「しゅーちしんしゅーちしん、俺たちーはー、パワーは何時も、どんな時も負けやしないさー♪」

お昼時、俺は気分良く歌を口ずさみながらダイ○ン製の掃除機を掛ける。
小気味良いモーター音が部屋に響き、絨毯に散らばっていた煎餅の食いカスやらのゴミが面白い様に吸い取られて行く。
やはり、この掃除機は価格が飛びぬけて高いだけあって性能はダンチである。
おまけにゴミパックが不要なのも、エコ的な意味でも経済的な意味でも良い物だ。
それにしても、たまたま応募した懸賞でこの高価な掃除機が当るとは、俺も運が向いて来た様で。

ちなみに、現在、俺と(勝手に)同居しているアテナとべスパの二人は今は出掛けており、家には居ない。
聞く所によると、俺の知らぬうちに何時の間にか高校教師になっていたアテナが慰安旅行に行く際、
べスパも同伴と言う形で一緒に行く事になったそうな。(ちなみに、俺は仕事があって行けず、残念)
何時もは事ある毎に張り合っている関係だと言うのに、仲が良いのか悪いのか良く分からない奴らである。

……俺はアテナの奴が何時の間に如何やって教員免許を取得したのかが今も気になっている
だが、何時聞いても、4本の腕を腕組して『フッ、スーパーカブトムシであるこの私に不可能は無い』の一点張りであり。
結局、謎は謎のままだったりする。

まあ、それは兎も角、そんな奴らが居ない今のこの時
少々散らかった家を掃除するには絶好のタイミングである

もし、あいつらがいる時に迂闊に掃除を始めると
リビングの床にゴロゴロと寝転がっているアテナからは『掃除機の音がうるさいぞ』と文句を言われ、
TVを見ながら優雅に蜂蜜入りの紅茶を飲んでいるべスパからは『埃が舞って鬱陶しいわね』と嫌な顔をされ、と、
今の今まで一度もロクに掃除が出来た事が無い。つか、二人が手伝ってくれた事すらも皆無だ。
ひょっとして、自称スーパー昆虫な人には掃除と言う概念が無いのだろうか? とか一度考えた事もあったが、
よくよく見てみれば、二人とも自分の回り”だけ”(強調)は整理整頓をきっちりとやっており、
彼女らは綺麗好きなのかそれともズボラなのかがさっぱり分からなくなりつつあったりもする。

「……っと、心の中で愚痴を言っている終了」

周囲を見まわし、部屋の掃除が粗方終わったと判断した所で、俺は掃除機の電源を切って一息付いた。
やはり、偶にする掃除も悪く無いものである。何せ部屋の空気が変わった様な気持ちにすらさせる。
でも……

「……部屋が綺麗になった代わりに、俺が汚れて如何するんだよ……」

と、埃が付いて薄汚れた自分の服を見やり、俺は一人溜息を付いた。
そういや、埃の積もった棚を掃除した時、ちょっとしたミスで埃を思いっきり舞い上げてしまったからなぁ……
しかし、着ている服がこんな状態になったって事は、頭の方も髪に埃が絡み付いて酷い有様になって居る事だろう。
こうなってしまうと髪に纏わりついた埃と言うのは意外にしぶとく、手で払った所で簡単に落ちる物ではない。

「仕方ない、風呂にでも入るか……」

今回ばかりは脳内の司令に「私に良い考えがある」と言われるまでもなくやる事を決めると。
仕方なく、といった感じに呟き、俺は浴室の方へと向かった。

「そうだった、風呂場にはこいつらが出るんだった……」

浴室に入り、俺は空の浴槽の壁面を這うある物を見て、何処か忌々しげに漏らした。
俺の目線の先には、粘液の跡を引きながら浴槽の壁面をご通行中の、大きさにしては6cm程の奴の姿があった。

――ナメクジ、梅雨から晩秋にかけて何処からとも無く現れ、ご婦人方の嫌悪感を煽り立てる憎い奴。
家庭菜園の丁度熟した食べごろの苺を狙って齧ったり、買って来た野菜の中に意味も無く紛れ込んでいたり、
そしてこうやって風呂場に侵入する、等など。奴の悪行を上げればそれこそキリが無い。
だが、奴はぐるぐると巻いた殻の造形に何処か愛らしい印象を感じさせるカタツムリと同じ有肺亜綱の柄眼目で、
このカタツムリもやっている事は奴と同じだと言うのに、殻の有る無しで印象が180度も違ってしまう不憫な所もある。

今までに、風呂場でうっかり奴を踏んづけたアテナが悲鳴を上げながら裸で部屋に掛けこむ事が何度かあった。
……その度に俺は怯えるアテナを宥めながら、奴を菜箸で摘んで窓から外へと放りだした後、
俺に恥ずかしい所を見られた、と理不尽な逆ギレされ、挙句に逆レイプされる事になるのだが……。
今回の場合、アテナがいない上に、浴槽にお湯を張る直前で此奴がいる事に気付いたから良かったが、
これがもし、居るのにも気付かずそのまま浴槽にお湯を張っていようものなら。
浴槽のお湯に浮かぶ茹った奴を前に、かなり嫌な気分になっていた事間違い無しだろう。

それにしても、奴にとって余程この風呂場が住み良さそうに思えるのだろうか
今のような湿度が高く雨の多い時期となると、山に程近いこのアパートの風呂場に毎年の様に現れるのだ。
おまけに街などで普通に見掛ける物と違って、この辺りに現れる奴はやたらとでかいのだ、
しかも気の所為だろうか、現れる度に徐々に大きさが増していっている様な気がする。
……ひょっとすると、風呂場に現れる奴は同一人物もとい同一ナメクジなのだろうか……?
まあ、どっちにしろ鬱陶しい存在である事には間違いは無い。

とは言え、流石に迷い込んで来ただけでしかない奴を、「鬱陶しいから」と言うだけで殺すにはしのびなく、
こうやって現れた時は、慌てず騒がず菜箸で摘んで外へポイで済ませている。
無論、菜箸はそれ専用の物を風呂場に用意している。

「そう言う訳で、今回もお外へさようなら……って、こいつ、意外にしぶといな……」

例によって、今回も菜箸で此奴を上手く摘み上げ、窓から放り出そうとしたのだが
今回の奴は意外に根性があるらしく、摘んだ菜箸の一本に巻き付く様にしがみ付き、踏ん張っていた。

「まあ、そう来るんだったら他にやりようが有る訳で。 
んじゃ、そう言うわけで、もう来るんじゃないぞ…っと」

だが、所詮は軟体生物の抵抗、すかさずもう一本の菜箸を使って踏ん張っている奴を窓の外へ、ぺいとへち落とす。
窓の外で此奴がどうなったかは知らないが、多分、死ぬ事は無いだろう。外は雨の様だし。

そしてその後、俺は奴のつけた粘液を流す為に浴槽を洗った後、浴槽の蛇口から適温のお湯を出させると。
浴槽にお湯が貯まるまでの少しの間、本でも読んで待つ事にしたのだった。

「そろそろ良いだろうな―っと……」

それから十分程後。そろそろお湯も貯まっている頃だと思った俺は早速、着替えを持って風呂場の脱衣所に赴き、
手早く服を脱いだ後、洗髪の後に髪を拭く為のタオル片手に風呂場のドアを開けた。

「…………」

ばたん

そして直ぐにドアを閉じた。

――アレは……幻覚だったのだろうか?
先程、掃除したばかりの風呂場の壁や床がぬとぬとの粘液まみれになっていたなんて、悪い夢か幻覚に違いない。
…….良し、もう1度だけ、確める為にドアを開けて中を覗いて見よう。

「……はは、夢じゃねーや」

しかし、再度確認した所で、正体不明の粘液でぬとぬとになった風呂場は夢でも幻覚でもなく、
現実に起きている光景だと再認識するしか出来ず、俺は茫然自失に言葉を漏らした。

くそ、一体これは如何言う事だ? 何処かの悪ガキがこの風呂場に入って悪さでもしたって言うのか?
と、誰がどの様にやったとか原因を探る前に、先ずはこの謎のぬとぬとを取らない事には話が進まない。

「くそっ、しょうがないな」

そう思った俺は早速、脱衣所に置いてあった風呂掃除用のモップを手にすると、
何処かで聞いたようなセリフを言いつつ風呂場へと突入する。
―――その矢先、

ぼ と ぉ っ !!

「――うおっ!?…な、なんだぁっ!?」

突然、前触れも無く頭上から何かが俺の背中へ覆い被さる様に圧し掛かり、そのまま床に押し倒された。
床のぬとぬとが顔や胸と言わず身体のほぼ全体に付着する気色の悪さに思わずトリ肌を立てつつ、俺は叫ぶ。

「………捕まえた」

俺の背中に圧し掛かったまま、何か――否、誰かはポツリと呟くと、俺の首元へ腕を回し抱き付いて来た。

この時、ようやく気が付いた事だが、俺の背中に圧し掛かっている誰かの身体は非常に柔らかい上に生暖かく、
更に、その身体全体が粘液に塗れているのか、俺の身体に触れている部分全てが一様にぬるぬるとしており、
気持ち良いとも気色の悪いとも言えぬ感覚を俺の脳に与えていた。

「だ、誰だ!」
「…………」

すかさず誰何の声をあげるも、俺の上に圧し掛かっている奴はだんまりを決め込み、
その代わりと言わんばかりに抱き付いている腕の力をぎゅっと強める。
くそ、俺を舐めているのか、こやつは?

「く、このっ、離せっ…ってあれ? あれれ!?」

ならばと、俺はその抱き付いている何者かの手を振り払おうとするのだが、
そいつの腕は非常に柔らかい上に、その皮膚も粘液でぬめっているらしく、
掴もうとする側からつるん、とぬめってしまい、まったくもって掴む事が出来ない。
ならばと、俺は圧し掛かっている何者かの正体を確かめるべく、後ろへ振り向く。

「…………」

そいつは女だった。年の頃は見た目で中学生から高校生くらい、
どちらかと言うと体育の時間中、グラウンドの隅で見学している様な、何処か大人しそうな線の細い少女だった。
道理で背中に当たっているごく一部がやたらとぷにぷにとしていると思ったら……
それに気付いた所為か、一瞬、その白い肌に張り付く長い黒髪が妙に蟲惑的に感じ、俺は思わず目をそらした。
だが、何時までもこうしている訳にもいかない訳で、先ずは少女の正体を確かめぬ事には話は進まない。
……ただ、正体を確かめたら確かめたで、激烈にヤな予感がするが……

「……お前はいったい、何者だ?」
「…………」

またもだんまりですか、こんちくしょう。
いやいや、ここで怒ったら相手の思う壺。落ち着け俺。

「お前さんは何者なのかを聞いているんだが……答えてくれないかな?」
「私は…の………む……れる……です」

今度はなるべく紳士的に問い掛けてみた所で、少女がようやくだんまりだった口を開いた。
しかし、ぼそぼそと言った感じで喋った所為で、内容の一部が聞き取れなかった。
其処で俺がもう一度聞き直そうと振り向こうとした所で、自分の腰の辺りに覆い被さる物を目にしてしまった。

……うん、聞かずとも正体が分かっちゃったな、俺。
そんな知りたくない物を知ってしまった事で混乱し始めた俺の思考へ、まるでとどめをさすように少女が口を開く。

「私は……この辺りに住む、人間からナメクジと呼ばれる者です」

言って、少女が自分の下半身である4m近い長さのナメクジの胴体を曲げてこちらへ見せる。
ついでに額から柄眼目特有の触角がにゅっと言う感じで生やす。

ほら、やっぱり。なんだか分かってたんだよなー、俺。
前々からそうだったじゃないか、アテナの時も、そしてベスパの時も、
奴らはこうやって何やかんやといちゃもんつけて、俺を逆レイプしようとするんだよな。
多分、こいつも過ごし易い場所でゆっくりくつろいでいた所を邪魔をされたとか何とか言うつもりなんだろう。

「私は……貴方に、惚れました」

…………。

はい? 今、何といいました?
聞き間違いでなければ、今さっき、この少女は俺に惚れたとか言ってなかったか?
いやいやいや、何でさ? 俺はついさっきのも入れて今まで何度も風呂場から窓の外へおいだしたんだぞ?
それで恨むならまだしも、逆に惚れるとはいったい何事なのさ? どゆ事ですか?

はっきり言って俺はパニくっていた。
脳内の司令も『そんなの関係ねぇそんなの関係ねぇ』と訳の分からぬ舞を踊っている。
そんな混乱する俺をよそに、少女は続けて

「…私達を見た人間は、普通なら私達を気味悪がって殺そうとします。妹もそれで殺されました。
けど…貴方は私を殺そうとはせず……飽くまで外に追い出すだけで済ましていました。
最初はただの気まぐれかと思いましたが……何度か同じ事を繰り返すうちに、
それは気まぐれではなく、貴方の優しさだと気付きました」

なんだかとんでもない勘違いしている少女に、俺は慌てて弁明する。

「いやいやいや違う違う違う。
殺さなかったのは優しさからだとかと言うのとは違って、ただ単に忍びないなーと思っただけですよ?
そう、これは所謂想いの行き違いって奴ですよ? 分かってくれます?」
「……謙遜は良いです」

俺の必死の弁明は一言で却下された。ひでぇ。

「とにかく……私は……貴方に惚れました。
だから……私は貴方と交尾をしたいです。……良いですね?」
「いや良い悪い以前に……ってちょっと待てっ! 惚れたから交尾って物事の手順が飛躍し過ぎだ!」

なんという赤裸々かつ積極的過ぎな愛の告白。
このナメクジ少女、動きこそ鈍いが行動はえらく早いご様子で。
仕方ない、ここは説得に移ろう。激しく無駄のような気がするが。

「あのな、こう言う事はな、ロボットアニメで例えるなら、
合体するまでにいくらか面倒くさいけど肝心な手順を踏んでやっと合体ってなるんだ。
それを一つ所か殆ど抜かしてしまったら、段取りも展開も面白みもクソも無いと思うぞ?」
「……言われてみれば……確かにそうですね?」

一拍の間を置いて、何処か納得したように言う少女。
おお、説得成功か?

「……けど、私は面倒なのは嫌いですので、早速……」

……と思いきや、案の定、説得は失敗!\(^o^)/ナンテコッタイ

「早速もくそもあるかぁぁぁっ!!」
「あっ」

ならばと、俺は牛丼好きな超人が発揮する火事場のクソ力とばかりに、圧し掛かっていた少女を振り払う。
そしてすかさず風呂場から逃げ出さんと立ち上がろうとする――が!

つるん♪

「――あれ?」

少女の粘液でぬとぬとになった床の上に無理に立ち上がろうとすれば当然、踏み出した足が滑る訳で、

ぬるん♪ つるん♪

「あれれ!?」

それで崩れた体勢を立て直そうと、慌てて壁に手を付けようとするも、其処もぬとぬとで手が滑ってしまう。
……結果

 ご っ !

「おべひゅ」

当然と言うべきか何というべきか、俺は無様に手をばたつかせながら床へ仰向けに倒れて頭を強打。
その衝撃によって、俺は間抜けな悲鳴を上げてあっけなく気を失ってしまった。

                    *  *  *

……なんだろうか、体に何かがぬるぬると纏わりついてくる。
その何かを引き剥がそうにも、手足が金縛りの様に動かず、どうすることも出来ない。
しかも、その何かは執拗に俺の息子をぬるぬると弄り回して、とっても気持ち良い……

「……って、のわぁっ!?」
「…………」

訳の分からない声をあげて目を開けてみれば、
寝転がされた俺の身体にナメクジの胴体を巻き付けた少女が、
白魚の様な手で一心不乱に俺の息子を扱いている所だった。
道理で身体の自由が聞かないと思ったら――って考えている内に限界が……!
で、でも、我慢しようにも、身体に纏わりつく少女の軟体と息子を扱くぬるぬるな手が気持ち良すぎて……もう駄目……

「うっ……ぐぅっ!」

びゅっ、びゅぅ

視界に火花が飛び散る位の激烈な感覚と共に、俺は達してしまい。
少女の顔面と言わず、長い黒髪や白い肌、そして下半身のナメクジの胴体を白濁で汚してしまう。

「…………」

少女は何も言うことなく、自分の小ぶりな乳房についた白濁を指で掬い取り、口に運ぶ。

「……何時も食べてる苔の味がして美味しいです」

いや、ちょっと、味の例えがそれ!? 
まあ、確かにナメクジは苔も食べてるって聞くけどさ、それと同じ味だったのか? 俺の精液。
って、こんな事で突っ込んでいる場合じゃなくて、早く何とかしなければ……
そうやって俺が状況の脱出手段を考え始めた矢先

「今度は……ここで出してください」

少女が俺の身体から僅かに身体を離し、人間で言えば丁度股間がある辺りを指差して見せる。
其処には人間の女性器に似た器官が、ピンク色に染まったうにうにと蠢く軟体に囲まれる様にして存在した。
淫猥なそれを見た瞬間、情けない事に俺の頭の中から脱出とか何とか言う考えが綺麗サッパリ消え去り、
その空いた脳のスペースへ『気持ち良さそうだなぁ』とか『挿れてみたいなぁ』という邪念が満ちてしまった。
無論、股間の息子も『それは良い考えだ』と言わんばかりに再度奮起する。
うん、いろんな意味で自重してくれ、俺の欲望と股間の息子。それとついでに脳内の司令。
そして当然と言うべきか、少女は奮起した馬鹿息子を見て、口の端に僅かに笑みを浮かべると、

「どうやら……やる気は充分みたいですので……早速……始めさせてもらいます」

言って、手で息子の先端を蠢く秘所へ誘導すると、片手で抱き付く様に身体を密着させる。
くち、という音と同時に、息子の先端に熱くぬめった感触と周囲で蠢く軟体の異質な感触を感じ、俺は呻き声を漏らす。
振り払おうにも、俺の手足が少女の意外に長い胴体に拘束されている所為で如何する事も出来ない。
……つーか、何かこれもパターン通りな気がするのは俺の気の所為か?

ぬぶっ……ずぬずぬずぬぬ……

「……んっ」
「う、あ……何、これ……!」

くだらない考えをしている間も無く、股間の息子が少女の秘所へと入り込み、中へ沈み込んで行く。
骨が無い所為か、異様に柔らかく生暖かい秘肉が息子全体にびっちりと纏わり付き、ぬらぬらと粘液を塗りつけて行く。
やがて、少女が俺の下半身に覆い被さる様に密着し、股間の息子は根元まで酷く柔らかい淫肉に包み込まれた。
無論のこと、俺の脳内はくだらない事を考えている部分すらも快感の色に染まってしまった。

そう、とにかく気持ち良すぎるのだ。
とろけそうなくらいに柔らかいくせに、息子を包み込んだ秘肉がぎゅうぎゅうと息子を締め付け、
更にぬるぬるの粘液を纏った無数の肉襞が震えながら密着し、絶え間無く快感を脳へ送り込み続けて来るのだ。
その快感を前に、普段は冷静な筈の脳内の司令もマトリクスをうっかり無くしてしまった時の様に混乱していた。

「……では、動きます」
「う、ちょ!…止め…あぁぁぁ!」

ぐにゅぐにゅぐにゅぐにゅ

少女の言葉と共に、息子を包み込んでいる秘肉がうねる様に蠕動を始める。
無数の肉襞が竿全体を撫で回し、雁首を弄び、亀頭を揉み上げ、射精を強制的に促し。
更に俺の身体に巻きついた少女のナメクジの胴体が緩急を付けて身体をやわやわと締め付け
まるで身体全体を膣に包み込まれているような感触を与えてくる。

「う、うあ、うあああぁ……」

俺は居候二人に何時もの様に犯されているお陰で、ある程度は耐久力に自信を持ち始めていた。
だが、身体全体をぬるぬるの軟体で責め弄られると言う今まで受けた事の無い責めを前に、
その自信はあっけなく爆裂粉砕。つまりは快感に耐えきれなくなり――――

「ううっ、ぐぅぅぅっ!」
「んっ、私の中に……!」

頭の中が真っ白になる様な快感の中、俺は腰を戦慄かせながら少女の蠢く膣の中へ精を解き放った。
射精中の間も尚、息子を包み込む秘肉はうねうねと執拗に蠢き、より多くの射精を促し、
更に射精した後は、秘肉が竿を揉み立てるような動きをとって尿道に残った精を吸い上げ、搾り取って行く。

「う……ぐっ」

その動きの凄まじさに、俺は思わず呻き声をもらす。
そして、精を一滴も残すことなく少女の膣に絞り上げられてしまった。
くそう、なんだか屈辱だ!

「ん……いっぱい出ましたね……? 気分は……如何ですか?
……どうやら……まだ良いみたいですので……続けますね?」
「いやちょっ、まだ何も言ってなっ!? あぁっ!?」

俺が何かを答える間も無く、少女は何を根拠にしたのか勝手に決め付けると、再び責めを再開する。
秘肉がうにゅうにゅとさっきとは違った動きで息子を揉み解し、亀頭に軟体を纏わり付かせ、尿道口を責め嬲る。

「気持ち良いですか……? 私の身体は軟体ですから……身体をほぼ自在に動かせるのです。
ですから……こう言った事も可能です」
「え? う、うおおぉっ!?」

それと同時に、俺の身体に巻きついたナメクジの胴体がやわやわと波打つ様に蠢き始める。
当然、今も尚息子を包み込んでいる秘肉の動きも複雑さを増し、責めをヒートアップして行く。
ナメクジの胴体がうねうねと愛撫しながら、身体全体にぬるぬるの生暖かい粘液を塗り付け
蕩けるように暖かくぬめぬめとした秘肉が息子全体を撫で回し、揉み立て、絞り上げて行く

「気持ち良いですか?……私も気持ち良いですよ」
「も…もう止めっ」
「……? 何を言っているのか……良く分かりません。……続けますね?」

うにゅうにゅぐりゅぐりゅぐちゅぐちゅ

「うあ、うあぁぁぁっ!」

凄まじい責めを前に、俺は必死に少女へ止めるように懇願するのだが、
どうやら言葉が言葉になっていなかったのか、少女は首を傾げるだけで責めを止める事は無く。
やがて突き上げるような射精感が股間に込み上げ――

「う、あっ、で、でるぅっ!」
「ん……また、出しましたね?……勢いが良いですよ?」

我慢しようとする間も無く、俺は蠢く秘肉の中へ二度目の射精を解き放ってしまった。
それに感応する様に秘肉がうねり、竿を締め上げ、亀頭を揉み解し、更なる精を吸い上げて行く。
膣が蠢くたびに脳に強烈なスパークが走り、思わず身を捩じらせ、口から呻き声が漏らす。
最早、俺はこのナメクジ少女にされるがままの状態と化していた。

「……私の胎の中にいっぱい出しましたね。
ですから、いっぱい出した代わりに……今度は、貴方の中に出させてください」
「……へ?――――って、なっ!?」

少女の言葉に疑問を抱く間も無く何やら結合部の辺りに違和感を感じ、目を移すと、
本来なら女性器のクリストスがある位置から、粘液に濡れたピンク色の長い棒の様な物が生え、うねうねと動いていた。
……そう言えばカタツムリもナメクジも両性具有だとか図鑑に書いてあったような……
……と言う事は、あのピンク色の棒みたいな物はまさか……

「では……挿れますね?」
「ちょ、それだけは止めっ、止めろってをい、お願いだからっ!」

ピンク色の棒、もとい恐らく少女のペニスであろうものが、まるで別の生き物の様に結合部の傍を抜け、
蟻の門渡りを潜って行く感触を感じた俺は、流石に逆アナルだけは勘弁と悲鳴に近い声で少女へ懇願する。

「大丈夫……辛いのは最初だけ」

だが、返ってきたのはアドバイスなのか励ましなのか良く分からぬ言葉。
当然、俺のアスタリスクへ進軍中のピンク棒(今、命名)は進行を止める所か
一気呵成とばかりに目的地に向け前進前進また前進!俺のアナル処女(?)オワタ\(^o^)/
―――そして

ぬぶっ

「ぬひぃっ!?」

遂に俺のアスタリスクへ達したピンク棒は、表面の粘液を潤滑材代わりにして一気に俺の中へ突き込んで来た!
その今まで感じた事の無い異質かつ強烈な感触に、俺は身体を仰け反らせ、悲鳴を上げる。

「あっ、うっ、あっ、ぐっ、あっ!?」

そして直腸内に入り込んだピンク棒は何かを探る様に二、三度うねると、ちょうど息子の裏側辺りをぐりぐりと刺激し始める。
ピンク棒が蠢く度に、電撃的に強烈な快感が脳へ突き刺さり、俺は上げたくも無い嬌声を思わず上げてしまう。
三度の射精によってやや萎び始めていた息子も、今までに無い刺激によって元気百倍とばかりに復活する。

「ん、なかなか良い締め付けです。……それに貴方のも硬くなりました。
……これなら直ぐに達せるかもしれません。……では、動きます」
「うぁっ、止めっ、や――あぐぁっ!?」

にゅぐにゅぐにゅぐ……

少女は自分の胎の中で大きく膨らんだ俺の息子と直腸内の感触を味わう様に、僅かに身体を揺すり感想を漏らすと。
俺が必死に止めようとする間も無く、再び息子を包み込んだ秘肉を蠢かせ、
そしてピンク棒で前立腺をこねくる様に刺激し始める。

「ああっ、止めっー―ううっ、ぐぁぁっ!」

同時に、俺の身体に纏わりついたナメクジの胴体もまた、俺の身体全体への愛撫を再開させる。
生暖かく非常に柔かい肉に身体全体を弄ばれ、秘肉に息子を絞り上げられ、挙句に少女のピンク棒に直腸を犯され。
身体全体から止めど無く押し寄せる快感の奔流を前に、俺は耐える間も無くあっけないくらいに達してしまい、
再度、少女の胎内を白濁で汚してしまう。

「私の中で……! 貴方のがどくどくって…動いています……っ!
貴方の中も……っ! 私をぎゅっぎゅって締め付けて……気持ち良い…です!」

それを感じ取った少女が嬌声混じりに言いながらも、俺の直腸内へピンク棒を更に突き込んで来る。
最初は前立腺を弄くるだけだったピンク棒は、今や俺の大腸辺りまで侵入したらしく、
下腹部の辺りで、自分の意思とは異なる何かがうねる異質な感触を脳へ伝えてくる。
だが、その感触は痛いとか気持ち悪い、という所謂不快感ではなく、むしろ気持ち良い的な物で、
身体にぬっとりと纏わり付いた軟体と息子をびっちりと包み込む秘肉の感触もあって
俺の思考を快感の色一色に染め上げるには充分過ぎる物であった。

「ん、そろそろ……私、達しそうです」

少女の一言と、俺の体内でびくびくと震え膨らみ始めるピンク棒の感触。
こいつ、俺の中で出すつもりだ! 流石にそれは洒落にならないぞ!?

「……なっ、止めっ、あっ、止めぇってっ! それだっけはっあっ!?」

しかし、必死になって制止の声を上げようにも、身体全体から押し寄せる快感の所為で言葉にならない!
しかもこうしている間に、俺もまた我慢の限界が……!

「……んんっ!」

最初に達したのは少女が先だった。少女はナメクジの身体全体でぎゅっ、と俺の身体と股間の息子を抱きしめ
同時に俺の中でピンク棒がびくりと震え、どくどくと脈動しながら体温とは別の温度を持った何かが腸内を満たして行く。

「うあっ、お…俺の中にっ、あああぁぁぁっ!」

どくんどくんどくん………

それを感じながら俺も絶頂に達し、悲鳴に近い声を上げながら少女の中へ精を解き放った。
体内に精を注ぎ込まれながら、精を搾り取られていく形容しがたい感覚が腰を経由し、脳へ広がって行く。

………其処で俺の脳の疲労が限界に達したのか、テレビのスイッチを切るかの様に気を失ったらしく
それ以降の記憶は残ってはいない。
                       *  *  *

……なんだろうか? さっきから誰かが俺を揺り起こそうとしている。
悪いが俺は疲れているんだ。だから起こすのはもう少し待っていてくれ。

そう思っていると、どうやら起こすのを諦めたのか、揺り起こそうとする何者かの手が俺の身体から離れた。
――刹那

「おきろっ!」

どげきっ!

「―――どっ!? ぐっ…おぉぉぉぉぉぉぉっ!?」

俺の顔面へ強烈な蹴打が炸裂!
無論のこと、この一撃で俺の意識は完全に覚醒し…いや、それどころか痛みと衝撃で紅一色に染まった。
ね、寝ている俺に蹴りをかます奴は、俺の知っている限り一人しかいねぇ……

「……あ、アテナ……起こすときは、もう少し優しくと言った筈だが……?」

未だに痛む顔面を擦りながら、枕元に立つアテナに注意する。
部屋の隅に置かれたお土産の袋から見て、どうやら彼女は俺が気を失っている間に慰安旅行から帰っていた様だ。

「最初は優しく起こそうとしただろ? それでも起きなかったお前が悪い」

何処か不機嫌そうに二対の腕を腕組みさせながら、ごく当然の様に言い放つアテナ。
そりゃあ起きなかった俺が悪いと言えば悪いが、それでも顔面を蹴るのは止めてくれ。一瞬、鼻がもげたかと思ったぞ。

「それにしても、風呂場でのぼせて倒れるなんて間抜けだな、人間」
「……のぼせて?」
「ああ、シャワーでも浴びようと思って風呂場に入ったら、お前が倒れていたからビックリしたぞ」

……おかしい、確か風呂場はヌトヌトの粘液まみれになっていた。
その上、俺自身の身体も精液やら愛液やら粘液やらで酷い事になっていた筈なのだが……?
にも関わらず、その事について一切聞いて来ないのはどう言う事だ?
普通ならば「風呂場で何かあったのか?」くらいは聞いてきてもおかしくないのだが……?

「えっと、俺が倒れていた以外に……他に何か無かったか?」
「……? 良く分からんが、お前が倒れていた事以外は何らおかしな事は無かったぞ?
まあ、強いて言えば、風呂のお湯がすっかりぬるまっていた事くらいだな。で、それが如何したんだ?」
「あ、いや、別に何でもない。気にしないでくれ」

不思議そうに首をかしげるアテナに、俺は怪しまれぬ様に適当に返した。
……あの事は夢だったのだろう、とか頭の片隅で思いつつ。
「でだ、話は変わるが、良いか?」
「……ああ、別に良いけど、なんだ?」

唐突に話を切り替えられ、意味がわからぬままに了承する俺。
アテナはにやりと笑みを浮かべると―――

「早速だが、ヤらせろ」

…………。

「え、えっと、ヤらせろって言うのはつまり、どう言う事で……?」
「そりゃあ、やる事と言ったら勿論、アレの事に決まっているだろう」

じりじりと後退しつつ質問を投げかける俺へ、同じくじりじりと迫るアテナ。

「いや、それは分かってるんだが余りにも唐突過ぎるぞ…?」
「慰安旅行とやらに言ったのは良いのだがな、ハゲ頭の教頭がやたらと私にセクハラをしてくるわ、
酔っ払った結井とか言う女の同僚から延々と生徒の事での愚痴を聞かされるわ、
なんだかんだでストレスが溜まりまくってな。その鬱憤をお前で晴らそうと思っていた訳だ、分かったか?」
「そ、そうか…」

分かりたくないです、とは言えず、俺は適当に答える。
この状況で余計な事を言えば、どう言う事になるかは火を見るよりも明らかである。
流石に八時間耐久逆レイプは勘弁したい……。

「では、話を理解した所で早速……」
「ちょっと! テレビのリモコンを何処置いたのよ! 使ったのはアテナでしょ!」
「……チッ、邪魔が入ったか……」

そしてアテナが飛び掛ろうとした矢先、居間の方に居るベスパから文句の声が上がる。
何処か悔しそうに舌打ちを鳴らすと、アテナはそのまま居間の方へ向かっていった。
……やれやれ、助かった……。

「ああ、そう言えば俺、なんだかんだで身体を洗ってなかったな……?」

ほっと胸をなでおろした後、俺はふと、部屋の隅にある姿見を見て言葉を漏らす。
其処に写った俺の姿は、髪の毛はぼさぼさでその上、髪に埃が絡みついたままだった。
道理で、アテナが汚らしい物を見るような目つきで俺を見るなと思ったら、そう言う事か……
仕方ない、もう一度風呂に入るかな……

「道理で見つからないと思ったら、何でテレビのリモコンがごみ箱に入ってるのよ!」
「そんなの私が知るか! お前が知らないうちに捨てたんだろ!」
「私がそんな事する訳ないでしょ! 貴方じゃあるまいに」
「貴方じゃあるまいにってどう言う事だ!」
「言ったまでよ!」

そう思い立った俺は、ゆっくりと身を起こすと、
居間の方でアテナとベスパが口ゲンカしているのを尻目に、こっそりと風呂場へと向かう。

「しかし、のぼせて倒れた挙句、変な夢を見るなんて俺は疲れてるのかね……」

とかぶつくさ言いつつ、脱衣所で服を脱ぎ、籠に着替えを置くと、洗髪後に使うタオルを片手に風呂場の扉の前に立つ。
……はて? そう言えば、俺は同じようなシュチュエーションを体験したような気がする。それもつい最近。

いやいや、気の所為だ。ここでドアを開けたら風呂場がヌトヌトの粘液まみれで、
何事かと思いつつ、ブラシ片手に風呂場に入ったらいきなりナメクジ少女に襲われたってのはそうそうありえない話……

…………。

……………………。

………………………………。


「全く、そもそもお前の荷物に紛れていたんじゃ見つかる訳ないだろ!……って、あれ? 何処か行くのか?」
「そう言うけど、貴方が適当にぽんぽん投げるからそれで紛れて……って、お風呂セット持って何処行くつもりよ?」
「……ちょっと銭湯にな」

言って、俺は口喧嘩を忘れて首を傾げる二人を尻目に、
もう二度とあんな事はご免、と思いつつ。銭湯へと向かうのだった。


追記、冬になったらもう出ないだろうと油断して風呂に入ったら襲われた。どうやら冬でも関係ないらしい。
    しかもそれにアテナとベスパも加わった結果、俺は三日ほど寝こむ羽目になったのだった。

―――――――――――――――――了――――――――――――――――――――――

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2008年10月31日 17:45