ある年の冬休み。
夏には毎年のようにおじいちゃんの家へ遊びに行っていた。でも今年はいろいろあって冬にいくことになった。

でも今年は両親抜きで、一人旅だ。年末で忙しいらしい。
電車を乗り継いで、毎年同じようにしているから覚えていたけど、少し不安だった。
どうにかたどり着くと、自動改札機の無い駅の改札の向こうに、おじいちゃん達が手を振っているのが見えた。

車で海の横を通り、10分ほどで家に着いた。
ちなみにいつもは家族ごと泊まっている部屋は、僕の貸しきり。

一応宿題を持ってきていたけど、ここに来るととやる気なんてうせてしまう。

それで毎年ヒーヒー言う事になるんだけど……

朝早くに、僕はおばあちゃんに起こされた。
おじいちゃんは鉢巻をしながら「もうでるぞ」と寝ぼけている僕にはつらつとした声で言った。

僕のおじいちゃんは漁師で、前々から船に乗せてもらっていた。
今年はそれだけでなく、漁を手伝わせてくれる、とここに来る前に電話で約束してくれた。
昨日早く出るとは言われていたけど、まさかこんなに早いなんて……
結局寝ぼけ眼のまま、僕はおじいちゃんと一緒に出かけた。

まだ日も出始めたばかりのころに、船は出港した。
眠気は潮風と広大で綺麗な景色にさらわれていった。
こうなれば僕のテンションは決して落ちる事が無い。
船がぐらぐら揺れるせいで船酔いする人が居るけど、その人の気が知れない。僕はむしろその揺れを楽しんでいた。
ただひとつだけ言わしてもらうなら、とても寒かった。

何時間か経って、だいぶ遠くまできた。四方はひたすら海だった。
こんなに遠くまで連れてもらった事が無かったので、僕はさらに興奮した。

おじいちゃんがなんだかすごい機械で網を巻き取っていく。その機械もおじいちゃんも、すごく、格好よかった。
しばらくすると僕の目の前にはパンパンに膨れ上がった網と、その中にぎっしり詰まっている魚が映った。

バシャバシャ……

すごい勢いで船体に魚が流れ込む。その光景に圧倒されながら、僕は魚を船についているボックスに移していった。
初めは張り切っていたけど、まるで体力がついていかない。それでも意地で魚を掻き出して、運んでいった。

ようやく一段落着いて、もうすでに体の節々が悲鳴を上げていた。
おじいちゃんはクタクタの僕を見て豪快な笑いを飛ばし、自分で網を引いてみるか?と聞いてきた。
その一言に喜びが疲労より勝ったので、すぐに取り掛かった。

おじいちゃんは僕でも引けるような、小さめの網を用意してくれていた。
足を踏ん張り、歯を食いしばり思いっきり引っ張る。小さめでも重いものは重かった。
かろうじて残っていた気力と気合を頼りに、網を手繰り寄せる。

そして……

「獲れた!!!」

たくさん魚の入ったその網を、最後まで持ってこられた。おじいちゃんがほめてくれた。
自分で収穫したので、喜びが格別だった。
もう疲れているだろうから、とおじいちゃんが魚を集めて運ぶ作業を全部やってくれた。
その間僕は獲った魚を眺めていた。すると……

「なんだこれ?」

青魚の中に、一匹だけ茶色っぽい魚が居る。結構な大きさのそいつを持ち上げる。

「うわっ、きもちわるぅ……」

つい口に出してしまった。
そいつはとにかくグロテスクで、牙もびっしり生えていて、触角のようなものが生えている。こいつは確か……

確認のため、おじいちゃんに見せようと持っていこうとした瞬間、そいつは腕の中で暴れだし、海へ落ちていった。
慌てて海面を見る。でもそいつはもう居なかった。

「まぁ、いいか……」

とにかく、大漁を喜びたかったので、そいつは放っておく事にした。
でも、このとき僕は興奮しすぎていたせいですっかり忘れていた。

『アンコウ』に気持ち悪いと言ってしまった事と、
『アンコウ』が、こんな深くも無い海に居るはずの無い事を……

その日獲った魚をおばあちゃんがさばいてくれて、豪華な魚のフルコースにしてくれた。
今まで食べたどの魚料理よりもおいしかった。
新鮮だという事だけでなく、自分で獲ったこともあるんだろう。

その後、幸せ成分で体も心も満たされた僕は、
その日の疲れに一気に襲われて、ばたんきゅーしてしまった。

そして、意識が完全に眠りの世界へ旅行していたころ……

何だか目の前がチカチカする。
夢?違う、現実みたいだ、どうやら。
じゃあ、誰?おじいちゃん?おばあちゃん?
それとも……泥棒?

その単語がゆらゆらと脳に浮かんできた途端、眠気は蜘蛛の子を散らすように弾けた。

ど、泥棒!!!

瞼が一気に開く。

「おじいちゃ……ムグッ!!」

助けを呼ぼうとしたけど、手で口を塞がれてしまった。
そしてその人が僕に喋りかけてくる。

その声は、なんと女の人の声だった。

「うふふっ、おはよう……
それにしても失礼ねぇ……人を泥棒呼ばわりなんて……」

こんな時間に忍び込むのは泥棒以外の何者でもないでしょっ!
……と言いたいけれど、口が塞がっているのでモゴモゴとしか言えなかった。

無駄な抵抗をし続けているうちに、強い光にも目が慣れ、その女の人の姿が見えてきた。

「……ムグッ!?」

僕は生まれてから一番びっくりした。何個もの理由がそこにはあった。

一つ、その女の人がとっても綺麗だったこと。
二つ、その女の人が真っ裸で僕の上に跨っていた事。
三つ、その女の人が点けている明かりが懐中電灯でもペンライトでもなく、

……その人の、茶色のアホ毛にぶら下がっていた事。

その姿はどう見ても異常だった。でも恐がるより、顔が真っ赤になるほうが早かった。なぜかは理由二を参考に。
それを見て、その女の人は不敵な笑みを浮かべる。

「ふふ、赤くなっちゃって……かわいいわねぇ……
女の人の裸を生で見るの、初めてなんだ?」

口を押さえたまま、女の人は顔を僕の顔に近づける。
その人は、テレビのアイドルや女優よりもずっと綺麗だった。
目は小さくてくりくりっとしていて、鼻はすらっと伸びて唇はぷるんっと瑞々しくて……
茶色のストレートヘアーが動くたびにさらりとゆれていた。

あれ?……何だか潮のいい香りがする。

そんな疑問すらも喋れない僕をそっちのけで、その女の人は喋り始めた。

「私ね、あなたに対して怒ってるのよ?だから仕返ししに来たの♪
乙女に向かって気持ち悪いなんて……許せないわよぉ?」

僕は必死に記憶を手繰り寄せた。
でもそんなこと言った覚えは無いし、第一、こんな綺麗な人にそんなこと言うはず無い。
僕が戸惑っていると、また女の人が喋りかけてきた。

「覚えてないの?もう、ひどいわぁ……これ見ても思い出せないの?」

目の前で女の人は自分の髪のフラッシュをゆらゆら揺らす。
その瞬間、今日一度だけ気持ち悪いと言った時の事を思い出した。

でもそれは……人間に言ってない!!

「ムグッ!ウグムグゥッ!!」

僕はパニックになった。ありえないけど、自分の推理が正しければ、今目の前にいるこの人は……

「ようやく思い出してくれたのね?
ふふ……焦るのも無理ないわよね。アンコウが目の前に、人間に成って居るんだから……」

嫌な予感は的中してしまった。反射的に必死に手を振り払って、逃げようとしたけれど……

バチバチィッ!!

「うあああぁぁぁっ!!」

アンコウが化けた女の人の明かりから、僕の体にスパークが走った。
聞いてないよ、電気流せるとか……
体が痺れて、動けない……

「これでもう、逃げれないわねぇ……」

「や、やめてぇ……」

ニタニタしながら僕を見下ろすアンコウの女の人。
食べられる。そう思って必死に命乞いをする僕だったが、
体のある一箇所だけは、女の人の裸とスパークですごい反応を示していた。
決まりの悪いことにそこを発見されてしまう。

「うふふ……狙い通りね……こんなに勃たせちゃって……」

パジャマ越しに僕のそれが盛り上がっているのを確認すると、彼女は嬉しそうに笑って、パジャマをずらす。
無防備になったそれが姿を現した。

「仕返しっていったけど、殺したり食べたりなんてしないわよ?ある意味食べる事は、食べるんだけど。
あなたを奪って、ウブな性格をぐちゃぐちゃにして、私の虜にして、
もう他の女とはシたくもなくなるような体と心にしてあ・げ・る♪」

それを聞き終わるとほぼ同時に、また僕の口は彼女で塞がれた。
今度は手ではなく、唇に。

しばらく思考が硬直してしまった。何故かって?
……ファーストキスだから。

でもそのことについて考える余裕も、彼女はくれなかった。
急に生温かいものが、口の中に入ってきた。

舌だった。彼女の。すんごく柔らかい。今になって、唇も同じくらい柔らかい事に気付いた。
その舌が、僕の口の中を這いずり回る。ゆっくり、ねっとり。

口の中に入れられている筈なのに、包まれているみたいだった。だんだん、変な気持ちにもなってきた。
気がついたら、僕の方からも、舌を動かし始めていた。

舌が絡まってる。二人の舌が。ぐちゃぐちゃと唾の混ざる音。
口の端から、出したこと無い声が出始める。その声を出す度、気持ちよかった。

不意に口から舌が抜かれ、唇も離れる。二人の間には唾が繋がっていた。
その時、もっとしていたかったと思ってしまった。

「まずは……キス、ごちそうさまぁ……ふふ……その様子じゃ、キスも初めてだったみたいね?
 ファーストキス、いただいちゃった♪」

舌を突き出して、妖しく笑ってきた。その魅力に圧倒される。

「じゃあ、次は……こっちねぇ」

そういいながら、手を僕の膨張部分に伸ばしてきた。

「一人でして出したこと、ある?」

こんな子供に、何てこと聞いてるんだよぉ……
そうは思ったけど、答えなければ、また電撃を浴びせられると考えたから、
恥ずかしかったけどすぐさまこくりと頷いた。
すると彼女は残念がってきた。

「なーんだ、つまんないの……でも、その時より何十倍も気持ちいいから覚悟してね……」

「ひゃうっ!?な、何してるんですかぁ……」

僕のそこを、彼女はすっぽりと咥えこんでしまった。
まだそういう知識の薄い僕にとっては、その行為は異常なものだった。
一度口を離して笑いかけてくる。僕の顔が上にあるから彼女は自然に上目遣いになる。

……すっごく……きれい……

「これはね、フェラチオっていうのよ……おち×ちんをね、口で犯すの。
 こんなことされるの初めてでしょ?ふふ……いいのよ、恐がらなくて。
 ただ自分に正直になって、気持ちよくなって欲しいだけだから。
 さてと、じゃあ、今から君を、堕としてあげる♪」

アンコウさんはもう一度僕のそこを加えて、ゆっくり味を確かめだした。

口に咥えられているから、とっても生暖かくて、ぬめぬめしてる。
その中で、僕は気持ちよさと恐さの入り混じった変な気持ちを感じていた。
そんな気持ちの中でも、体はしっかり前者寄りの反応を見せていた。

体が熱い……呼吸がうまくできないよ……

苦しい、でも、苦しいのが、気持ちいい。

もう僕、堕ちちゃったのかなぁ……?

そんな心地でボーっとしていたけど……

「はうっ!?ふああぁぁ……っ!」

突然現実に、下半身の気持ちよさによって引き戻された。

彼女は頭を前後に揺らして、僕を根元まで咥えこんだり、先っぽギリギリまで行って舌でちろちろ舐めたり……
行ったり来たりされると、僕も快感1と快感2を行ったり来たりする。

「これくらいで根をあげちゃだめよぉ……もっともっと苛めてあげなきゃいけないんだからぁ……」

頭の動きがいっそう激しくなる。何だか、根元から、のぼってきたよぉ……
動かせなんて脳は指示してないのに、僕の腰はガクガク揺れ始めた。

「……でちゃうっ!!」

僕は放出を覚悟した。もう限界だったから。

けれど、それは叶わなかった……

「ダーメ、まだイかせるわけにはいかないんだから……」

バチィィッッ!!!

「はうあっ!?」

アンコウさんはそこに直接頭の灯りを当てて、電流を流し込んできた。
そのショックと痛みで、さっきまで味わっていた快感が吹き飛んだ。
だから、のぼってきたのに……ちゃんと出せなかった。

そのもどかしさと痛さで、僕は涙をこぼし始めてしまった。
けれど、僕が追い詰められるほど、アンコウさんはますますイジワルになっていく。

「あーぁ、泣いちゃった。けど、悪いけど同情の余地無しよ。
 あなたが私を傷つけるのがいけないんだから……許してほしかったら、言うべき事、言わなきゃねぇ?
 早くしないと、おち×ちん黒焦げになっちゃうわよぉ?」

アンコウさんはもう一度僕のそれに触角を当てて弱い電気を流してきた。

「はぁっ、やめ、てぇ……」

「ふふ……本当に苛めがいがある子ねぇ♪」

一刻も早くこの天国で地獄な状況を抜け出したかったし、
それに……こんなに綺麗な人に悪口言って申し訳無いとも思ったから……

「うぅ……ごめんなさい……ひどいこと言って……ぐすっ、だから、お願いです……おねがい……」

「なーにーを?」

アンコウさんはニタニタ笑いながら、わざとらしくとぼけてきた。

もう、本当に恥ずかしい……恥ずかしすぎて、おかしくなっちゃいそう……
でもこのまま悶々としてたら、もっとおかしくなっちゃいそう……

「う……ださせて……出させてくださいっ……!」

「ふふっ……よくできました」

そういって頭を優しく撫でてきた。こんな状況でのん気だとは思うけれど、
とっても綺麗な女の人にかわいがられる。それだけで純粋に照れくさかった。
でも僕の考えてるかわいがると、アンコウさんの考えてるかわいがるは、まったく違うものだった。

「聞き分けいいから、ご褒美あげるわねぇ……」

「えっ?」

「あなたを、男にしてあげちゃう……ださせてあげるのよ?あなたのお願いどおり、ね?
 下のお口に、思う存分出していいのよぉ……よかったわぁ、目的が一緒になって。
 私も仕返ししようと思ったとき、あなたをこういう意味で食べちゃおうって決めたから。
 こんな綺麗な子の童貞食べちゃえるなんて、もう最高♪」

そう言うなり、僕に一言もしゃべる隙も見せずに、抱きついて腕を回してきた。

「見てぇ……」

アンコウさんは僕に回した腕を僕の頭に移動させて、頭をぐいっと下に向けさせる。
そして見てといった場所を自分の触手で照らし出す。

そこにあったのは興奮と電気ショックの痺れでパンパンに膨らんだ僕の大事な部分と、
その先端の数センチ先にある綺麗なピンク色をした肉の壁。
アンコウさんは全くためらう様子も無くエッチな言葉を次々繰り出して説明を始めた。

「私のここにね、あなたのおち×ちんをいれて、腰を振って、ぐっぽんぐっぽんするのよ……
 そしたら二人とも取っても気持ちよくなって、イっちゃうの。
 イっちゃったら、あなたは白い粘液を、精液を、私のお腹へビュルビュル出すの……」

説明してる間のアンコウさんは、とっても楽しそうだった。
この状況に快感を覚えているのと、今からすることが楽しみで仕方なさそうで。一方、僕は逆に……とっても怖くなった。

「じゃあ、いくわよ……怖がらなくてもだいじょうぶ、ぜんぶ私にまかせてぇ……」

「やだっ、やめてぇっ!」

「いやよぉ、せっかくあなたみたいなかわいい子捕まえたんだから、
 言ったでしょ?他の女とはもうできないようにしてあげるって。
 それに、男は自分の言ったこと曲げるもんじゃないわよ?」

僕は必死に抵抗したけど、まだ痺れの残る体ではまるで無理だった。

ずぷっ、ずぷぷぷっ……

「はっ……いやあぁぁぁぁっ……」

「ほんとにかわいいわぁ……ほら、入ってるわよぉ?あなたのおちんちん私の中に、エッチな音立てて……」

「あつい、あついよぉ……」

僕はアンコウさんにどんどん飲み込まれていく。
初めて経験したきもちいいこと。
恐いのに、恐怖感が揺らいでいく。

「ぜぇんぶ、入ったわねぇ?」

そのセリフがあらわすように僕のそれは跡形も無く、代わりにアンコウさんの中に突き刺さっていた。
その突き刺さっている部分はとっても綺麗で、びしょびしょに濡れていて、甘いような匂いがした。

僕はもう普通に呼吸できなくなっていた。
舌が勝手に突き出て、はっ、はっ、と過呼吸気味になって、まるで犬みたいになってしまった。
頭ももう、人間のちゃんとした思考ができなくなってきたような気がする。
それとは正反対に、アンコウさんは余裕たっぷりの表情をしていた。

「さぁて、どこまで壊れないで耐えられるかしら?……もう半分壊れかけてるけど。じゃあ、まずは手始めに……」

キュウッ!

「はふゅあああっっ!?」

僕を飲み込んでいるアンコウさんの肉の壁が、僕を締め付けてきた。
まだ僕には早すぎる、初めて味わう、女の人の性器。
柔らかくてうねうねしている部分の締め付けは、僕をどんどん気持ちよく追いやっていった。
とっくにもう限界を超えているはずなのに、電撃のせいで放出ができない。
その分気持ち良さを味わう感覚は、どういうわけかかわりに研ぎ澄まされていた。

だから、きもちよすぎるのに、出せない。

僕はその出せない液体の代わりに、目からぽろぽろ涙をこぼすしかなかった。
……くるしいよぉ、きもちよすぎて、くるしいよぉ……

しかし、それでもアンコウさんは、容赦しなかった。

「あらら……これじゃあ、前途多難ねぇ……」

わざとらしさを出すようにわざとらしく言いながら、アンコウさんは何度もその部分に力を入れるのを繰り返してきた。

「あぅあっ、もうっ、やめぇっ!!」

そう言いながらも、僕の心にはどこかで、もっとやってほしいという思いが現れ始めてきてしまった。
現に、僕の体はもう抵抗しようともしない。

「あぁ、喘ぎ声もかわいいわ~……ところで、精液出せないでしょう?こんなにパンパンに膨れてるのに全然でないんだもの。」

僕はかくかくと操り人形みたいに首を縦に振った。

「なんれぇ……?」

なんでわかったの?と言いたいのに、もう舌も回らない。それでもどうにか伝えると、
アンコウさんはとんでもない事を言い出した。

「何でわかるかっていうとねぇ……狙ってやったもの♪すぐ出されちゃったら、面白くないでしょう?だから電撃で、ね。
 ……あっ、いい事思いついたわ。このまま出させないで終わっちゃおうかしらぁ?
 私の目的はあなたに仕返しすることだからもう済んだし」

僕はどんどん突き落とされていく。こんな地獄状態から開放されないなんて絶対嫌だった。
そう思った瞬間、頭で考えるより言葉が先に出た。

「いやですぅ!ださせてぇ!いかせてぇ!どれだけいじめてもかまいましぇんからぁ!!」

次の瞬間、もはや呼吸困難ともいえる息の荒さの僕の口を、アンコウさんが塞ぐ。
そして少し顔を赤くして、とても美しくて妖しい満面の笑みで一言。

「りょうかーい♪」

……ずちゅぅっ

「ふあぁぁぁ……!」

さっきしていた説明どおり、アンコウさんは腰を前後にゆっくり振りはじめた。
お互いの肉がねっとり擦れて、僕はもう喘ぐしかできない。

「あんっ……奥まではさすがに届かないけど、けっこう、いいわぁ……大人になったら楽しみねぇ……」

アンコウさんの声もさっきまでとは違って、とっても甘い声に変わっていた。

「もっと激しくするわよぉ……」

……ずちゅぅっ、ずちゅっ、ずちゅっ、ぐちゅずちゅっ!

「ふぅん、うぁぅん、はああんらめぇっ!!」
「うふぅっ、ぁん、かわいいぃぃ……」

アンコウさんの腰はどんどん加速していく。
僕はうねうね動くアンコウさんの中に自分が包み込まれて、
その粘った肉に撫で回される度に、悲鳴に近い喘ぎ声をあげるばかり。

アンコウさんの中は本人と同じように、僕を一気に責め立てることはせず、
ゆっくり、ゆっくり、少しでも僕を長く責めるために、少しでも長く気持ちよくなりたいがために、
そして最大まで僕の放出感を高めるために、拷問のようにして僕を襲う。

それを操っている当人は、口の端から洪水のようなよだれを垂れ流し、
口をぱっかりあけて、お腹から直通で、何の恥ずかしげも無く喘ぎ声を出して。
目は潤んで、頬は真っ赤に染まって、天国にでもいるような表情。

たった一つの出来事が大きく人を左右するって聴いたことがある。
僕はアンコウさんに出会ってこんなに……エッチになってしまった。
僕は体も心も、すっかり彼女にやられてしまったみたいで。

……もっと、ほしい……
……もっと、気持ちよくなりたい……

頭にはそんな感じの言葉しか浮かんでこなかった。そのうえ自然と体がそういうことを求めて……

……かくん、かくん

アンコウさんとは似ても似つかないたどたどしい動きで腰を振りはじめた。
でも考えが麻痺した僕の脳は、そのことを喜んでいた。そこから信号が送られて、全身が、そういうことを望んでいた。

「あぁん……自分から腰振ってくれるなんて嬉しい……そんなにエッチな子になっちゃったのねぇ……
 目の焦点は合ってないし、下は突き出てとっても助平な表情だし……ほんとにかわいい……
 ひぁんっ、わたしもぉ、そろそろねぇ……あなたのおち×ちんもぉ……」

その言葉どおり、僕は正真正銘の限界に直面していた。一際自分のが大きくなるのを感じて。

「ねぇ、私に射精できて嬉しい?初めて私に奪われて嬉しい?」

完全に染まってしまった僕の答えはひとつ。

「うれひいですぅ……ださせてぇ……」

アンコウさんはまた僕に口付けしてにこりと笑う。
その笑顔に胸が熱くなる。こんな状況でそんな感情が出るのも不自然だけれど、
こうやって体が繋がっていると、仕返しとわかっていても、愛されてるような気がしたから

アンコウさんはラストスパートに入る。
腰を振ると言うより、打ち付けると言ったほうが近いほど動きが激しくなる。
急にアンコウさんの中が、これまでと違って強く僕を締め付けてくる。
もうダメだ、と思った瞬間、アンコウさんの僕の背ににまわっていた腕が僕を強く抱き寄せる。
アンコウさんのきれいな形の胸が僕の胸で形を平らにする。

僕のすぐ右にアンコウさんの顔。彼女の体のあったかさが伝わる。僕の興奮の中に何か違う種類の興奮が強まる。
最後に今までの意地悪な表情とは違う、優しく甘い声で耳打ちしてきた。
もし今僕が冷静なら、僕を追い落とすための、演技なのかも、と思うかもしれない。
でも今の僕にはそんな風に思えなかった。思いたくなかった。

「……かわいいわよ、だいすきぃ……」

そしてその一言に、素直に止めを刺された。

「あぁあぁああああああんんんんっっッッ!!」

一気に僕から、まだ何度かしか見たこと無い白い液が、アンコウさんへなだれ込んでいく。
自分のそれが壊れそうなくらいの勢いだった。痛かった。でもそれ以上に、きもちいい。
アンコウさんの中は残さずそれは飲み込んでいく。その吸い取りも……よかった。

「くふぅんっ……あ、あついいぃぃんんっ!!」

アンコウさんも絶叫する。僕は壊れそうなほど抱きしめられる。僕自身も、僕の下のほうも。
肩で息をするアンコウさんの背中に僕も腕を回した。

ようやく僕の勢いが弱まってくる、と同時に意識が途切れていく。
原因は……ありすぎてわからない……

……ダメだ、何にも考えられなく……

「……ん」

ゆっくりと目を覚ます。すると僕は横向きで寝ていた。僕の隣には……

「あっ、おはよう」

さっきまで交わっていた光る触角を持つ女の人。でもそこから出ているその光は、最初のただ眩しい光じゃなく、
暖かくて、優しい、どこかそんな感じのする光だった。

僕の目に、アンコウさんの微笑みが映る。
一度寝て落ち着いてるはずなのに、ドキドキが止まらない。
不意に頭を撫でられる。それと同時にそのドキドキは心臓の音が聞こえるまでになった。

「まいったわぁ、仕返しのつもりだったのにまさかイカされちゃうなんて思っても見なかったわぁ……
 後半、そんなこと忘れて耽っちゃったし……
 あなた、かわいいし、聞き分けいいし、純粋だし、ドMでエロエロだし……ちょっと本気で好きになっちゃった。
 大きくなったら楽しみねぇ……きっと大物になるわよ……
 来年まで会えないのが残念だけど、来年にはもっと仕込んであげるからね♪
 私も、気持ちよくしてほしいから……好きだもの、あなたが」

アンコウさんの顔がほのかに赤くなった。僕はすぐに返事をした。

「……はい。来年も、よろしくお願いします。」

あんな事されてこんな事が言えてしまうから、僕は確かにこの人に捕まってしまったようです。

この人が……僕を堕としたから。
この人が……大好きになってしまったみたいだから。

後々図鑑をみて知ったけれど、アンコウのオスはメスに比べてとても小さく、
メスに取り込まれて一生そのまま精を差し出すらしい。
アンコウさんから見れば小さい僕は、どうやら取り込まれてしまったみたいだ。

「あの、横で寝てくれますか?」

「……お安い御用よ♪」

そのまま、僕はアンコウさんと向かい合ったまま目を閉じた。
閉じていく目の中で、アンコウさんが触覚の電気を消したのがわかった。

翌朝目が覚めると、ちゃんとパジャマ姿に戻っていた僕は手に握っているメモに気付いた。
それを見ると、僕の顔は笑顔であふれた。そして来年からは冬に来る事に決めた。

『返事してなかったけど、こちらこそ来年もよろしくね

 追伸―わたし、人間の名前持ってないから、来年までにあなたに考えといてほしいな♪』

「うぅん、はぅんっ……!いいよ、なかにぃ、だしてっ……!」
「あぅっ、ヒカルさ、んッ……ぐううぅっ!!」
「はぁぁぁぁ……!!んっ、やっぱり私の思った通りね。ドM尚且つこんなにテクニシャンになっちゃって」
「それは、どうも……(まぁ、ドMはヒカルさんに逆レされちゃったせいとしか考えられないけど……)」

「(ちゅぽんっ)んっ……はぁ、でもまた来年まで海で魚の姿でガマンかぁ……」
「いやそれが今年は……決めてきたんです。」
「え?」
「ヒカルさん、これからは、ずっとその姿で、陸地で、僕の傍にいて、僕を搾り取ってください……」
「それって……」
「……僕まだ大学生なんでお金もあんまり持ってないから、不自由させるかもしれないけど……でも、大好きですから……」
「……ありがとう……ぐすっ」
「そ、そんな泣かなくても……」
「だって、だって、嬉しいんだもん……」
「……よしよし、わかりましたから」
「私も……大好きよ(ちゅっ)」
「んっ、……へへ、ありがとうございます」

「それにしても、わたしも体力落ちたわぁ……息があがるのが早くなってきちゃった」
「仕方ないですよ、外見変わらなく綺麗ですけど、人間換算年齢と中身はもう四捨五入したらみそJ……」
「(バリバリバチチチィィッ!!)」
「あごえああああぁぁぁぁ!!!」
「そういえばさっき搾り取ってって言ってたわよねー……?お望みどおり搾り取ってあげる(怒)」
「そんなすぐには無理ですっ!あぁっ!!尿道が痛い!尿道がーーーー!!」
「これから毎日、年取って不能になるまで、搾り取り続けてあげる♪セックスレスなんて無いと思っておいてねぇ……?」
「(あぁ、もう、やっぱり、なんだかんだで、幸せだぁ……)もう、どうにでもしてくださいっ!!」

           お  わ  り                                                      か?