「ごじゅう…ごじゅう、いち…ごじゅう、にっ…」

がしゃん。

素振り用の刃引きの鉄剣を、握力の抜けた両手が取り落とす。少年は思わず尻餅をついた。

声変わりをしてなお高めの声、短く切り揃えたプラチナブロンドの髪と白皙は
汗に濡れ、長い睫毛と灰青色の瞳を閉じて荒い息を吐く。娘たちや貴婦人は勿論、男色家も
放って置かなさそうな美少年が、屋敷の敷地で夜の素振りを始めたのは、そう以前からの事ではない。

オステンブルグ辺境伯家に仕える騎士の中でも、代々騎士団の重鎮を輩出してきたブルクミュラー家。
その長男として生まれた少年、ベイオウーフは、しかし古の英雄の名を与えられたにも関わらず
聡明だが繊細すぎ、美しくはあったが力強さに欠け、そして優しすぎる少年に育ってしまった。

剣を取るよりも書を読むことを好み、騎士の子ならば13で嗜むエールを苦手とするブルクミュラー家
唯一の男子を、父親は一人前の騎士にすべく厳しく指導したのだが、唯一馬術を除いては上達せぬ内に
騎士団の副団長を務める父親が逝去してしまう。姉たちと家人に懇願され、家門の名誉を保つために
一念発起し、好まぬ修行の日々を送ってはいたのだが、剣を取っては嘲笑される日々を送っていた。

へっぴり腰め。 俺の寵童にしてやろうか。 素振りの百もこなせぬのか。 お嬢様。

先輩騎士の心無い罵倒と、自分に向けられるいやらしい視線が、そのまま自分だけではなく
ブルクミュラー家への侮辱に他ならない事を知っていた少年は、その無念に耐えつつ、剣を振るう。
しかしその実りはなく、苦汁の日々を送っていた。

「父上、申し訳ございません…僕が、強い男子として生まれていれば…」

ぽたり、ぽたり。汗だけではないものが地面に落ち、乾いた土を湿らせる。
と、その時、うなだれる少年の背後から、声が響いた。

「まったく…見ていられんな。ベイオウーフ・フォン・ブルクミュラー君」

夜の騎士の屋敷には在り得るはずのない、女の声。振り返るとそこには、見知らぬ女が立っていた。

背の丈は6ペス半(約190cm)、月光のみが差す薄闇の中でもはっきりと判る、
燃えるような赤い髪を頭の後ろで結んで提げ、ややきつい眼差しと整った顔立ち。
そして麻のチュニカから覗く二の腕は、歴戦の騎士にも負けぬ程に、鍛え上げられている。

「あなたは…一体…?」

突然に現れた赤毛の大女にあっけに取られたベイオウーフは、とっさに右手に剣を持ち、
眼をしばたかせながら問う。
「あなたは一体…か。くくく…」

その問いに対し大女は、こめかみに指を当て苦笑いを浮かべたが、

「…だからお前は、」

一瞬、身を屈めたかと思うと、

「甘い…」

7パッスス(10m)もの間合いを、一足で詰めるや、

「のだ!」

ベイオウーフの懐に入り、首を左手で掴み、野兎でも掲げるように、軽々と持ち上げた。

「かはっ…!」

気道を鋼の万力で締め付けられるような感覚。ベイオウーフは身動きも取れぬまま、脚が
地面から離れるのを、なすがままに見させられる。

「普通の騎士ならば、夜半の侵入者に対し、剣の一つも向けて誰何するものだろう?
 女であるからと油断すれば、毒や短剣が襲い来る可能性もあるというのに、だ」

苛立ちを隠さぬ顔で、女はベイオウーフを持ち上げる。

「で、どうするのだ、ベイオウーフ君。君に対し攻撃を加えた私は、君の敵だ。
 剣を振るってはどうだ? それは刃引きとは言え、私を怯ませる位は出来るだろう?」

更に高くベイオウーフを持ち上げる。だが、ベイオウーフは首を横に振った。

「だめ…です…。女性に…暴力を…振るっては…ならぬと…父の…教えが…」

その言葉に、ぴくり、と大女が眉を顰める。そしてベイオウーフの首を絞める手に、更に力が篭った。

「そうか、ベイオウーフ。ならばここで、私に縊り殺されるがいい」

「うあぁ…っ!」

苦悶に歪む美しき少年に、大女は侮蔑の視線を送りながら嘲りの言葉を投げ掛ける。

「…ふん。こんな軟弱な息子しか育てられぬとは、ゲオルグも騎士失格だな」

ベイオウーフの父、ゲオルグ・フォン・ブルクミュラー。

厳格ではあったが、不器用な愛情を注いでくれた父。尊敬する父。

自分自身への侮蔑は、辛かった。

家名を汚す自分の弱さも屈辱だった。

だが、先輩騎士でさえ敬意を払う父への、その侮蔑の言葉に、
光を失いかけていたベイオウーフの瞳は怒りと共に、意思の光を取り戻した。
「ちちうえを…ばかに…」

疲労し切っていた筈の右手に、握力が戻る。父を侮辱された怒りが少年に力を与え、

「するなあぁぁぁぁぁっ!!」

絶叫と共に、大女の胸元目掛けて剣を突き込む。刃引きの剣による腕だけの突きとは言え、
その鋭い突きは、普通なら深手を負わせるには十分すぎる鋭さを持って、大女に迫った。


ガギィン。


ベイオウーフの人生初の実戦レベルの刺突は、しかし大女の右手にあっさりと防がれた。
いや、正確には、その右手に持った掌ほどの大きさ、剣の柄ほどの太さの蹄鉄に弾かれたのである。
そして大女は、少年を片手で、茂みの上に放り投げる。

「くくく…あははは! いい殺気だ! そうだ、私はお前の父を侮辱した敵だ! 女と思わず殺しに来い!」

「ぐっ…、うわあぁぁぁぁ!!」

激情に駆られたベイオウーフは立ち上がり、大女に向かって殺気の存分に篭った剣を振るう。
少女と見紛うばかりの美しき相貌は、怒りの朱に染まり、袈裟、逆袈裟、突き、真っ向、と
剣を振るった勢いをさらに生かして剣を振るうように、四方八方から襲い掛かる。

だが大女は、いつの間にか両手にそれぞれ携えた大きな蹄鉄をマインゴーシュのように扱い、
まるでボクシングのトレーナーがミットでボクサーの拳を捌くかのように、易々とその剣を
受け、いなし、凌ぎ、そしてベイオウーフの隙を突いて足を払い、また痛烈に突き飛ばす。
少年は、何度も痛烈な一撃を腹に受け、また地面に転がされた。

だが、次第にベイオウーフは、突き飛ばしに来る蹄鉄の一撃を、剣で受け止め、
足払いを避け始めるようになっていた。腰溜めからの突きをかわされ、足を払われそうになるや
自分から飛んで体勢を立て直し、上段から斬り込んで受け止められた蹄鉄が顔面を痛打しようとするのを
剣の腹で受ける。知らず知らずのうちに、この線の細い少年は、剣による攻防を、体で理解し始めていた。

そしてもう一つ、ベイオウーフは気付いては居なかったが、自身と相手の攻防の速度が、
少しずつ速まりつつあった。それまで余裕のあった女の額を、一筋の汗が伝う。

「…そろそろか…」

女は呟くと、最初に女に向けたときの倍は速いベイオウーフの渾身の突きを、
両手の蹄鉄で、がっちりと挟み込んだ。そして…

「えっ…そんな…?!」

そのまま剣ごと、釣竿でも振り上げるかのように少年を持ち上げ、無造作に放り投げた。
握力の限界に達していたベイオウーフの手から剣だけがすっぽ抜け、遠く後ろに剣だけが飛んで
ベイオウーフ本人は、チュニカの胸元から覗く豊かな胸元と、女の纏められた赤毛と、
女の背中を眼にした後に、地面に叩き付けられた。頭部こそ顎を引いて守ったものの、
背中を強かに打ち付けられ、一瞬呼吸が出来なくなる。


「……かはっ……!」

そんなベイオウーフを冷たく見下ろしていた大女の眉間が、緩んだ。口元に笑みが浮かぶ。
だがその笑みは侮蔑からの笑みではなく、労わりと、慈しみの笑み。

「ベイオウーフ、いや…ベオルブ。お前には謝らねばならない」

「…えっ?」

唐突な大女の言葉と、家族しか呼ばぬ自分の愛称に、ベオルブは長い睫毛の瞳をしばたかせる。

「お前に本気を出させる為とはいえ、お前の父、ゲオルグ卿を侮辱してしまった。
 私も生前のゲオルグ卿には世話になった身でありながらな。…本当に、済まぬ」

栗色の瞳を閉じ、深々とうなだれた大女に対して、ベオルブは立ち上がり、

「ぼくこそ…あなたが女性でありながら、剣を向けてしまいました。
 騎士にあるまじき事、謝罪の言葉もありません」

跪き、完璧すぎるほどの騎士の礼を以って謝罪の言葉を述べた。

「気にするな。こんな成りで、おまけにこの強さだ。淑女扱いされては却って気持ちが悪いぞ?」

その言葉にベオルブは慌てて立ち上がり、ぺこりとお辞儀をした。
そして自分を翻弄し、打ち倒した赤毛の大女をしみじみと見上げながら呟く。

「本当に、お強いのですね…羨ましいな、貴方のように僕も強ければ、父の名誉を汚さずに済んだのに…」

そこまで口にしてから、ベオルブは、ぱっ、と気付いたように、大女に問うた。

「済みません、お名前を伺っておりませんでしたね」

「私の名か。…そうだな、イシュキア、とでも呼んでくれ。
 あー、それから…余り自分を卑下するな、ベオルブ」

自分よりも二回りは背の低いベオルブの柔らかなプラチナブロンドに、
ぽんぽん、と手を翳し、イシュキアが諭す。見上げるベオルブの瞳が
見開かれるのを見下ろしながら、イシュキアが言葉を続ける。

「剣の使い方は人それぞれだ。重い得物を豪快に振り回す事を得意とする者も居れば、
 軽い得物を用いて素早い連撃を放つのを得意とする者も居る。己に合った戦い方で
 戦えばいい。後は相手を恐れなければ、勝機はある」

「含蓄深きお言葉、為になります…」

ほぅ、と感心したような吐息を吐いて、ベオルブが礼を述べる。そして一瞬の逡巡の後、
この己よりも強く経験豊かな女武人に対して、ベオルブが申し出る。

「イシュキアさん。…その、宜しければ、ぼくに剣を教えては頂けませんでしょうか?」

その言葉に、イシュキアが笑みを浮かべる。
だが、その笑みを彩るものに、ベオルブが気付くはずもなかったのである。

「ああ、今日はそのつもりで来た。来たのだが、その前に…」

つい、とベオルブの細い顎を指で摘むと、

「……んんんっ……!?」

ベオルブの女を知らぬ唇にくちづけ、舌を割り込ませた。

くっちゅ、にっちゅ、と、舌でベオルブの口腔内を蹂躙すると、混乱するベオルブの頬が
紅を差したように薄く染まる。そのままイシュキアは、右手をベオルブの髪の毛から耳へ、
首から鎖骨を撫で下ろし、体の正中線に沿って、つつぅ、と人差し指を撫で下ろす。
人差し指は、胸元から臍へと達し、そして…

「…んんーっ!?…」

ベオルブの男性自身を、稽古着の上から、捕らえていた。それを確かめたイシュキアが、
ゆっくりと口を離していく。少年と女の、戦いの興奮の匂いが混じった銀色の糸が、
二人の舌と舌とを繋げ、そして切れる。

それを見届けると、イシュキアは、興奮と欲情に潤んだ瞳で、ベオルブに告げた。

「お前との稽古の間、私も昂ぶってしまってな。女を抱いてこそ騎士は強くなるものだが…、」

「…ぃひぃっ!?」

つつぅ、とベオルブの背骨を遡らせるように指でなぞりながら、イシュキアが宣告を下す。

「悪いが、私の昂ぶり、お前で鎮めさせて貰おう。女の扱い方の、修行も兼ねて…な…?」



初対面の強くも美しい女性に、圧倒的な力で稽古を付けて頂いた、それはいい。
だが、彼女は自分に突然口付け、舌を絡ませた挙句、己の疚しい部位に
指を這わせている。その事実は、もはやベオルブの理解の範疇を超えていた。

「た…昂ぶるだなんて、女性の方が、そんな、不埒ですっ!」

まるで酒場に産まれて始めて放り込まれた少女のように、顔を赤くして
自分を蹄鉄で自在にあしらった女戦士、イシュキアに抗弁するベオルブ。

「あぁ…可愛いなぁ。お父上が、お前を寵愛されたのも当然というものか」

だが、精一杯の抵抗も、ベオルブより頭二つは背高で、しかも彼を軽々と持ち上げる
強力の持ち主であるイシュキアの前には、まるで無意味だった。稽古着のズボンの上から、
ベオルブの若々しい茎を、その血流が流れ込む感触を愛でるように撫で回すと、
まるで尻でも撫でられた生娘であるかのように、この美しい少年は喘がされた。
この美しい得物を、赤毛の雌獣が逃すはずもない。ズボンに手を掛けながら、
イシュキアが宣告を下す。

「さて…まずは、お前の精を飲ませてもらうとしよう」

しゅるり。

ぴたん。

イシュキアに散々愛撫されたベオルブの若茎は、まだ包皮に覆われてはいたものの、
その裡にたっぷりと興奮によって血を集め、若々しく勃ちあがっていた。
ひんやりとした夜の外気に、恥ずべき部位を晒されて、ベオルブの白皙が朱に染まる。

「だ、駄目です。生殖以外の性行為は、神の道に反します…そ、それに、結婚相手以外とだなんて…」

だが、この期に及んでベオルブの脳裡を占めているのは、神の教えであった。
戦場においては血の猛りが罪を犯すこともあればこそ、騎士達は率いる兵の手本として
神の教えを学び、己を律さねばならない。それが騎士団の規律であり、中でも
ベオルブの父である副騎士団長、ゲオルグは最も厳格な騎士として知られていた。
当然、我が子への教育も、その厳格さを以って当たり、ベオルブもそれを信奉していた。

「ほう…ではベオルブ、自分で慰めたこともないのか?」

ベオルブの股間に跪きながら、上目遣いでイシュキアが尋ねる。
この美しい少年を前にした赤毛の美女の目許は高潮し、その問いは
少年を罠に嵌めるべく微笑を含んだものであった。

「あ、ありませんっ! 子種を正しくなく使い、地に零した男は神に罰せられました!」

そう、子孫を残すためではなく己の快楽の為に己を慰めた男は、神の怒りを受け
命を落とした。この一節を殊更に少年の父が強調したのは、美しすぎる我が子に
神の御名の下に男女の交わりに枷を掛けておかねば、女色に溺れるのではないか、
との親心からであった。だが、既に精を放つ事もできるベオルブにとって、それは
必死な葛藤でもあった。

だからこそ、その葛藤を突き崩す事こそが、イシュキアの望み、そして悦び。

「ふふふ…ならば一滴も地に零すことなく、私が有効活用してやろう」

赤く官能的に濡れたイシュキアの唇が、ゆっくりとベオルブの若茎にくちづけようと迫る。

「だめですっ…そんな、汚いですよぉ…」

性に対する禁忌と、鍛錬の汗と。二重の汚れへの葛藤が、ベオルブの心を揺さぶる。
だが、それこそがイシュキアを昂ぶらせる事に、この無垢な少年が気付くはずもなく。

「汚くなどないな。汗と猛りの匂いがして、とても美味しそうだ」

艶めかしく舌なめずりをしたイシュキアは、騎士が叙任式で剣の柄にするように
恭しく、そして娼婦が客の男にするように淫らに、ベオルブのペニスの先にくちづけた。

「ひゃっ…!?」

少女のように声を裏返らせて、ベオルブが喘ぐ。その反応ににんまりと目元に笑みを浮かべた
イシュキアは、更なる攻勢をベオルブのペニスに仕掛けた。

「そ、そんな、イシュキア、さん、だめっ…?!」

肉の鞘に覆われたベオルブの穂先に、イシュキアの艶めかしい舌が、にゅるり、と割り込んだ。
そのまま、鞘と穂先を押し広げるように、穂先に円を描くように、舌を這わせていく。
更に、根元に指を掛け、きゅっ、と鞘を穂先から引き剥がした。

ぺりぺり、ぺり…

「うゃあぁぁっ…!? いた、いたいですよぉ…!」

イシュキアの口腔内で、包皮を引き剥かれたベオルブの亀頭が露出する。
まだ、ぴりぴりと刺激が残るその敏感な粘膜を、イシュキアは一転して、労わるように
舐めさすった。やがて、ベオルブの口元から漏れる声が、痛みに耐える調子ではなく、
未だ知らぬくすぐったさにも似た感触、そしてその先にある、未知の感覚への戸惑いへと
変わっている事に、イシュキアは気付いた。口内に含む少年の初々しいものを解放し、
跪いたまま、ベオルブに言葉を向ける。

「…男子の備える槍とは、有事にはこのように、穂先を剥き出させるものだ。
 御父上も、お前に相応の年齢が来たならば男子の事を教えねばならぬと
 気に病んでおられた故、な。気の早い話だが、実地で教えてやろう」

「う、ぁ…だ、だめです、こんな、いやらしい事、は…」

――まだ、少年の心に築かれた城砦を崩すには至らないらしい。ならば、その城門を
打ち破ってくれよう――

じゅぽっ。

今度は、深々と口腔奥まで、イシュキアはベオルブのペニスを飲み込んだ。
そのまま、口腔と、舌とで、絞り上げるようにして、ペニスを吸いたて、
舌を這わせ、亀頭を嘗め回し、尿道に舌をちゅるちゅると侵入させようとする。

やがて、口腔内に、若い雄の匂いと、微かな塩気が滲み出る。上を覗き込めば、
ベオルブは頬ばかりか太ももも朱に染め、自らに襲い来る快感に喘ぎ声を
あげるのがやっとという状態であった。

「あ、ふっ、ひゃ、だ、めっ、かん、いん、はっ…」

理性と、快感の狭間で必死に耐えようとする少年の言葉とは裏腹に、
ひく、ひくひくと脈動する少年の先端は、先走りをだらしなく零し、快感に溺れていた。
そして、仕上げとばかりにイシュキアが雁首を唇で包み込み、じゅるじゅると亀頭を
吸い上げた瞬間…、

「だめ、ですっ、これっ、なに、よごし、なにか、でちゃっ…!!」


ぶびゅっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅくっ…


厳格な道徳に閉ざされていた少年の男性自身は、精通を迎えた。

青臭く、苦く、甘い、少年の初めての射精を、舌先で受け止めると、
こく、こく、と喉を鳴らしてイシュキアはベオルブの精を飲み干していく。


ぴゅるっ、ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅ…。


射精の脈動がゆっくりと弱まり、精が放たれなくなっていくと…、


じゅずずずず…


「ひゃぁあぁぁっ!?」

尿道にわだかまる命の精を、一滴残らず飲み干さんとするようにイシュキアが吸い上げる。
精の最後の一滴を、飲み干したことを舌先で確かめると、イシュキアは、ゆっくりと口を離していく。

「さあ、私はお前の精を一滴も零すことなく、滋養として受け止めたぞ。
…ゆえに、お前が気に病む問題はなくなった。そうではないか?」

口元を射精の残滓でうっすらとぬめらせながら、赤毛の美獣は、
戦争と売春を司るという異教の女神のように、淫靡に微笑んだ。



「あ、ふっ、ひゃ、だ、めっ、かん、いん、はっ…」

理性と、快感の狭間で必死に耐えようとする少年の言葉とは裏腹に、
ひく、ひくひくと脈動する少年の先端は、先走りをだらしなく零し、快感に溺れていた。
そして、仕上げとばかりにイシュキアが雁首を唇で包み込み、じゅるじゅると亀頭を
吸い上げた瞬間…、

「だめ、ですっ、これっ、なに、よごし、なにか、でちゃっ…!!」


ぶびゅっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅくっ…


厳格な道徳に閉ざされていた少年の男性自身は、精通を迎えた。

青臭く、苦く、甘い、少年の初めての射精を、舌先で受け止めると、
こく、こく、と喉を鳴らしてイシュキアはベオルブの精を飲み干していく。


ぴゅるっ、ぴゅっ、ぴゅっ、ぴゅ…。


射精の脈動がゆっくりと弱まり、精が放たれなくなっていくと…、


じゅずずずず…


「ひゃぁあぁぁっ!?」

尿道にわだかまる命の精を、一滴残らず飲み干さんとするようにイシュキアが吸い上げる。
精の最後の一滴を、飲み干したことを舌先で確かめると、イシュキアは、ゆっくりと口を離していく。

「さあ、私はお前の精を一滴も零すことなく、滋養として受け止めたぞ。
…ゆえに、お前が気に病む問題はなくなった。そうではないか?」

口元を射精の残滓でうっすらとぬめらせながら、赤毛の美獣は、
戦争と売春を司るという異教の女神のように、淫靡に微笑んだ。