それはある夏の日の出来事。

いつもと変わらぬ帰り道
いつもと変わらぬ友人達と
いつもと変わらぬ暑さの中を

僕は歩いていた。

朗らかに笑いあう友人達。
学校であった出来事でも話しているのだろう。
その会話に僕は混じる事ができずに、
ただ一人、少し後ろをついてゆく。

古い神社の前を通り過ぎた
曲がり角のパン屋さんも通り過ぎた
小さな廃工場さえも先程通り過ぎた

けれども話題は変わらない。

そっと一人、ため息を吐く。
まだ距離はあるけど自分の家が見える。
今日の帰り道で僕が話すことは無さそうだ。
少し、残念に思いながらも僕はなお彼らの後ろについてゆく。
じきに家に着く。
次にある信号の無い交差点をまっすぐ行けばすぐそこだ。

十字路の交差点も通り過ぎ………る筈だった。突如、先頭を歩く友人達が立ち止まる。
何かあったのかと思い、彼らの視線の先を追ってみる。
僕の位置からでは見えない交差点の死角………

 ッタッタ ッタ
邪魔なブロック塀を追い越すべく、
小走りに僕は友人達に走りよりそちらを見やる。

十字路を曲がった少し先で、大きな亀がのそのそと歩いている。
僕らはたちまちの内にその亀に駆け寄ってゆく。
近くに川はあるけれど、普段は亀なんて見ないものだから
皆、興味津々で、

触って
突付いて
ひっくり返して
また突付く

僕も少しだけ触ってみた。
どれほどこの暑さの中を歩いたのだろう、すっかり甲羅は乾燥していて石みたいに固かった。
けれども不思議な事にひんやりと冷たく気持ちいい。
亀は手足を中に入れ、ジッとしたまま動かない。

少しだけ可哀想になった僕は、皆に向かって亀を川に返してあげようと提案する。
皆も既に遊び飽きたのか、概ね僕に賛同する。
中には渋る者もいたが大勢なことに変わりはない。
結局、渋っていた者も折れて僕達は川へと向かう。
僕が亀を持って先頭を歩く。
友達と亀の事で話し合って笑う。

何処に住んでいたのか
川の主ではないだろうか

そうこうするうち目的地に到着した僕らは、
川の縁へとしゃがみこみ、
水面に亀を近づけ、ゆっくりと手を離す。

  ポシャンッ

水面から細かい泡を立ち上らせ、亀は悠々と水の中を泳いでゆく。
陸で見たときとは比べ物にならないほど生き生きしているように見える。
こちらを一度振り向いた亀を見送って僕達は川原を立ち去った。

川からの帰り道も亀の話題でいっぱいだった。
短い間だったが今日の帰り道に友達と楽しく話せたことを、
僕は亀に感謝しながら交差点でさよならを言った。

それはある夏の日の夜の出来事。

いつもの様に家に着き
いつもの様にご飯を食べて
いつもの様にお風呂に入った僕は、
ふと時計を見る。

気がつけばもう寝る時間


姉さんにお休みを言って、部屋へゆく。
ベッドに潜った僕は、今日あった出来事を思い出しながら、
ゆっくりと意識を手放してゆく。


――――――――ふと、目が覚める。
カーテンをかけ忘れたのだろう、窓から満月が顔を覗かせる。
とはいっても辺りは未だ暗く、瞼を擦って近くにおいてある目覚まし時計を確かめる。

――――――――2時00分、草木も眠る丑三つ時だ。
迷信なんて信じていない。
けれど怖いものは怖い。
そのまま目を瞑りベッドに潜ろうと

 「こんばんわ」

――――――――――――――!!

突然、後ろからかけられたよく透る綺麗な声に僕はその場に凍りつく。
幻聴かとも思えたが、今すぐそれを確かめる気にはなれない。
心臓の音が喧しく鳴り響く。
どうすればいいのか分からない。
いないとは思うが、もしそこに誰かがいたとすれば自分はどうすればいいのだろう。
先程、時計をみたときの時刻を思い出し、背筋に冷や汗が流れる。
そのまましばらく時間は流れ、
とうとう、僕は意を決してそこにいるであろう人物を振り返る。
――――――――そこには、

長い黒髪を真っ直ぐにおろし、
制服を着たとても美しい女性が座っている。
窓から入る月の光を浴びるその姿はどこか儚げにも見える。
おどろおどろしい何かをそこに想像していた僕はその幻想的な光景にただ見とれる。
僕の姉さんもとても綺麗だがそれとは違う、
どこか引き込まれるような、そんな美しさを感じる。

 「こんばんわ」

先程と同じように部屋に通る綺麗な声で、お姉さんが僕に呼びかける。

 「っこ、こんばんわっ」
何とか返事を返すことができた。
怖いとかそういった感情は吹っ飛んで、その笑顔に再び見とれ、
そのままボ~っとしていると

 「気持ちの良い夜ですね」
少し嬉しそうな、悪戯に成功した子供のような声を上げ微笑みかけて聞いてくる。
 「う、うんっ、そうだねっ」
また上ずった声を出してしまった。
未だ現状が把握できない僕を置き去りにして彼女は話す。

 「月がとっても綺麗ですよ」
 「……うん……とっても綺麗だね」
お姉さんのほうが綺麗だとも思ったけど、
口に出すのは恥ずかしかったのでお姉さんのいった事に同意しておく。
もしかしたら顔が赤くなっていたかもしれない。
段々と今の状況に慣れてきたのか戸惑いながらも今度は僕の方から聞いてみる。
 「お姉さんは、その…………幽霊?」
 「いいえ、違いますよ」
あっさりと返されてしまった。くすりと、笑みさえ浮かべられ。
少し待ってみるがお姉さんは笑みを浮かべたままで話そうとしない。
見詰め合っていてもしょうがないので別のことを聞いてみる。
 「じゃあ………泥棒さんとか?」
 「いいえ、違います」
そのままニコニコと笑い黙ってしまう。次の答えを待っているのだろうか、
僕はもう一度、横を向いて考えて、チラッとお姉さんのほうを盗み見る。
月明かりを受けて淑やかに輝く姿は相変わらずとても綺麗だ。

………どうやら僕の想像力は僕が思っていたより貧困で、
幽霊か泥棒以外で夜中に女性が部屋にいる理由が考え付かない。
それでも、何となくだが僕は正解しなきゃいけない気がして一生懸命考える。

クスクスッと女性が笑い出す。
時間切れなのだろうか、申し訳なさげに目を伏せる。
 「そんなに頑張って考えてくれなくともいいですよ」
 「…………そうなの?」
正解することを期待されている、
そう思っていた僕は更に恥ずかしげに顔を俯かせる。
「ええ、今日のお礼と仕返しに、少し寄らせて頂いただけですし」
理由を聞いて思わず首をひねる。
今日は普段どおりの一日だった。
こんな綺麗な女性にお礼される覚えも、もちろん仕返しをされるようなことをした覚えも無い。
気がつけばオウム返しに問うていた。
 「お礼と…………仕返し?」
 「今日、見かけた亀を川に戻してくれたでしょう?」
 「うん」
言って、少し考える。
この人はあの亀の飼い主さんか何かだろうか。
 「私は、その時の亀なんです」
 「あの時の………亀……さん?」
そのあまりに予想外の答えに僕は
再度、女性の全身をよく見渡す。

綺麗に纏まったストレートの黒髪
巨大、とまではいかないが十分にふくよかな胸のライン
指先はたおやかで
短めのスカートから零れる太腿が艶かしい

 「ホントに…………?」
 「ええ、亀も齢が四桁を超えればこういう事もできるようになるんです」
四桁………その壮大さにしばし呆然とする。
 「じゃあ、お礼と………仕返しって………」
 「ええ、川に戻してくれたお礼と、弄ばれた仕返しに」
最後の言葉に顔から血の気が引いてゆく。
 「で、でもお礼はともかく、弄んだって、それに僕はちょっとしか触ってな―――」
 「そんなに慌てなくてもいいですよ、とっても気持ちのいいことですから」
慌てて弁解を始めた僕の言葉を遮ってお姉さんはあっという間に近づいてくる。
急に怖くなった僕はベッドの上をあとずさる。
けれどもお姉さんはそのまま僕に近づいて、

唇が重なり合う。
その柔らかな感触に気を取られ、一瞬固まった僕の口内へと何かが差し込まれる。
お姉さんの息が僕にかかり、熱いものに口の中を蹂躙される。
その心地よい感触に抵抗できない僕の中へと、お姉さんの口から次々に液体が流し込まれる。
僕はくぐもった声を上げながらもそれらを全部受け入れる。
全てを残さず嚥下した頃、ようやく唇が離され、唾液が糸を引いてきれる。
 「どうでしたか?」
 「………うん………熱くって、気持ちよくって」
お姉さんの問いかけに、僕はトロンとした目で快楽を訴える。
体がなんだかふわふわしてきて、段々と火照ってきて、もっともっと欲しくなる。
そんな僕の感覚などまるで知らぬかのように、
お姉さんが上に着たものをゆっくりとはだけ、ふくよかな乳房を僕の目前に惜しみなく晒して、言う
「さわったり、もんだり、舐めてみたり、すきなことをしていいんですよ」
まるでその言葉に操られるかのように自然とそこに手がのばされる。
両手をあてて、ゆっくりと力をいれる。
ぐにぐにと、様々に形を変えるそれらを見て僕は次第に強く揉みしだいてゆく。
「ん、ぁあ、ぁああっ」
あげられる嬌声に僕はいつしか夢中になって、
指先だけでは物足りなくなり、桜色の先端にしゃぶりつく。
舌でなめ、吸い付いて、甘く噛み、両方の膨らみをそうやって弄ぶ。
「あっ、ぁあんっ、ぁあ、ぁああっ」
お姉さんの喘ぎ声は段々と高くなるばかり、いつからか僕の股間のあたりが苦しい
僕は乳房を弄っていた手を下のほうへとのば――――そうとしてお姉さんの手に止められる。
まるで悪戯が見つかったかのように僕は罰の悪そうな顔をする。
けれどお姉さんはまた優しく微笑んで、素早く僕の後ろ回りこみ、抱きしめる。
豊かな双丘が後ろから押し付けられ、唾液に濡れた二つの突起が肌にしっとりと吸い付く。
背中で押し潰され、ぐにぐにと形を変えるそれらに気を取られていると、
僕を抱きしめていたその手が下の方へと伸ばされる。
簡単にズボンから取り出された僕の剛直は鷲づかみにされ、
手のひらの全体で掴まれゆっくりと優しく扱かれる。
お姉さんのもう片方の手は乳首をまさぐりながら、
僕の首筋をチロチロと舐めあげる。
その全身を使っての愛撫に、僕は奥から何かが溢れそうになるのを感じ、
全身で感じる柔らかい肉体の刺激に、とうとうおしとどめようがなくなる。
僕は喘ぎ声を上げそれを解放しようとして、突如、お姉さんの体が止まる。
もう少しというところで、快感がなくなったことに不安を感じて、縋るようにお姉さんを振り返る。
お姉さんは淫靡な微笑を浮かべて僕の前へと再度回り込んで、トンッ、と僕の肩を軽く押す。
そのままベッドの上へと倒れこんだ僕はお姉さんを見上げる格好になる。

そのままお姉さんは僕の上に跨って、短めのスカートをゆっくりと捲り上げてゆく。
僕はさらけ出されるその暗がりから目を離すことができず、息をする事も忘れ、その光景にただ見入る。
とうとうスカートが全てあげられ、お姉さんの何も着けていない秘所があらわになる。
しとどに濡れて涎を垂らすその蕾は、月光を受けて淫靡に輝く。
僕の視線はその一箇所に釘付けになり、欲望が痛いくらいに腫れ上がる。
 「そんなに、ココが気になりますか?」
 「っう…うん……」
僕の視線の先を確認したお姉さんは、クスッ、と……妖艶な笑みを浮かべて聞いてくる。
その挑発するような問いに僕は真っ赤になりながらも頷いて、なおまじまじと凝視する。
そしてお姉さんは、僕の欲望を握り締め、蕾へと、導いてゆき、あてがって、ズプズプッ、と……音が聞こえた気がした。
 「……っつ、…ああっ、ぅううあああぁっ」
お姉さんのナカに、僕自身がしだいに飲み込まれてゆく光景にこれ以上ない興奮を覚え、
その蜜壷の暖かな感触に思わずよがり声をあげ、
そのあまりの快楽に、全てがナカに収まるまで我慢しきれず欲望を解き放つ。
「あ、あっ、ぅああぁっ」
お姉さんはただ優しく笑みを浮かべて更に僕を飲み込んでゆき、
その笑顔に僕の欲望は萎えるどころか、更に膨らんでお姉さんのナカを満たしてゆく。
そして、全てを飲み込んだお姉さんは満足げに下腹を撫でさする。
僕は鳴り止まない心臓の音を無視して、スカートの中の暗がりで淫靡に繋がるその秘所を見つめ続ける。
お姉さんが、ゆっくりと、動き出す。
ぐねり、とお姉さんのナカが蠢きだす。
その搾り上げられる感覚に思わず大きく嬌声を上げ、
再度、僕の中の何かがはじけるが、
白濁を吐き出してなお僕の欲望は納まらない。
僕自身を何度も飲み込んでは吐き出して、その行為を繰り返すお姉さんの秘所の淫靡さに声をあげるのも忘れて見とれる。
濡れる秘所から、揺れる豊満な乳房へと視線を移し、最後にお姉さんの顔を見上げる。
その表情はまだどこか余裕を残しているようにも見え、
それがなんだか悔しくて、そのまま臀部を掴んで思いっきり突き上げる。
一突きするごとにお姉さんの顔も次第に快楽に染まっていく様に見えて、
何も考えずにただひたすらに腰を上下させる。
 「はっ、はっ、ああぁぁっ」
 「あはっ、はんっ、ああんっ、ぁぁあああああんっ」
腰と腰のぶつかり合う音が激しく響き、お姉さんの表情も快楽に歪みだす。
しまいにはお互いの嬌声で何が何だか分からなくなってきて、
お姉さんのナカに僕は何度も白く濁った欲望をはき出した。



 「っは……っは……っは………」
どれほどの時間が経ったろうか、もう何度だしたのかも分からない。
いつからかお姉さんはぐったりとして何も反応がなくなってしまった。
僕は最後の一滴までお姉さんのナカに注ぎ込むと、そのままバッタリと倒れこむ。
お姉さんの衣服も体も僕の白濁で汚れていないところはなく、
とくに僕達の接合部はお互いの体液でグチョグチョに泡立っている。
僕が全身に塗りつけた白濁に辟易としながらもお姉さんの体を抱きしめる。
そのままお姉さんのやわらかな肢体を感じ豊かな乳房に顔をうずめる。
次第にあがっていた息が調えられ、意識も鮮明になってくる。
お姉さんの全身の柔らかさと秘裂に入ったままの肉棒の感触に、再度、股間が熱くなってくる。
それを自覚しながらも、僕の意識は、ゆっくりと、落ちていってしまう。


朝、いつもの時間よりよっぽど遅れて目覚めた僕は慌てて家を飛び出した。
学校についた後で、席について肘をついて溜息をつく。
ベッドには昨日の情事の痕跡などまったく無く、体中に残るこの疲労感のみが唯一の証拠といえた。
誰もいないベッドに寂しさを覚え、さよならも言えなかったことが悲しかった。


いつもと変わらず学校は終わる
いつもと変わらぬ友人達と話しながら
いつもと変わらない暑さの中を僕は歩いていた。

じきに家に着く。

十字路の交差点で僕は何気なく曲がった先を見やる。

毛のふさふさした大きな犬が、物静かな様子でジッとしている。

皆は恐る恐るといった調子で犬を囲んでいき、そっと撫でたり、さわったりする。

僕は、皆に向かって犬を飼い主までつれていってあげようと提案した。

首輪に書いてあった住所は幸い近く、紐を引っ張り犬を連れてゆく。

そこには家がポツンと一軒立っていて、小さめの庭には犬小屋が置いてあった。
庭の端の方で盆栽をいじっていたお爺さんに大声で呼びかける。

声に気づいたのかこちらを振り返ったお爺さんは、
僕達が連れている犬を見て慌てて近寄ってくる。
僕達はお爺さんに、帰り道で犬を見かけたけど、
飼い主がいないようなのでここまで連れて来たと説明し、紐を渡す。
お爺さんはお礼の言葉を述べながら紐を受け取って、犬を奥へと連れて行く。
最後に、僕はひとつだけ気になったのでお爺さんに聞いてみた。

 「犬小屋にかいてある太郎って、あの子の名前なんですか?」

 「おう! 元気な男の子じゃったろ!?」