「春海くん~、早く~!」
「ま、待ってよひなちゃぁん!」
 朝のとある道に、二人の学生。
 息を切らしながら必死に走っている男子学生、名前は春海(はるみ)。
 その随分前を、少し苛立ち気味で待っている女の子、名前は日向(ひなた)。春海からはひなちゃんと呼ばれている。
 この二人、双子の兄妹であり、春海が兄、日向が妹。
 更に言えば、二人にはほかの学生には無い特徴がある。
 それは、頭に生えている犬耳と、尻から生えている尻尾……つまり二人は人間ではないのである。
「遅いよ春海くん!」
「やっと、おいつい、た……」
「もうすぐ遅刻だよ! また先生に怒られちゃうじゃない!」
「ご、ごめんね、ひなちゃん」
 この双子、顔はそっくりなのだが性格が正反対。
 大人しい兄に活発な妹、あまりに兄らしくない兄に、昔は呼んでいたが今は春海をお兄ちゃんとは呼ばない。
「ほ、ほら春海くん、押してあげるから、急いで急いで!」
「はわっ! ひ、ひなちゃっ、そんなに押したら、わわっ!」
 このままでは遅刻記録が二桁になってしまう恐れがある。
 それだけは避けたいので、日向は春海の背中に回り後ろから押し始めた。
 急に後ろから押されてこともあり、春海は勢いよくそのままコケてしまった。
「は、春海くん!? ちょ、大丈夫?
「う、うん……平気だよひなちゃん」
「ってきゃああ! 血、血ぃぃ!! 血が出てるじゃない!!」
「え? あ……ほん、と、だ……」
 おそらく打ち所が悪かったのだろう、起き上がって妹に笑顔を見せる春海の頭からは血が流れていた。
 日向は尻尾と犬耳を逆立て、更に春海が倒れてしまうものだから慌てふためく。
 しかしそこはしっかりした妹、すぐに冷静になり、兄を担いで学校の保健室へと走って行った。


「あはは、ごめんねひなちゃん」
「ごめんじゃないよ、まったく……」
 保健室にて、おでこにバンドエイドを日向に張ってもらい、春海は椅子に座って苦笑している。
 血は出たものの傷口は小さなもので、昔からよく転んだりする兄のおかげでこういった治療には慣れている日向は、笑っている兄をジト目で見つめる。
 日向は、どうして双子なのにこうも違うんだろうと、本気で考えていた。
 その時、一現目を告げるチャイムが学校に鳴り響き、双子はがっくりと肩を下ろした。
「これで連続遅刻記録二桁達成……はぁ」
「ごめんね、僕のせいで」
「いいよもう。今日は日向も悪いんだし。それより春海くん? さっきから謝ってばっかり」
「え? あの、ごめん、なさい」
「むっ……」
 春海は再び苦笑し、その兄を日向は軽く睨んだ。
「春海くん……日向たち双子で同い年だけど、春海くんは兄なんだよ? ちょっとは威厳とか無いわけ?」
「あの、えと、もう少し、頑張るから……」
 何とも情けない回答だが、日向はそんな兄に期待してみることにした。
 そんな中、春海は自分のかばんを取った、とにかく授業に出なければならないから。
「ひなちゃん、とりあえず授業出たほうが……」
「いいよ、もう二時限目から出れば……あ」
 立ち上がろうとする春海を、何かを思いついた日向が再び椅子に座らせる。
 戸惑う春海。それもそうだろう、いきなり妹が自分の脚の間に潜り込み、ズボンのチャックを開け始めたのだから。
「あ、あのひなちゃん!? な、なにして……」
「春海くんが頑張るって言うから、日向も手伝ってあげるよ。春海くんを男にしてあげる」
 犬耳を動かし、尻尾も軽く振り、妖しげな笑みで春海を見上げる日向。
 戸惑いと恐れがあり、春海の犬耳は寝ている。
 ズボンから春海の肉棒が姿を現すと、日向は少し驚いた。
 双子ということもあり、春海は女顔なのだが、それに似合わない大きさの肉棒が出てきたのだ。
「へぇ、春海くんの大きいね」
「ひ、ひなちゃん、まずいよ、保険の先生が来ちゃったら」
「大丈夫よ、ちゃんと鍵閉めたから。それじゃあ、いくよ……」
「あぅっ!」
 肉棒の根元を掴み、日向はぴちゃぴちゃと音を立てて亀頭の先を舐め始めた。
 春海はその感触に体を震わせ、日向の舌は亀頭から徐々に肉棒全体へと移動していき、ついには咥え始めた。
 頭を上下に動かし肉棒をしごき、春海は抵抗できないまま妹に攻められていた。
「んんッ、んちゅッ、ここだけは、男の子なんだから春海くんは、んッ」
「ひ、ひなちゃん……も、やめよう、よぉ」
「だぁめ……ほら、ベッドに行こう?」
 幼い顔立ちだが妖艶な微笑で春海に言い、そのまま彼をベッドに誘導させる。
 そのまま春海をベッドの上に寝かせると、再び肉棒を咥え、自分もスカートの中に手を伸ばす。
 パンツを横にずらし、秘所を撫でていき、その快感に喘ぎながらも日向は肉棒を刺激していった。
「はんッ……ひもちいい? はるひふん?」
「うぅ、しゃべら、ないで、しげきが……」
「ふぅ……じゃあ、今度はこっちで気持ちよくなろっか? 日向も春海くんのを入れたい……」
 肉棒から口を離し、日向はすばやく春海の上に跨いだ。
 その意味に春海は気づくが、男のくせに力で日向に負けているので、退かせようにも退かせられなかった。
「ひなちゃん、だめ。僕達は……」
「そんなの関係ないよ? 日向は春海くんのこと好きだもの。それとも、春海くんは日向のこと嫌い?」
「そんなこと、ないけど……」
「じゃあいいよね? ん……んんッ」
 一方的に会話を終わらせ、日向は春海の肉棒を秘所にあてがい、挿入していく。
 はじめて感じる膣の感触に、春海は抵抗することなくベッドの上に寝て身をふるわせる。
 そして完全に根元まで入ると、日向は休むことなく前かがみで腰を上下に動かした。


「んッ、んぁッ、はるみ、くんの、おっきいよぉ……ッ!」
「ひ、ひな、ちゃんッ!」
「ふあぁッ! は、春海くん、うまい……もっと、突いていいよ、ああぁッ!」
 春海も本能のまま下から日向を突き上げた。
 結合部からは卑猥な水音が流れ、ベッドはギシギシ鳴っている。
 やがて春海は絶頂の予感を覚え、更に腰の動きを激しくする。
 すると、喘いでいた日向の様子が少し変わったことに気づいた。
「ひああッ! き、きもちい、よ……もっと、んッ、して、おにいちゃん……ッ!」
「ッ!」
 日向は春海のことをお兄ちゃんと呼び始め、上体を寝かせて春海の唇に自分の唇を押し当てる。
 お互い舌を絡め合い唾液を交換し、日向もまた絶頂の予感を覚えた。
「んんッ、お兄ちゃんッ、ひなた、イッちゃうよっ!」
「ひ、なちゃん……僕も……だから、抜いて」
「いやぁっ! 中にちょうだいッ! おにいちゃんの、せーしッ! ああぁッ!」
「っく、も、だめッ!」
 そして、まず先に春海が絶頂し、日向の膣内に精液を注いだ。
 その感触に、日向も絶頂し膣内をよりきつく締め上げた。
 二匹の犬耳はぴくぴくと動き、日向の尻尾は嬉しそうに振られていた。
「あはッ♪ おにいちゃんの、あつい、よ……」
「ひなちゃん……」
 射精が終わり、二人は繋がったまま、しばらくじっとしていた。
 その時、一時限目終了を告げるチャイムが鳴り、廊下が騒がしくなってくる。
 その声に二匹は急いで制服を着なおし、ベッドに付着した精子をふき取ると、頬を赤くさせつつ何食わぬ顔で廊下へと出た。
「……どうだった?」
 そして教室へ向かう途中、日向は耳打ちで春海に保健室での感想を聞いた。
「うん、とてもよかってよ」
「でも、はじめてが日向でよかった? ちょっと無理やりだったかも」
「いや、むしろひなちゃんでよかった、かな?」
「春海くん……」
「あれ? ひなちゃん……お兄ちゃんは?」
「っ!」
 耳打ちで春海は日向の呼び方が元に戻ってしまったことを指摘する。
 その瞬間、廊下に鈍い音が響き渡った。日向がかばんで春海の頭を殴ったのだ。
「あ、あ、あれはっ、その、知らないわよ! 聞き違いよ、聞き違い!」
「あぅ、ご、ごめん、なさい……」
「また謝ってるし……そうよ、そんなんじゃお兄ちゃんなんて程遠いんだから」
 日向が頬を赤くしぶつぶつ言っている。
 その言葉は涙目の春海には聞こえなかった。
「まぁでも……さっきみたいに、春海くんが……っていやあああ! 血! また血が出てるぅぅ!!」
「??」
 そして日向がチラッと春海の顔を見た瞬間、廊下に日向の悲鳴が響き渡った。
 二人の授業は、まだ始まりそうにない。

終わり