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「………へぇ、ここかぁ…夜の人里はこんなに明るいんだ」 場所は虎杖に指定された町近くの森林。 町が一望できる木の上にエンはいた。 駅に、役場に、学校、田んぼに用水路…都会でもなく田舎でもない、どこにでもありそうな町だ。 「えーと…新しく引っ越してきた人間の家は…あった、あれだ。ふふ、ボクの魅力でメロメロにしてやる」 うっきっきと不気味な笑みを浮かべ、エンは目的の家に向かった。 「はぁ~疲れた~」 佐伯 駿(シュン)は自室のベッドの上で大きな伸びをした。 小学校を卒業すると同時にあわただしく引っ越してきたこの町。 のどかな田園風景に夜になると庭から聞こえる虫の囁きに夜空に見える満天の星。 以前、住んでいた街では聞くことも見ることもできなかったものだ。 現在、この家に住んでいるのは母と自分、それに妹の三人。来年、定年を迎える父はまだ引っ越す前のマンションにいる。 この町に引っ越してくる事となった原因はその父にある。 何でもこの辺りは父が幼少期を過ごした土地であるらしく、定年後はここに住居を構え老後を過ごす計画らしい。 その為、定期的に送られてくる荷物を整理する力仕事は男である駿の仕事だ。 母は『働け、少年』と言って、よほど大事な荷物でない限り手伝ってはくれない。 妹は『お父さんの荷物?運ぶ、運ぶ♪』と嬉々として手伝おうとするのだが、 運搬中に男性陣が荷物の中に隠しているエロ本やエロDVDを漁りだすので適当な理由をつけて断念させていた。 夕方に届いた荷物を全て運び終える事には夜の20時を回っていた。 満身創痍、母や妹のいる居間でテレビをみる気にもならない。ぼ~と天井を眺め、ごろんと横になる。 「…………」 何となしに手が股間に伸びる。シコシコと二、三回擦るとムクッと鎌首を持ち上げ、勃起した。 思春期まっさかりの学生は女性の脹らんだおっぱいや尻を想像して自慰をし出す年頃だ。 それは駿も例外ではない。陰毛も淡く茂り、密かに購入したDVDやエロ本でその欲望を発散させていた。 「あ……そういえば」 先日届いたディスクトップのパソコンには18禁のゲームや画像が満載されている。 部屋の施錠を確認、時間は……テレビが終了し、母が風呂、続いて妹が風呂…大丈夫、2時間程余裕がある。 パソコンを立ち上げてゲームを起動、椅子に座り、ティッシュを用意……ここまでの作業を40秒で終えた駿はふぅと息をついた。 「あぁ……どれにすっかなぁ……」 カチャカチャとマウスを動かし、データを選択する。一度、エロゲーなるものに手を出してみた駿。 もともとその気があったのか、どっぷりハマったが、いかんせん高価だ。所持しているエロゲーは数少ない。 最近はもっぱら金髪や銀髪の色っぽい英国産の魔法少女とネットから落とした女教師の裸体にお世話になっている。 (はぁはぁ…くっ…こいつのおっぱいとケツ…最高だよな) クリックを繰り返し、シコシコと自身の息子を扱いていく。 「はぁはぁ…んっ…やべ…そろそろ…」 下腹部からわき上がってくる放出感。 目を瞑り限界まで射精感に耐え、ティッシュを取ろうとその時 「うき」 デスクの下から動物の鳴き声が聞こえた。幾度と無くテレビでみたその動物、それは―――――― 「さ、猿!?…やべ…出ッ…うっ」 予期せぬ動物の出現にティシュを取る間もなく駿は眉を潜め、射精した。 どぴゅっどぴゅっとその精液が猿の顔に直撃し、二度、三度搾り出すと、駿はそのまま心地よい虚脱感に耽った。 「はぁ…はぁ…は…な、何で猿が……」 ふぅ~と息をつき、再度デスクの下を覗いた時、そこにいたのは猿ではない。 栗色の髪にシャツとショートパンツを着した女の子がいた。 「なっ?なっ?なっ?」 ぷるぷると震える女の子は開口一番こう言った。 「何でいきなりぶっかけるんだ!この変態!」 がぶっ! そして駿の脚におもいっきり噛みついた。 「………で、貴女様……は山の…か…神様って…ワケなんですか…」 ボロボロになりマウントポジションを取られたまま駿は答えた。 駿に噛みつき、ひっかき、殴打を繰り返したエンはそっぽを向いて答えた。 「そうだよ。今の説明でだいたいわかっただろ?ボクは山神、猿の神様」 「そ、その神様が俺に何の用ですか?」 「あれ?素直に信じてくれるんだ。割と抵抗があるかと思ったけど」 エンは駿の言葉に尻尾を立て、むふふっと満足気に言った。 「そ、そりゃぁ…まぁ」 と曖昧に答えた駿だが胸中ではこう呟いていた。 (んなワケねぇーだろ!つーかいきなり机の下に現れて、噛みつかれて、ボコボコにされて… ウソって言ったら何をされるかわかんねーし、翔子の友達か? 尻尾なんかつけやがってどう見ても単なる痛いアニオタだろ?) ちなみに翔子(しょうこ)とは駿の妹の名前だ。 「ボクの名前はエン。素直の信じた君には特別に手当てをしてあげよう」 「は…はぁ…」 エンが駿の胸に手をあて、何か難しい言葉を呟くとパッと目の前が光った。 「あ…え…き、傷が…な、治ってる?」 噛みつかれた跡、引っかかれた傷、殴打された跡、その他もろもろの傷が跡形もなく消えていた。 「ふふ~ん、すごいだろ。まだ傷むところある?」 「ホントだ、し、信じられねぇ…マ、マジ神様なのか?」 「………君さ、さっきボクが山神ってこと信じてるって言ったよね?」 「いえ、信じてます!信じてます!エン様は神様です!ハイ!」 「よろしい。では、このボクに供物を持ってきなさい」 「く、供物って………あ、あのォ…お金ですか?」 「お金?違うよ。食べ物、何でもいいから食べるものをあるだけ持ってきてよ。 力を使うとお腹が減っちゃうんだよね」 「はぁ…食べ物ですか…」 「まぁ…駿がいいなら君の脚とか腕とかでもいいけどォ?」 おどろおどろしくエンは言った。もちろん単なる脅しだが。今の駿には効果抜群であった。 「ハ、ハイッ!今すぐ用意させて頂きます!」 ダッシュで部屋から出て行った駿は5分と待たずにカップメンに惣菜パン、 夕食の残り物にお菓子、ペットボトルを満載した御盆をエンの前に差し出した。 「エ、エン様!ど、どーぞ、お召し上がり下さい!」 「はぐはぐはぐはぐッ!この煮物美味しいね、もぐもぐもぐもぐパンの間に肉と卵と野菜が 挟んである!なんて贅沢なんだ。これりんごのジュース?ぐびぐびぐびぐびぐびぐびぷはーッ! バリバリバリバリ、これジャガイモを揚げたお菓子?コクがあって、キレのある味!はむはむはむはむ この甘くて白いの美味しィ!いいな~いいなぁ~!人間は毎日こんな美味しいもの食べられるんだ!」 眼を輝かせて、エンはあっという間に献上された食べ物を平らげ、 最後にのこったシュークリームを堪能し、指についたクリームをなめ終えると 「まんぷくだ!幸せ~」 と言ってベッドに大の字で寝転んだ。その間、律義に正座して待っている駿。 「美味しかったよ、駿。ありがとね、じゃ、この後はお楽しみの時間だねぇ」 「お、お楽しみ…ですか?」 「もう、そんな律義な言い方は無し!普通の喋り方でいいよ、堅苦しいのはボク苦手なんだ」 「は、はぁ……で、でもエンさん、お楽しみって…な、何を…」 「もちろんエッチだよ。神様は食べ物と人間の精気が必要なんだよね、だから駿の精気ちょーだい」 「えっ…えっちって…そんないきなり!?」 「まだ童貞だよね?」 「え、お、俺の気持ちとかどうでもいいの?」 駿の気持ちなど全く関係なくエンは虎杖との対決に王手を掛けた気持ちでいた。 「はぁ?君さ、キンタマついてんの?ボクの顔にぶっかけといてそんな事言うんだ。 それとも賢者にでもなったつもり?誰でも…とは言わないけど、女の子のおっぱいとかお尻とかに興味ないの?」 「うぐ……そ、そりゃ…あるよ…」 図星をさされ、駿は思わず前屈みになった。 「それなら問題なし。ボクは神様だし、赤ちゃんも出来ないから中出しし放題だよ」 「な、中出しって…」 「ただし…ボクのここってとーっても気持ちがいいから病みつきになるよ?ヤリたいでしょ?」 エンはベッドの上で膝立ちになり、駿を誘うような眼で見た。 「………うっ…は、はい…」 「素直な子は好きだよ……ボクが昇天させてあげる」 エンは言うが早いかショートパンツと下着を脱ぐと駿の前で股を広げた。 くるくると揺れ動く尻尾を覗けば、そこにあるのは駿が初めて見る年頃の女性器。 「ほうら…どう?駿は本物の女の子の見たことないでしょ?」 「ち、ちっさいころ……い、妹のなら見たことあるけど、そんな感じだったかな?」 「ぬぅ…意外にも見てやがったか。まぁいいか、とりあえず上を脱いでよ」 駿の息子は既にギンギンに勃っていて、痛々しいくらいだった。 固さを確かめるとエンは上気した顔で言った。 「さぁ、挿れさせてあげる。ボクでいっぱい気持ちよくなってね」 エンはシャツを捲り上げ、薄い胸をさらけ出した。 そしてベッドにごろんと寝転ぶと、正上位で挿れやすい格好を取った。 駿もベッドの上に乗ると、スボンをすらして息子を扱きながらエンの足の間に腰を入れる。 「一回出したのに…元気が有り余ってるって感じ……狼みたいな眼してるね。ケダモノさんだ♪」 「えっと…じ、じゃあエン…さん」 「エンでいいよ。来て、駿」 エンは人差し指と中指で女性器を開き 駿は先端を筋の終わりに当てた。 「ふッ…んんッ……」 ぬぷッとした感覚のあと、先端が熱い内壁に呑み込まれた。 「あっ…ああ?うっ…んっ…はああっ」 そのまま体重をかけるとずぷっと熱いヒダヒダがぐにゅぐにゅとからみつきながら 最奥まで埋没していく。初めて味わう快感に駿は思わず声をあげた。 「んっ…結構、キツイなぁ……どう初めての女の子の中は?」 「あ……き、気持ち…いい、気持ちよすぎ…」 今にも先端から射精してしまいそうになるが、寸前のところで出ない。 イキそうでイカない…というよりイケない感覚の繰り返しだ。 もちろんエンが神通力をつかって射精を抑制いるのだが、駿はそんなことを知ろうよしもない。 エンの中に埋没させたまま、駿はしばらく動けないでいた。 「お、女の子のなかが…こ、こんなに……気持ちよすぎる…」 「あはっ、嬉しいな……動いていいよ………ゆっくりとね」 「ゆっくり?」 「早いと駿がすぐイっちゃうだろ」 駿は腰を動かし、ゆっくりとエンを突き上げる。 目の前にある小さなおっぱいの先端がぷっくりと勃っている。 駿は思わずそのおっぱいにむしゃぶりつくいた。 「ひゃ…そうやって舌で…もっと吸って…予習復習は毎日してるから大丈夫だね、上手だよ」 一心不乱におっぱいをしゃぶる駿の頭をよしよしと撫でてエンは言った。 「上になってあげる」 駿をベッドの中央に寝かせると、秘裂に先端にあてがい、腰を落とす。 「んあっ…し、駿のって大きいね…ボク壊れちゃうかも」 「あっ…あっエン、エン…」 駿はそのまま上下に腰を振り始めた。 「もっと、もっと乱暴にしていいよ」 「エ、エン…いっ、イきそう!で、出る」 「いっ、イってもいいよ…そのまま、そのまま中でイって! 濃いの、たくさんだして……ボクにいっぱい注いで」 駿の手がエンの腰を掴んだ。下から思いっきり突き上げる。 エンは脚を駿の腰の後ろに回し、がっちりと固めた。 「あっ…あっはんっ!いいよ、もっと、もっとして駿!」 「あっぐううエ、エン!エン!エン!」 身体を固定し、膣の一番奥で精を吐き出すために 駿はエンの尻を掴み、むにゅと指を食い込ませた。 「あっあんっあっお、も、もっとお尻に触って、おっぱいは小さいけど お、お尻にの肉付きはいいんだから…ねっ、ああっ!」 パンパンパンパンパンと激しく駿が腰を打ちつけだした。 遠慮のない、叩きつけるような突きにエンも思わず声を上げた。 激しく腰が打ちつけられ、二人の頭の中が真っ白になっていく。 「で、出る、出る、出るよ!エン」 「いい、いいよ!いっぱい、いっぱいちょうだい!ボクもイクッ!」 エンは駿が最後に奥深く突いた瞬間に、息子の禁を解いた。 「あっあああああっ!」 次の瞬間、駿の先端を裂く勢いでどぶッびゅるるるるっと大量の精液が放出された。 「んっんうううっ駿の…駿の熱い…熱いよォ!」 「ふっ…ふ…ああ…」 エンの上に折り重なり、駿は一滴も残すことなく放出した。 膣内ではまだ勃起したモノが精を断続的に吐き出し続けている。 「あ…ああ…エン…エン…ま、まだ出て…」 「ふふっ…これで童貞卒業だね…」 とエンが言い、駿の頬にキスした瞬間、部屋のドアが開かれた。 「なっ!?やばっ、鍵っ!?」 「お兄ちゃーん、あたしのシュークリーム知らない?さっき冷蔵庫開けて―――」 無遠慮に妹の翔子が入ってきた。そこにはベッドに横になる二人の男女が。 「―――た…あ…い…お、お邪魔っ!し、失礼だったじょ!」 真っ赤になり、めちゃくちゃに噛みながら部屋から飛び出し階段をドタドタと降りる妹。 あの様子では確実に母に言うだろう。 「ど、どう、どうしよ!エ、エン!?妹やお母さんにばれたらどうなるかわかんねぇーぞ!」 「だいじょーぶい♪ボクに任せろ」 そして1分も立たないうちに妹と母が入ってきた。 「お、お母さん!お、お兄ちゃんがね!お兄ちゃんがね!」 「ああ?本当なのか?おーい、駿、こんな遅くまで女の子を――――――」 興奮気味の妹に面倒くさそうな母が入ってきた。 努めて冷静に対応する駿、そして駿に抱かれている小さな動物。 「はぁ?女の子?何言ってんだよ翔子…コイツのどこが女の子に見えるんだよ?」 そこにいたのは可愛らしい小猿だった。 「あ、あれ?何で、どうして?さっき本当にいたんだよ!ねぇお母さん!」 必死に抗議する翔子だが、「あーあー、はいはい」と言って母はとりあわない。 それをみて、すかさず駿は言った。 「そんなに言うならクローゼットの中も開けて見て見ろよ」 隠れそうな場所を妹は手当たり次第空けて回るがどこにもいない。 「可愛い猿だね。ま、山も近くにあるし…駿を気に入ったのか? 翔子、お兄ちゃんの部屋あんまり荒らすんじゃないよ」 「納得いかないよ!…絶対、いたはずなのに……」 ぶつぶつと文句を言いながら翔子は部屋から出て行った。 翌日 「あんっ…んっ、お、起き抜けにって…はっ…こ、これで3回目だよ」 「ご、ごめん…で、でも我慢できなくて…ううッ」 「し、仕方ないなぁ~…はッ…朝勃ちをボクが鎮めてあげるよ、おっきさん」 駿が後ろに立ち、エンの腰を掴んでズッ、ズッと突き上げる。 「そ、そんな変なあだ名つけるな……うっ、で、出る!」 「ああっ…ま、また中で出して…もう…本当に駿はお尻が好きなんだね…変態さんだ~」 哀しいかな年頃の健全な男子の精力は半端ではない。 めでたく脱・童貞した駿はすっかりエンの虜になってしまった。 (うむむ…とりあえずボクの虜にしたけど…この後、虎杖さんの虜になったらダメだもんね。 どんな手を使ってくるんだ…駿の妹や母に化けて…いや、それはないか…となると友人に化けて? でも駿の部屋でエッチするなら妨害できるし…でも女の子の家だと…) 虎杖がどんな手を使って、駿を篭絡しにくるかわからない為、駿の部屋へと居候しているエン。 むむ~と思案していると、制服に着替えた駿が鞄を持った。 「じゃ、学校に行ってくるから」 「あ、駿、ボクしゅーくりーむが食べたい」 「シュークリーム?ああ、わかった。今日、帰りに買ってくるよ」 「ホント、嬉しい」 そう言ってエンに手を振り、地元の中学校へと通う駿。 田んぼの抜け道を通り、あぜ道を行く、通学路に出ると3人の男女が歩いてきた。 「おう、駿。おっはよーさん」 「ういっーっす、おっはー駿」 「佐伯君、おはよう」 三者三様の挨拶をしてくる。 名前を高峯 亮(とおる)、君島 祐子、佐久間  千種(ちぐさ)の三人だ。 ここに引っ越してきた時に友達になった面々であり、気の合う同級生だった。 「おはよう、亮、祐子、佐久間さん」 「駿~やけにツヤツヤしてないか?」 肩を組んできた亮がきょとんとしながら言ってくる。割と目敏い亮。 「クセェ、クセェ…駿から脱・童貞のニオイがするなぁ~ついに翔ちゃんと禁断の一線超えた?」 すかざす祐子がくんくんと鼻で嗅ぐ真似をしながら近づいてきた。 「んなワケないっしょ、相変わらずだね祐子は…」 かなりオープンな祐子、こっちは妹の翔子と仲が良い。 「もう、祐子ちゃん、朝から下品だよ」 やや困った顔をしながら千種が注意した。 上品な物言いの千種はこの辺りを取り仕切る地主、佐久間旅館のお嬢様だ。 「あーあー、駿の童貞はてっきり千種が奪うモンだと思ってたのになぁ。 そのスイカップの『乳房』で」 祐子は自分のおっぱいを寄せあげて、けらけら笑った。 「も、もう!祐子ちゃん!」 「ははははっ、そのくらいにしておけよ祐子、千種がおこると怖いぞ」 「あはは…ははは」 何とか笑って誤魔化す駿だが内心は冷や冷やしていた。 そして朝のホームルームが始まった。担任が出席をとった後、こういった。 「おはようございます。えー、先週から言っていた通り、今日から 教育実習の為に来た先生がこのクラスの授業を参観・研修します。 特に男子生徒は美人だからと言ってはしゃがないよーに」 担任がそういうとどっと笑いが起こった。ただ一人を除いて。 (は、はぁ?そんな事、先週言ってたっけ?) 不信に思った駿は隣の席の祐子に聞いてみた。 『先週、教育実習の先生が来るなんて言ってた?』 『何いってんだ?かなり美人な女が来るって男子共が騒いでいたじゃん』 祐子が「どうせ、実習の女子大生なんて都会でヤリまくってる雌豚だろーけど、ふん!」 と言って話を打ち切った為駿は仕方なしに前を向いた。 「では紹介します。大河さん、どうぞ」 「はい」 ガラッとドアを開け、大河と呼ばれた女性が入ってきた。 教室からおおっと言う声が上がった。長い髪に、眼鏡 すらっとした肢体に、豊満な胸、官能的な曲線美を描く腰に尻 まさに男の理想を詰め込んだような、絶世の美女だった。 そして一礼すると皆の方に向かってニコッと笑った。 「7日間、教育実習の為、お世話になります大河 梢(こずえ)です」 もう拍手大喝采に地鳴りを思わせるような歓声(男子と一部の女子)が上がった。 美人には違いないのだが、駿はどことなく違和感を感じていた。女性の頭部に何かがうっすらと見えるのだ。 「な、なぁ…祐子」 「けっ…雌豚が色目つかいやがって……って、あによ駿?」 「あの人の頭…な、何か犬の耳みたいなもの見えない?あとお尻から尻尾みたいなのも生えてるような」 「見えないわよ?駿、どうしたのさ……朝から何か様子がおかしいぜ。 熱でもあんの?それに耳とか、お尻がどうだとか…かなりマニアックね、駿は尻フェチ?」 「………ホント、その手の話が好きだな…あ、佐久間さん、ちょっと聞いてもいい?」 HRを終え、ワイワイガヤガヤと騒がしくなった教室内で駿は千種の席へ行った。 「ええ、どうかしたの?」 「あ、うん。今日から教育実習の先生が来るって話。先週、先生が言ってた?」 「ええ、言ってたわよ。美人な先生が来るって、みんなで騒いでたじゃない」   続

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