夏の虫 ID:gLlV8jGj

大学4年生の俺が住んでいるアパートの裏庭には、大きな栗の木が生えている。
毎年夏になると樹液を求めて蝉やらかぶと虫やらが多く集まるので、
近所の小学生らがよく昆虫採集に来る。
朝早くから虫かご片手に元気よく裏庭を駆け回る姿を見て、
「自分にもこんな時代があったなぁ」などと思いを馳せるのがこの時期の日課だ。

そんなある日のこと。
急に休みを取った同僚のフォローに回った結果、予定外に深夜までバイトするはめになった。
へとへとに疲れた俺は、自分の部屋に辿り着くなり着替えもそこそこにベッドへとぶっ倒れた。
部屋の明かりをつけたまま、窓も開けっ放しで……



「ねーねー、起きて起きて起きてー!早く起きてよー!」
ゆさゆさと強く身体を揺すられる。耳が痺れるような甲高い声が辺りに響く。
思わず布団の中に潜り込み、両手で耳をふさいでしまった。
「うるさいなぁ……疲れてるんだ、ゆっくり寝かせてくれ」
「あー!そうやって寝ちゃうんだー!
 いいよいいよ、こうなったら実力行使しちゃうんだから!」
そう言うと声は遠ざかっていく。一瞬部屋に静寂が訪れた。
しかし、これでやっと寝られると油断したのがまずかった。
「食らえ、秘技スニークアタックぅ!」
「だあッ?!」
いきなり下半身がひんやりと涼しい夜の空気に晒された。
そして次の瞬間、生暖かい何かが俺の股間に覆いかぶさっていた。
思わず体が反応してしまう。やべぇ、すげー気持ちいい。

「くっ……もう駄目だ、出るっ!」
「んんむ……んんんんんッ!んふ、んぐ、んん……」
がばと布団を跳ね除けて身体を起こし、慌てて枕もとから眼鏡を取ってかける。
熱心に肉棒にむしゃぶりついていたのは、ダークブラウンの髪にショートカットの小柄な女の子。
健康的に日焼けしたその体は、陸上競技の選手のように引き締まっている。
これでもうちょっと胸があれば……って、いだだだだっ?!
「んもう、ちょっと早いんじゃない?味は樹液みたいにとっても甘くて美味しいけど……」
「うっさい!今日は疲れてるって言ってんだろ!」
俺の精液をたっぷり時間をかけて嚥下した彼女が顔を上げたと同時に耳を引っ張られました。
上目遣いに膨れっ面。あまりの可愛らしさにもう俺はキュンキュン来たね。
……しかし冷静に考えてみると、どう考えても目の前にいるのは知らない子だ。
「おい、ところでお前は誰だ?もしかしてもしかしなくても不法侵入者?」
「私の名前はチイよ。でもね、そんなことどうだっていいじゃん。
 ……それにしても、出したばっかりなのに元気ね、それ」
「え?」
あっけらかんと言ってのけたチイの視線につられて下を見る。
さっき出したばかりのマイサンは、早くも復活の兆しを見せておりました。
恥ずかしくなって顔を上げると、チイと目が合う。彼女は俺を見てにんまり笑うと、
「じゃあ、今からあんたのこと犯すから。無駄な抵抗は止めておとなしく出しちゃえ♪」
とか抜かしやがりました。
「『出しちゃえ♪』じゃねー!ふ、ふざけんなよコラ、放しやがれ!」
じたばたと暴れる俺を意外に強い力で押さえつけるチイ。
そして俺の上に馬乗りになると、左手で肉棒を掴み、右手の指で割り開いた秘裂へと肉棒を沈めていった。

「ふぁ……ん、もう根元までずっぽり入っちゃった。
 どう、あたしのここ、気持ちいい?もちろん気持ちいいよね?」
「……ああ」
「じゃ、早速動くよー。えいえいっ!」
言うが早いか、上下左右に艶めかしく腰を使いだす。
膣内は焼けるように熱く、やわやわと包み込む感触はこれ以上ない快感となって伝わってくる。
そして、
「んっ!あん!あっ!いいっ!感じるっ、感じちゃうっ!」
じゅぷじゅぷと音を立てる結合部分を見せつけつつ、チイは辺りをはばからずに大声で喘ぐ。
あまりに淫らな様子に誘われるかのように、俺は下から腰を突き上げていた。
「それ、それっ、すごい、良すぎるっ!もうイく、イくっ!イっちゃうよぉっっっっ!!」
「うおおぉぉっ!?」
絶叫に近い大声をあげ、急激な締め付けと共にチイは絶頂へと達した。
同時に俺も二度目の射精をしてしまう。
勢いよく流し込まれた大量の精液が子宮口で逆流し、ついには結合部から溢れ出す。
その刺激が引き金を引いたのか、青い顔でチイが叫んだ。
「……ひっ!?だ、だめぇ!出るっ、出ちゃうよぉっ!」
何が?などと訊く間もなくちょろちょろと黄色く生暖かい液体がこぼれだした。
独特の鼻につんと来る匂いが辺りに充満する。
それが恥ずかしかったのか、顔を真っ赤にして目を伏せ微動だにしないチイ。
しばらく沈黙の時間が流れた。気まずさに耐え切れなくなった俺は声をかけた。
「な、なんて言うか……別に気にしてないから」
「うん」
さっきまでの様子とは一転してか細い答えが返ってくる。力無い微笑みが浮かぶ。
ころころと面白いくらいに雰囲気の変わる子だ。
見ず知らずの彼女が愛おしくなってしまい、思わずぎゅっと抱きしめていた。
そして、耳元に口を近づけて秘密の話をするかのように囁く。
「それに、すげえ気持ちよかった」
「ありがと。……でも、これは何?」
「……すまん、お前の艶姿思い出したらまた元気になっちまった」
「んふ、じゃあじゃあ今から第二回戦に突入しよっか♪
 ほらほら、行くぞー♪」
さっきからずっと繋がったままの下半身は本当に正直だ。
再度やわやわと締め付けはじめたチイの肉襞の感触を味わいながら、俺は官能の海へと溺れていく。
結局、俺達は肉欲の求めるままに夜通し何度も何度も互いの体を求め合った。

ちゅん、ちゅん。

「……朝か」
スズメの鳴く声に目を覚ますと、もうすっかり朝だった。
周囲を見回してあちこち開けたり閉めたりしてみるが、どこにもチイの姿は見当たらない。
「やっぱ夢だったのかなぁ……。それにしちゃあ、やけに現実っぽい感触だったけどなぁ」
その時、不意に顔面にぶつかってくるものがあった。
「わぷっ」
足元にぽとりと落ちたのは、茶色い小さな蝉。確か名前はニイニイゼミだったか……。
はるか昔に昆虫図鑑で見たのを思い出して頬が緩む。
そのままじっと観察していると、何故か酔っ払ったようにふらふらと窓の方へ歩いていく。
「夜のうちに明かりにつられて迷い込んだのか?
 ……そういや昨日の子、お前みたいに騒がしい奴だったなぁ」
じいじいと騒がしく鳴きながら暴れる蝉の体を傷つけないように、
慎重にそして優しく摘んで窓へ行くと桟の上にそっと置いてやる。
蝉はしばらくそのままの姿勢だったが、突然飛び立つと鳴きながら外へと出て行った。
ご丁寧にも命の恩人の顔に小便を引っかけて。全く、なんて奴だ。





――そして、その日の深夜。
「よ、よくも今朝はあんな目に合わせてくれたわね!
 罰として、今夜も実力行使させてもらうんだから!覚悟しなさいっ!」
バイトから帰るとチイが俺のベッドの上にいた。
思わず彼女に飛びつくと、さらに言葉を続けようとする彼女の口をキスで塞いで
ゆっくりとベッドに押し倒した。
どうやら今夜も長い夜になりそうだ。



―了―