アリジゴク――ウスバカゲロウ(薄羽蜻蛉と書く。ウス馬鹿下郎ではない)の幼虫。
砂の中に巣を作って潜み、巣の上のすり鉢状になった所に迷い込んだ蟻を、
砂を掛けて自分の元まで滑り落とさせ捕食する、足元の恐怖というべきハンターである。

この世界には、人ならぬ者が闊歩している。
文明が崩壊する前に狂った科学者によって作られた、人と獣や虫との合成生物、キメラ(以下獣人)が存在している。
それらは人に害を為すものとして、戦争のための生物兵器として生まれてきた。

だが文明が崩壊した今では生物兵器として在る必要はなく、似た種同士で集まって集落を作り文化を築いたり、
人の集落で共存する者や、さらには人の生涯の伴侶になるものまでいる。
中にはどちらにも属さず、単独で暮らして、獲物を狩る生活を送る者もいる。

ここはかつて、トウキョウと呼ばれていた都市の廃墟。
五百年ほど前までは世界的な大都市であったが、滅びの大戦によって廃墟と化した街の一つである。

人が住むには適さない、草木も生えない荒涼とした地に、一つの影があった。
影の正体は、この近くの集落(といっても百キロは離れている)に住む青年で、
人々が、それこそ獣人達もが触れようとしない、滅びの文明のことを調査研究していた。

「う~~ん、解らん。」

彼は今、とある廃ビルの中にいた。
彼の手には猫と人を合わせた獣人、猫人族の女性によく似た人形があった。

「猫人族は強靱な体を持った戦士の一族なのに、何でこんなフリフリの服を着けた人形が?」

彼は今、アキハバラと呼ばれていた街にある人形が沢山置かれた店だったらしい所に訪れている。
そこには人や獣人の女性と思われる人形や、滅びの大戦に活躍したと思われる人型をした機械の人形が並べられていた。
そこで彼が興味を持ったのは、獣人の女性と思われるものの人形である。
風化が激しく、触れただけで崩れてしまうものもあったが保存状態のよいものを見つけだし、調べていた。

「猫人族はもっとこう、獣っぽいっていうか、毛深いし目は鋭いし、野性味溢れる顔してるんだけどなぁ。
これじゃあ耳と尻尾しか合ってねーや。何なのかね?」

文字資料らしい物は一切残っていない。
文字という物は一番の記録であり、残っていれば全て後世に伝わる。

滅びの大戦を生き残った人々は、子孫が同じ過ちを犯さぬ様、全ての文字資料、機械類を破壊して廻った。自分達の過ちや恥を揉み消したとも言えるが。


そのため、青年にはその人形が何の為に作られたのか、目的も用途も理解出来ないでいた。

「解んねぇ!いいや、次行こう。」

…調査研究といっておきながらこれである。
実はずっとこの調子で、この廃墟の中を漁り廻っている。
資料そのものが無いためでもあるが、彼自身物事を深く考えることが嫌いなためでもある。
これでは宝探しという方が似合っているが、彼はこれでも調査研究のつもりらしい。

自宅に持ち帰れば詳しく調べることも可能ではあるが、廃墟で発見した物品は集落には持って帰れない。
滅びの文明に関わるものは災いを呼ぶものとして嫌われていた。
万一持ち帰ったところを発見されれば、たちまちそれは破壊される。
自分も禁忌を破ったとして集落から追放、最悪の場合処刑されてしまうだろう。

だが、廃墟を訪れることには何も言われない。
各地を練り歩く行商人や旅人の休憩地として、こういった廃墟は利用されているからだ。
現に、青年とははるかに離れた位置ではあるが、十数人がこの廃墟トウキョウを訪れていた。

しかし、この廃墟には彼ら以外の者もいた。
人との共存を拒んだ獣人、俗に[魔物]と呼ばれる強大な力を持つ者達である。
年に何人か、このトウキョウでも犠牲者が出ているらしい。
だが、「自分は大丈夫」という反省無き考え方が残っているらしく、警戒を強めるものは少ない。

調査に夢中の青年も、何度かここを訪れていたという油断から、目の前の罠に気付くこともなかった。

大戦によって出来たクレーターは幾つも見てきた。
今回のもそれと同じだと思い、足を踏み入れた。
数歩足を踏み入れたとき、異変は起きた。

爆心地だと思っていた中心から、突然人の上半身が現われた。
それは、明らかに人ではない事が分かった。

まず目を引くのが巨大な乳房。規格外の大きさで、妖しく揺れている。
しかも四つも付いている上に、乳首からは母乳と思われる白汁が滴れている。
次に、乳房に隠れて気付きにくかったが、腕が四本ある。
それぞれが乳房を持ち上げ、それを誇張している。
そして顔。一見、他者の追随を許さない、神に祝福されたような美しい顔をしているが、
目には瞳が無く緑色に輝き、額からは触角らしき物が二本、前髪に混じって伸びている。

青年は彼女が虫系の獣人で、[魔物]と呼ばれる存在であることを瞬時に把握した。

当然ではあるが、獣人には男女が存在する。
しかし、[魔物]と呼ばれる獣人は九割が女性型だと言われている。
理由は諸説あるが、はっきりしてはいない。

「こんにちは、初めまして。私、デヴィニって言います。」

彼女は、鈴を転がすような声で挨拶をしてきた。
聞くものを落ち着かせるような声だ。

「突然ですが、今から貴男を捕まえて頂いちゃいます。」

言うやいなや、デヴィニと名乗った娘は四つの巨大な乳房を左右から押し潰した。

ビシュウゥゥゥゥ!!!

青年の反応は遅れていた。
彼女の声に魅了され、惚けていたために彼女の言葉を理解するのに僅かに遅れが生じた。

慌てて振り向き逃げ出そうとした時、彼女から出たミルクが青年を襲った。
といっても、足元に降り掛かっただけで直接の被害はない。
(余裕で逃げられる!)
青年はそう感じ、駆け出して、彼女のミルクを踏んでしまった。
青年は派手に転んだ。その上からさらにミルクが浴びせられた。

ミルクは強いヌメリ気を持っており、全ての摩擦係数を零にしていった。
青年はほぼ全身に絡み付くミルクの所為で立ち上がれない。
それどころか、傾斜に沿って中心、彼女のいるところまで少しずつ滑り降りている。

そう、これが彼女の狙いであり、狩猟方法であった。

彼女は蟻地獄族。非常に数の少ない種だが、その殆どが女性型で、[魔物]として暮らしている。
彼女達が狙う獲物は、男性型の、特に人の若者の精液。
岩場や、今回のように廃墟に巣をかまえ、獲物を待っている。

青年は捕まってしまったようだ。
ここにきて気付いた事だが、彼女の体は青年より遥かに巨大であった。
上半身しか出ていないのに、青年より頭二つ分以上は大きい。
哀れな青年は四つの爆乳を使った抱擁を受け、もがいている。
摩擦係数など関係なく、爆乳で抱え込んで押し潰すかのような、強烈な抱擁である。

「むっんむうぅぅぅ!」

「うふふ、元気で美味しそうな獲物、捕まえちゃった♪」

デヴィニはそう言うと、乳房への圧迫加減で青年の体を上下させ始めた。
“全身パイズリ”である。
頭の天辺から足の先まで柔らかい乳肉に満遍なく揉み込まれる。
ミルクローションの効果も相まって、ヌニュルムニュルと扱かれていた青年は、
数秒前まで逃げようとしていた事を忘れるほど、性欲の虜になっていた。

「ん"ー!ん"ん"ん"ん"ん"!!ン"ン"ーーーー!!!」

ブビュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥッッッビュゥッビュビュゥッ!!!

経験した事の無い、凄まじい射精が青年を襲った。
洒落にならない量の精液が、噴火のごとく飛び出した。
青年は爆乳の中で白目を剥き、涙を流し、軽く泡を吹きながら絶頂を迎えていた。

「あらら?もう死んじゃいそうですか?ダメですよ、まだ始まったばかりなんですから。」

デヴィニはそう告げたが、青年の耳に届いているかどうかは怪しい。
そして自分の胸の谷間に注がれたザーメンの一部を指で掬い、品定めを始めた。
ネチネチと音を立てて粘り気を確かめ、臭いを嗅いで濃さを確認し、最後に口に含んで味わった。
品定めが進むにつれてデヴィニの瞳は潤み、危険さを感じるほどの情欲を掻き立てている事が見て取れた。

「フゥッ、コレっ、ンッ、スゴく、ウンッ、イイかも」

どうやらこの青年は彼女にとって、極上の獲物でもあったらしい。
そういうと彼女は、青年を谷間からひっぺがし、左下の乳首を青年の口に捻込んだ。

ブシャァァァァァ…

捕獲の際使われたミルクが、青年の腹の中に流し込まれてゆく。
一度の噴火で萎びていたぺニスは、途端に力を取り戻して天を仰ぎ、
まともに意識を取り戻すかどうか怪しかった青年の瞳には、しっかりと光が戻っていた。

「ウフフ、元気になったね。私のミルクはね、すぐに吸収されて精液になるの。
しかも栄養満点だから、飲み続けてる限り死ぬことはないわ。
しかも貴男の様な上等な精液は、私の生きる源にもなるし、
エネルギーに分解されて一部をミルクの原料に回すことができるの。
つまり、貴男は私のミルクを飲んで、私は貴男の精液をもらう。
このサイクルを、永遠に続ける事ができるの!永遠に最高の快楽を味わい続けることができるの!!」

陶酔しきった顔でデヴィニが告げる。

青年は恐怖に顔を引きつらせたが、直後、ペニスをくわえられ吸い上げられた。

ヴチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!

頭の中と視界が快感でスパークする!

ドバババババババババババババババババババーー!!

訪れた射精は彼女が告げた通り終わらない!!

ブシュッブシャップシャァァァァァァァァァ

ミルクを飲まされているので声を上げる事も出来ない!!!

青年はその快感全てを、確実に受け止めた、失神する事無く、死ぬ事もなく。

長い長い射精に一段落尽かせたデヴィニは、青年を抱えて巣に潜り込んでいった。

「ンフフ、やっぱりスゴくおいしい、上等な精だね。お兄さん、私だけのものにしてあげるね。」

これから始まる、永遠の快楽の舞台である我が家に引っ込んだのだ。


巣の中では次の交わりが始まろうとしていた。

「ここ、未だだったよね?」

彼女は次の交わるポイントを彼に見せ付けた。

初めて見る節くれ立った虫の下半身と、滑らかな肌を持つ人の上半身との境目に、子供一人は飲み込めそうな肉のクレバスが見えた。
彼女の、デヴィニの生殖器だ。
(あそこに種をぶちまける…)
そう意識しただけで彼のペニスは元気を取り戻すようになっていた。
当然デヴィニはそれを感じ取り、直ぐ様青年のペニスを、下半身ごと飲み込んだ。

見た目通り若干小さく感じられた膣は、時折キュウキュウと下半身を締め付けてくる。
が、次の瞬間、肉壁がグネグネと蠢き始めた。まるで飲み込むかのような禪動を始めたのだ。
全身を激しく揉み込むような刺激に、大量のミルクを飲まされ続けていた青年が、堪えられる訳は無かった。

吹き出る精液は彼女の膣の奥へと飲まれていき、彼女の生きるエネルギー源として吸収されていった。
そして一部をミルクに変換し、青年に流し込む。

彼女の言う、永遠のサイクルが今ここに完成した。
何人にも邪魔されない、余程のアクシデントが起きない限り終わる事の無い、絶頂のみの日々が、始まったのだった…


BAD END.....?

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最終更新:2007年03月12日 16:37