鯱娘 ID:QO7NZxmB


「早朝の浜辺を歩くときにゃ、絶対に波打ち際に近づいちゃならねぇ」
漁師だったじーちゃんが生前、口癖のように何度も僕に語ってくれた。

……ここの海は彼岸につながってんだ。冥府の化けもんに魂ィ抜かれんぞ……

たぶん水難事故を防ぐ為の作り話なんだろうけど、じーちゃんの真剣な表情と異様に暗い語調が
トラウマになりそうな位怖かったのをよく覚えている。
……でも、それが決して作り話なんかじゃないと判ったときには、もう手遅れだった……

「いってきまーす!! お昼までには帰るから!」
釣り道具を一式抱えて徒歩30秒の浜辺まで全力疾走。緩い坂道を登りきると眼下に広がる青い海。
お盆休みになると、田舎にあるじーちゃんの家に泊まりに行くのが毎年恒例の行事だ。
そして、小さい頃から釣りキチとして慣らしてきた僕にとって、またとない海釣りのチャンスでもある。
世間的には「高二の夏から戦争は地獄だぜ」とか云われてるけど漁師志望の僕にとってはどこ吹く風。
こうして今日も獲物を求め、朝日が顔を出すのと同時にいつものポイントに向かう。

「?? ……おかしいなぁ……」
指定席の岩の上で釣り糸を垂らすものの、今日に限ってアタリが全然無い。
餌だけ盗られたわけでもない、魚の気配自体が無いのだ。
それどころか毎日のように飛び回っている海鳥すら見かけない。
釣人としての第六感が、異常と同時にポイントの変更を提案してきた。
…個人的にボウズで帰るのが嫌なだけだったのかも。

別の場所に移動するときには、一旦、岸壁を上り、丘を越えての回り道がいつものルートなのだが、
間の悪いことに、下にある遊泳禁止の小さな砂浜が視界に入ってしまう。
―確か、あれを横切れば近道できるんだっけ―

じーちゃんの言葉も脳裏に浮かんだが、迷信だという悪魔の囁きと、未だに釣果無しの焦りからか、
自然と砂浜の方にふらふらと足が向いてしまった。

慎重に岩肌を降り、三方を岩と崖に囲まれた猫の額ほどの砂浜に足を下ろす。
まだ朝も早いし、地元の人間も滅多に近づかない穴場ともあってか誰もいない。
潮の匂いが程よくのった風を浴びながら、湿った砂の感触を波打ち際で堪能していた時、

「獲ったぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

奇声を上げながら海面から現れた「何か」が、物凄い勢いで僕の体に激突し、そのまま吹っ飛ばされ…
……意識暗転。

気が付いたとき、後頭部に広がる柔らかい感触、そして女性の優しそうな笑顔が最初に目に映った。
「あ、起きた。大丈夫? どっか痛いところない?」
こちらを見下ろしながら心配そうに話しかける綺麗なお姉さんと目が合い、
視界の約半分を覆う2つのふくらみに思わず視線が泳ぎ、
…体勢的にひざまくら、と気付くと同時に、気恥ずかしくなって急いで飛び起きた。

「それだけ元気があれば大丈夫ね、よかった、怪我してなくて」
安堵の溜息が聞こえた方を見ると、片手をついてゆっくりと立ち上がるお姉さんの姿が視界に入る。
―僕より5つくらい年上だろうか? 白と黒のツートンカラーの競泳水着からすらりと伸びる肢体、
腰まで伸びる濡れた黒髪が太陽を浴びて輝き、豊満な胸が水着の中で窮屈そうに、跳ねた

「…砂浜をうろうろしてたから、てっきりアザラシかと思って突貫しちゃったんだ、ゴメンね」
小さく舌を出して悪びれずに微笑んだ後、砂地に片手をついて優雅に立ち上がり、
前屈みでゆっくりと太腿に付着した砂粒を払い落とすお姉さんの動作に思わず見とれているうちに、
数分前まで膝枕されていた太腿の柔らかな感触、女性特有の甘い香りを思い出し…

なぜか急に恥ずかしくなって、耳が真っ赤に染まり顔が火照ってくるのが自分でも分かった。
……当然、ドキドキしたときの血流は下半身にも行く訳で……
「あららら~。少年、意外と元気~」
端整な顔に好奇心を浮かべつつ、海パン越しに存在を主張する僕の股間をじっくり眺めるお姉さんの言葉に、
余計に恥ずかしくなって思わずうつむいてしまう。

「……ねぇ、お詫びにおねーさんがイイことしてあげよっか?」
その言葉に驚いて顔を上げると、小悪魔的な笑顔を浮かべるお姉さんと、一瞬、視線が絡まった。
「え…? いや……その……結構で…」
「ええい問答無用ッ!!」
後ずさりする暇も与えない電光石火のタックルを見事に喰らい、砂地に押し倒される、
間髪入れずに海パンを引き摺り下ろされ、露出するソレにしなやかな細い指が巻きつき、
仰向けに倒れる僕に覆い被さるように、お姉さんの上半身が軟体生物のように密着して…

「…力を抜いて、楽にしててね…」
優しい口調で耳元に囁かれた後、唇と唇が2、3回啄ばむ様に軽く触れ、一気に密着。
初めてのキスは、お姉さんの甘い味と、なぜか潮の香りがした気がする。
そのままゆっくりと唇をこじ開けるように柔らかい舌の感触が口腔内を侵略、蹂躙する。
…んっ……んぅ……ふぁっ……
僕の舌を探り当てて絡め取り一気に吸い上げると同時に、先端部分をやんわりと弄んでいた
左手の指で輪を作り、頂点を軽く締め付け、一気呵成に皮を引き下ろし…
「!!んんんんんんんんんッ!!!んんッー!!」
僕の悲鳴を全部吸い上げてから、お姉さんの唇が名残惜しそうに唾液を垂らしつつ離れた。


半ば放心状態の僕の頭を撫でながら、お姉さんの唇が耳たぶ、首筋、乳首、臍と徐々に
下に向かい、これまでの刺激で痛いくらいに張り詰めた僕のモノの前で一旦停止。

「ほら、見える? こんなに先っぽから垂れ流してるの」
外気に晒されて敏感になっている先端に軽く吐息がかけられる度、頭の中が真っ白になり、
短い悲鳴と共に体が跳ねる。
「……んぁッ!……ひゃうッ!」
「ふふッ、意外と可愛い声が出るのね。……そうだ、もう少し君のこと、知りたいなぁ」
濡れて黒く輝く長い髪を掻き上げ、目を輝かせながら悪戯っぽく微笑むと、
右手の人差し指を、規則正しく痙攣を続ける肉棒に押し当て、滑らせるように何度も往復させながら…
「ねぇ、このおちんちんで何回オナニーするの?」
視線を逸らさずに真っ直ぐ見つめられ、顔から火が出そうなくらい恥ずかしくなった。
「……し、週に3回…くらい……ひぅッ!…」
「ふうん、まだ若いんだからもっとするのかと思ったのに…」
僕の肉棒に右手の全ての指が絡みつき、いやらしく蠢きながらゆっくり上下にしごき始め、
「じゃあ次の質問。いつも誰を思い浮かべてしてる?」
「……うあッ…あッ…いッ…お、同…じクラスの、あッ、長澤さ…んッ!」
「あらあら同級生? 女のコって視線に敏感だから気をつけてねぇ、…で、どんな風に犯してる?」
質問と同時に、先程から休むことなく続いていた肉棒に対する往復運動がさらに激しくなる。
「……ハッ!……ハァッ……ンぅッ!…う、う…後ろか…ら、無…理矢…理ッ…」
「あらまぁ、可愛い顔してるのにそんなこと考えてるんだ~。イケナイなぁ」

拷問に等しい尋問による羞恥と股間から絶え間なく広がる快楽に頭が真っ白になり、
肉体も限界を示すかのように僕の肉棒が不規則にビクビクと跳ねる、
と、不意にお姉さんの手の動きが止まり、根元を強く握り締めたまま僕の顔を笑顔で覗き込むと、
「…じゃあ最後の質問。 そろそろ出したい?」
声すら出せず、涙を溢れさせながら頭を上下に動かす僕。
「きちんと大きな声でお願いできたら、ね?」

悪魔の囁きが聞こえると同時に、大きな胸が脈打つ肉棒を水着越しに挟み込み、上下左右に激しく動く。
滑らかな触感の水着越しの柔肉による圧迫、時折先端部を蠢く濡れた舌の触感。
物理的に射精を止められ、閾値を越えた快楽地獄が脳を白く焼き尽くし、思考がショートする寸前、
「…お願いしますッ!! 出さしてッ!! 精液! せーえき出さして下さいッ!!」

とめどなく涙を流しながら顔を左右に激しく振り、掠れた声で搾り出すように叫んだ刹那、
肉棒がお姉さんの口に含まれ、飲み込む様に舌で絡ませて絞り上げられる、
根元の戒めが解くかれると同時に、肉棒から大量の白濁液が音を立てるくらいの勢いで噴出し、
口から糸を引きつつ溢れた精液の雫がお姉さんの水着の胸元を点々と淫靡に汚した。

あまりの衝撃に意識が混濁した状態で放心しているうちに、また目の前が暗くなっていって…


目を覚ますと、青空の下、抱きかかえる様な形で砂に座り、心配そうに僕を見つめるお姉さんと目が合った。
「大丈夫?…ごめんなさい、無理させちゃって」
「あ、…ちょっと、頭がぼおっとしますけど…大丈夫…です」
力ない笑顔で答えると、不意に、抱きしめられた。
「…ホントにごめんね、加減できなくて。不器用だから…」
柔らかな乳房の谷間に押し付けられた僕の顔、その頬に点々と当たる水の感触――涙?
「可愛いかったから、ちょっと意地悪しちゃったんだけど、…やりすぎだよね。 嫌いに、なった?」
少し涙声のお姉さんの問いに、声を出さずに顔をゆっくり左右に振った。

「…ありがと。……で、キミが良ければなんだけど……最後まで、する?」
理解するまでに1秒半、瞬時に顔が真っ赤になった。
「あ、ええと…初めて、ですけど……お願いします」
上を向くと、最初に見た様な優しい笑顔のお姉さんと目が合い、無言のまま唇同士を重ね…

「…あ…んッ……そこ、やさ…しく、舐めて…ひぁ…んふッ」
お姉さんを押し倒すように寝かせると、水着の胸元でたわわに揺れる大きな胸に手を置き、
丘の稜線をなぞる様にやさしく撫で、滑らかな水着の感触を堪能、
もう既に硬くしこっている乳首を指先でなぞり、舌先で転がし、水着越しの輪郭を確かめつつ吸い上げる。
空いた方の胸に触れる手に軽く力を込めると、柔軟な弾力が吸い付くように返り、
揉みほぐすように執拗に捏ね回すたび、お姉さんの喘ぎ声に艶が混じるのが判った。
「…ん…もう…や、だ……おっぱい、だけじゃ……んッ……」
胸を弄ぶ右手を掴まれ、太腿の付け根に運ばれる、
これまでので既に濡れていたのか、水着の表面に染み出るくらいびしょびしょに染みていた。
「あ…ん、これが…女のコの…大事な…トコ…だからッ」
ゆっくりと顔を下げて、布地をずらし、初めて見るそれにドキドキしながら頂点部分に軽くキス。
小さな悲鳴と同時にお姉さんの体が小刻みに跳ねる。
「…ヒッ!…いぁッ…んッ…やだ…いいッ!」
慎重に溢れる蜜を舌で削ぎ落とし、人差し指を中心部に押し込もうとしたとき、
不意に彼女の手が伸びてきて、掴まれた。

「…続きは、海でしよっか?」
海?と聞き返す暇もなく、ゆっくりと立ち上がったお姉さんにいきなり背後を取られて腰を摑まれ、
ブリッジの要領で海老反りになった反動で、沖合い方向へ物凄い勢いで投げ飛ばされる。
―俗に云う「ぶっこ抜き投げっぱなしジャーマンスープレックス」

ただ、お姉さんの外見から想像もつかない怪力はリック・スタイナーも驚く飛距離を叩き出し、
きっかり10秒の滞空後、夏の青空に映える綺麗な放物線を描いて250m先の海面に激突。
盛大な水しぶきが舞い上がり、そのまま、意識ごと海に沈んでいった……

3度目の覚醒は、海面から光が降り注ぐ見渡す限りの澄んだ海の中。
暖かい海は、何故か懐かしい感じがした。

『あ、起きた。じゃあ準備はいいかな?』
後ろから「聞こえた」声に振り向くと、すぐ近くにお姉さんの姿。
思わず口を開こうとした瞬間、柔らかい感触で唇を塞がれた。
『下手に口開くと溺れるわよ? あ、おねーさんは特別だから。』
繋がった口から送られてくる空気に、最初は戸惑ったものの、次第に貪る様に酸素を吸い上げる。
抱きしめられ、密着した体から伝わる柔らかい感触と心臓の鼓動。
…お姉さん、すごくドキドキしてる。

『君の初めて、もらってあげる。イクまで上に出ないから覚悟してね』
悪戯っぽく、でもどこか優しそうに微笑むと、水着のハイレグ部分を横にずらし、
先程までお預けされて硬くなっていた僕のソレにあてがい…
足を絡め、腰を抱き締める様に一気に、飲み込まれた。

無重力にも似た浮遊感の中、蕩けそうなお姉さんの蜜壷が僕の肉棒を不規則に締め付ける。
しばらくしてから、ゆっくりと彼女の腰が、僕のモノを貪る様に艶かしく動き出した。
執拗に繰り返される焦らすような円運動、そして一気に密着する互いの性器。

……んぅ…ふぁ……いぃ……あぅ…
不意に唇を重ねられ、送り込まれる空気、それと共に断続的な彼女の喘ぎ声も注ぎ込まれる。
繋がったまま、海の中を上下左右に位置を変え、淫靡に絡み合う二人の体。
言葉を出せない拘束の快感と酸欠寸前の脱力感、思考領域すら犯されるような快楽の波。

音も言葉もない海の中、快楽の吐息が小さな気泡になって、天へと還る。

無意識のうちに、目の前で揺れ動く大きな果実に顔を埋め、しがみ付くように揉み、頂点を吸うと、
お姉さんの体が何度も小刻みに震え、抱きしめる力が一層強くなった。

『……ひぁ…は…んぁッ…そ…ろそろッ、きて…ひゃう!…出してッ、いっぱいッ!!』
艶の混じったお姉さんの声が響くと共に、これまでにないくらい彼女の秘所の中が蠢き、締め付け…
同時に僕の脳内を閃光が走り、体中が溶けて流れ出すかと思う位、大量の精液を彼女の胎内に流し込んだ。
子宮に入りきらず溢れ出る白濁液が、結合部から流れるように漂う。

二人してしばらく脱力したように漂った後、海面に浮かんで新鮮な酸素を味わい、その後、
再び絡み合うように淫らに交わりながら一気に潜る、その行為を何度も何度も繰り返し…

…魂ごと抜かれてると錯覚するくらい搾り出されて開放されたのは、8回目が終わった後だった。

沖から砂浜に戻ってきた後、2人並んでよく晴れた海を眺めながら、ただ座っていた。
沈黙に耐え切れず、無意識のうちに言葉が出る。
「あの、…責任、きちんと取ります、から…」
一瞬の沈黙、その後、不意に頭をわしわしと乱暴に撫でられた。
「ありがと、気持ちだけ受け取っておくわ。 第一、今は発情期じゃないから安心していいわよ。」
微笑を浮かべながら明るくそう言うと、立ち上がり、海に向かって足を進める。
「…また、逢えますか?」
一瞬、お姉さんの足が止まった。。
「今日のこと、忘れた方が幸せになれるわよ?……そうね、いろんなこと学んで、たくさん悩んで、
 いっぱい恋をして……それでも私の事が忘れられなかったら、またここに来なさいな。…じゃあね」

背を向けたお姉さんの表情は見えなかったが、声は、ちょっと寂しそうだった。
と、急に振り向くと、何か言いかけた僕の言葉を制するように唇で塞ぎ、
その後、ゆっくり沖に向かって帰っていく彼女を、僕は、ただ呆然と見送ることしか出来なかった。

…じーちゃん、僕、あの人に魂抜かれたみたいです。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

あれから5年。久しぶりに訪れた、誰もいない静かな砂浜は何ひとつ変わっていなかった。
潮で濡れた砂浜にも拘らず波打ち際に座り、海の方をぼーっと眺める。

あの後、何を血迷ったか猛勉強の末、海洋系の大学に進学し日々勉強中の身である。
―彼女に認めてもらいたかっただけかもしれない、
―海に出ればあの人に逢えるかもしれないという淡い夢を抱いてただけかもしれない。
何の事は無い、結局、あのお姉さんの事が忘れられなかっただけである。

朝日が昇りつつある早朝の海は、あの日のように静かだった。

「なぁに感傷的に呆けてるのかなぁ少年…いや青年かな? …あれ、今日は釣りはしないの?」

決して忘れることの出来ない、彼女の声が岩の上から聞こえるまでは。

……貴女が来るのが分かってたら、投網か婚姻届持ってきますよ……
心の中で呟き、嬉しさに頬が緩むのを我慢しながら、お姉さんの方を見上げた。


――了。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2007年09月02日 00:23