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「全く……教授はこんな訳の分からない物ばっか作ってないで、
もう少しまともな物を発明していればノーベル賞なんて夢じゃないだろうに……」

そう、私は一人で愚痴を言いながら片手に持った手の中に収まる程の大きさの何かの液体の入った小瓶を、
こうこうと照りつける月明かりに照らす様に眺めつつ夜道を歩いていた。

私の名は笹野 耕平(ささの こうへい)、そして名前から分かる通り性別は男だ。
で、年齢は四捨五入すれば三十路になる辺り、とだけ言っておく。
某大学でしがない研究員をやっている、趣味はこれと言って無い、
その所為か、友人からは面白くない男だと良く言われている。
現在、親から受け継いだ十五坪程の築三十五年の家で一人暮しをしている。
私のプロフィールと言えばそれだけだ。

そんな私が何故、得体の知れない液体の入った小瓶を持って文句を言いながら夜道を歩いているかと言うと、
その始まりは今から5時間ほど前に遡る……――――――

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「笹野君!!遂に完成したぞ!我々の夢を叶える画期的な薬が!!」

私が研究室の机の上にあるパソコンに向かって糞面白くない化学物質の分析の作業をしていると、
人の迷惑を顧みず大声をあげ、瓶に入った液体を見せ付ける様に掲げながら部屋に入ってきた変人
彼こそ、私が勤めている大学の教授である吉川 学(きちかわ まなぶ)である、

このキチガ……オホン、吉川教授はIQ250と言う凄まじい知能指数と、
更に凡人では真似できない発想力を駆使し、三十代で教授の地位まで上り詰めた”変人”である

仮にも教授に対して変人と言うのは酷いのではないか?と思う人も居るかもしれないが、
彼は紛れも無い純粋無垢な”変人”である。先ず、教授が打ち立てた輝かしい功績の数々は全て、
教授の本来やろうとしてた目的の副産物、或いは失敗作なのだ。
例えば、人間の様に柔軟かつ俊敏な動きが可能な完全自立型アンドロイドを開発した目的が
可愛いメイドロボに自分の事を「ご主人様♪」と呼んで貰いたいな(*´д`)ハァハァ(本人談)と言う目的だったとか、
拒否反応を起こす事無く、違う遺伝子同士を組み合わせたキメラ生物の開発に成功した研究の目的も
俺はファンタジー物とかに出てくる猫娘とラブラブになりたいんだぁぁぁぁっ!!(本人談)と言う目的だったり
彼のやろうとしている事の悉く(ことごとく)が己の欲望に根差した頭のネジが吹っ飛んでいるとしか思えない目的で、
人類の為、平和の為、文明発展の為とかなんてこれっぽっちも考えてもいないのだ。
まあ、この研究室に勤める人以外にその事を知られていないのが唯一の救いなのだが……

で、その変人が人の迷惑を顧みず、画期的だとか言って喜び勇んで持って来た薬品だ
恐らくこの薬品も彼の欲望を叶える為だけに作った物なのだろう……そう、確実に

「……教授、画期的とか言いますが何なんですか?その薬品」
「くっくっくっくっ、よぉぅくぞっ聞いてくれた、笹野君!
くぉのぉ薬こそぉっ、獣だけではなく微生物以外のありとあらゆる生物を擬人化する擬人化薬なのだぁっ!!」

私の質問に対して、教授はやたらと溜めの入った台詞を言いつつ高々と薬の入った瓶を掲げる
私の気の所為か、教授の背後からパパラパラパーと効果音まで聞こえたような気がする。

にしても………擬人化?やっぱりこの教授の頭のネジは2~3本吹っ飛んでいる様だ………

「この薬を動物に掛けるとアラ不思議、虫だろうが魚だろうが恐竜だろうがたちどころに美女に大変身!
しくぅぁもっ!ただ人間に変身するだけじゃなくてその動物が持つ特徴も持っているのどぁっ!」
「……ハァ、それは凄い……」
「何だね、その気の無い返事は……まあ、笹野君の反応なんぞ如何でも良い、
例えばっ!兎さんにこの薬を飲ませた場合、ウサ耳とウサ尻尾の付いたウサ耳美少女に変身し!
そしてニャンコにこの薬を飲ませれば猫耳猫尻尾の猫耳美少女に変身するのだっ!因みにオスには効果無いぞ!
あ、そうそう、量を増やそうとして薬を水で薄めよう物なら忽ち(たちまち)効果が消えて無くなるから注意だぞ!」
「……で、変身した動物は変身したまんまなんですか?」
「いや、万が一、うっかり望んでいない動物へ誤飲させてしまったしまった場合も考えて
動物が変身して2時間以内にある行動を行わなければ元の動物に戻るから大っ丈夫!」
「……ある行動?」
「うむ、それは簡単に言えば交尾!いわばセックスだっ!
変身した擬人化動物さんは誰とも愛し合っていないままでは2時間限りの仮の姿でしかないが
だが、擬人化動物さんが誰かと愛し合った時、初めて擬人化動物さんはその姿で固定され新たなる道を歩み出すのだ!!
おっと、この薬が如何言う仕組みで動物さんを変身させているかとかは秘密だぞっ!
さて、これから僕は大学のアイドル、シルキーちゃんにこの薬を飲ませてくる、
では笹野君、行ってくるノシ!!」

教授は薬の説明(自慢?)をするだけすると、呆れる私を尻目にさっさと研究室を後にする。
……ちなみに、教授の言うシルキーちゃんと言うのは、大学に住みついている雌の猫の事である。

                      *
                      *

「………………」
「あれ?教授、もう終わったんですか?」

それから30分後、私の行っていた分析作業が一段落付いた所で
やや俯いた面持ちの教授がトボトボと研究室へと戻ってきた。

「笹野君、やっぱお互いの同意が無ければ愛とは言えないんだよね……ウッ……」
「はい?………って、その顔……」

何やら達観したような事を言って顔を上げた教授の顔面には、見事なまでな縦四条の引っ掻き傷が出来ていた……
どうやら、教授はシルキーちゃんとやらに思いっきり嫌われたと見て良いようだ。
それがかなりショックだったのだろうか、教授の目には涙が浮かんでいた。

「これ、笹野君にあげるよ……もう僕には必要ないし……グスッ……」
「いや、教授、これを渡されても私は困るんですけど!?」
「……ヒック……良いんだ、これを使うなり捨てるなりは笹野君に任せるよ……グスッ……」

と、私に押し付ける様にして薬を渡すと、涙ぐんでいる教授はトボトボと研究室を後にしていった。

――教授が去った後、変な薬を片手に困惑する私の姿だけが研究室に残されたのだった……

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まあ、こう言う訳で、私の手元に得体の知れない薬があるのだ
本当は研究室に薬を置いていけば良かったのだが、誰かが持ち去って悪用する可能性も無いとは言えない
その為、私は仕方が無くこの擬人化薬を持ち帰らざるえなくなった訳だが……

「さて、これを如何した物か……」

教授の様な性癖を持っていない私にとって、この薬は無用の長物でしかない。
かと言って他人に譲るなんて以ての外だ。悪用される可能性だって有るからだ
例えば、この薬さえあれば何処にでもいる動物を風俗嬢等の売春用の奴隷にしてしまう事が可能だし
更にこの薬を使えば凶暴な動物を屈強な兵士に仕立てる事だって可能になるだろうし、その他にも色々と使えるだろう。
全く、あのキチガ……オホン、教授は自身の欲望の為に面倒な物を作ってくれた物だ、
この教授の有り余る欲望の矛先を、もう少しまともな方に向けてくれればと私は何度思った事か………

と、そんな事を考えているより薬を如何するかだが……私が使う事も無いし他人に譲るのも出来ないなら……
そうだ、確か教授はこの薬を水に薄めたら効果が無くなると言っていた筈、
それならば水に流して使い物にならなくしてしまえば良い訳だ。

丁度、私の家の前には用水路が流れている、其処に流してしまえば薬は2度と使い物にならなくなる筈だ。
本来は用水路に流してしまうより、トイレなり流し台なりに流した方が良いのだが、
この時の私は変な薬をなるべく早く処分したい気持ちが先行しており、その事を全く持って失念していたのだった……

キュポン……ジャバジャバ

「……これで薬は使い物にならなくなった、と。これで良し……
ふぅ、今日は何だか教授の所為で余計に疲れたな……さっさと風呂に入って寝るか……」

瓶の中身を全て用水路に流し、瓶の中に液体が一滴も残っていない事を確認した後、
どっとこみ上げる疲れを感じた私は、そそくさと築三十五年の我が家へむかう、

この時、用水路に薬を流す際に私の足元で今、飛び立とうとする小さな生き物がおり、
その小さな生き物に薬の飛沫が直撃していたとは、私は夢にも思っていなかったのだった。

                    *
                    *
コン コン

「――――ん?こんな時間に誰だ?」

それは、私が家に帰って早速風呂に入る準備をしている時の事だった
誰かが家に訪ねてきたのだろうか、ドアを叩くノックの音が私の耳に届いたのだ

……はて?今は夜の十時も過ぎようとしている、こんな夜半に一体誰が……?

ドン ドン

私がそう思って、暫し様子を見ていると、
ドアの前の誰かは私が来るのを待ち切れないらしく、さっきよりも強く乱暴にノックをし始める。

やれやれ、誰かは知らないが人の迷惑を考えてほしい物だ。
私の家にはちゃんとインターフォンもあるってのに、こんな夜中にわざわざドアを叩くとは非常識な……
もし、このドアを叩く誰かが宗教の勧誘とかセールスとかだったら蹴り飛ばしてしまおうか……
そんな事を考えつつ、私は玄関へ向かう

ガチャリ

「遅い!妾(わらわ)が戸を叩いた時点で直ぐに出てこぬか!」
「………はぁ………失礼ですが、どなたでしょうか?」

私は不機嫌になりつつ玄関の鍵を外し、チェーンロックを掛けた上でドアを開けたと同時に、
先程までドアを叩いていたと思われる女から叱咤の声が飛んでくる。

……なんだこの女は?

玄関に立っている女を、初めて見た時の私の第1印象はその一言に尽きた。

その女の見た目こそ地味な白の貫頭衣を着た黒いロングヘアーの何処か高飛車な感じのする気の強そうな美人なのだが、
その女の頭には蟻の触角の様な物があり、更に背中には透明な羽を生やしており、
更に腕が4本もあるなど、明らかにこの女は普通の人間では無いと言えた。

「やはり、やはりお主だったか!妾をこの様な姿に変えた痴れ者は!」
「………………はぁ?」

その女はおもむろに困惑する私の方へ頭の触角のような物をピコピコと向けると、
女は何かを確信した様に私に対して意味不明な事を言って怒り出す

「この責任、如何取ってくれる―――――」
「取り敢えずだ、私に文句を言うなら明日にしてくれ、今は疲れているんだ」
「―――ちょっ、これっ、妾の話を――――――」

バタン

だが、色々あって疲れている上に不機嫌だった私は、
聞く耳持たないとばかりに女の肩を持ち玄関の外へ押し返し、更にドアを閉めた上で鍵を掛ける、
やれやれ、一体何だったのだろうか?あの女は……
まあ良い、そんな事は忘れてさっさと寝るとしよう。
バ キ コ ン 

女を追い返し、何事も無かったかのように寝室へ向かう私の後ろで、何かが壊れて倒れる音が響く。

「全く、妾がまだ話をしている最中だと言うのに追い返すとは何と失礼な奴じゃ」

音に驚きつつ私が音のした方へ振りかえり見ると、
先程の女がついさっきまでドアだった物を踏みつけ、家の中へ侵入してくる所だった。

「をいをい、普通ドアを壊して入ってくるか?……つか不法侵入に器物破損だろ」
「妾の話を聞こうともせずに追い出すお主が悪い!と、それより話の続きじゃ!
お主じゃろう、妾をこの姿に変えたのはっ?今直ぐ妾を元の姿に戻すんじゃ!」
「……はぁ?……」
「はぁ?では無い!長い間の地下生活を終えた妾が、やっとお見合いに出ようとした矢先じゃ!
いきなりお主が変な薬を使って妾をこの姿に変えたのじゃろうが!」

……変な薬?……まさかとは思うが……

「えーっと、まさかとは思うけど、貴方の住んでいた所って川の様な流れのすぐ側でしょうか?」
「む?そうじゃ、妾が住んでいた所は川の直ぐ側じゃ。まあ、人間はヨウスイロとか言っておるようじゃがな?
それが如何したのじゃ?」

ありゃ……何と無く話が繋がった、これは間違い無く私の所為だ……
多分この女は元々は私の家の前を流れる用水路の側に巣を作っている蟻で、しかも羽がある事から女王蟻候補だった、
んで、蟻の習性では今の時期に雄蟻と交尾する為に巣を出て、一生に一度の結婚飛行をするんだが、
その結婚飛行へ彼女が出ようとした矢先に、私が用水路に流そうとした擬人化薬の飛沫が偶然にも命中した、
と言った所か……

「さぁ、はよ妾を元の姿に戻せ!早く行かぬとお見合いに間に合わんのじゃ!」
「……あー、元の姿に戻る事は戻るんだが……今直ぐは出来ないぞ?」
「なぬ?何故じゃ?」
「……2時間くらい経たないと元の姿に戻らない、2時間経てば勝手に元に戻るが……」
「に、じかん?……良く分からんが妾が元の姿に戻る頃に、お見合いはどうなっておるのじゃ?」
「………残念だが、多分終わってるかと」
「( ゚д゚ )」

私の告げた残酷な事実は蟻女(今命名)にとってかなりショッキングだったらしく、
暫くの間、呆然とした表情を浮べ

「……と、言う事は妾は行き遅れ?そして子を為す事も出来ずに一生を終える?…
そ、そんなの嫌じゃ!嫌じゃ!嫌じゃ!嫌じゃ!嫌じゃ!嫌じゃ!(ry」

自分の行く末がかなり嫌な結末になると分かったらしく、
蟻女はその場で寝転び、4本の腕をバタバタと振りまわしまるで子供の様な駄々をこね始める。

「嫌じゃ!嫌じゃ!嫌じゃ!嫌じゃ!嫌じゃ!嫌じゃ!嫌じゃ!(ry」
「……………さて、寝るか」

暫くの間、私は駄々をこね続ける蟻女の様子を眺めていた後、
未だ駄々をこねる蟻女を放って、私は風呂に入るのを止めてさっさと寝る事にした。

                    *
                    *  
ややあって

「――――――………う……あ?」

鼻を擽る甘い香りと身体に圧し掛かる妙に柔らかい物で、私は目が覚めた
何事かと身体を動かそうにも、何かによってしっかりと腕を掴まれ、身を捩らせる事しか出来ない。
ようやく月明かりしかない部屋の暗さに私の目が慣れ、圧し掛かっている物の方へ目を向けると、
其処には先程の蟻女が居た。しかも蟻女は先程着ていた貫頭衣を着てはおらず、
ほっそりとした身体と形の良い乳房が月明かりに照らされていた。

「む、どうやら目が覚めた様じゃの、調子は如何じゃ?」
「……おい、これは一体何の真似だ?」
「うむ、妾はあの後、良い事を思いついたのじゃ」
「……良い事?」
「妾は考えたんじゃ、どうせ元に戻ってもお見合いは失敗するのじゃ元に戻っても仕方が無い、との、
ならばこの姿のままで誰かとお見合いをすれば良いかと思っての?」
「……で、それが私の身体の上に乗っかるのと如何いう関係が?」
「ふむ、妾がこの姿になってお見合いに失敗が確定したはお主が変な薬を妾へ掛けたのが原因じゃ、
なら、その責任をお主に取って貰おうと思っての?」
「……私に責任を取れって……何を?」

ざわりと激烈に嫌な予感が私の脳裏に走る。

「簡単じゃ、今からお主は妾とお見合いをするのじゃ」
「お見合いってなんだよ……」
「全く、人間と言うのは察しが悪いの、お見合いというのはまぐわう事じゃ。
もう、乙女にこの様な事言わせるでないぞえ……如何したんじゃ?何お主はボーっとしておる?
まあよい、時間も無いしさっさと始めるぞよ」

ハイ、嫌な予感的中!
マジか?何かの冗談か?ドッキリなら今直ぐドッキリ成功と誰か言ってくれ!
そんな私の心の叫びとは関係無しに蟻女は早速私のズボンを脱がしに掛かった。

「ふむ、人間の身体と言うのは元の姿とは勝手が違うの……」
「こら、止めろって、幾ら何でも冗談がきついぞ」
「冗談も糞も無いぞよ、妾がやると言ったらやるのじゃ、妾をこんな事にしたお主に止める筋合いは無い…ぞよ!」
「うぁっ!」

訳の分からない女にズボンを脱がされたくない私は必死に抵抗をしようとするも
蟻女の4本の腕の内の上の1対が細い腕の割に強い膂力でしっかりと私の腕を抑えている為、もがくしか出来ない
そうしている間に蟻女は私の最後の牙城であるズボンをパンツごと脱がし取る。

「ほう……人間のモノは何とやんなごとき……」
「……くっ……まじまじと見るな……」

ズボンを脱がされ露出した私の肉棒は蟻女の発する甘い香りの所為か既にギンギンに怒張していた
そう言えば、女王蟻は結婚飛行をする際にフェロモンを放出するとか聞いたが……この甘い香りがそうなのか……
私がそう考えている内に、蟻女は腕を抑えているのと別のもう1対の腕の左手で私の肉棒を掴むと
そのまま腰を上げ、既にしどどに濡れた桃色の秘裂に肉棒の先端をあてがう

「妾には時間が無い、さっさと始めるぞよ」
「……ちょっ、待――――――」
「もう待てぬ!……ふぬっ」

私がそれに気付いて止めようとする間も無く、
蟻女は一息に腰を沈め、ぬちゅりと言う音と共に私の肉棒を中へ挿入する。

「――――――ぬぁっ!?」
「…くっ、人間の身体と言うのも……悪くない……お主のモノで妾の中が熱いぞ……」

蟻女には処女膜が無いらしく、私の肉棒は何ら抵抗も無く蟻女の膣の奥深くまで入り込む
私の肉棒を受け入れた蟻女は触角をフルフルと震わせながら挿入の感触を味わう。

「う、あ…で、出る!?」
「あぁっ!……お主の精が妾の胎(はら)の中に一杯出とる……これだけで孕みそうじゃ……」

蟻女のざらついてながらぬるぬると蠢き締め付ける膣内の感触は、
今まで真面目に生きてきた所為で女性経験が全く無かった私にとって耐えられる物ではなく
私の肉棒の先端がこつんと蟻女の膣底へ当ると同時にあっさりと達してしまい、
蟻女の子宮の中へびゅくびゅくと大量の精液を注いでしまう。

丁度、その時から数分後が、擬人化薬の効果が切れる時間だったのだが、
その時の私にそれを思い出す余裕は全くといって良いほど無かった。

「……フフッ、じゃが、まだまだこれで終わりで無いぞ?」
「………ぁ……あ?……」

蟻女は暫しの間、自分の子宮内に噴き出される射精の感触を味わい、僅かに身体を震わせた後
射精の快感で思考が痺れ、うめき声を上げる私に微笑みかけると
私の身体へ胸を押し付ける様に4本の腕で抱きしめ、座位の形にするとグニグニと前後へ腰を動かし始める。

「……もう、良いだろ……―――――」
「何を…ウン…言っとる、お主が精を…クフ…出し尽くすまで、妾は…フン…止める気は無いぞよ?」

ずっちゅぐっちゅずっちゅぐっちゅぶびゅるるるるるぅぅぅっ

「―――――あぁっl?」
「はぁ、まだまだ出とる……ほれっ、精が行き渡る様にもっと出すのじゃ!……ふぅっん……」

ずっちゅぐっちゅずっちゅぐっちゅぶびゅるるるるるぅぅぅっ

蟻女が腰を上下させる毎に愛液塗れの結合部から卑猥な音が漏れ、
にゅるにゅると私の肉棒へ蟻女の膣壁が別の生物の様に蠢きながら吸い付き私に射精を促す、
その激しい動きの前に、私はただ悲鳴のような嬌声を上げながら蟻女の胎の中へ精を噴き出す事しか出来ない
だが、その割には結合部からは一滴たりとも精液が漏れておらず、
子宮の中が私の精液で満たされ始めているのか、蟻女の下腹部が膨らみ始めており、
蟻女が動く度にたぷたぷと音がする様な気がした。

「………もう、止めてくれ………」
「くふっ、お主がそう言ってもまだまだ始まったばかりじゃ、夜はまだ長いぞよ?」

その凄まじい情交により次第に快感が苦痛に変わり始め、私はうめく様にして蟻女へ止めるように懇願するが
蟻女は私へ妖艶な笑みを浮べ、そっと私の唇へ口付けをした後、再び激しく腰を動かし始める。

ずっちゅぐっちゅずっちゅぐっちゅ………

「うくぁぁぁぁぁぁ!?!?」

結局、私は意識を手放すまでの間、計26回も蟻女によって精を搾り取られ続けたのだった。

――そして、意識を失う直前に私は思った、
確か、雄蟻は結婚飛行した後は直ぐに死んでしまうと聞くが、この所為もあるんだなぁ、と……

                     ・
                     ・
                     ・
チュンチュン……チュンチュン……

私が次に気が付いた時には、既に朝日も上がり、雀が庭で戯れる声が聞こえ始めていた

「う……あ……朝、か……?」

私は全身に感じる激しい気だるさを感じながら布団から起き上がり、
全身を走る気だるさを振り払う様に頭を横に振りながら自分の状況を確認する。

「夢?だったのか?……それにしては……何て激しい夢だった様な……?
……まあ良い……取り敢えず、顔でも洗おう……」

目線を下に移し自分の格好を見ると、着衣は何ら乱れてはおらず、脱がされた筈のズボンも履かされたままだった
私は昨日の事は夢だったのかと心の中で安堵し、顔を洗うべく重い身体を引き摺る様にして洗面台に向かう。

「夢、じゃなかったのか……お前さんは……」
「おお、生きておったのか?人間と言うのは案外丈夫なものじゃのう」

だが、私が寝室から出た所で、クリーム色をしたカプセル状の物体を抱えた蟻女と出くわし、
私は呆然と立ち尽くす事になる。

「何で、この蟻女はまだここに居るんだよ……?」
「む?何故居るかじゃと?簡単な質問じゃ、ここを妾の住処にすると決めたからじゃ」

な ん で す と !?
何をいきなりとんでもない事を抜かしているんだこの蟻女は!?
そりゃあ、男一人が住むにしては築三十五年のこの家でも少々広すぎて寂しく思っていたけどそれは流石に……

「待て待て待て、幾ら何でも急過ぎじゃないか?それに私はお前に住む事なんか許可した憶えも……」
「ぬぅ、お主は忘れたのかえ?昨日、妾がお主へ責任を取れと言った事を。
あれだけで責任を取ったとお主は思っている様じゃが、妾にとってはまだまだ、と言った所じゃの?
それに、妾はもう翅を切り落としたんじゃ、もうここから離れられんのぅ?」

そう言って昨日は持っていた翅が無い蟻女は胸に抱いたクリーム色のカプセル?を愛しそうに撫でる。

「……それで、お前は私に責任とってここに住まわせろと言う訳か……」
「まあ、そう言う訳じゃの。それと、お主はさっきから妾の事を蟻女とかお前だとか呼んでおるが
妾には静代(しずよ)と言う立派な名を持っておるのじゃ、憶えておくが良い」

そう言って蟻女もとい静代はクリーム色のカプセルを落とさぬ様にしつつ、4本の手を腰に当て高飛車に胸を張る。
それに対して私は眩暈と頭痛を感じながらこめかみを指で抑えるしか出来なかった。

……そう言えば、さっきから気になっているのだが、あのクリーム色のカプセルは一体?……

「む?お主はこれが気になるのかえ?これはの……妾とお主の間に出来た愛の結晶じゃ♪」
「……は い ?」
「むう、妾の夫となろう者が理解が足らんのう…これは、お主の精を受けた妾とお主の間の子となる卵じゃ
しかも、これ一個だけじゃなくまだまだあるんじゃぞ♪」
「……は、はは、一杯あるんだなぁ……」

蟻お…静代の指し示す方を見ると、其処には八個ほどのクリーム色のカプセルもとい卵が丁寧に並べられていた。
それを見た私はただ引きつった笑みを浮べ、震えた声で応えるしか出来ない
そんな私の様子に気付いているのかいないのか私の腕にそっと身体を絡ませると静代は更に続ける

「そう言う訳じゃ、これからは宜しく頼むぞダーリン♪」

余りにも衝撃的な事の流れに呆然と立ち尽くしながら私は思っていた
この卵の数だ、こりゃあ、直ぐに私の家は手狭になるな、と……

五年後

「さて、今日はここで研究を切上げて帰るとするか……」
「笹野君!遂に出来たぞ!我々の夢を……ってあれ?笹野君、もう帰るの?」

私はあれから五年の間に何とか准教授の座に収まり、今も研究に明け暮れている。
だが、五年たっても尚、吉川教授は突飛な発明品で世間を騒がしているのは変わってはいない。

「ええ、妻と娘達が私の帰りを待っているんで、はい」
「え?笹野君って奥さんがいたんだ、しかももう子供まで……」
「はい、お蔭様で今年で四十五人目の子供が生まれましたもので。それでは教授、お先に」
「よ、よんじゅうご?え?…え!?」

私の一言を聞いて発明品片手に困惑する吉川教授を尻目に、私は大学の研究室を後にして家路に向かう
電車に1時間ほど乗って山間近くの駅までいくと、其処から30分ほど歩いてようやく我が家に帰りつく。
私は四年前、独身だった頃に住んでいた家を売り払い、田舎の方の敷地の広い家を引っ越していたのだ、
前住んでいた所とは違って大学への交通の便が悪くなったのは致し方あるまい、何故なら……

「ただいまー、今帰ったぞー」
「あ、パパだー」
「パパー」
「お父様、お帰りなさいませ」
「パパー、おかえりー」
「あ、お父様、お荷物は私がお持ち致します」

玄関を開けるなり、頭に触角を生やし4本の腕を持った
4歳頃から15歳頃までの様々な歳の同じ顔をした少女達が私を出迎える。
人間とは違う身なりを持ち、早い成長速度を持つ彼女達だが今の私にとっては可愛い娘達だ。
この沢山いる娘達の為、私は手狭になった家を買い換えたのだ。

「おかえりじゃ、ダーリン」
「ああ、ただいま。これお土産な?」
「おおっ、これは妾の大好物の明宝堂のイチゴショートではないか!妾の大好物―♪」
「……大好物って、静代は甘い物なら全部大好物じゃないか……?」
「ぬっ、ダーリン、その言い方じゃと妾が甘い物なら何でも好きだと言っている様ではないか!」

そして玄関をくぐり、居間に来るとテレビを見てくつろいでいた妻にお土産のケーキを渡す。
妻はケーキを見るや触角をピクピクと大きく動かしながら小躍りをしだし、
それを見た苦笑する私にツッコまれて妻は慌てて否定する。
出会った頃は、私は彼女の事を訳の分からない女だと思っていたが、今では私は彼女の事を誰よりも愛している。
そしてこれからもそれは変わらない事だろう。

「はは、悪い悪い、さ、子供達がいない今の内に食わないと大変な事になるぞ?」
「ぬ、そうじゃの、娘達に見つからぬ内にはよ食わぬと……」
「あー!お母さんがあまいものをひとりじめにしようとしてるー!」
「お母様!私達を置いて一人占めするとはズルイです、私達にも分けてください!」
「……ひ、ひとかけらづつじゃぞ?それ以上は―――」
「「「「甘いものー♪」」」
「「「「お母様ー分けて下さいー♪」」」」
「―――くっ、そんなに来られたら妾の食う分が無くなってしまうぞよ!?ここは逃げが勝ちじゃ!」
「あ!逃げた!」
「「「まてー!」」」

お土産が甘いものと見るや早速、妻対娘達のお土産の争奪戦が始まり、一気に家の中が騒がしくなる。
この調子だ、恐らく数分もしないうちに妻は渋々娘達にケーキを分け与える事になるだろう。

そしてその様子を温かく見守りながら私は思っていた。
――今、私はとても幸せだ、と。

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