ここからちょうど西。
すぐ傍に樅(もみ)の木で覆われた山が日の沈む方角にそびえ立つこの街の昼は短い。
つい最近まで、ここでは芋さえまともに作れなかった。少ない日照量や乾びた土地が問題なのか? そうではない。
日が落ちた途端に寂れた街は活気づき、誰も眠らぬ饗宴を開く。もてなされる食材は貧相な農作物、肉の付いていない家畜、人。
異形の宴だった。山には魔物が住んでいた。周囲を囲む石壁も無いこの街をオークの群れが根ごと食い尽くし土地を枯らしていく。
来訪者は毎晩飽きる事なくやって来た。その執着心は明かりに群がる蛾のよう。しかし厄介な事にこちらは五本の指で振り払う事が不可能だった。
金も石炭も無い首都から遠く離れたこの街には、いくら手で招こうとも騎士団はおろか傭兵すらもやって来はしなかった。

人々が眠れないのは荒々しい鼻息や低く鳴り響く足音の所為だけでは決して無かった。

何の力も持たない人間にとって、夜は恐怖だった。
人ならざるものという存在は、それがどれだけ醜くかろうと美しかろうと、目の前に居るだけで両の脚を小刻みに震える鉄の棒へと変えさせてしまうのだ。

◇◇◇

ばたんばたん。戸の閉まる音が静かな街に変拍子を刻む。『壁』に守られていない田舎では当たり前の様に聞こえるその音は、夜の訪れを意味している。
その夜の足音も聞こえない街の外れの一角では、普段なら音といえる音は乾風が草と草を擦り合わせる音や虫の羽音くらいしかないのだが、今日は違っていた。
 ぎりぎりぎり。

「ま、待ってくれっ」
「もう、離してよっ、私の事なんてほっといてよ!」
「この人の手を離さない! 僕の魂ごと離してしまう気がするから!」
「それは正直気持ち悪い。 ……もう辺りは真っ暗なんだよ? 魔物がやって来ちゃうんだから!帰りなさいよ」
「魔物なんて、君を失う事に比べたら何も怖くないさ!」
「……あんた……」

東へと長く伸びる二つの影は次第に近づき、一つの大きな影となった。
喋り声が聞こえなくなり、辺りはいつもと変わらぬ風景を取り戻していた。そこに二人の人間がいる事を除けば、という注釈付きなのだが。
大きな人影がまた二つの影に分かれ、ここから先は家でしましょうかと二人の若い男女が肩を寄せ合い手を握り合い、指を絡ませじゃれあいながら街へ帰ろうとして振り返ると。
すると。
そこには。

 ぎりぎりぎりぎりぎりぎり。
幼いがしかしあまりにも整い過ぎた少女の顔。腰まで伸びた金色の髪は夕日で真っ赤に輝いている。
二人はその姿を見て文字通り固まった。交錯する指同士を解く事すら出来ない。
少女の姿を見て思わず立ち止まって惚けてしまうのも無理はない。成る程確かに美しかった。
しかし今回は事情が違う。そういう訳ではなかった。
 ぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎり。
甲殻類の鋏に人の皮を被せた様な無骨な手。幼さの残る端整な顔に似合わない釣り上がった眉。固く閉じられているのに、ぎりぎりと歯軋りが聞こえてくる桃色の唇。
鬼の形相とはまさにこの事だろう。

 ぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎりぎり。


つい最近まで、この街では芋さえまともに作れなかった。では何故今は農作物が作る事が出来るのだろうか?
その答えが、そこに立っていた。

◇◇◇

 どすどすどすどす。
腹を叩く音と痛みを目覚ましに、男は寝床から飛び起きて朝食の準備を始めた。釜戸に火を点けると湯が沸くより先に少女が沸騰した。
「おそい! おそいおそいおそいおそい! 農民の癖して朝もまともに起きれないのか?」
「そんな事言われても……しかし今日は早いですね。いつもは俺が自力で起きてくる時間になるまで帰ってこないのに」
農家といえど朝に弱いものは弱い。けれどそんな言い訳は彼女には通用する訳が無い。はぁ、と小さく一つ男の口からため息が漏れた。

「そんな事はどうでもいいだろ! だいたいな、最近、起きるのがおそいぞ、ぐうたらしすぎなんだお前は……」とブツブツ嫌味を垂れる彼女を食卓へと着かせ、支度の続きを済ませた。
「ホットミルクとチーズトーストですよ。熱いんで気をつけて下さい」
「見れば分かる。さぁ早くこっちによこせ」
熱いから気を付けて下さいと一声掛けて平たい皿とスープ皿を前へと出すと、男も少女の横に座ってチーズトーストを食べ始める。

しばらくすると隣から、がちゃんと陶器の割れる音と「あちっ」という声が聞こえてきた。
下に目をやると、床には割れたスープ皿と牛乳が飛び散っている。液体は板の木目に沿って流れていき白い道を点々と何本も作った。
別々の道と道が交わって一つになって、そこからまた二つになったり或いはそれ以上に分岐する。編み目を作りながら広がっていく。

姿の見えない手によって、純白の糸は編まれていく。
紡ぐ事だけにしか目を向けず。ほつれに気付く事なく縫われていく。
遅々としてはいるが、その手は決して止まらない。不器用ながらも、なんとか一つの形にしようと編み進められていく。
一見して編まれているように見えるそこは、綻びた糸が絡まっているだけにも関わらず。
しかしその手は止まらない。どれだけ糸を重ねても意図した形にはならないのに。
編んだ先から解けているというのに。


    crying over spilt milk


木の床なので牛乳が染み込んでしまうと臭いがなかなか抜けなくなる。
男は直ぐに雑巾を取り出し床をとんとん叩いていく。窓を磨く様に一気にやるよりもこの方がより効果的である。と、男は勝手に思っている。
「あ、う……す、すま……」
皿を割った犯人の少女はというと、普段は不遜な彼女にしては珍しく、しゅんと背中を小さく丸めてうな垂れていた。
縮こまった肩を見ると、普段の仕返しに嫌味の一つでも言ってやろうかと思っていた気持ちも影の隅へと追いやられてしまい、男は優しく声を掛けた。

「服にもかかっているのでしょう? 早く脱がないと火傷になってしまうかもしれませんよ」
ばんざーい、と男が言うと少女も「ばんざーい」と素直に両手を上げた。手というには余りにも作り物めいた、鋏のような手が上へと向けられる。
子供らしい容姿に似合わぬ大きな乳房も上下する。毎度の事なのだが男の目はどうしてもそちらに行ってしまう。いつかその誘惑に打ち克ってやると男は密かに誓いを立てる。
いざ服を脱がそうとすると、少女はいきなり眉をひそめ、小さな口を大きく開いた。
「自分でぬげる! お前は気にせず芋とたわむれてろ!」
そう言って居間の隣の彼女の部屋へと篭ってしまった。自分の下心が見透かされたのか? 部屋の片付けもほどほどにして男は重い足取りで畑へと向かった。


「ああ、ここも枯れてる。んまっ! ここも! ここもだわ!」
そんな事を呟きながら、虫に食われて穴の開いた葉や茶色く変色した葉をちぎって行く。
こういった地道な作業が我が家の芋を大きく艶の良い物に変える。そう信じていなければこんなめんどくさい事はやってられない。
どう思おうとも地味でめんどくさい作業である事に変わりは無いので、
少しでも変化を持たせようと男はその日の気分で適当に役作りをしながら手を進める事にしている。今日は目敏く粗を見つける姑だ。まぁどうでもいい。
と、男が作業している向こうに険しい顔をした若者が立っている。

うおっ、見られたのか!恥ずかしい。と男。
それだけならまだマシだった。男は「あらやだ!」と先程までの影響で思わず変な事を口走ってしまった。それを聞いたからか、若者は踵を返し去っていく。
俺はあの時の若者の目を忘れない。あの眉間に深く刻まれた縦縞を忘れない。ぐっと、葉をちぎる男の手に力が入った。
どれだけ力を込めようとも、分厚い本を千切る事すらままならないのだが。

居候の少女のお陰で一年掛けて作った農作物は荒らされる事無く実り、安定した収入をもたらしてくれるが、
その居候の手で簡単に壊れてしまう自宅の修繕費にかなりの額が当てられるので男の経済状況はあまり変わらない。
――尊大な態度で、やる事なす事いちいち文句を言うし、まったく困ったやどかり様だ。
男のついた溜息で燈色に染まった世界が白く色づき、また直ぐに元の色彩へと戻っていった。もう冬だなぁと、しみじみ思う。

「にやにやして、どうした? 端から見ていてとても気持ち悪いが」
「うおっ!」
いきなり後ろから声を掛けられて男の肩が大きく揺れた。人差し指と親指には青々とした茎が握られている。驚いた拍子に手元を誤ったらしい。ちぎる必要の無い所までちぎってしまった。
「いきなりなんですか。って町長か」
「町長だ」
この小さな街の街たる所以はこの町長にある。目の前のこの髭の男(あるいはそれ以前の代の)が町長と名乗っていなければ自分はここを村だと思っていたことだろう。
しかし町長がわざわざ訪ねて来るとは一体どうしたことか。と男があれやこれやと考えていると。
鎖骨辺りまで伸びた、くるくると波打つ灰色のあご髭を撫でながら、町長は重い口調で喋りだした。

「実は――」

◇◇◇

さて、どうしたものか。
郊外にやって来た男はさして苦労もせずに居候件村の守り神の少女の所まで辿り着き、何て声を掛けようか考えてすらいなくてその場に立ち止まった。
女の方はまだ男には気付いていない。すっと背筋が伸びていて、着ている服――結局着替えられなかったようで水色のワンピースには大きな白い染みが出来ていた――は平民と変わらないが、
樅の木が立ち並ぶ山々を背景に、凛と佇むその姿はまるで絵画の中のどこかの姫であるかの様に思えた。そして月並みな表現力しかない自分を男は少しだけ恥じた。

居候の少女は――驚く程に端整であるという事でも、その甲殻類然とした両腕という事でも――その常人離れした容姿から連想できるように、人ならざるものであった。
人の家に住み着き、周りの脅威をその手の鋏で駆逐していく。それをまるでやどかりの様だと喩えたのはいつの話なのだろうか。
民家を住処とし始めれば、その異形がいる間街一体は魔物の被害を受けなくなり農作物も荒らされる事なく安定した生活を手に入れられる。
その為古くからこの人によく似た異形は農村地域で――無論この片田舎でも――豊穣の神の使いであると信じられてきて、他の魔物とは違って崇められ敬われてきた。
『やどかり様』とは、そういった存在なのだ。

やっぱり明日の朝まで待たずにここまで直接やって来て正解だった。普段なら鋭敏な感覚を持つ彼女がこんな近くにいる人の気配を察せない訳がないのだ。
思えば今朝からおかしかった。朝早くに家に居るわ皿は割るわその後も急にしおらしくなって……
「愚民。なんだこんな所まで。ここはお前のような子供が来る様な所では無いぞ」
考え込んでいる内に男の存在を視界に捉えたようだ。
「別にたいした事じゃないですが。それと三十近い男は、子供とは呼ばないのが常識です」
「この狭く小さなくそ田舎の常識ではか」
「世間一般の常識です」
「別に歳の事を言ってる訳じゃない」
「じゃあ何を基準に?」
「ナニを基準に」
「ナニですか」
「ナニですよ」
「なるほど。……ふむふむ。……って待て! だ、断じて小さくない! たぶん小さくないと思う。……小さくないんじゃないかな? ま、ちょっとは……」
「声が小さいぞ。お前の一物よりは断然大きいが」
「いや、というかね、雑談や猥談をしに来た訳では無いんですよ。それと俺のは小さくない」
「いやいやそう謙遜なさるな。お前のはそこの蟻ほどの大きさしかありゃせん」


良い様にはぐらかされている。いい加減本題に入りたい。男は少女に非難の目を向けた。
「……話逸らそうとしてるのバレバレですよ」
びくっ! と肩が大きく一度上下する。慌てて少女はしかめっ面を作り腰に手をやるが、そんな仕草をした所で何も意味はない。
図星か。男は手で頭を抱えた。
「お前と話す事など何もない。とっとと帰れこの粗品」
「その様子からすると、俺が何を言いたいかもうお分かりですよね?」
「うぅ」

町長から聞いた話を簡潔に纏めると、男の家を住処とする少女が昨晩街の外をうろついていた街の住民を鬼の形相で睨みつけた、というただそれだけの事だった。
野良仕事をしていた際に険しい顔をした若者がやって来たが、その若者こそが昨日の夜に睨みつけられた張本人で、そう聞いた男は安堵した。
やどかり様はこの田舎の小さな街では豊穣の神の使いであり、別に襲われた訳でもないのにわざわざ言うのは無用な諍いを生んでしまう原因になりかねない。
たとえそれが真実であっても躊躇われる。その事を自分に伝えようかどうか逡巡して、それであんなに深い縦皺が出来ていたのだと。
別に自分を見てどうこう思ったわけではない。きっとそうに違いない。うん。そう。

「一体どうされたんですか? 朝から様子が変だったし」
男が優しい口調で問いかけると、少女はいつもの尊大な態度は一体どこに行ったのか、所在無さげに瞳が揺れ動いた。
十秒位だったのかもしれないし、一分位だったのかもしれない。あるいはそれ以上かも。
長く気まずい沈黙が訪れた。まるで暴君のような少女と過ごす日々はとても圧迫感があると思っていた男だったが、これはそれ以上の重圧だ。
「それは、その、あの……」
ようやく少女が言葉を発したが、どんどんと声は小さくなって、顔は下へと傾いていく。
もごもごと口を動かし容量を得ないその様は幼い外見には相応だったが、それはそれで違和感があった。

そしてまた無言。
何か言おうにもその場で華麗に舵を取れるような頭も口も男は持ち合わせていない。
どうにも上手くいかない。くしゃくしゃと自分の頭をかき乱したい。しかしそんな事をしたら余計空気が悪くなるのではないだろうか?
うだうだと考えた末、男は結局何も出来ずその場で突っ立っているしかなかった。少女が再び口を開くまで、待つしかない。
どちらも微動だにせず、時間だけが過ぎていく。


やがて彼女がゆっくりと顔を上げた。先程までの空気ががらりと変わったのを男は感じた。
「わたしがその理由をいったとして」
ぽつり、ぽつりと。小さくも、けれどはっきりとした口調で。
「お前はどうするつもりなんだ?」
「どう、する、って……」
男に問いかける。
「いや俺は、あの、ただ、心配で」
今度は男が口篭る番だった。少女はしどろもどろの男を鼻で笑う。
「おまえの力で何かできるとでも?」

「お前は、けっきょく」
少女は嘲るように言葉を紡いだ。
「なんも考えてない」

図星だった。自分は、何も考えて無い。自分はそれを聞いてどうしたいんだ?
言葉が、突き刺さるというのはこういうことか。彼女にはいつも罵られてきたけれど、そんなのとは明らかに違う。
男は胸に刃物を突き刺されたような痛みを感じた。
けれど。
なんで言われた自分よりも、言った本人の方が痛そうな顔をしてるんだ?

「……もう、帰れ。この話はこれで終わり。べつに大した理由でもないし、こんな事は二度と起こらない」
これ以上自分が近づいてはいけない様な。踏み入れてはいけない様な。
「……心配するな。明日には、またいつものわたしに戻ってるから」
そんな気分に駆られた。


男はその場でなおも立ち尽くした。それから少女の草を踏みしめる音も聞こえなくなって、辺りはいつもの静けさを取り戻していた。


しばらくそこに立ち止まったままであった男の身体は、再び動き出した。走り出した。月が出ているとはいえ既に周囲は真っ暗で、前は殆ど見えない。
男は何度か転んだ。しかしその度に立ち上がり暗闇の中を突き進んだ。
闇雲に。擦り剥いた足の痛みは気にならなかった。樅の木の間をすり抜け、声を上げ、ただただ走り回った。
ぜんまいを巻き直した時計の針のように、男は足を休む事無く振り続ける。
彼女への思いが男を動かすねじとなった。ちくたくという規則正しい音はないが、代わりに男の叫びがそこにはあった。

すると目の前に何かが立ち塞がる。月明かりに照らされて輝くその髪は、たとえぼんやりとしか姿が捉えられなくとも間違いようが無かった。
速度を落とさずそのまま駆けて行き、その小さな身体を抱き付いた。慌てた様子で女もその腕を器用に使って抱き止める。
女の胸にたわわに実った二つの大きな膨らみが男の腹に当たってその形を歪めている。牛乳の臭いがつんと鼻を刺激した。

「馬鹿かお前は! そんな大声を出して豚やら何やらがよってきたらどうするつもりだ! 死にたいのか! あほ! 愚民! 農民!」
豚とはオークの事だろう。少女の予想外に切羽詰った声に思わず息をのむ。このまま家に戻りたくなった。が、男は自分自身を奮い起たせる。

さっき馬鹿みたいに突っ立ってたのはどうしてだ? 帰りたくなかったからだろう? 追いかけて、伝えたい事があったからだろう?
どうした俺。もう少し根性を見せろ。目を逸らすな。獣同士の戦いはその瞬間で死が決まるという。逸らしたら終わりだ。もう二度と踏み込む機会はやって来ない。
彼女は予想通りすぐにやって来たじゃないか。魔物が来る前に。俺を守る為に。こんなに慌てて。彼女はあまのじゃくだ。だけど本当は馬鹿みたいに優しいんだ。
きっと、昨日の晩の話だって、未だに魔物が徘徊する夜に外に出ていた男を心配していただけだとか、それだけの事に違いない。
さぁ息を整えて。自分の気持ちをぶつけてやれ。
彼女はそれこそ食物連鎖の一番上に君臨しているような傲慢さと恐ろしさを持っているけど、それだけじゃない事を知ってるだろう?

男は乱れる呼吸を整え、息を吸い込み、そして一気に吐き出した。
「馬鹿はっ、そっちっ、っだっ!」
目の前で叫ばれて、女は顔をしかめる。近くにいた鳥が夜だというのにバサバサと飛んでいった。そして地上、暗い樅の森の中でも飛んでいるものが一つ。
「帰れと言われてそのまま帰ると思うなよ! そりゃね、あなたの言葉の通りにしていれば、きっと明日からは今までと変わらない毎日が訪れるでしょうよ。
あなたの乱暴な目覚ましで朝起きて、服も一人で着替えられないあなたを着替えさせて、朝飯の準備して、日が暮れるまで畑仕事して、夕飯食ってくたびれて寝る。
あなたに召使いか奴隷同然の扱いを受けて、俺は慣れない敬語をあなたに使って、
満月の夜にはあなたが夜這いに来て、たまに見た目通りの子供っぽい仕草を見せてきて」
暗闇でも迷う事無く。とどまる事無く。男の口から飛び出した言葉は少女の耳へ向かっていく。
ああ、今なんだかとても青臭い事を言ってるよという自覚はあった。そしてこの後もそういう言葉を投げ掛けるだろう確信もあった。
しかし一度口を開いてしまえば自らの意思で閉じる事は不可能だった。

「そんな毎日がやって来ると思う。俺がこの後も昨日や今日の事を触れなければ。俺があなたに近づきすぎなければ。きっと。
なんだかんだ言ってそんな生活は嫌いじゃない。むしろ好きな方だ。すげー好き。大好きです。
けど、俺はそれだけじゃもう満足できないんだ。もっとあなたの事が知りたい。もっと距離を縮めたい」

ここでふぅと一息男はついて、女が口を挟む間もなくまた喋り始めた。
「あなたは肝心な所でいつも癇癪を起こして人を遠ざけようとする。距離を置こうとする。さっきみたいに一方的に突き放して、自分の殻に篭ろうとする。
あなたと俺はヤドカリとイソギンチャクじゃないんだ。言葉が交わせないわけじゃない。意思の疎通が出来る。自分の考えてる事を伝える事が出来る」
息がつらいが、そんな事は気にしていられない。。感情を曝け出して抱きしめる力が強くなり、少女の服に皺が寄った。
「あなたの気持ちを教えてくれませんか?
俺はあなたの事をもっと知りたい。別に今でなくてもいいから。気が向いた時で構わないから。何日後でも何年後でも、あなたが話したい時に」
そして男は少女に向かって微笑んだ。
「そんなに自分で抱え込まないで、もっと俺を頼ってください。
そりゃ俺は役に立たないかもしれないけど、一人より二人で考えた方が良いに決まってますよ」

小休止を挟んだとはいえ、一気に喋った男は軽い酸欠状態に陥って頭がくらくらしてきた。
馬鹿は自分の方に違いないなと自嘲しながらも、男の視線は少女から離れない。
男には暗がりでよく見えないが、何か思案しているような、或いは戸惑っているような、見方によっては怒っているような、そんな表情を少女はしていた。


と、身体が揺れた。抱きしめていた腕はするりと解け、そのまま地面に仰向けに倒れる。酸欠の所為ではなく、どうやら少女に突き倒された為のようだ。押された肩が痛む。
起き上がろうとするが、酸素が回ってない頭は上手く身体を御しきれず立ち上がれない。
もたもたとしている内に新たな痛みが男を襲った。
「この、愚民が。いったい誰にさしずしてるんだ?」
 ぐりぐりぐりぐり。
少女は右足で男の股間を踏みつける。靴を脱いだその足のワンピースから出た部分だけが、月の柔らかな光を浴びて青白くぼんやりと浮かび上がっている。
しかし痛みというには少し弱い刺激だったかもしれない。そこまで少女は体重をかけていなかったため、脂汗が滲み出るような事態には至らなかった。

「お前は、自分のおかれてる状況が、まったく理解できていない。芋をいじる事しか能の無いぐずめ」
右足も口も忙しなく動き続け、股間の刺激と浴びせられる罵声に男の回らない頭は徐々に侵され始めていく。
「次第にかたくなってきたぞ? こんな年端もいかぬ少女に足でいじられ、なじられるのがそんなに気持ちいいのか。この変態」
血液が股間に集まり、男のそれは次第に高度を増し、熱を帯びていった。女は足の指を器用に扱って男の一物を外に出した。
少女の細長い指の一本一本がまるで別の命を持った生物であるかのように自由自在に艶かしく動いて男のそれを嬲る。

「どんどんと大きくなっていくぞ。ほんとに救いようのない」
男は口を半開きにして恍惚とした表情を浮かべている。はぁはぁと漏れる息は少女のもので、興奮しているのか時折内股になってもじもじと擦り合わせている。
上下に擦るように動いたり、慈しむ様に撫で回したり、はたまた指の間に肉を挟んで抓り上げたりと、白い残像を残しながら動くその足はとても魅惑的であった。
「外でこんな事されて、口をだらしなくあけて、抵抗するそぶりすら見せない。とんだ助平だ」
指で棒を弾いたり、袋をやわやわと触ったり、男に飽きない刺激を与え続ける。と、動きがいきなり緩慢に、鈍くなった。

「しかしこう動かしているとつかれるな。少しやすむ」
ふいに少女は右足を振り上げ、そのまま男の亀頭を踏んだ。男のそれは腹にくっ付き、右足が肉に僅かにめり込んでいる。しかし今の男にはそれすらも快感を与える。
「芋をいじるよりも、それをいじってる姿のほうがお似合いだな、お前は」
上気させ淫蕩な微笑を浮かべ、更に力を加える。ぐりぐりと足を動かし、ようやく解放したかと思うとまた弄び始める。
大胆に上げたその足の向こう、ワンピースの陰に隠れてよくは見えないが、幼女らしく綺麗に閉じられている割れ目が足を動かすたびちらりと視界に飛び込んでくる。

「どこを見ている。そんなにその欲まみれのちんぽをいれたいのか? これだから早漏はがまんが足りなくてこまる」
そんな少女も、内腿をてらてらと輝く愛液の筋道を何本も作っていて男の事をとやかく言える権利は無かった。
足の動きは次第に単調にしかし激しくなっていき、それは少女も昂っている事を表している。

そしてびくんびくんと大きく脈動し、白い精液が先端から飛び出した。
少女の指先によってその軌道は変えられて男の顔に掛かる。生温かい液体が頬にべとつく感触と、生臭いその臭いで思考停止していた男はようやく事態を把握し始めた。

「ちょ、だから、そうやって逃げずに、んぅっ! むっ」
「ん……にゅ、んん……ぷはっ。だまれちんかす」
抗議の声はその桃色のぷるんとした可愛らしい唇によって塞がれてしまう。女は舌を男の差し入れその口内を犯していく。
「れろ……ふぅ……んむ……はぁ。くさいな。いかくさい。ぷんぷんしてるぞ。自分の顔に精子をかけて、本当にぶざまな男だ」
そう言って、歯の裏を舐め回していた舌を徐々に口外へ移していき、顔全体になめくじが這ったような跡を残していく。
ぴちゃぴちゃとわざと音を立てて淫らな行為に耽るその顔は男の煽情を大いに誘った。


「くさくて、にがい。欲望に身をまかせた雄の臭いだ」
眉をへの字にして心底嫌そうにしているその態度とは裏腹に、精液が垂れたそこを重点的に舌が這いずる。
「んん……ん……う……ほんとうにくさい……くさいと言えばさっきのせりふ、なんだあれは? くさすぎて笑いをこらえるのに苦労したぞ」
蔑むように微笑む少女は男の頬や鼻についた白濁を綺麗に舐めとり、代わりに自分の口に溜まった涎を垂らして塗りつけていく。
それは獲物をよく味わって楽しむ捕食者のようにも、縄張りに自分の臭いを擦り付けている野生動物のようにも、傷口を労わる献身的な聖者にも見えた。
彼女自身、自分の考えをちゃんと掴んでいなかっただろう。内情がどうであれ、彼女は丁寧にじっくりとゆっくりと舐め尽くした。
男の顔は、最早どこをどう舌が通ったかも分からない程に舐め上げられている。どれほどかといえば雨に打たれてきたのかと見間違えるほどであった。
それを見て満足そうに目を細め、彼女は視線を下に向けた。

「一回出してもまだまだ元気だな? むしろ大きくなってる。こんな幼い子供相手にそんなになって恥ずかしくないのか?」
少女の視線の先、そこにはぴくぴくと小刻みに跳ねる肉棒があった。一度射精した位では男の欲望は治まる訳が無く、今もなお勃起し続けている。
にやにやと下衆な笑みを浮かべて男を責めるその姿は、どうにも年相応の幼女には見えない。
こんな事をしに来たんじゃない。男は話をする為に口を開こうとするが、女は今度は下の口でそれを遮った。

「ふあっ! ふぅ~……ひあ……おまえのちんぽは、はぁはぁ、わたしのなかで、びくびくさせて、よろこんでるぞ? このうそつきめ」
深く腰を落とし、ぴんと反り返った男の肉棒をすっぽりと包み込んだ少女の顔を見れば、悦んでいるのが何も男のソレだけでない事は誰の目にも明らかだ。
少女はその場でしばらくじっとして動かずにいた。そうする事で男を焦らしていたのかもしれない。
だが、結合部を見つめて唇の両端を上げる姿は、男の存在を体の奥で一心に感じ取っているようでもあった。
「またおおきくなった。、まだ初潮もきてないような娘と変わらぬ外見の女に罵倒されるのがそんなにすきか? この幼女趣味の人でなし」
やがて腰をゆっくりと上げ、男の褐色のそれが出てきたかと思うと、また一気にその姿を隠した。一突きする度にその速度が増していく。
体勢だけを見たらお馬さんごっこをしている幼い女の子だったが、男が仰向きに倒れていた事と、少女のいやらしく動いている腰のせいでとてもそうには見えない。
前後左右に、あるいは上下に、大きく腰を振られ、きつく締め上げる膣の蠕動に男はたまらず小さく呻き声を上げた。
「ふぅっ、恥じらいもなく、ひぅっ、みっともなくあえいで、んっ、本当にきもちのわるい奴だ」
その身で何度と経験しようとも、出てしまうものは出てしまう。しょうがない事だと男は思う。
男の肉棒が少女の身体に収まりきると息を漏らす彼女もやはり人の事を言えた義理ではない。
ワンピースの下で形を変える豊かな乳房は、布一枚では隠しきれぬほどにその頂点を張り詰めさせていた。
「ほら、早漏らしく、がまんなんてせずにお前も腰をうごかせ」
男は促されたままに腰を動かし始めた。それは同時にその肉壷が与える快楽に身を任せ始めた事を意味する。
何とか話し合わなくてはと思うもの、こう淫らに乱れる少女が目の前にいたらしょうがなくね? 男はだらしない自分に言い訳をした。

「あひっ、はぁっ、んっ、んっ、こんな小さい女の言いなりになって、ぶざまに腰を動かして、ほんとうにだめな男だ。」
そう罵られようとも一度動き出したものは止まらない。農民生まれの農民育ち、生粋の農民である男にはそこまで高い自尊心を持ち合わせていなかった。
彼女が自分を貶す言葉は頭からするりと抜け落ち、気持ちよさだけがそこに残る。
「ひぅっ、はぁっ、あんっ、そうやって、お前はくちごたえなんてせずに、ちんぽを振っていればいいんだ」


かぎりなく自分勝手なことを、独り言のように呟きながら少女は今度は胸を押し付けた。衣服の上からでもその柔らかさは十分に伝わってくる。
少女にまた命令され、男はこれまた文句もたれずに胸のボタンを手で外した。子供用の服に押さえつけられていたその胸が弾ける様に飛び出す。
水色のワンピースは少女の小さな身体にぴったりだったが、胸の部分だけは違っていた。文字通りはちきれんばかりの大きさだ。
それはそれでまたそそられるが、さぞ窮屈だっただろう。はだけた服から出た胸の勢いからして、拷問に近い抑圧だったのかもしれないと男はおぼろげに思った。
重力に逆らって形を保ち続けるそれを見せ付けるように体をそらす。
大きいのにまったく垂れていないその胸に、男の喉がごくりと鳴った。

「ところで、わたしの胸をもんでみてくれ。こいつをどう思う?」
「すごく……大きいです」
言われるがままにそのいやらしく実った巨峰に手をかける。男の手は決して小さくは無かったが、それでも手に治まりきれずはみ出るその大きさ。
そして指と指の間からむっちりとはみ出る弾力性。それでいて指がどこまでも沈み込んでいくマシュマロのような柔らかさは、それを触って遊んでいるだけでも十分満足できてしまう。
「こんな大きくてやわらかな胸はあの小さな街はとうぜんだが、都市にいったって、そうそうお目にかかれんぞ」
それはそうだろう。こんなに気持ちのいいものはどこを探したって見つからないに違いない。
そこにあるだけで淫らに男を誘い続ける大きく実ったこの乳房の前にすれば、誘惑や魅了の代名詞であるサキュバスだってその冠を返上せねばなるまい。
男はもみもみと手の平で乳房をにぎり、その弾性を愉しむ。先程少女に足で弄ばれたお返しにと、丹念にこね回した。

「あぁっ、ひぐっ、ふぅっ、お前は、ほんとうに、胸が好きだな。変態。けどまあ、お前がどうしてもと、言うのなら、この胸だって好きにさせてやらないこともない」
はぁはぁと呼吸を乱しながら、男の顔についばむような可愛らしい口付けを落としていく。
手の平で叩いてぶるんぶるんと震える胸の揺れを目で愉しんだり、その桃色の乳輪を円を描くように指で撫で回したり、
硬くしこった乳首を指で押して埋めたり、双球を寄せてぶつけ合わせたり。乳首を引っ張って持ち上げ少女自身の舌で舐めさせたりもした。
男はその両手を巧みに使って少女の乳房を好き放題に玩んだ。

「欲望にまかせて、もみしだいて、ひっぱって、たたいて、なにをしたって、わたしは器がおおきいから、ゆるしてやる」
少女も男の身勝手な蹂躙を嫌な顔せず、むしろマタタビを与えられた猫のようにふやけた顔で受け入れる。
よだれをだらしなく垂らす様はご馳走を与えられて喜ぶ獣そのものだ。男はおもむろにその柔肌に口に含むと、そこに印をつけるかのように歯形を付けた。
「いだっ、んっ、くぅっ、そんな無礼なことされたら、ほんとなら、その首をとばしているところだ。けど、お前はとくべつに、がまんしてやろう」
歯の食い込む痛みに弱く悲鳴を上げ、その大きな瞳に涙が溜まるが、普段の彼女からは想像もつかない寛大な態度でそれを受容する。
できた歯形を男は満足そうに見つめた後、また胸を手でつぶした。それにしてもこの男、ノリノリである。

「んむ……あん……まったく、調子にのって、すきかってにして……」
恨めしそうな声とは正反対の嬉しそうな表情。本音と建前とはまさにこの事だ。
「変態で、すけべいで、幼女趣味で、人としてどうしようもないお前の大好きなこの胸だって、この唇だって、……お、おまんこだって、ぜんぶお前のものだ」
のぼせるように、喘ぎ声のように、そんな言葉を漏らしていく。男は赤子のように乳首に吸い付き、その乳頭を舌で味わう。
うねうねと絡みつく膣の動きが心地よい。少女の長い金色の髪が顔にかかりくすぐったい。
「これまでもお前以外の人間にふれさせもしなかったし、これからも他のだれにもさせはしない」
ちゅうう、と吸い上げると「ひゃうっ!」と甲高い悲鳴を上げて膣がきゅっと締め付ける。それが面白くて何度も同じ事をする。
「ふぅぅっ、だ、だめだ、もうっ。そんなにしたところで乳はでないぞ。はっ、ふっ、ほんとうに、だらしないやつだ。けど、いつかは、もしかしたら、だせるように、なるかもしらん」
たしなめる男を見る目は、幼い少女であるというのに母性に満ち溢れていた。しかしその瞳は潤み、男のなすがままに身を委ねている。
乳房から口を離した男はその輝く髪をさらさらと撫でる。お返しとばかりに少女は男の顔をぺろぺろと舐めた。


男の手は乳房から背中を伝い、彼女の臀部へと辿り着く。ぷりっと膨らんだその尻は、まるで男に触り足りないと訴えるようにもっちりと手に吸い付いて離れない。
「ん、ふあ……はぁ……ん…… ほら、きっと、このしりなら、ひゃくにん、はらんでも、らいじょうぶ」
うまく舌の回ってない声が男の耳に甘く響いた。天使のようなその声が男の耳殻を撫で、鼓膜を震わせ、脳内から犯していく。
「いつだって、おまえに……んっ……おっぱいをぉ、のまへてやれるぞ」
少女の巨大な胸と比べても遜色ないほど魅力的なその尻は、桜色に色づいて大きな桃のようだ。しかしこんなにおいしそうで、欲情をそそる果実はどこにもない。
その丸みから指を割れ目に持って行く。甘い蜜がたれてその瑞々しさがよく分かる。少々量が多すぎる気もするが。
少女の中から溢れ出た粘液にねちょねちょと指を絡ませ、尻に擦り付ける。
「んっ、うぅ、ぬるぬるして、きもひい。けど、さいてーな、お前のことだから、それらけじゃ、まんぞくしにゃいんだろ?」
満足してないのはそっちの方じゃないかと男は心の中でつっこむが、とろけた頭にそれを言葉として外に出させる能力は既に無かった。

ぬめりと潤った指を、少女の菊門へと突き刺す。それは少女にとって初めての体験で、排泄する為だけに使っていたそこに感じた事の無い刺激が襲ってきた。
「んんんっ!? そこは、ちが、ら、らめ、ふぅぅっ、んっ、はっ」
慣れてない刺激は、少女にとって苦痛だったが構わず男は指を動かす。腸内をかき回されているような、そんな不快感が少女の中にどんどんと生まれる。
突っ込んだ右指の不快感と、大きな尻を揉みしだく左手の快感が少女の頭の中でごっちゃになった。
右指から感じるのは次第に気持ち悪さだけでは無くなっていって、いよいよ訳が分からなくなってくる。少女は今までに味わった事の無い感覚に翻弄されて倒錯した表情を浮かべた。

 ぷひぃ、ぶぼっ。ぴゅふっ、ぶぅっ。
菊門がひくひくとうごめいて、その皺が伸びたり深くなったりした。そして指と腸壁を押しのけて、空気の漏れる音が外に出る。
その音は、まるで童話の中から飛び出したお姫様のような少女の美しい風貌から発せられたとはとても思えない、汚らしい音色を奏でた。
「ああっ! ちがっ、きくなあっ、ふさげ、みみっ、ふさげっ」
いつもは雪のように真っ白なその肌は、もともと興奮して赤かったが、これ以上は染まらないだろうという位真っ赤に染まり首まで同じ赤色で瞬時に塗り替えられた。
ぶんぶんと左右に顔を振りまるで生娘のように恥ずかしがった少女は、やがて決心したように男を射抜くように見つめた。
「おまえがぁ、したいなら、はずかひいけど、はぁ、このけつあなも……ふぅーっ、ふうっ……いじくり、まわしれも……んっ……かまわなぁ」
舌っ足らずのその声は、菊門から漏れ続ける気泡の弾ける音と共に間抜けに響いた。
入れると腸壁がその進入を拒み、抜こうとするときゅっと締まって指に吸い付いてくる。少女もその感覚に痛みはもう無いようだ。
「はあーっ……けつあな、いじられても……ひぃーっ……ぜんっ、ぜん、ひもちよく、ないけろぉ……ふっ、ふあーっ……がまんしれやるぅ」
少女が快感を甘受し始めたその時、男は指を菊門から抜いた。指の直径と同じくらいの穴がだらしなく開いている。突然無くなった菊門の刺激に少女は眉をハの字に曲げた。

「どうひたんだ? ほら、へんたいの、おまえがぁ、これらけでおわるわけ、ないらろう?」
膣への抽送も緩やかになり、じれったい快感に少女は身悶えする。
「もっと、けつあなに、ゆびつっこんでいいんらぞぉ? もっとこのちんぽでまんこをついていいんだぞ?」
少女はくすぶった身体をどうにかしようと男を促すが、依然として男は動かない。
「わらしは、らいじょうぶ、らけど、おまえは、しんぼうれきないだろ?」
誇り高い少女は自分からは乞い求めるような言葉は言わないけれど、だらしなく涎を垂らして自分の与える快感を今か今かと待ちかねていた。