通りすがり ◆/zsiCmwdl.

べべべべべべべべべべべべべ…………

エンジン音も糞やかましい中古のポンコツバイクに跨り、夜の峠道を急ぐ俺。
今日はどうしても見たいTV番組があるのだ、しかも、よりによってビデオに録画予約をし忘れていた、
それに気付いた俺はバイトが終わるや、わき目も振らずバイクに跨り、家路を急いだのだ。

番組が始まるまで後30分 中古のバイクとは言え飛ばして行けば十分間に合う。
しかし、だからと言ってのんびり行くつもりもない、

この世の中、何が起きるか分かった物では無い、不測の事態で遅れる事だって多いに有り得る。
場合によっては狐にバカされて、気が付いたら朝を迎えていた。と言う事もあるかもしれない、多分だが。

まあ、そんな事はさて置いて、
急いでいる俺は、更にスピードを上げるべくバイクのアクセルに力を込めようとしたその時、

とん

胸の辺りで何かがぶつかる軽い衝撃。
俺は何だ?と思いながらバイクを止め、衝撃のあった胸の辺りを見る。

月明かりに照らされ、うっすらと見えるそれ、
やや黒味がかった光沢、そして六本の力強い脚、ずんぐりとしたフォルム、
それは一匹のカブト虫だった。

恐らく今しがたまで飛んでいたであろうそれは、
俺の胸にしがみ付き、翅を仕舞い込んでいる所であった。

「なんだ………メスか」

暫し観察して、そのカブト虫にオスに有るべき角が無い事に気付き、俺は思わず落胆の声を漏らす。

やはりカブト虫と言うのは、立派な角を持ったオスのカッコ良さに尽きる、
そのカッコ良さと言うのは子供は元より大人すらも惹き付ける魅力がある。
だが、それが角の無いメスだった場合。そのカッコ良さは半減、いや、十分の一以下だ!
それは何故か、カブト虫のオスから角を取ったらただの大きなコガネ虫でしか無いからだ。

これがオスであれば少しは喜んでいたであろうが、メスだと分かりその喜びは雲散霧消してしまう。
やれやれ、こいつをどうした物か……適当な場所に放り投げるか。

そう思った俺は、直ぐに胸にしがみ付いているカブトムシを手で引き剥がそうとするのだが
どうもこやつは、俺の胸の何が気にいったのか知らないが服にしっかりとしがみ付き、全く離れようとしない。
力任せに引っ張れば服にしがみ付いたカブトムシ程度、容易く引き剥がせるのだろうが、
変に引っ張って脚が千切れたりされようものなら、嫌な罪悪感が残る事になるので無理やりにも出来ない、
それでも何とか服からカブトムシを引き剥がそうと、俺は数分の間、カブトムシ相手に格闘するも、
結局、この時は急いでいた事もあって、俺はカブトムシを引き剥がすのを断念せざる得なかった。

「ちっ、仕方が無い………如何しても離れないんだったら連れていくか………」

そう一言ぼやくと、俺は止めていたバイクのエンジンを再始動させ、家路に急ぐのだった。

【十数分後】

「これで良し……ま、これも何かの縁だ、今後ともよろしく頼むぜ?」

俺が1人暮しをする我が家に帰りついた後、
一般的なカブト虫飼育のセオリー通りに腐葉土のマットを敷き詰め、真中に朽ち木を置いた飼育ケースの中に
カブト虫を居れて、何ときなしに飼育ケースの中のカブト虫へ声を掛ける。

やれやれ………
前にクワガタムシを飼っていた時の飼育セットが無かったら少々困っていた所だった。
不注意でクワガタ虫に脱走された後、使い道に困っていたが。これでこの飼育セットも無駄にはならないだろう。
しかし、あれほどしっかりと胸にしがみ付いていたカブトムシ、俺が家に帰りついた時、
驚くほどあっさりと離れた事が妙に気になるのだが……。

って、あ!

「――忘れてたっ!テレビテレビッ!今日は江田島平八VS範馬勇次郎の戦いがあるんだった!
虫に気を取られて見逃したら、何の為に急いで帰ったのやら………ああ、危ない所だった」

本来のやるべき事を思いだした俺は急いでテレビへと向かう。
今日のこの特番は1000年に一度のビックタイトルマッチ、これを見逃したら一生後悔する!
テレビの前のベストポジションに付きテレビの電源をつけると、たちまち俺はテレビの画面へと釘付けとなった。

結局、凄まじい試合内容に夢中になった俺は、カブト虫の事なんぞ嵐に吹き消される蝋燭の火の様に忘れてしまい、
その興奮も冷め遣らぬままにそのまま眠りに付くのであった。

                     ***


―――………んむ?………

不意に誰かの気配を感じ、俺の意識は覚醒した。
薄目を開け、気配の方を見ると、寝ている俺の側に立つ誰かの姿がうっすらと見えた。

………誰だろうか?こんな夜中に無断で人の家に上がりこむとは………?

多分、この誰かさんは泥棒だろう、いや、絶対泥棒の筈だ、
俺の記憶が正しければ玄関にはしっかりと鍵を掛けたし、窓の戸締りもしっかりとしている。
無論、俺は1人暮しの上に他の人間に鍵を預ける等はしていない。

それにも関わらず、ここに俺以外の誰かが居ると言う事は、その誰かさんは幽霊か泥棒かのどちらかでしかない。
尚、幽霊の可能性に関してはNOだ。そもそも俺に霊感と言うものは備わっていない。
心霊スポットに行っても何も感じないくらいだからな!………なんか自分で言ってて悲しい。

それにしても、この泥棒、こちらが寝ている事を良い事に金品を奪おうたってそうは行かない、
住人である俺が目を覚ました事に気付かない時点で、この泥棒の程度が知れている。

さて、この泥棒、如何してやろうか………
私に良い考えがある。ここはこっそりと警察に通報し―――

「起きろっ」

どげっ

「―――ぐぉっ!?」

脳内の誰かの命じるままに携帯を手に取ろうとした所で、
おもむろに腹を蹴られ、俺は布団の上で腹を抱えて暫し悶える事になる。

予想外の行動、まさか泥棒が寝ている俺をわざわざ起こすとは思ってもいなかった。
つか、いきなり蹴るとは何と言う乱暴極まりない泥棒なのだろうか。
いや、もうこの時点で泥棒から強盗へとクラスチェンジを果たしている!

にしても、蹴る時にだしたややハスキーががった高い声からして、この強盗は恐らく女かと思うが………一体何者だ?
そう思いつつ、ようやく痛みが収まり始めた腹を擦りつつ身を起こし、そいつの方へと顔を向け、

「やっと起きた様だな、人間!」

…………

人は。
自分の理解の範疇を超えた物に出会った時、様々なリアクションを起こす。
ある者は恐れて震え上がり。そしてある者は敵意を剥き出しにして武器を取り。
更にある者は精神が支えきれず、その存在を意識と記憶から消し去る事もあるだろう。
そして俺の場合、

「何こいつ?」

と、思わずその一言を口から漏らしていた。

それも無理も無い、俺の前にすっくと立つその姿、
年の頃は20代辺りの小麦色の肌のガタイの良い、何処か体育会系のやや釣り上がった眼差しの気の強そうな女。
身なりこそタンクトップと短パンとこの時期としては普通なのだが、その背中に硬質な黒い甲冑のような物を付け。
さらに短く切り揃えた黒髪の頭にはコガネムシの持つ触角の様な物が生え、ゆらゆら動いている。
しかも、やや大きめな胸の前で腕組をしているその腕は4本もあり、女の異様さを更に際立たせている。

「起きて早々そのセリフか、やはり何処までも失礼な人間だな………
初対面で暴言を吐いた時点で許せんと思ったが、もう勘弁しない!」
「………はあ?」

呆然とした俺の呟きの何かが気に食わなかったのか、女強盗?はハスキーな声を上げて怒りを顕わにする。
俺は如何言う事か訳が分からず「?」が脳内を駆け回り、気の抜けた声と共に首を傾げる。

「『はあ?』じゃない、数時間前、お前は私に向けこう言った筈だ『なんだ、………メスか』と」
「?????」

女強盗?の訳の分からない因縁に、
俺の脳内で増殖した「?」は遂に頭の中の司令と共にラインダンスを踊り始める。

「前々から人間と言うのはオスかメスかの違いだけで喜んだり落胆したりする差別的な連中だと仲間から聞いていた!
私は思った、如何にかしてその認識を変えられない物かと!
そして!今日、私に対して差別的な暴言を吐いたお前からその認識を変えさせる事にする!」

困惑する俺を余所に、女強盗?は高々と宣言した後、
下の方の二本の腕を腰に当て胸を張り、上の方の右腕でびっとこちらを指す。
それに対して、ようやく正気に戻った俺は女強盗?もとい変な女の発言を頭の中で整理し

「えーっと、まあ、あんたに対して差別的発言を言った事に対しては謝る、本当に済まなかった。
これからもそう言う発言は慎む様に心掛けるし、差別もしないようにする。これで良いか?」
「フン、素直に謝るのは人間にしては殊勝な心掛けだ」
「………でだ、話は変わるがお前さんは一体何者なんだ?」

………

嫌な沈黙。
空気が凍りつくとはこの事を指すのだろうか?
女はきょとんとした表情でこちらを見ている。こっち見んな
俺はこの質問は言うべきじゃなかったかな?と心の中で少しだけ後悔しようとした矢先、

「お前、気付いてなかったのか………まあ良い、特別に教えてやる!
私こそ、一万年に1度生まれる強大な力を持つスーパーカブトムシなのだ!
しかも!進化の末に擬人化能力をも得た究極型だ!如何だ、驚いたか人間!」
「…………」
「フン、如何やら私の正体の凄さに言葉が出ない様だな」

女は『スーパーカブトムシなのだ』のくだりで上の方の右の人差し指を天高く掲げ
その指で『驚いたか人間!』の辺りにびっと俺を指差し、乳房を揺らせながら胸をそらす。

もし、この時、俺の前に鏡があったら、俺はさぞかし間の抜けた表情を浮べていた事だろう。
それを別の意味で唖然としていると女は見て取ったのかより胸をそらす。

スーパーカブトムシ?一万年に1度生まれる?
しかも擬人化?………なんだそりゃ?これ、何処の甲虫王者?

変な女の自己解説を聞いて、俺は改めてこの質問をするべきではなかったと激しく後悔した。
まあ、多分、この女の言っている事は正しいのだろう、あの妙な風体だし。
それに、先ほど捕まえていた筈のカブトムシ(♀)の入っていた飼育ケースの方に目をやると、
飼育ケースはまるで内部から爆砕したかの様に壊れ、中の腐葉土を飛び散らせている上に
良く良く見ると変な女の服の所々に腐葉土がちょっぴり付いていたりする。

んで、変な女の話と今の状況から見て、こんな結論が出た。

俺が捕まえた?カブトムシ(♀)=変な女

何だか自分で結論を出してながら、急に頭が痛くなってきた、おまけに眩暈もする。
取り敢えず………さっさと警察を呼んで後の事は任せてしまおう、うん、その方が面倒が少ない。
頭の中の司令もそれは良い考えだと言っている事だし。

そう思い、俺は傍らにおいてある携帯を手に取った矢先

「コラ、何さり気無く通報しようとしている!」

ばきぐしゃ

あっさりと女に携帯を取り上げられた上、凄まじい握力で携帯が圧し折られ、真っ二つになる。
オォゥ………ジャァズ、じゃなくて俺の携帯………orz

「ったく、油断も隙もあったもんじゃねえな?」

愛用の携帯の末路に少し項垂れる俺を余所に、
背後に怒気をはらんだ女は携帯の残骸をポイと捨てつつ、俺の直ぐ前で仁王立ちし、

「殊勝な心掛けに少しは許してやろうかと思ったが、お前のさっきの行動で許せなくなった。
だからここで思いっきり犯してお前の認識を変えさせる!」

はい?

「………ちょっと待て、犯してって………如何言う事だヲイ?」
「言ったまでの意味だ」

凄まじくヤな予感を感じ、俺を見下ろす女を睨みながらズリズリと後ずさりする。
だがしかし、安アパートの狭い部屋である以上、直ぐに背後の壁に行く手を阻まれ俺は追い詰められてしまう。

「いや待て待て、認識を変えると言う事が何故ヤる事になるんだ?意味が分からんぞ!?」
「簡単な事だ、私がお前を犯す事でメスも強いと言う事を、身をもってお前に分からせる、ただそれだけだ」
「そ、そんな無茶苦茶な理屈!」
「問答無用っ!」

俺の抗議も虚しく、女は叫びを上げながら俺に飛びかかって来る。

―――じょ、冗談じゃない!訳の分からん理由で変な女に犯されてたまるかっ!

そう思った俺は立ちあがり、とっさに身構え、
向かって来る変な女の動きを見切り、俺を抑えこもうと先に延ばした女の上の対の方の右腕上腕を取ると
その向かって来る勢いを殺す事無く、足を踏ん張らせ流れるような動きで見事な右一本背負い投げを決める!

だ ん っ!

「―――ぐぁっ!?」

部屋に響く音と振動(幸い俺の家は田舎にあるので近所迷惑にはならない)

技を決められ、背中から床に叩き付けられた衝撃に女は悲鳴に近い呻き声を上げる。
恐らく変な女から見ればいきなり自分の視界が上下に反転し、気が付いた時には天井が視界に入っていた事だろう。

自慢では無いが俺は高校生の頃、全国大会に出たほどの柔道の腕前を持っている。
………まあ、全国大会に出た時は緒戦敗退だったのだが。
それでも其処ら辺のチンピラ程度なら、軽くあしらえる程の腕はあると俺は自負している。

取り敢えず、もしもの時を考え、すぐに後ろに飛び、仰向けで倒れている女から間合いを離して様子を見る。
さて、これで気絶してくれればめっけもんなのだが………

「痛つ……中々良い投げだ……意外に手強いな、お前」

ちっ………残念、気絶してなかったか………。
普通なら気絶していてもおかしくない位の衝撃をまともに受けた筈なのだが、
予想以上に女は頑丈らしく、ゆらりっ、と立ち上がり俺に向けて不敵な笑みを見せる。
しかし、僅かに焦りを感じさせる表情から見て、全く効いていないと言う訳では無い、これなら………

「だが、手強い分、尚更遣り甲斐がある!!」

俺の思考を余所に、再びさっきと同じ様に、俺に向かって飛び掛って来る女。
この変な女、自分がカブト虫と言っているだけあって学習能力が無い。
だったら、また投げ飛ばすまでだ!

俺は女を迎撃すべく身構え、前同じく腕を取って、投げ飛ばそうとしたその時―――

「―――なぁっ!?」

投げ飛ばそうと掴んでいた方とは違う対の女の両腕が俺の腰をがっしりと掴む、
それと同時に「ブブブブブブ」と耳障りな羽音と共に女と俺が宙に浮き、思わず驚愕の声を漏らしてしまう。
それに対して女は、口の端に勝ち誇った笑みを浮べ、

「フッ、同じ手を2度食らうほど私は馬鹿では無い
私がもう1対の腕と翅を持っていると言う事を忘れたお前の負けだ」

―――くっ、何て迂闊!調子に乗って相手が普通の人間ではないと言う事をすっかり失念してた!

自分自身の愚かさに、俺が心の中で後悔するより早く、

だ む っ !

俺は受身も取れないまま背中から叩き落される。

―――ぐぁっ

背中に走る強い衝撃、悲鳴とも呻きともつかぬ声が喉の奥で弾け、
背の翅を羽ばたかせながら、無表情でこちらを見下ろす女の顔を見ながら、俺の意識は闇へと沈んでいった………

                * * *


―――重い、胸が重い
まるで重石を乗せられたかの様に胸が重く感じる。しかも身動きが取れない。
だが、俺の胸の上に乗っかっている物は妙に柔らかく、そして熱い気がする。
にしては俺の身体はスースーとしている様な………おまけに何か変な匂いもするし………?

「………?」

うっすらと目を開けた俺の眼前に、周囲が肌色のピンク色の何かが蠢いているのがぼんやりと見えた。
何だろう、コレ?………変な匂いの元はコレか?

俺は不思議に思いながら、目の前のピンク色の物体の正体を確かめるべく舌を伸ばす。

「んはぁん!?!」

ピンク色の物体に舌が触れ、舌先に塩味を感じ取るや否や、俺の腹の方で誰かが嬌声を上げ
更に俺の身体に圧し掛かっている何かと共に、ピンク色の物体がビクリと震える。

………この反応からして、もしや………?

「ん、如何やら目が覚めたようだな、お前が気を失っている間に服は脱がさせてもらったぞ?
しかし………いきなり不意討ちとはやるな………」

俺の腹の方から、ハスキーがかった女の声が聞こえてくる。
間違いない、今、俺は服を脱がされ、その顔に裸で俺に乗っかっている女の尻を向けられているシックスナインの体勢!、
んで、俺の目の前にあるピンク色の物体は女のひsyへdすあ3dsjrう

「ん゛っ!?ん゛ん゛―――――っ!?」

脳が結論を下すより早く、目の前の秘所が俺の顔面に思いっきり押し付けられる。い、息が苦しい!
し、しかもぐりぐり押し付けるなぁっ!!汁が、口にっ!鼻にっ!

「舐めろ」

………は?
舐めろってあーた、只でさえ窒息しそうな状況で何を命令口調で言い出してるんだ!?
無茶言うな、息が苦しいから早く俺の顔から尻をどけ

「舐めないと握り潰す」

………はい、分かりました、素直に舐めます。
だから俺の股間の息子と玉を強く握らないでください。この歳で不能になりたくないです。
俺は女に息子を握られたまま顔に押し付けられた秘所を必死に舐める。



「んっ、其処………良いぞ!………もっと早く!………くっ!」

俺の舌が秘所を舐め上げる度にうめく様な嬌声と共に身体が震え、秘所から汁が溢れ出てくる。
それだけでも息苦しいのに、女は調子に乗って腰を振り、より強く秘所を押し付けてくる。
くそう、なんか屈辱的だ………

「フフッ、この状況で感じているとはな………人間とは何と浅ましいな」

そんな中、俺の息子はと言うと、押し付けられている秘所が放つ淫臭と汗ばんだ女の身体の感触に敏感に反応し
俺の意思とは間逆にその勇姿を奮い立たせている。………ちっ、馬鹿正直な奴!
あ………くそ、酸素が足りない所為で………だんだん意識が………ぼやけて………

「さて、ここも大きくなったし、私も濡れてきたし、そろそろ頃合か………」

ちゅく

「ぶ………ぶはぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!はぁっ!はぁっ!はぁっ!」

酸欠で意識を失う直前、女の言葉と共に俺の顔面に押し付けられていた女の尻が糸を引いて離れ
口が開放された俺は足りない酸素を補うべく一気に深呼吸を行う。………マジでシヌるかと思った!

「さて、コレから挿れるが、先に言っておく、私はかーなーり腰を振るから、覚悟しろよ」

俺が過換気症候群になりかけている間に、女は騎上位の体勢を取ると
何処かで聞いたようなセリフを言うと共に、俺の息子に熱く濡れた感触が走る。

「って、ちょ――――」

ぬぶり

「―――うっ!?」
「んっ!………ほら、ドンドンお前のが挿っていくぞ………」

俺が止める間も無く、卑猥な音と共に俺の息子がずにゅにゅと女の中へと吸いこまれて行く!
中の熱く柔らかく締め付ける淫肉の感触に強烈な射精感が込み上げるが、
訳の分からない女に良い様に犯られる事に抵抗を感じた俺は必死に堪える。
しかし、馬鹿息子は思いのほか正直で、女の中でその剛直をより大きく膨らませ、
それに気を良くした女は尻を揺すりながら体重を掛けて息子を中へ飲みこんで行く。


「んふっ……お前のが全部挿ったな。これから犯される気分は如何だ?」
「くっ、くそぅ………」
「ふむ、この状況でお前はまだそんな反抗的な目が出来るか。
良いだろう、だったら私はそんな目も出来ないくらいに犯してやるまでだ」

ずぅっぷずぅっぷ

返答も出来ず、うめく俺に女は嗜虐的な眼差しを向け、ゆっくりと腰を動かし始める。
最初は前後に動かし、そして次は左右と動きを変えて責めてゆく
女が腰を動かす度に、結合部からの淫猥な音が部屋に響き、俺の目の前で大きな乳房がゆっさゆっさと揺れ動き、
感覚的にも視覚的にも俺が女に犯されている事を実感させる。

「さぁ、今の気分は如何だ?犯されて悔しいか?それとも気持ちが良いか?」
「うっ………ぐぅぅ………」

女が動く度に息子から身体に走る快感から逃れようと俺は身体を捩るが。
そんな俺の抵抗を無駄だとばかりに女が俺の身体を抑え付け、腰の動きに体重を掛けてより激しくさせる。
最早、この時には俺は女の宣言通りに犯されている状態だった。

「くっ…はっ、私の中は如何だ?とっても良いだろう?」
「うっ………ち、畜生………畜生!」
「ん?お前、泣いているのか?………フフ、中々可愛い所があるな。もっと可愛がってやる」

上の対の両腕で俺の頭を抑えつけ、俺の目に浮かんだ涙を舐め取る女。
それに対して俺は何も抵抗が出来ない、胸の中で悔しさが込み上げてくる。
調子に乗った女の腰の動きは捻りを加えて更に激しさを増し、凄まじい快感と射精感が俺を追い詰めて行く。

ずっちゅずっちゅずっちゅがっがっがっがっズンズンズンズン!
ぢゅぐぢゅぐぢゅぐぢゅぐぢゅぐ!

「くっ、あんっ!私も…良くなって来た!お前のっ!気持ちが良いぞ!……んっ!」
「………ぐぅっ!い、いぐっ…いって……しまうっ!!」
「イけっ、さっさとイってしまえっ!私の中にっ!タップリと出すんだっ!」

―――も、もう………限界………だっ!

「う゛っ……ぐっあぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっっっ!!!」

ぶびゅびゅびゅびゅびゅびゅ――――――――っ!!

「私もっ………イクっっっ!!!」

弾け飛ぶ様な感覚と共に、俺は凄まじい勢いと量の精を女の中で噴き出す。
もう、快感で………頭が如何にか………なってしまいそう………だ………
………あれ?気の所為か…………イった後に女の悲鳴も聞こえたような………?

どさり

胸に何かがしな垂れかかる様な感触を最期に、俺の意識は再び闇の中へと沈んでいった――――

                 *  *  *

―――何だろうか?味噌汁の匂いがする………それに眩しい………ああ、朝かな?
でも妙だな?俺は1人暮しで味噌汁を作ってくれる様な奇特な人なんて居ないのに………気の所為か?
まあ良いや、今日はバイトが無いし、このまま2度寝して………

「起きろっ!」

どがっ!!

「ぐぉぉぉっっっ!?」

2度寝に入ろうとした俺の意識を完全に覚醒させたのは
ハスキーな女の声と共に、俺の腹へ放たれた蹴りの一撃だった。
な、ナニゴトデスカッ!?

「ようやく起きたか、朝だ。朝御飯は既に出来てある、早く食え
早く食わないと折角作った御飯と味噌汁が冷める」
「…………」

夢じゃなかったのね………
と言うか、何故にこの女は俺の家で朝御飯を作ってらっしゃるので?

「何故、私がお前の家で朝御飯を作っている?と言いたげな目だな。良いだろう、教えてやる。
最初、私はお前を犯すだけ犯した後、そのまま放置して元居た森に帰るつもりだった。
だが、私は一発するだけであっさりとイかされて、あろう事かそのまま気絶してしまった。
はっきり言って屈辱だと思った。このままでは面子が立たない。
………だから、お前に責任を取ってもらう事にした」
「責………任?」

意味が分からず、俺は呟く様に聞き返す。

「皆まで言わせるつもりか?お前。女が責任取れという事は一つしかあるまい
そう、私を………その、お嫁さんに………取れと………言う事だ!(////」

…………はい?
何を顔を赤らめさせているのですか!?
しかもブツブツと「私を投げ飛ばした男だしな」とか言ってるし!?

「いやちょっと待て、お前さん、それはちょっと突然過ぎじゃ………」
「突然?始まりは何時も突然運命を連れてやってくるもんだ!だからうだうだ言うな!
それと、私にもちゃんとアテナって名もあるから憶えておく事!」
「あ、ああ………分かった、アテナさん………」
「それに、お前は昨日、私にこう言った筈だ。『これも何かの縁だ、今後ともよろしく頼むぜ?』と
そう言う訳だ。兎に角、コンゴトモヨロシク、な?」
「…………はい…………」

………何でこうなるねん
俺は唐突に泣きたい気分になりながら、カブト虫女ことアテナの作った味噌汁を啜るのだった。

………味噌汁が意外に美味いのがまた泣けた。

――――――――――――了―――――――――――――