最近奴の様子がおかしい。
俺こと太公 望呂尚(たいこう もろなお)は、波間に見え隠れする浮きをじっと眺めながら考えていた。
「奴」というのは、今俺の隣で絶賛居眠り中の―――

「…はっ!!も、もろなお!今僕の竿引いてなかった!?」
「引いてねえよ。ちゃんと集中して見てろ。」

クロダイの魚人であり俺の幼馴染、黒田いつるのことだ。
女性かと見間違うほど整った、かといってさほど幼さを残さない顔は、まさに美青年と呼ぶにふさわしい。
細身の体は黒田の名にふさわしく真っ黒に日焼けしていて、腕、ふくらはぎ、背中、耳に生えたヒレや
あごのラインにそって口を開けた鰓が、彼が魚人であることを物語っている。
本人は背が小さいことを気にしているが、それは常に180cm近くある俺といるからそう見えるのであって、
客観的に見れば決して小さくはないだろう。おおよそ170cmといったところか。

いつると俺は昔から大の仲良しだった。俺はいつも無茶ばかりやってあちこち駆け回り、
いつるはいつもそんな俺の後ろにくっついて走り回った。
怒られるのはいつも俺の役目だった。いつるだってなかなかのやんちゃ坊主なのに。

そんないつるが、今月に入ってからやけに大人しくなった。
前みたいに俺に飛びついてこなくなったし、学校もちょくちょく休むようになった。
どこか具合が悪いのかと聞いても「大丈夫だよ」の一点張り。
一度食い下がって問い詰めてみると「そのうち分かるよ…」と、よく分からない返事をよこした。
今日だって、土曜日だし釣りでもすれば気分転換になるかと思って誘ってみたはいいものの、いつるの奴、
上の空でぼーっとしてるかそのまま居眠りするかで、ちっとも解決になっていない。
結局今日は、釣果もそこそこのまま帰る流れとなった。
空には、三日月とも半月とも違う、不安定な形の月が昇り始めていた。

夜―――。
時刻は2時か3時か。いわゆる「丑三つ時」に、俺はふと眼を覚ました。
体がやけにすーすーする。下腹部の辺りに重みを感じる。何かと思い眼を開けると、

いつるがそこにいた。

絶句。そりゃそうだ。夜中に目を覚ましたら人がいたなんてそれだけでも混乱寸前なのに、
それが親友の美青年で、手足が拘束されてて、俺の服が少しづつ脱がされているとあっちゃあ、
脳味噌が機能停止したって何らおかしくはないだろう。
人間こういうときは意外と騒がないものである。
「いつる…だよな…お前、何してんだ?」
「…んー…嫁入り?」
どうやら相手もどうかしちまってるらしい。親友とはいえ男にのしかかられても決していい気はしない。
「嫁入りって、お前男じゃないか。いい加減目え覚まして家へ帰れ。」
「そのことなんだけど…もろなおに見てほしいものがあるんだ。」
そういうと、いつるは着ていたワイシャツのボタンをはずし始めた。
ぷるんっ

その擬音をそのまま体現したような二つの膨らみが現れた。
…訳が分からない。この前体育の授業のために着替えていたときはそんなものなかったはずだ。
呆然としている俺をよそに、いつるはワイシャツの前を開き、膝立ちになって股間をさらけ出した。
無かった。本来そこにあったはずのシンボルが、跡形もなく消え去っていた。
おかしい…ウソだろ…
頭の中を駆け巡る混乱と葛藤を知ってか知らずか、
「クロダイってね…」
いつるが静かに語り始めた。

「クロダイって、最初はみんなオスなんだ。でも成長するとほとんどの個体が雌に変わる。」
話が見えてきた。見ちゃいけない気もするが…
「それでね、僕たちクロダイの魚人にも同じことが起きるんだ。何週間か掛けてゆっくり体を
作り変えていって、最終的に女の子になっちゃう…
僕も今月の始めに転換が始まった。もう完全に女の子だよ。」
…やはりそういうことか。こいつの様子がおかしかったのも性転換に関係があったようだ。しかし…
「なんで俺に言ってくれなかったんだ?俺たち親友だろ?
悩みがあったら相談の一つくらい「できるもんか!」」
多少責めるような口調になった俺の問いにかぶせていつるが叫んだ。
「できるもんか!悩んでた理由も知らないくせに!君になんか言えるわけないだろ!?」
いつるの言葉に少しむっとして、俺は言葉を返した。
「なんだよその言い方!『俺になんか言えねえ』だと!?俺はそんなに信用できねえのかよ!!」

そういうと、いつるは泣きそうな顔をして言った。
「その親友を…僕は…その親友を好きになっちゃったんだよ…!?
ついこの間まで男の子だった僕が、女の子になった途端、一番大切な親友の男の子を好きに
なっちゃったんだ…
言えるわけないよ…もし君に嫌われたら?君に避けられたら?気持ち悪いって言われたら?
怖い…大好きで大好きで…
ずっと一緒にいてくれたもろなおに拒絶されるのが怖くてしかたなかった…
君になんか言えるもんか…」

俺はハンマーで頭をぶん殴られたような衝撃を受けた。
俺だっていつるのことは大切に思っている。かといってそれは当然ながらあくまで「男の親友」に
対してのものだ。
突然男として好きだと言われても対処のしようがない。
俺はノンケだ、などとアホなことを考えるが、いつるが女となってしまった以上関係ないのか?
とも考える。
実際、多少女性らしくなった顔や、抜群のスタイル、長く伸びた黒髪など、今のいつるはどこから
どうみても絶世の美女になっている。
せっかく落ち着き始めていた俺の頭は、また混乱し始めていた。
「…で…ええと、なんでこんなことを…?」
仕方がないので、俺は現状の把握に努めようとした。いつるが答える。
「…僕たち半人族は、より本能に忠実に行動するようになってるんだ…。いくら抑えようとしても
体は言うことを聞いてくれない。
僕だって無理やりこんなことはしたくないのに…君への想いを意識したら我慢できなくなっちゃうんだ…
ホントなら君にも求めて欲しかったのに…こんなことしたら、嫌われちゃうかもしれな…のに…」
最後の方はまた泣きそうな表情になっていた。

俺が複雑な思いでいると、ふと、いつるの呼吸が荒くなってきているのに気がついた。
「…いつる?大丈夫か?」
「…はあ…は…だいじょ…ぶじゃ…ない、かも…っふぅ…」
いつるはゆっくりと上体を倒し、俺の体に密着させてくる。
「お、おい、いつる!具合悪いのか?すごい汗だぞ!?」
「…はあ…はあ…もろなおぉ…だめだ…こうび…したい…」
「なにい!?」
「がまん…っく!…できない…したいよう…こうびぃ…」
さっきまでのいつるの悲しげな表情が、だんだんと、頬が上気し、目がトロンとして、明らかに欲情した、
切なげな牝の表情へと変わっていく。

「いつる…!お前…」
「もろなおぉ…こうびぃ……えっちしたい…だめなのに…きらわれちゃうのに…
えっちしたいのぉ……もろなおのこどもぉ…せーえきほしいよぅ…」
さっきまでのしおらしさもどこへやら、次々と淫語を連発し、本能丸出しで迫ってくるいつるに、
理性のタガは確実に緩み始めていた。
「子どもったってお前、その、そういうのはだな!もっとこう、順番というかその!」
「もろなお…ここはもうげんきだよ…?」
理性もへちまもない。俺のバカ息子はとっても正直者でした☆

「きもちよくしてあげるね?」
いつるは体勢を変え、顔を俺の股間の辺りに持っていくと、俺のモノを丁寧にしゃぶりはじめた。
れろ…ちゅる……ちゅぱっ…じゅぷぷ…
「っくは!いつる…これ、やば…!」
「ひもひいいれひょ?おほこのほのふぉはわかっへぅもん
(きもちいでしょ?おとこのこのツボはわかってるもん)。」
いつるの言うとおり、自身の経験からか、いつるの舌は確実に俺の敏感なところを責めてきて、
すぐに射精感がこみ上げてくる。
「っっ!いつる!や、やば…!出そうっ!」
「いいぉ…らひて?おくひに…」
言い終わると、いつるは俺のモノを喉の奥深くまで咥え込み、激しく上下動させた。
じゅぶっ!じゅぷっ!じゅぷっ!ぶじゅるっ!じゅぶぶっ!
腰が浮くような快感が俺を襲い、思わず悲鳴を上げた。
「…っぐぁ!やばい!出るっ!!…っうぁぁ!!」
どぷ…!びゅるる!ごぶ…ごぷ!
「っぐ、とまんね!」
いつるは最後の一滴まで搾り取るように強く吸引してくる。
ぢゅううぅうぅぅぅぅ!!
「っぁあああぁ!!」
ちゅぽん、と音をたて、俺のモノがいつるの口から解放された。
「もろなおのせーえき…おいひい…」
にちゃ…ぐちゅ……ごきゅ…
卑猥な音を立てながら、いつるは俺の精液を味わい、飲み干して行く。
その光景に、俺の息子は再び元気を取り戻していく。
「…あは…もろなお……じゅんびばんたんだね…」
いつるは淫靡な笑みを浮かべ上体を密着させたまま顔を近づけてくる。
「しちゃうよ…?もろなおのおち○ちん…ぼくのおま○こにいれちゃう……」
いつるが蕩けた表情で呟いた。

顔に当たる吐息の暖かさと、日中まではなかった女の子特有の甘い香りに呆けていると、

ずにゅる

俺の肉棒が、熱くて、柔らかくて、どろどろに蕩けたものに包まれるのを感じた。

「っはあぁあぁぁぁああぁ!いっ、いた、のに!かんじちゃ…っうあぁ!」
「ぅああ!キ、キツイ!」
初めて貫かれる感覚に、いつるは淫らに顔を歪めている。痛みよりも快感が多く見られるのは
人間と半人族の違いといったところか。
いつるの膣内は容赦なく肉棒を締め付け、強烈な快感を叩き込んでくる。
ずちゅっ!ぐちゅっ!ぐぢゅっ!ずにゅっ!
「…っはぁぁ…!もろなおと、こうび…っ!してるよぅ…ひとつに、なってるぅぅぅ…」
「…いつる…」
「うれしい……もろなおぉ…っあっ…すきぃ……だいすきだよぉ…」
いつるはうわ言のように「好き」と連呼しながら、粘っこく腰を振っている。

いつるも俺も汗まみれになり交尾を続けていた。だんだんといつるの汗が粘り気を帯びてきた。
まるで釣り上げたばかりの魚のような感触だ。
いつるは俺の上で抱きついて体を密着させているため、ぬるぬるの汗に否応なしに性感が高められる。
にゅるる…ぴちゅ…ずぶっ!…ぐちょっ!ぶじゅじゅっ!
「んああぁ…きもちいいよぉぉ…!…あぁぁあぁん…もろなおぉ…!…っあぅ!す…しゅき…はぁぁん…」
「はあ…はあ…いっ、いつる!締めすぎだ…やばいって!」
いつるの膣内は跳ねまわるように蠢き、肉棒を激しく揉み上げてくる。
俺は着実に限界へと追い詰められていった。

「い、く!?もろなお、いっ…んああ!…いっちゃぅ!?」
「っふぐ…!あぁ、イキそうだ…!」
ぐぢゅっ!ずちゅっ!ぬぶっ!ずぶっ!
「いっ!いい…!よ!…ぁああぁぁん!!…いっ!いっしょに…っひっあっ!いこ…!?」
そういうといつるはあらん限りのスピードで腰を振り始めた。
ぶちゅ!!ぶぢゅ!!ぐちゅ!!ずぢゅ!!ぐちょ!!ずるる!!ぶぢゃ!!
「っぐぁあぁあああぁ!!」
「っやああぁぁぁぁ!っうぁあぁ!ぁああぁ!!あぁぁああぁっん!!っんぁ、はあぁぁ!!」
ついに耐えきれなくなり、俺たちは同時に果てた。
「っうあ!!出る!!!」
「ひっい、いぐ!!なかだしで、い!いぐぅぅうっぁあああっぁぁぁああぁぁぁ!!!!!」ガクガクガク
ぶびゅるる!!どぷ!!どぷ!びゅるるぅぅ!! 
「……!!」
「…っひ!……ぅぁ…!…んん…!!」
今まで味わったことのないような絶頂に身を任せた後、俺たちは放心状態のまましばらく体を重ねていた。
「…もろなお」
長く続いた沈黙を破って、いつるが言った。
「僕のこと、忘れないでね…
こんなことしちゃったけど、もろなおは最高の親友だったよ。
最後に…おもい…でを、あ、ありが…と…っぐ…ぅぇ…」
ぼんやりと聞いていた俺の意識がだんだんとはっきりしてきた。
またこいつは自己完結させようとしてやがるのか!俺のことなんか忘れちまいやがって!
俺はずっと考えていた。
俺は受け入れることができるのか。
男だったこいつを。
親友だったこいつを。
一番そばにいて、一番大切に思っていたこいつを。
こんなにも俺のことを想ってくれている、こいつを。

答えはすぐに見つかった。当たり前だ。決まってるじゃないか。全部受け入れてやる。
つがいとして。パートナーとして。きっと今までと何も変わらない。
一番大切な「奴」。
覚悟を決めた俺は、まだ泣きやまないいつるを抱き寄せると、

「も、もろな…んむ!?」

長い長いキスをした。