあたりから直接脳に響く感覚。
なんとも形容しがたい俺の声が辺りに響き渡る。
思わず悲鳴を上げていた。
燃えるような痛みにも似た感覚が過ぎ去った頃、彼女の方を振り返ったとき、初めて彼女の尾を見た。
その数、八つ。
伝承に多く残る九尾狐、それが彼女の正体。
その残り一つの尾は俺についていた。
「これであなたは私のもの。たくさん子作りしようね」
体が意志とは関係なく仰向けになる。
「怖がらなくていいよ。あなたは私に絶対服従するようになっただけ。私が死ななければあなたは死ねない。だからずっと一緒にいようね」
彼女と一緒にいられるならそんなの些細なことだ。
「もうビンビンになってるのね、早く私の子作り穴に入りたいんだ」
そう言って、秘部を指で広げる。
トロリと肉壺から蜜がこぼれる。
彼女の方もすでに準備は整っていた。
しっかりと照準を定め、腰を降ろす。
彼女の中は夢より気持ちよく感じた。
挿入の余韻を感じることもなく、彼女は腰を振った。
なんの技巧も凝らさない、ただ擦りあうだけの獣の交尾。
俺はただ犯されているだけなのだが、それは何よりも望んだことだった。
吐息を漏らし、いやらしい水音をたて、俺を責めたくる。
その責めに俺は早くも限界を迎えた。
塞き止められることなく、彼女の中に多量の精液が流れ込む。
「あああ、熱いの…きたぁ……もっともっと……」
射精している間も彼女は腰を動かし続けた、その言葉通りねだるようにして。
尻尾の効果なのか射精が終わっても、俺のモノは些かも萎えなかった。
それに気を良くしたのか更にいやらしい音を立てて腰を振る。
次第に上下の動きだけでなく、強い締め付けも加わった。
上下するたびに擦られ、搾り取られるような快感。
彼女なりの愛の表現がこれなのだと思った。
それに俺は射精することで応えた。
その度に彼女は悦び、また俺を愛す。

彼女に一方的に求められ、彼女に一方的に絞られ、彼女に一方的に愛される。
そんな日々を繰り返す。
俺は幸せだった。

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最終更新:2009年02月26日 15:16