真夏の夜の夢 佳境に立つくまさん

「暑ぅ…こりゃ今晩も熱帯夜だな…。」
ごろりと寝返りをうって開け放った縁側を見る。
涼しそうな月光に照らされる庭を見ていると蚊帳の中まで涼しく…はならなかった。
それどころかピタリと止んだ夜風と共にじりじりと気温が暑くなっていくのが分かる。ああくそ、暑い!
枕元の団扇を手にパタパタと仰ぎながらどうしたものかと思案を巡らすうち、俺は庭に舞う虫を見つけた。
ひらり、ひらりと頼りないような…それでいて優雅に見えるような不思議な飛び方をしている。
白い体と白く透き通った羽を月光にさらしながら舞うそれは、青白い光を身にまとった天女のようにも見える。
なんという名前だったか…


「もし…」
いつの間に眠ったのだろうか?時計に目をやると午前二時、草木も眠る丑三つ時というやつだ。
ついで隣を見ると見慣れない女性が枕元に座っていた。
「あの、もし…」
むくりと体を起こしてじっと見つめるとおぼろげだった彼女の姿がだんだんと鮮明になってきた。
白い着物、透明な羽、ぴょんと飛び出した二本の触角、腰まで届きそうな黒髪、そしてなにより…美人だった。
「何か…用か?」
「私を…孕ませて…」
―――はあ?何言って―――って声が!?
「心配は…いりません…ただの…金縛りですから…」

「んむ…んく…ぴちゅ…」
状況を理解するより早く俺の体は反応してしまっていた。
肉棒をを丁寧に舐めていく彼女の舌と、白く細い指がおぼつかない手つきながらも優しく上下に扱く彼女はその懸命な表情もあって直接的な快感以上に俺を刺激する。
やがてもう十分と判断したのか、彼女は糸を引きながら口を離すと自らの割れ目に手をやると、少しばかり驚いた表情を見せる。
自分の体の反応が恥ずかしいのか…しきりに自分の割れ目からしたたり落ちる愛液を手にとって舐めている。
「寝て…」
彼女の言われるがまま、というより体が勝手に動いて横になった俺を跨いで濡れそぼった肉棒と割れ目をあてがう。
「くっ…」
苦しそうな表情を浮かべて腰を落としていく…それはまるで男を知らないかのような反応だった。
―――きつ…っ…
予想しなかった締め付けに耐えられず、俺は彼女を最奥に欲望を放つ。
「ふぁぁ!出て…るぅ…オスの…精が…」
いきなりの射精に彼女は声をあげて子宮で精子を受け止め、絶頂の波に体を震わせている。
ごぷごぷと子宮に流し込まれる精子はあっというまに彼女の膣口から溢れ出してくる。
「ん…もっと…精子…欲しい…丑三つ時が過ぎても…」
痛みはすでに快楽へと変わったのだろうか、彼女はふふっ…と笑って腰を動かしてくる。月光に照らし出された羽が青白く輝いて部屋を照らしている。
5回、6回と搾り取られてなおも続く快楽の中、俺の意識は暗中に沈んでいった。


朝、蝉の声で目を覚ました時、俺は一人だった。昨日は確か不思議な女の人と…って、夢か。
そういえば昨日の虫…"ウスバカゲロウ"だったかな?あれ、俺なんであの虫の名前知ってるんだろうか?
そんな事を考えてるとどこからともなく頼りない飛び方の"彼女"が飛んできた。

ひらり、ひらり。丑三つ時のお話。

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最終更新:2007年09月02日 00:11