やあ (´・ω・`)
ようこそ、予言ハウスへ。
この世界滅亡予言はサービスだから、まず聞いて落ち着いて欲しい。
うん、「また」なんだ。済まない。
仏の顔もって言うしね、謝って許してもらおうとも思っていない。
でも、この予言を見たとき、君は、きっと言葉では言い表せない
「アンゴルモア」みたいなものを感じてくれたと思う。
殺伐とした世の中で、そういう気持ちを忘れないで欲しい
そう思って、この予言ハウスを作ったんだ。

と2000年問題という2大バーボンに立て続けに釣られた我々だが今回の温暖化だけはガチらしい。
「あぢぃ…」
息をするだけで肺を焦がすような夏の熱気。
気温は真夏日を超える猛暑日。
それだけでも気が滅入るのに本日のバイトはお外で元気に除草作業ときている。
これが仕事内容を選べない派遣バイトくんの辛いところだ。
そんなわけで今日も健気に働いているわけですよ、ちくしょう。

仕事場は悪夢を具現化させていた。
1ヘクタールはあるであろう土地にびっしりと雑草が生え揃う。
今日一日で終わらないのはわかってはいるがこれでは先に心が折れる。
そしてこの地獄の一端を担う灼熱の太陽。
気がつけば白かった両腕は赤く焼け痛みを訴えるほどになっている。
そんな中にあらわれるアオダイショウやザリガニ、アマガエルもどこか気だるそうだった。

終わった時にはすでに夕日が赤く燃えていた。
それを背にして疲労感たっぷりの俺の歩く姿には生気が感じられない。
「蛇とかザリガニいたけど擬人化してもあれに犯されたくないな、なんか気持ち悪いもん。」
と独り言をつぶやきながら駅までの道のりの誰もいない芝生公園を横切る。
そこを元気良く走り回る一匹の大型犬。
たしかゴールデンレなんとかという品種。
夕方でもこのクソ暑さだというにどこにそんな元気があるのか是非とも尋ねてみたいところだ。
ぼーっと眺めていると目が合った。
―何見てんだ?
そう言われた気がしたが気にしない。
犬にはさして興味が無いがおいでおいでしてみる。
あっ、よく見るとコイツ首輪してねえ。
―何のようだ?
そんな声がしたけどやっぱり気にしない。
俺の動作に応じたのか走り寄って来る犬。
おもちゃ見つけたような獲物みつけようなそんな目してるんですけどー。
とりあえず撫でてみようとしゃがんで手を伸ばしてみる。
ガブリ。
痛いカウンターをもらってのけぞる。
悲しいかな俺のしゃがパンの判定は弱いらしい。
その隙を見逃してはもらえなかった。
飛込みから一発。
そこからストリートなファイターよろしく二発三発と連続技を繋ぐゴールデンレ某さん。
肉体労働で疲れきっている俺は無残にもKOされましたとさ。

目を覚ますとそこはさっき居た場所とは違っていた。
加えて状況が違う。
目の前に犬はいない、その代わりに裸の女が居る。
そして何故か裸の俺。
「なんでこうなってんの?」
その場でもっともらしい疑問を口にする。
「あたしが運んだからさ、それ以外になにがあるっての?」
ふてっとした態度で答える。
あのー、できればもっと細かく教えて欲しいんですけどー。
声には出してないが考えが通じてしまったのかギロリと睨まれる。
びびる俺。なんか情けない。
よくみるとこの女、尻尾と犬耳が付いてる。
つまりはそういうことらしい。
「それじゃあ勝者の権利を…」
「…んぐっ!?」
突然口の中に舌を捻じ込まれた。
無理やり上あごをこじ開けさらに奥へと侵入する。
舌も歯の裏側も全て舐めつくされる。
その間に体を密着させついには押し倒されていた。
体重をかけられ完全に押さえ込まれている。
満足したのか絡ませていた舌が離れ、かわりに唾液が送られる。
逆らえず全部飲み込む。
「ココ、もうこんなになってるわよ。」
言われるまでもなく気づいていたが俺のモノは天を向いていた。
それが女の秘所にゆっくりと飲み込まれていく。
俺は抵抗することもなくこの行為を受け入れる。
そうなることををきっとまちがいなく自分で期待していた。
全部入ったところで女は暴れた。
ただ乱暴なだけの腰使い。
それにはテクニックも何もなくただ激しい腰の上下運動。
ただそれだけでも充分に快感が送られてくる。
なんのこともない、自分の性癖通りなのだ。
興奮しない理由もなければ感じない理由も無い。
「やばっ…もう、出る…」
それを聞いた女は奥まで深く受け入れ締め付けを一際強くした。
ドクドクと流れ込む精液。
「いっぱい出てる…でも、まだまだ。」
吐き出される精液にも構わず女は腰を動かす。
ノーインターバルで襲い掛かる快感に俺は全てを委ねていった。
ただ感じているのは相手もだった。
顔を赤くして息も荒く喘いでいる。
調子があがってきたのか上下運動の中に前後運動も加わる。
乱暴なだけだったさっきよりも数段気持ちいい。
頭の中が真っ白に蕩けていくような感じがする。
体はただ快感だけを受け取り貪るだけの器官になったような錯覚を受ける。
「そ、そんな…顔をして、んっ…気持ちいいの?」
やや途絶え途絶えながら聞いてくるが答えるのが何か癪なんでスルー。
答えて欲しいのか腰の動きは止めないが黙って待っている。
でも俺は答えない。
待っている。
答えない。
それでも待っている。
答える気なんざさらさら無い。
「・・・むぅ。」
あっ、眉が釣りあがってきた。
なんとなく膣内の襞の絡みつきが強くなったような気がする。
口で答えないなら体に答えさせようという腹らしい。
更に舌をしゃぶるキスも加わる。
上と下、両方が彼女のものとなり犯される。
その攻めに体の方はあっさりと答えた。

「服は・・・あっ、あった。ふーん、ちゃんと脱がせてたんだな。」
手で背中のあたりを払いTシャツの袖に腕を通す。
泥は付いてるが背に腹は変えられない。
人の姿をしたゴールデンレなんとかさんは俯いていた。
「んで聞くけどなんでこんなことしたんだよ。あんまいい趣味って言えねーぞ、これ。」
「…孤独だった。」
ポツリと呟くように答える。
その後つらつらと自分の生い立ちを話し始めた。
こいつはどこかの研究所らしきとこの生まれで幼くして母親と離れ離れに。
それからは実験の毎日、来る日も来る日も白衣を着た研究員に様々な実験をされる。
その時の扱いは犬でも人間でもなく、あくまでも実験サンプル。
最低限のエサしか与えられず、時には断食実験もさせられていた。
次に母親に会った時全てを呪った。
最後の支えでだった母親は自分の娘が人と犬の両方の姿になれることを知った途端異端として拒絶するようになった。
それで再会のうれしさから出た涙は絶望の涙へと変わる。
それからの日々はもっと空虚だった。
そんな毎日から逃げ出して俺とバッタリ出くわした。
話をまとめるとこんな感じだ。
「だから子供でもできれば寂しくないと思って…襲った。」
ああ、俺はこいつを救えない。
弱者は誰も救えない、ただ哀れむのが限界。
データ装備費をとられる弱者なら尚更。
だけど犬一匹飼う程度ならできる。
「んじゃ、行くかレサン。」
ゴールデンレなんとかさんなので縮めてレサン。
当のご本人はポカーンとした顔でそれ自分のこと?なんて聞いてくる。
「ここに俺とお前以外誰がいんだよ?どうせ今まで名前なんか無かったんだろ?いや、あったとしても今捨てろ。」
『レサン、お前は今日からレサンだ』と、ちょっとグランバニア王の真似をしたいのはやまやまだが重そうなんで却下。
いつの間にか犬の姿になったレサンが俺の後ろをうれしそうについてくる。
さて犬を連れて電車は乗れないし、裸の女を連れようもんなら猥褻物陳列罪でアウト。
残る選択肢は約20kmを徒歩である。
時刻は7時半、家に着くのは何時になるのやら。

grass wander/了
◆NECOu2TzHg

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最終更新:2007年09月05日 09:22