俺は山岳国家ノールの国防軍山猫聯隊所属の兵士、名前はピック。
初年兵で、今日配属されて来たんだけど……いきなり生命と貞操の危機に瀕しています。

「ふふふ、何を怯えておるか少年?」
「そうそう、怖がる事なんて何にも無いの」
「全くです。我等は極めて知的、故に畏敬はしても恐怖するのは心外です」
「ええ、そうなのよピックさん。怖がるのは……めっなのよ?」

いや、そう言われても。
古参兵達に初年兵の通例と言われて、猫の宿舎に入ったらいきなり包囲されたら怯えますって。
初めて見る山猫達。獣でありながら人間に匹敵する高い知性を持ち、人の姿にもなれる存在。
ノールの山間部では頻繁に目にするらしいけど、僕はずっと首都の中で生きて来たからなぁ。
うう、こんな目に遭うなら両親の反対を受け流さずに軍に入らなきゃ良かった。

挨拶をして宿舎に入った途端、いきなりドアが施錠され僕は突き飛ばされて部屋の中央に転がされた。
そして、先程の四人に囲まれた挙げ句物色するような目でジロジロ見られている。

「ふむ、合格じゃ」
「私も可、ね。こんな可愛い子久し振りよ!」
「私も可です、古参共には久々に礼をせねばいけませんね」
「ええ、ええ。最近は門前払いな子ばっかりだったし。うふふ、この子気に入っちゃったぁ」

周りを囲んでいる落ち着いた雰囲気の黒髪の美女とややアバウトな雰囲気の金髪の美女と、知性的な雰囲気の水色髪の美少女と妖艶な雰囲気の栗色髪の美女は口々に言う。
彼女らの全てに、髪と同じ体毛に包まれた耳と尻尾が生えていた。
どうやら、僕は『合格』らしい。……なんの?
僕の疑問には答えず、四人は機嫌良さそうに此方をニコニコと見つめている。

……いや、四人だけではない。
部屋の隅や廊下の奥に十数人の美女美少女が佇み、こちらを見つめている。
彼女ら全てが、僕を潤んだ目で見つめている。酷く、警戒感を煽り立てる眼差しで。

「さて、受け入れは了承された。久し振りに宴を開こうではないか!」
「やったー、私、思いっきり乱れちゃうんだから!」
「ええ、ええ。1回や2回では済まさないわよぉ!」

ヤンヤヤンヤと喝采を上げる山猫達。身の危険を感じた僕が施錠されたドアに飛び掛かろうとした瞬間。

「無駄な事をするのは有意義ではありませんよ? 大人しく、全てを受け入れなさい」

水色髪の少女の顔が、吐息がかかる程側にある。
反応する暇も与えられずに唇を塞がれ、舌が唇を割って侵入してくる。
貪るような、柔らかい蹂躙を受けて僕の意識がぼやけてくる。ファースト・キスだったのに。
何か、固形物が数個、喉を伝って降りていくのが解った。
僕の喉が動くのを首に添えた手で確認し、水色髪の少女は満足げで妖艶な笑みを浮かべた。

「直ぐに、怯えも恐怖も無くなります。ようこそ、私達の『ツガイ』さん。歓迎しますよ」

彼女の言葉と共に、服を脱ぎ捨てた猫娘達が一斉に僕に飛び掛かって来る。
肉と舌と唾液と愛液にもみくちゃにされながら、僕の意識は遠離っていった……。


「どうだ准尉。山猫達の様子は。まさか、また5分で叩き出されたとかではないだろうな?」
「気に入ったようですね。ここ暫くのように、門前払いではありませんでした」
「それは重畳だ。まぁ、ピック二等兵には精々頑張って貰おう。山猫達の、性処理担当として……な」

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最終更新:2007年02月19日 12:27