地方の長官を命じられ任地に向かう燕燦、道中一泊した宿場にて主人から気になる一言をもらう。
「あそこに向かうならあの山越えないかんが、あの山は最近虎がでるでな。人を集めてから行った方がいい」
「ほう、虎か。なるほど面白い」
腕に自信があった燕燦は意気揚揚と山越えを敢行した。

「がるるる」
しばらくして後ろの不意を付かれた燕燦は虎に組み敷かれる事になる。
「ああ、やめて。たすけたまへ」
燕燦はうめいた、すると虎はそんな燕燦に同情したのかさっと飛び退き、草むらへと逃げてゆく。
「おお、私の力を恐れたか。虎め、とどめをさしてくれる」
さっと腰の剣を手に取ると燕燦は虎を追い草むらへと入っていく。
「おお、おお。」
「むむ、何事ぞ。」
草むらからは何か人が泣く声が聞こえてくる。
「誰かそこにいるのか」
燕燦が叫ぶと草むらから声が聞こえた。
「ああ、やはりその声は我が友燕燦。」
「ぬ、その声は一年前行方不明となった我が友李姫ではないか」
燕燦は思わぬところでかつての友と出合った。
「ああ、李姫。いるのなら姿を見せておくれ。」
「それはできん事よ。」
「何故だ、李姫よ」
「笑わずに聞いておくれ、私は己の力を示したいが為に官吏の試験を受け高官の地位を求めた。
 しかし、思うようにいかず。官職を引いたのはお前も知っているだろう。」
姿を見せぬ李姫、草むらからはただ李姫の声だけが聞こえる。
「それから私は詩人として名をなそうと思った。しかし、それも上手くはいかなかった。
 私の心には名誉と金しかなかった事が災いしたらしい。そのような者の書く詩では人の心は打てぬようだ。
 詩人としても名をなせぬ事がわかると絶望した。気が違ったかのように辺りを駆け回り、気がつくと
 この山にいた。」
「ああ、何を迷うか李姫よ。お前と私とは友ではあるがお前の方が一回り若い、今は無理でももっと時間を
 かければ高い位につけたものを」
「ダメなのだ、いや、もうダメになったのだ。気がつき山を降りようとしたとき、ふと近くに小川が流れて
 いる事がわかり喉の渇きを癒そうと水面を覗き込んだ時、自分の体が変化している事に気付いたのだ。
 私は虎だ!虎になっていたのだ!」
強く李姫は叫んだ。
「そんな事が、李姫よ。世迷言はよい、姿を現してくれ」
「嘘ではないのだ、燕燦。聞いたであろう、ここらを荒らしまわる虎の存在を。あれは私だったのだ、
 どうやら抑えきれなくなった自尊心が爆発し虎へと姿を変えたらしい。事実、私はお前と気付かず
 襲ってしまった。」
沈んだ口調で李姫が話す。
「ああ、燕燦よ。お願いだ、このままこの山を後にして欲しい。私の…虎としての本能がまた首をもたげて
 きたのだ。」
「ええい、だまれ。さっさと姿を現せ!」
我慢の限界を越えた燕燦が李姫の声がする方の草むらに脚を伸ばした、するとそこには……
「なっ……」
肩まで届く綺麗な黒髪からピョコンと覗かせる獣耳を生やした裸の李姫がいた、さらには尻に目をやるとピョコ
ピョコと虎しっぽが動いていた。
「り、李姫。そ、その姿は……」
「ば、馬鹿者!見るでない。」
がばあっと李姫が燕燦を押し倒s、さらに李姫はそのまま燕燦に抱きついてしまった。
「(ぬおおお)」
胸に李姫の形の整った美乳が押し当てられ、李姫の甘い臭いが鼻につき燕燦は勃起してしまう。
李姫はというとさきほどから燕燦の首周りに鼻を押し当てふんふんと鼻を鳴らしている。
「お、燕燦、お、お主。ナニをたたせているか!」
「李姫、そういうのなら何故私の服の帯をほどく」
シュルシュルと燕燦の服の帯がほどかれ、燕燦の凛々しい肉体がさらされていく。
「か、体がとまらんのだ!お前の体臭が私を狂わせている。」
そういう李姫の顔はすっかりと紅潮していた。やがて、燕燦が素っ裸に剥かれその雄雄しい肉棒が姿を表した。
「ああ、すごい……大きい。」
それをみやると李姫はうっとりとした声をあげる、尻から伸びる尻尾は嬉しそうにゆっくりと左右に振られる。
「お、おお。り、李姫よ……」
燕燦の体にまたがった李姫は自らの秘部を燕燦に見せ付けるように自らの指で押し開いた。ピンクの肉壁がいや
らしく動いていた。
「え、燕燦、みるがいい。お前の臭いを嗅いだだけでこうなってしまったぞ……、ふふふ獣の本能は恐ろしい。
 時期がくればこうも私を狂わせる。」
そして、李姫は燕燦のモノを自分の淫肉にあわせると、一気に腰を降ろした。
「くぉぉぉ……」
「ぐぬっ…………」
自分の陰部が李姫の肉に飲み込まれ、うごめく肉壁から与えられる快感に燕燦は声をあげた。
「ふ、ふぅぅぅぅ」
目から涙を滲ませ李姫は腹から声を絞りだした。
「李、李姫、君はまさか……」
「…虎になったとはいえ、まだ人の部分はある。襲い掛かる事はあってもそこで気づくんだ、その都度人である事
 を取り戻し、人の姿に戻るのだが、それから体が熱く疼くんだ……」
李姫は潤んだ瞳のまま、燕燦の体にもたれかかる」
「私は男を知らない…、そんな体にこの発情する獣の本能は酷だった。だが、だからといって純潔をむざむざ知らぬ
 輩に捧げるわけにはいかなかった、そんなところで通りかかったのが、お前だ。」
尻尾をゆらゆら揺らしながら、李姫再び燕燦の臭いを嗅ぎ始めた。
「ああ、燕燦。お前が、近づいてこなかったら、こんな、いやらしい姿を見せなかったのだろうに……」
そして李姫はゆっくりを上体を起こす。
「もう、限界だ……。燕燦、お前が…欲しい…」
ぐんと李姫の腰が動き始める。と燕燦は「う」とまぬけな声をあげた。
「燕燦、燕燦、すごいぞ……、意識が飛びそうだ……」
ふるふると胸を揺らせて、李姫が腰を上下に動かす。ヌチヌチと李姫から分泌された愛液が燕燦のモノにかき混ぜられ
卑猥な音を立てながら燕燦と李姫を絶頂の高みに押し上げる。
「燕……燦……」
李姫が燕燦の両腕を引っ張り燕燦の上体を起こすとそのままねっとりとした接吻を交わす。
燕燦も李姫の行動にあわせ李姫を抱きしめ、お互いの舌を絡め合わせる。ピチャピチャヌチャヌチャと
静かな森にいやらしい音が響き渡る。
やがて、燕燦の腰がびくりと動くとと李姫は体を振るわせた。
「はぁぁ、熱い………」
ビュルビュルと燕燦から出された子種をしっかり受け取ると李姫は呟いた。
「り、李姫……」
「い、一回で終わるとは思うなよ……私が落ち着くまで……相手をしてもらうからな」
李姫が再び、腰の律動を再開する。燕燦はそんな李姫の淫らな姿を目の前にしつつ、李姫の体に溺れて行った。

後日、李姫から解放された燕燦は無事任地に到着し、仕事を始めた。それから何月かの時が経った。
李姫が住まうあの山は今ごろどうなったのだろうか?いや、もう燕燦にとってそれはどうでも良い事になっていた。
なぜなら今の燕燦には……
「ああ、今腹の子が蹴りおったな」
虎耳と虎尻尾をもった美しい妻が傍らにいてくれるのだから。

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最終更新:2007年10月23日 21:34