ある日、僕は本家からの依頼である山に来ていた。
 黄龍さんと朱雀さんと一緒に、その山に入るとかなり驚いた。
 山全体と言ってもいいほどの妖怪の数で埋め尽くされていたんだ。
 その妖怪とは、前に和魔さんと一緒に白虎が封印されていた洞窟に依頼で行ったときに現れた上半身が女性、下半身が蛇の妖怪。
 灰色の肌に赤い瞳を光らせて、僕達を見るなり妖艶とも言える笑みで襲ってきた。
 僕達も応戦体勢に入った。
「はあぁっ!」
 妖刀の魂剛と融合した大きな左腕を振り下ろすと、蛇の一体は5つに分かれて斬り裂かれた。
 血がとび、5つに分かれた蛇の体はボトッと音を立てて地面に倒れる。
 全方向に蛇女、すぐに横から飛びついてくる蛇に刀の刃のような指を突き刺す。
 辺りの草木は、蛇女たちの赤い血で染まっていて血の匂いが充満している。
 無論、僕にも返り血を浴びているわけで、服や顔は血だらけだ。
「うりゃああ!」
 一方の朱雀さんは、上空から炎を出し蛇達を焼き尽くす。
 蛇達の悲鳴とともに、すぐ横で山火事のように炎が森を焼いている……とても熱い。
「朱雀、ここには主優奈もいるんだぞ!」
 朱雀さんが出した炎は、山に広がる前に黄龍さんが砂で消していた。
 上空の朱雀さんに怒声を響かせながら、地震を起こし巨大岩で蛇達を押し潰しているんだろう、時折大きな岩が目に映りその直後に地響きが鳴る。
「この妖怪、なんでこんなに……」
 最初は押していた。
 だけど、徐々に物量に押されてきていた。
 そして、2、3体の蛇を同時に斬った時、背後の地面から何かが出てくる気配を感じる。
 振り向こうとした、だけど……その前に僕の体が中に浮いた。
「がッ!」
 お腹に衝撃の直後に凄まじい痛みが走った。
 一瞬、何が起こったか分からなかったけど、力が出ずに俯いたとき僕のお腹に蛇達の鋭い尻尾の先が突き刺さっているのが見えた。
 尻尾はすぐに抜け、地が飛び散りうつ伏せで地面に倒れた。
「優奈ぁっ!」
「主!」
 朱雀さんと黄龍さんの声が聞こえる。
 だけど、意識はどんどん遠くなり目の前が暗くなっていく。
 声はもう出ず、感じるのは無数の蛇達が微笑みながら近づく音と気配、お腹と加えられて突き刺される両足と両腕の痛み、そして死の恐怖。
 左腕はまだ融合した状態だけど動けず、目の前はもう真っ暗で何も聞こえず、血の匂いだけが鼻を刺激する。
 しかしそれも感じられなくなって、僕の意識は無くなっていった。


―――まったく―――情けないものだな―――


 意識がなくなる直後、こんな僕に呆れて言う女の人のような声が聞こえた……。


「………い………お……い」
「………ん……」
 なんだろう……誰かが僕を呼んでる……。
 僅かに揺すられる体の感触に、僕の意識は徐々に目覚めていく。
 何だか宙に浮いているような感覚……僕はどうなったんだろう? 死んでしまったのかな?
 じゃあここは天国? それとも地獄?
「お、い………め……さま…………ゆうな」
 僕を呼んでいるこの声は天使、それとも悪魔かな?
 何だかそう考えると目が開けられない。
 でも、今の状況が知りたいということもあって、僕はゆっくりと目を開けて上体をゆっくりと起こした。
「ん……ここは、ぼくは……」
「目覚めたか」
 体が痛むけど、まず辺りを確認した。
 そして少し驚いた。
 周りは、まるで宇宙のように暗い。
 それに少し重苦しい空気に、僕は眉を顰めた。
「何をキョロキョロしている?」
「ぁ……えっと」
 そして、僕の目の前にいるものにさらに驚いた。
 竜……青い瞳に鋼のように硬そうな体、長い首に長い尻尾、背中には大きな翼と所謂ドラゴンというものが、翼を寝かせて体を少し丸めてこちらをじっと見て話しかけてきた。
 しかも、ドラゴンの腕は魂剛と融合した左腕にそっくりだった。
「どうした? 何を驚いている?」
「その……あの、あなたは……」
 どこかで聞いたような声で、僕に問うような声で聞いてくるドラゴン。
 返答に困りながも刺激しないように恐る恐る質問で返してみると、ドラゴンは少し笑っていた。
「フフフ……忘れてしまったのか? 長い付き合いだというのにつれないなぁ」
「長い、付き合い?」
「そうだ。まぁ、こうして会うのはこれで二度目。一度目はお前が幼き頃か……」
「二度目?」
 本当に覚えがなかった。
 ドラゴンは何かを思い出すように言っているけど、こんなドラゴンを見たら忘れない自信はある。
 脳内をフル稼働させて思い出してみるも、どうしても思い出せなく何か罪悪感のようなものも感じていた。
「どうやら本当に忘れてしまったようだな。フゥ……寂しい事だ」
「す、すみません」
 思わずドラゴンに謝ってしまった。
 しかしドラゴンは笑って許してくれて、次のドラゴンの言葉に思い出しはしないけど驚愕した。
「私は、お前達が魂剛と呼んでいるモノだ」
「………は?」


「こん……こんごう……?」
 目の前のドラゴンは何を言っているのか最初分からなかった。
 僕の中での”こんごう”と言うのはただ一つ、僕の武具、妖刀の魂剛だけだ。
 確かに、ドラゴンの腕は魂剛と融合した僕の左腕に似ているけど、でも魂剛は刀のはず……。
「うん? 信じられないか?」
 困惑している中、魂剛と名乗ったドラゴンが可笑しく笑うような口調で尋ねてきた。
 僕は静かに首を縦に振った。
「なるほど。まぁ、今は刀、仕方ないか。そうだな、私はお前が思う刀に宿っている魂だ」
「え?」
 最初は理解できなかった。
 だけど、すぐに理解した。
 目の前のドラゴンは確かに魂剛だけど、魂剛の中に宿ってる竜の魂らしいんだ。
 そう頭の中で理解している中も、ドラゴンは語り続けた。
「もうどのくらい経ったか……。私はお前の家の祖先に殺されてしまってな。その際に、私の体であの刀を作り、私の力を利用しようとしこの刀の中に封じ込めたのさ」
「僕の? あの、だったら本当の名前とかも……」
「私の名前か? さあな、封じ込められる際に記憶も殆ど奪われてな。いわば名無しの竜さ。だからいつもどおり魂剛と呼ぶがいい」
 どうやらドラゴン、魂剛の言っていることは本当らしい。
 なんか魂剛の話を聞く限り、僕のご先祖様って結構悪い人に思えて仕方ない。
 そんな思いもあって、僕は何となくまた魂剛に謝ると、再び笑って許してくれた。
 そして、僕は最初から疑問に思っていたことを魂剛に聞いてみた。
「あの? 聞いていいですか?」
「ん~? どうした?」
「僕は、あの後どうなっちゃったんでしょう?」


 そう、意識がなくなる前に僕が見た光景は、僕のお腹に蛇の尻尾が突き刺さっていた光景。
 思い出す度に少し寒気がする。
 実際、こうして魂の状態の魂剛と話をしている限り僕はもう……。
 そう考えると、自然と涙が出てきてしまった。
「おやおや、何を泣いている?」
「ぐすっ……あ、いや、すみません。僕死んじゃったのかなって……」
「大丈夫だ、安心しろ。お前は死んではいない。私が何とかしたからな」
「ふぇ?」
 優しい口調で僕を宥めてくれる魂剛。
 その言葉に、僕は心底安心して今度は嬉し涙が少し出てきた。
 そしてその涙を拭った時、なら今の状況は何だろうと思い魂剛に聞いた。
「言っただろう? 私が何とかしたと。お前が蛇にやられた直後、まだ融合状態だったのでな。魂が黄泉に逝く前に私の中に引き込んだ」
「え? 引き込んだ?」
「そうだ。まぁ、融合状態だったのがフコウチュウノワザワイというヤツだ。後は体を治していけばいい」
「そうなんですか……あ、朱雀さんと黄龍さんは?」
「うん? あぁ、あの四神ならすぐにお前に駆けつけて、すぐに天一とか言った妖孤のところへお前を連れて行ったぞ? フフ、まぁ、あの蛇たちが邪魔するので地形ごと変えてしまったがな」
「そ、そうですか……」
 魂剛は楽しそうに笑って語っていたけど、僕は少し背筋が震えた。
 地形を変えた、多分朱雀さんも黄龍さんも本気で怒ってくれて山ごと蛇達を吹き飛ばしたんだろう、それも跡形もなく。
 その光景を見るかと魂剛が尋ねるけど、僕は遠慮しておいた。
「僕の体は……」
「もう大丈夫だが。あと数日はここにいた方がいいな」
「そうなんですか」
 かなり重症のようだ。
 だけど、命に別状はないと魂剛が言うから安心する。
 そして、何も話すことがなくなり微妙に重い空気が流れ始めた。
 何か話題はないかと頭の中で考えていたとき、魂剛が何かを思い出したかのように口を開いた。
「そうだ。フフフ、おい、ちょっと近くに来い」
「ぇ? は、はい……」
 何やら妖しい口調で、大きな腕で手招きをする魂剛。
 この口調は聞いたことがある、むしろほぼ毎日聞いている。
 家や外で、青龍さんや白蛇さん、四神のみなさんが僕をエッチな意味で襲う前兆に出る声によく似ている。
 しかし、僕を呼んでいるのはドラゴンだ。
 そんな事はないだろうと思いつつも、警戒して魂剛の側まで寄った瞬間、魂剛の大きな体が赤く眩く光り出す。
 思わず目を閉じてしまい、光が治まったと思い目をゆっくり開けると驚いた。


「フフ、どうだ?」
「……」
 目の前には大きなドラゴンの姿はなく、自慢げに微笑んでいる青い瞳に腰まである長く赤い髪の毛のお姉さんが立っていた。
 しかし完全な人間ではなく、大きな翼と尻尾、頭から生えている長い角だけは竜のまま。
 あぁ、この人は魂剛なんだなぁと四神達と同パターンなのですぐに理解した。
 スラッとした体のラインに、とても綺麗な肌の色。
 そしてまるで女神のように美しい顔と体を覆っているのが白く薄い布だけということがあり、思わず顔が熱くなった。
「反応があまりないな。まぁいい……それより、早速始めようじゃないか」
 人型となった魂剛は、僕のそっと抱き寄せるとそのまま押し倒す。
 ハッと我に返った僕は、両手で魂剛の肩をつかむと力を入れて引き離した。
「な、何するんですか!?」
「何って……お前達の言葉で言うせ……せ……」
「……せ、セックス?」
「そうそう、それそれ。せっくすだ」
 やっぱりか……そんなことを思うと表には出さないけど心の中でため息が出る。
 そして一応抵抗しようとした。
 しかし、案の定というかパターンというか、尋常じゃない力で押さえつけられた。
 しかも両足は長い尻尾が巻きつき身動きが取れない。
 両肩を押さえられてとても痛い。
「暴れるな。魂だけになってまで痛い思いをしたくないだろう?」
「あの、せめて……」
「だめだ。せめても何も無い。私は攻められるより攻めたほうがいいのでな」
 妖艶な微笑で告げる魂剛。
 その微笑に僕の体はブルッと震え、魂剛は僕の上に乗りながら身に着けている布に手をかけると一気に引き抜く。
 綺麗な素肌が露出し、一瞬ドキッとしてしまった。
 その時に隙が出てしまい、それを見逃さないといった感じで魂剛は身に着けていた布で僕の両腕を後ろに回し手首をきつめに締め付けた。
 腕から痛みが走り、少し眉を顰めた。
「少し痛かったか? でも安心しろ、もうすぐ気持ちよくしてやるからな」
「や、やめてください」
「何を言う? 毎晩毎晩、四神達との交わりを見せ付けられた私の身にもなってみろ? ずっと一人だったんだ、もう我慢できないよ……」
「そ、そんな、でもこんな……んッ!」
 魂剛の微笑みは、以前欲求不満が爆発した青龍さんの微笑に少し似ていた。
 そんなことを思いながらも、身動きの取れない僕は何とか言葉で魂剛を止めようとした。
 しかし、魂剛の妖艶な微笑で言った言葉に再び返そうとした時、僕の唇に彼女の唇が重なった。

 口を閉じても抉じ開けられて僕の口内に入ってくる魂剛の舌。
 ぬるっとして生暖かく、口の中を舐め回してくる舌の感触はいつになっても好きにはなれない。
「んッ……この時代ではきすというのだろう? ちゅッ……どうだ? 私の舌は……んッ」
 舌を入れてくる本人は楽しそうな口調。
 何とか押し戻そうと舌を動かすけど、その舌とも絡ませてきて僕の体はぶるっと震える。
「んふッ……フフフッ、可愛いじゃないか……ここがいいのか?」
 1分くらい経ったかな、魂剛が両頬を押さえている片腕を僕の下半身に持っていった。
 その手と、両足を巻きつけていた尻尾でぼくが穿いていたズボンを脱がし始めた。
 膝まで脱がされて、嫌と思いながら反応してしまった僕のペニスが出て、少し寒気がしてまた体が震えた。
 やがて脱がすのが面倒になったのか、ズボンはビリビリと音を立てて破かれてしまった。
「んッ……ふぅ、最初から破いておけばよかったな。さて……ほぅ、ほぅほぅ、何だ嫌そうな顔だった割には既に濡れているじゃないか」
 キスが終わり、呼吸がままならなかった僕の呼吸は荒くなっていて、魂剛の言葉に顔が熱くなる。
 そんな僕の反応に魂剛は声を上げて笑って、片手でペニスを少しきつめに握る。
 いきなり握られて、僕の体は少し跳ね上がって、魂剛がペニスを握っている手をゆっくり上下に動かし始めると電気が体中に伝わるような快感が押し寄せてきた。
「ひっ……そんな、いきなり……は、やくぅ……」
「おうおう、どんどん溢れてくるな。まるで本当に女みたいだ」
 魂剛の手のスピードはいきなり火が出そうなくらい速く、クチュクチュをいやらしい音を立てて、僕自身も変な声になった。
 それでも魂剛は手のスピードを押さえようとはしない。
 むしろ楽しく遊んでいる女の子のような声で手のスピードを上げた。
 その手の快感に、僕は既に射精感に襲われた。
「やっ……もう、出る……ッ」
「うん? もうか……。しかし、まだ駄目だな」
 しかし、魂剛が手のスピードを緩めたと思ったら射精感は少しずつ遠のいていき、寸止めで射精を止められる。
 そして、僕の両手を塞いでいる魂剛が身に着けていた布がビリッと破ける音がすると、リボンほどの大きさになった布を魂剛はペニスの根元にきつく巻きつけ蝶結びをする。
 彼女がとった行動……その意味は一瞬で理解でき、魂剛は妖しく微笑みながら再び顔を僕の顔に近づけてきた。
「これで、精子は出まい」
「な、何で……こんなことを?」
「ふふふ、そうだな、すぐに出されてはつまらないから。それにお前の反応も面白いしな」
 このドラゴンは本当に青龍さんに似ている気がしてならない。
 こう……僕の反応を見て楽しんでいるあたりが結構そっくりだ。
 もう何を言っても聞かないと思う、向こうの方が力が圧倒的に上なわけだし。
 そんなことを思っていると、自然と抵抗する気力がなくなってきて、魂剛は僕の頬をペロリと一度舐めると僕の下半身へ体を移動させた。


「ふんふん、どんな味だったかな、久しぶりすぎて忘れてしまったよ。こういうのを、ふぇらちおを言うのだろう? ……んむッ」
「ぅ……」
 魂剛の息遣いがペニスに伝わった直後魂剛はペニスを咥え込み、暖かい口内と舌の感触がペニスから伝わり体が震えた。
 僕は何とか上体を少し上げて魂剛を見る。
 まるでアイスを舐めるように舌をかよわせつつ、音を立ててペニスを吸い、時々僕の反応を窺うように上目遣いでこちらを見る魂剛。
 何度も変な声を上げてしまって射精感に襲われるけど、精子の通り道を封じられている為何も出さずにイカされていた。
「んちゅッ……んふふッ、ほんろうにはわひいなぁ……ぷはぁ……その反応、病み付きになりそうだ」
「あぅッ……お、ねがいもう出させて」
「だめ。次はこうしてやろう」
「はッ……うぅッ!」
 何度もイカされて声も少し出なくなっていたけど、僕は何とか止めようと魂剛に言うけど効果はない。
 それどころか、魂剛はペニスから口を離し、両腕を使いペニスを胸と胸の間に挟んで全体を使いように体を動かして上下にしごき始めた。
 これは、よく白蛇さんや黄龍さんが攻めてくるパイズリと言うやつで、豊かな胸の圧迫と肌の感触に再び快感の波が押し寄せた。
「んッ、んぐッ……どうだ? これはぱいずりと言うやつだろうッ、んッ、よくッ、黄龍にやられてるのをッ、見ていたッ……んぢゅッ……」
「はぁッ……んッ」
 僕自身でも女の子みたいと思うほどの声が、僕自身から出続けていた。
 胸でしごかれ、亀頭を吸われ続けてとても気持ちよく、根元が縛られてなければ3回はイッていたが今はただ体を跳ね上げ、何も出せずに女の子みたいにイクしかなかった。
「んじゅッ……出したいか?」
「ぁッ、ぇ?」
「ならッ、ちゃんと自分の言葉でッ、オネガイッ、をしてみろ。そうしたらッ、一度だけ出させてやろう」
「お、おねがい……解いてください……」
「気持ちいいのか?」
「き、きもちいいですっ! だ、だから早く……ッ!」
 ペニスを扱きながら、魂剛は微笑みながら言う。
 僕は迷わず、自分でも恥ずかしくなる台詞を叫んだ。
 もう何度もイッてしまっているが一度も出すことができないため、このままだと気が狂いそう。
 僕の言葉を変わらない微笑で受け止める魂剛の手はゆっくりとペニスを縛っている布に伸びていき、そして布が解かれた瞬間僕の体は跳ね上がり亀頭からは勢いよく精液が噴射された。


「あッ……あんあああぁッ!!」
「んんんんッ! んくッ……ちゅッ、んふふふ……すごい量、それにとても濃い……あぁ、久々の精のにおいに味……ちゅぷッ」
 精液は魂剛の胸を、顔を、赤い髪の毛を汚していき、頬を赤くし妖艶な表情で受け止めて胸や手や顔についた精液を舐め取っていた。
 射精が終わり、本当にご無沙汰だったんだなぁと思っていると不意に魂剛の顔が目の前に現れ、そして唇を重ねてきた。
 再び口を抉じ開けられ、口内に魂剛の舌が侵入してきた。
「んッ! な、なに……んむッ!」
 先ほどの唾液だけの舌の味とは違い、今度は自分の精液の味もして眉を顰めた。
 とても苦くてまずい……けど、そんな精液をどんどん口内に送られ押し返すこともできず飲むしかない。
 そして、魂剛は口を離すと唾液と精液が混ざった糸が見えた。
「どうだ? 自分の精の味は」
「ま、まずい……ひどいですよぉ」
「そうか? しかし、こちらは先程より硬くなっているがな。もしかして、自分の精を味わい興奮でもしたのか?」
 魂剛の言うとおりだった。
 射精した後にもかかわらず、僕のペニスは未だ硬さを保ってビクビクしてる。
 もしかしたら彼女の言うとおり自分のを飲んで興奮してしまったのかもしれない……そう思うと口には出さないけど恥ずかしい。
 そんな思いを察してか、魂剛は軽く精液だらけの手で僕の頭を撫でると、翼を羽ばたかせ少し宙に浮いた。
「さて、いよいよこちらで味わうとするか……よっと」
 そして丁度魂剛の秘所がペニスの真上に来る位置で静止すると、足を広げ翼を小刻みに羽ばたかせゆっくりと降下していく。
 魂剛の秘所はもう濡れていた。
 ヒクヒクと動くのを見ると、まるで早く入れろと訴えているようだ。
 そういえば、長い尻尾がなんだか変な動きをしていたような気がする。
 しかし、亀頭が魂剛の膣内に入り始めるとそんな事も頭から抜けていた。
「んッ……おおきいッ! いい……んッ、ああああぁッ!」
 僕の胸の上に魂剛の両腕が着いた時、翼の動きが止まったと思ったらペニスの根元まで魂剛の膣は咥えこんだ。
 やっぱりご無沙汰らしく、魂剛はしばらく体を痙攣させて挿入の快感に浸っているようで尻尾を犬のようにぶんぶん音を立てて横に振っている。
 僕自身も、先程までの射精止めが効いて、魂剛の中にペニスが入った瞬間射精してしまった。
「あ、あッついッ……も、もう、だしてしまったのか。まぁ、いい……好きなときに出すがいい。今の私は魂だけ……孕むこともない、あんッ!」
「ひぁッ、ま、また……出ちゃ……あぁッ!」
 魂剛は腰を動かし始め喘ぎ声を上げる。
 魂剛の膣内はペニスをぎゅっと締め付け、まるで別の生き物のようにうねうねと動き、まるで全ての精液を搾り取ろうとしているようだった。
 結合部からは卑猥な音が流れて、魂剛が動くたび僕は膣内に精液を放出していった。
 それでも射精した直後にペニスは硬くなり、そしてまたすぐに射精する、その繰り返しだった。
「はんッ……ひあぁッ……お、ちんちん……きもちいいよぉッ!」
 その言葉にまた射精してしまった。
 魂剛は面白そうに微笑みながら腰を振りこちらを見下ろしていた。
「んんッ……どうだ? 白虎のッ、あんッ、まねをしてみた……あぁッ」
 時々、魂剛の表情は悪戯の反応を見る子供のような表情になる。
 そんなことを思っても、気持ちいいのは変わりない。
 それどころか、胸や顔に精液が付着している魂剛の姿を見るとそれだけで射精感が高まっていった。
「はあああッ! ま、また出たぁ! すごい……おにぃちゃん……。んッ……こんどは玄武だ」
 これで何度目の射精だろうか……。
 笑みを浮かべて精液を受け止める魂剛を見ていると、一向にペニスが治まらず、既に結合部は行き場の失った精液でぐちょぐちょになっている。
 このままでは死んでしまうと思ったけど、今の僕は魂だけだと気づくとこの絶倫っぷりも何となく納得できた。
「あぅんッ……はぁ……はぁ………ふふ、まだまだぁ……こうしていると、何か思い出せそうだよ」
「ぅくッ……はぁ……ん」
 しばらくし、魂剛は朱雀さんのまねだと言い秘所からペニスを引き抜きお尻の穴にペニスを入れる。
 案外すんなりと入り、僕はお尻の中にも射精していき汚していく。
 その後は秘所とお尻、交互に入れ魂剛の表情は完全に快楽に支配されているようだった。
 更には長い尻尾を僕のお尻の中へ入れたりし、その刺激で射精する。
 僕は体が治るまで魂剛の膣内に精液を流し込んでいた、そうずっと……ずっと。


「はい、お茶」
「あ、どうも」
 数日経って、やっと満足したのか何処からともなくちゃぶ台に湯呑に急須を出現させ、魂剛は笑顔でお茶を入れてくれた。
 魂剛と同時にお茶を啜り、数日にわたる淫らな行為が嘘のようにのんびりした空気が流れていた。
 そして丁度お茶を飲み終えたとき、僕の意識は徐々に遠のいていき、思わずくらっとなった。。
「もう体に戻るか。いろいろ楽しかったぞ」
「ど、どうも」
「また死に掛けた時、または死んだときは引き込んでやるから」
 何だかとんでもない事をさらっと言われている気がした。
 目の前は暗くなっていき、魂剛の姿も見えなくなってきた。
「そうそう。青龍に伝えておいてくれ。私を自慰の道具に使うな、とな」
「あ……はい、わかりまし、た」
「ではな」
 そして、魂剛に宿る龍の魂は人から竜に戻り、僕の意識は完全に途切れた。


「ハッ!」
「あ、優奈様!」
「て、天一? ここは……」
 目が覚めたときには、僕は布団の中にいて意識が戻って飛び起きると僕の横にいた九尾の狐、天一が驚いた声を上げた。
 見慣れた部屋、ここは昔の僕の部屋で僕は神崎本家にいる事がわかる。
 天一はすぐに涙目になり僕に抱きついた。
 どうやら元の体に戻れたのだと、僕は天一の頭を撫でつつ思った。
「よかった……ぐすっ、優奈さまぁ……」
「あの、僕は……どのくらい経ったの?」
「三日程です……。驚きました、朱雀さんから優奈様から翼が生えたり角が生えたと聞きましたから。それに、髪の毛も長く赤くなったと……」
「え?」
 天一の言葉にやっと気づいた。
 そして立ち上がり、全身が移る鏡で自分の姿を見ると驚いた。
 髪の毛が、腰まで長くなっていた。
 きっと、魂剛が何かしたのだろう……自然と結論が出て、部屋の壁に立てかけられている刀の魂剛を見ると微妙に震えたような気がした。
「そうだ。青龍さんはどこに?」
「え? 青龍さんですか? 彼女でしたら……」
 そして、僕は魂剛の言葉を青龍さんに伝えに行った。


 更に言えば、この事を境に眠ると夢の中で魂剛に時々呼び出され、魂剛は積極的に体を求めてきたり魂剛と一緒にお茶を飲んだりした。
「私はユウエンチと言う所にイってみたい」
「それは……どうでしょう」
 うーん……僕のスケジュール的なものがどんどん厳しくなってきているのは気のせいかな……?

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最終更新:2007年01月31日 14:34