爺ちゃんが死んだ。
 そんな連絡が、大神 吉良(オオカミ キラ)が一人暮らしをしているアパートに入ったのは数日前のことだった。
 しかし死んだと言っても、年に数回会うだけだったので吉良はショックで悲しくはあったが、そんな人生が終わったとかそんなでもなかった。
 むしろ、彼の祖父が他界したことにより、吉良の運命は少し変わることになる。

「やりたくないとか言いながら何だお前は! この馬鹿っ! ヅラ!」
 アパートの階段と上る足音と怒声と携帯を切る音を響かせながら、頭脳、ルックスともに普通の高校生、大神 吉良が歩いている。
 急に友人からの相談に思わずキレてた吉良は、少しイライラさせながら自分の部屋の鍵をガチャリと開ける。
 すると、吉良の表情が一変した。
「お帰りなさいませ。ご主人様♪」
「…………………………………………………」
 たっぷり一分ほど考えたが、どういう状況で自分の部屋に黒いメイド服を着た女がいるのかわからない。
 それも、そのメイドからは犬を思わせる耳と尻尾が生えており、その事が更に吉良を混乱させる。
 とりあえず扉を閉め、表札を確認……汚い字で大神と書かれており、吉良は腕を組んでこの状況を考え始めた。
「何やってんですか?」
「あ、秦さん……いや、別に」
「そう、ですか……」
 吉良の隣から、腕を組んでいる不振な吉良に話しかけるのは隣人に、吉良は冷静を装って答える。
 それでも不審者に近い吉良の様子に、隣人の秦(シン)は首をかしげながら自分の部屋へと入っていった。


 そして、一度深呼吸をし、吉良は再び扉を勢いよく開けた……今度は目と鼻の先にメイドの顔があった。
「うわっ!!」
 思わず尻餅をついてしまう吉良を、犬耳メイドは笑顔で見下ろしていた。
 青い瞳に、腰まである長い銀色の髪から生えている同じ色の犬耳が夕日によって赤く染まっている。
 犬耳は不自然だが、このメイドは大人の女性を思わせ吉良が今まで出会った女の中では確実に一番美しく、吉良は頬を赤らめた。
「どうしました? 早く中へ」
「おい、ちょ……っ!」
 メイドに手を引っ張られ、吉良は半強制的に部屋へと入れられた。
 靴を脱ぎ、居間へと入ると吉良の言葉は失われた。
「………な、何だこれ……」
 部屋の中が整理整頓され、まるで新しく買った家のように誇り一つなく輝きさえも見える。
 おかしい……自分の部屋は服や本やいろんな物が散乱していたはず。
 あまり部屋の掃除というものをした覚えのない吉良の脳裏には、朝部屋を出る前に見た小汚い室内。
 再び考え始めた吉良だったが、今度はすぐに答えが見出せ、隣にいるメイドを見た。
「? 何でしょうか?」
「お前……俺の部屋いじったか?」
「はい。少しお掃除を」
 これが少しと言えるだろうか……あまつさえ密かに集めた小さな本棚にエッチな本が五十音順で並べられて入れている状況を、少し、と言えるだろうか。
「ご主人様、お茶が入りました」
「……」
 そして、自分を”ご主人様”と呼ぶ女性に困惑しつつ、カバンを放り投げ丸いちゃぶ台の前に座った。
 メイドが入れたお茶をすすりながら、吉良は心を落ち着かせると改めてメイドに尋ねた。
「えっと、なんかメンドーだから単刀直入に聞くが……お前誰だ?」
「私は吉良様の犬でございます♪」
「……」
 犬耳メイドの美しい笑顔に殺意が沸くのを、どうして止められようか。
 確かに犬耳と尻尾はついているものの、吉良にはそんな趣味はなかったしこんな美人は始めて見たので知り合いでもないのだ。
 メイドのほうは自分をよく知っているようだが、吉良にはさっぱりで頭を抱えて必死に思い出そうとしていた。
「………お前、名前は?」
 名前を聞けば思い出せるだろうと、メイドに尋ねる吉良。
「覚えていません? 私はリインですよ?」
「リイン? …………リイン!?」
 吉良は驚きの声を上げる。
 リイン……その名前に聞き覚えがあったからだ。
「リインって、爺ちゃんの?」
「はい。吉良様とは年に2,3度お会いしていました。犬の姿でしたけど」
 リインと名乗った女性はニコリと笑みを浮かべた。
 吉良とリインは面識がある。
 ただし、吉良が正月などで祖父の家に言った際、白銀でメスの大型犬としてだけど。
 しかし、同姓同名という可能性もあったので、吉良のリインに対する不信感は消えていない。
 その様子を感じ取ったのか、リインは一通の手紙を吉良に差し出し、不振がりながらも吉良はその手紙を開け読み始める。
 手紙にはこう書かれていた。


はろー我が孫よ♪
これを読んでると言うことは、わしゃもー死んじゃったんだね~Σ(゚д゚;)
遺産は全部寄付することにしたんで、
代わりにわしの犬耳メイドをお前の所にいかせとくよ♪
キタ――――(゚∀゚)――――ッ!!!!
突然人に化けられるようになったんじゃが、まぁ可愛がってくれぃ!

おじいちゃんより( ̄ー ̄)ニヤリ


「…………………………」
 もう死んでしまっているが、あの糞じじぃが書いた手紙を読んで沸いてくる殺意は、どう止めてくれようか。
 とりあえず吉良は顔文字入りの手紙を破り捨てた、どうせなら遺産の一割でも持って来いと思いながら。
 一方のリインは尻尾を振りながらニコニコ笑っている。
 その笑顔は、吉良より年上のお姉さんと言った様子だがどこか幼さが残る笑顔で、吉良は再び不覚にも頬を赤らめてしまった。
「ご主人様?」
「な、何だ?」
「不束者ですが、よろしくお願いいたします」
 正座になり礼儀正しく頭を下げるリイン。
 何だかんだ言いつつ、大事な祖父の家族のような存在を見捨てるわけにもいかず、お世話をしてくれるなら別にいいと思った吉良は、ただ頭を立てに振るしかなかった。


 数日が経ち、吉良とリインはすっかり打ち解けた。
 今日も生活費と学費を稼ぐため、学校が終わっても夜遅くまでバイトをしていた為、ヘトヘトになり自宅へと帰ってきた。
 扉を開けると、いつも笑顔で出迎えてくれる犬耳メイドがいた。
「ただいま」
「お帰りなさいませご主人様」
 鍋を煮込んでいる火を止め、嬉しそうに笑顔で尻尾を振りながらリインは駆け寄る。
 リインとの生活には大分慣れていた吉良だったが、”ご主人様”という呼ばれ方だけは未だ慣れずに呼ばれる為に赤面していた。
「吉良でいいっつってんだろ?」
「すみません、ご主人様」
「反省してねーだろ」
「そんな事ありませんよぉ~♪」
 まったく反省の色が見えない満面の笑みで、リインは尻尾を振りながら吉良に抱きついた。
 ボトッと音を立てカバンを落とす吉良の口に、自分の口を押し付けるリインは舌を入れ吉良の口内を嘗め回す。
 これは彼女なりのスキンシップだ。
 飼い犬が飼い主の顔を舌で舐めるのと同様で、人間形態ではディープキスこそが彼女のスキンシップなのだ。
 しかしここはアメリカじゃない。
 帰って来る度に、挨拶とばかりキスされ舌を入れられる行為こそ、いつになっても吉良は慣れることはなく、される度に体を硬直させていた。
「んッ、ちゅッ……はぁ、お食事になさいますか?」
「………疲れたからもう寝る」
 唇を離し、何事もなかったような笑顔で尋ねるリイン。
 顔を真っ赤にさせながら落ちたカバンを手に取り、疲れた体を動かし吉良は敷いてある布団の上に倒れる。
 リインは手作りの料理を食べてもらえないと思ったのか、犬耳を寝かし少ししゅんとなる。
 そして僅か二秒で鼾をかき、眠りだしてしまった。
 そっと吉良のそばにより寝顔を見ているリインの、少ししゅんとなって垂れていた尻尾を、僅かに振り始めた……。


 何だろう……何か水っぽい音がする。
 そう思って、意識が出始めた吉良がゆっくりと閉じられていた目を開け始めた。
「ぴちゅッ……んんッ、ぴちゃッ、ぴちゃッ……んふッ……」
「……ぅ……ッ……ッ!」
 吉良の意識が戻るにつれ、体は電流が流れているのような感覚が来る。
 いまいち状況が飲み込めない吉良の鼻は、何か妙な匂いを感知した。
 何処かで嗅いだような匂いだが思い出せず、吉良は半無意識に舌を出すと何かに触れると、少し舐めてみた。
「はぁんッ!!」
「ん……ぇ!?」
 吉良の意識は瞬時にハッキリとしたものになった。
 耳にしたのは、確かにリインの喘ぎのような声で、目を見開くと目の前にはヒクヒクと動いているピンク色のものが見えた。
 それはすぐに女性の生殖器だと、何か柔らかい物に顔が押しつぶされる直前に理解した。
「むぐぐッ! う、うぃ~~んっ!」
「あぁッ……ご主人様ぁ、お目覚めになったの、んあッ、ですか?」
 喘ぎが混じった声を上げるリイン。
 吉良の口が丁度リインの秘所に当たり、吉良が喋った時の刺激でリインは快感を得ていた。
 そして、振られている尻尾が顔に当たり、ようやく自分の顔を押しつぶしているのがリインのお尻だということを吉良が理解した時、吏員のお尻はゆっくりと吉良の顔から離れていく。
 口の周りはリインの愛液で濡れ、ようやく状況を整理する吉良。
 自分の目の前には声からしてリインの秘所、尻尾が前にあると言うことは自分に尻を向けている状態……しかも素肌しか見えないと言うことは裸……と言うことが分かり、自分は上は制服のままでズボンだけをすべて脱がされている状態。
 そして吉良は自分に尻を向けている張本人に話しかけた。
「り、リイン! な、何やってんだよ!?」
「ご主人様を襲ってるんです♪」
「……」
 あまりにハッキリと言われたので一瞬絶句する吉良。
 そして片手で握っていた、硬い吉良の肉棒にリインは再び舌で舐めるとと吉良の体は少し跳ね上がった。
「ちょ………やめろよ、リイ……ンんッ!」
「ぴちゃッ……んむッ……おおひい、ひふひんはまぁ……んッ!」
 肉棒を口に咥え、時折長い銀髪を掻き分け頭を上下に動かすリイン。
 肉棒全体を舐めたり、亀頭のみを重点的に刺激し、片手で玉や窄みを弄り、徐々に吉良を追い詰めていた。
「んんッ、はぁッ……ごしゅじんさまぁ? 私のも、舐めてください」
「っく……い、いやだ、むぐぐッ!!」
「舐めてくれませんと……息ができなくなりますが?」
「……んッ」
「あぅんッ! い、イイ、あッ……ウマいです……ッ!」
 リインの優しい口調での脅しに、仕方なくと言う感じでリインの秘所を舌で舐める吉良。
 愛液は好きになれない味だが、窒息死するよりはマシだった。
 体を跳ねらせ、吉良の舌の感触に犬耳をぴくんと動かしリインは喘ぎ、腰を浮かし再び肉棒を口に咥える。
 二人はお互いの性器を刺激しあっている状態で、リインが口に溜まった唾液と共に一気に肉棒を吸い込んだ刺激により、吉良は体を跳ね上げ絶頂した。


「んんんんッ! ん………あふい……」
「ぅっく……」
 吉良は体を痙攣させリインの口内に精液を流し込み、リインはすべての精液を受け止める。
 やがて射精を終えると、リインは口内に溜めた精液を半分ほど飲み、残りは肉棒にデコレートしていく。
 肩で息をする吉良を、横を向き微笑みながら横目で見るリインの手は小さくなり始めている肉棒に伸びていき、ぎゅっと少し強めに握った。
 そしてそのままゆっくりと上下にしごき始め、射精したばかりで敏感になっていた肉棒を刺激され吉良は体を跳ね上げた。
「うッ、リイ、ン……ッ!」
「凄いご主人様。もう硬くなりました……」
 ゆっくりとソフトに数往復しごいただけで、吉良の肉棒は再び硬く勃つ。
 手が上下に動くたびにクチュクチュといやらしい音が流れ、その音が吉良の興奮を高めていた。
 そして、いつの間にか体を吉良の正面に向けていたリインは、妖艶な微笑で吉良を見下ろし、その笑みに不覚にもドキリとしてしまう吉良がいた。
「私の中に、入れたいですか?」
「……」
 吉良はゆっくりと頷いた。
 思考が麻痺していたこともあったのだが、雄の本能と言うべきか、何かそういうのが働いた為だ。
 しかし、吉良の回答を聞いてもリインが肉棒を自らの膣内に入れる素振りはまったく見せなかった。
「……ふふ、だめですよ?」
 それどころかその反応を待っていたかのように、楽しげな表情を浮かべております。
 そして、うつ伏せで寝るような体勢になり、大きな胸で肉棒を挟み込む。
 微笑み、両手で胸を押さえ肉棒を挟み込みながら上下に動かし始めた。
「ッ……どうですか? んッ、わたしの、胸は?」
「あ、あぁ……すぐに、出そ……ッ」
「少し、我慢して、ください。ぁッ……熱いです、ご主人様、のおちん、ちん」
 胸は精液により滑りがよくなりスムーズに動き、リインは胸から顔を出している亀頭を舌でチロチロと舐め、亀頭の先から出る透明液を吸い取る。
 やわらかい胸の感触に、吉良はあっけなく二度目の絶頂を迎えた。
 白濁した液がリインの顔や胸に噴き出され汚していき、精液まみれになったリインの顔を吉良は見てしまい、そのいやらしい姿に興奮してしまう。
 射精直後の肉棒が硬くなり、リインは嬉しそうに微笑むと、片手で肉棒を持ち十分に濡れた秘所にあてがった。
「んッ……それでは、入れますね? おあずけはもうおしまいです」
 徐々に膣内に納まっていく肉棒の感触に、リインの犬耳は小刻みに動き小さな喘ぎ声を出しながら腰を下ろしていく。
 全て膣内に入った時には犬耳はピンと立ち、挿入の快感に浸るわけでもなくリインは腰を上下に動かしていた。
「んはぁぁぁぁッ! んぁんッ……あぅんッ、気持ちいいぃッ!」
 上体を寝かせ、吉良に抱きつきながら腰を振るリインの喘ぎ声が部屋に響く。
 肉棒をきつく締め付け、ウネウネと動く膣内の快感にまたすぐに射精してしまいそうになる吉良。
 しかし、リインの両犬耳を両手で弄ることにより射精感は引いて行き、自らもリインを突き上げる。
 一方のリインも、性感帯の一つである犬耳を、強めに摘まれたり穴を軽く穿られる等の刺激と、下から肉棒を突き上げられる刺激で、よりいっそう淫らになっていた。
「わッぅんッ……そ、そこ、耳ッ! み、み……だめっです、感じすぎちゃうッ!」
「うっ、そんなに締め付けんなって」
「だ、だめです……も、がまんが……もっと、もっと突いてぇ、ご主人さまぁっ!」


 二人は唇を重ねる。
 舌を絡め唾液を交換し合いながら、上と下の口で激しくお互いを求め合う。
 やがて、リインの犬耳を弄っていた両腕で起き上がり、リインが上の騎乗位から、お互い抱き合いながら吉良が胡坐の上にリインが乗ると言った座位に変わる。
 上の口で舌を絡め、舌の口では肉棒が火でも出るような勢いでリインの膣を出入りし、水っぽい卑猥な音を響かせていた。
「んはぁッ、んちゅッ……はぁ、深いでしゅ、ごしゅじ……んあッ、んむッ!」
 快楽に支配されたような表情のリイン。
 そんな彼女を抱き寄せていた吉良の片腕が、千切れんばかりに振られている犬の尻尾に伸びていき、ギュッとキツク握る。
 リインは目を見開いて驚き、尻尾を掴んだ手は、まるで肉棒をしごくように尻尾をしごき出した。
「ひあああッ! し、しっぽも、気持ちいいですぅッ……んちゅッ、ご主人さまぁ、わたし、んッ、もうイッちゃいます……ぅんッ!」
 尻尾もまた、リインにとっては性感帯の一つであり、それを刺激されリインは絶頂を吉良に訴える。
 そして吉良もまた、今まで以上に締め付けるリインの膣内に耐えられず、ラストスパートと言わんばかりに腰をいっそう激しく動かした。
「うッ……もう、出るッ!」
「んんんッ! イクッ! だめっ、ご主人様ぁぁッ! ひゃッああああああぁぁぁぁぁッ!」
 まずリインが絶頂し、肉棒をきつく締め付けるのと他に、リインの体が激しく震えると同時に黄色い液体が噴き出し、吉良の腹を直撃した後布団の上へ流れる。
 しかしほぼ同時に絶頂した吉良は気づかず、リインの膣内の最奥に精液を叩きつけた。
 びゅくびゅくと音が響き、結合部からは精液が溢れ、布団に染み込んでいる黄色い液体と混ざり何ともいえない匂いが発生していた。
 そして射精が終わり、この変な匂いに気づいた吉良は、肩で息をしリインと繋がったまま下を見る。
 吉良は絶句した。
「…………リイン?」
「ハァ、ハァ……は、はい」
「これは何だ?」
 吉良はリインにも事の重大さを見せてみた。
 するとリインもしばらく黙り込む。
 二人が繋がったまま数秒経ち、リインはニッコリと笑みを浮かべた。
「すみませんご主人様。おもらししちゃいました♪」
「………」
 今夜、吉良とリインは一晩中部屋の掃除と、布団を洗っていた。
 そして、所詮は犬かと思いつつ、リインにしばらくエッチのおあずけを吉良は命じたそうな。