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「ぐっ…はぁっ」 「ほらほら、もうでそうかえ?でそうかえ?」 都から少し離れた寂れた邸宅で一組の男女が睦み合っていた、いや正確にいえば男が女に組み伏せられていた。 本来なら逆の立場なので事ももちろんだが、女の風体もこの珍妙な状況に拍車をかけていた。 まず狐のような獣耳を生やし、同じく狐のような尻尾も生やしていた。女は妖の類のモノ、化生の物だった。 「だ、だれが…」 「あ~ら、そう言って何度も我の中を穢していったかのぉ」 狐の女が腰をクイっと巧みに動かすと男はうぅっっと呻いた。 男は陰陽師の一族に連なるものである、この寂れた屋敷に化け狐が住み着いたとの噂を聞きつけ、腕試しに 調伏してやろうと挑みにいったが、結果は見事なまでの惨敗であった。のみならず、本来は食い殺されるで あろうところを狐の気まぐれか、今回のように組み伏せられ未だ女を知らぬ青い果実を摘み取られてしまっ たのだ。それから、その屈辱を果たすために幾度か挑戦しては組み伏せられ、精を搾取され続けている。 「主はこの動きにん…弱い…じゃったのぉ…」 「はぅぅっ、や、やめ」 狐の腰が淫らに動いた、これは何度も男を絶頂へと導いてきた狐の妙技ではあるがこれをすると狐も他人事で はないらしく、狐からも甘い声が漏れてくる。 「ただで…終われるかよ!」 「あ、ぬ、主。そこで動かれると…くぁぁっ」 いつもはそこで果ててしまうのであるが、負けてばかりはいられぬと男は歯を食いしばり。女狐の腰に手を 置くとそのまま腰を上に突き上げる。下はそれほど柔らかくないため動き自体は軽微なものであるが、効果 は抜群だったようで女狐は女らしい声をあげた。 「あ…んん…そうかや、まぁ今回は今までと比べると幾分ましであったからな。よし、好きな時に出させてやろう。  よっ…はんん…っ!」 「あっぐぅ!」 というと女狐は腰を深く落とした、男の肉棒が自分の奥深くを摩擦した事で雌としての快楽に酔いそうになるが、 すぐに我を取り戻し、男に抱きつくように背に腕を回し勢いよく横にたおれこんだ。その際に男が自分から離れぬ 様、足を男の尻に回し抱え込んだ。体位が騎乗位から正上位へと変化し、傍目から見ると男が女狐を犯しているか の様に見えた。 「な、何を…」 「こうすれば我は動けず主は動きたい放題じゃ、いつもは我の好きなように動きいかせてやってたからの。  今回は女の楽しみ方でも教えてやるわ」 「ふ、ふん、その手にはのらぬ。動かなければいいだけうむっ」 「そういいなさんな。楽しんだ方が得だえ…」 そういうと女狐は男の唇を奪った、男は拒もうと逃げようとするが狐の手により頭部を抑えられそのまま口腔内 を蹂躙された。 「ふ…ん…んん…はぁ…あむっ」 女狐の舌が妖しく動き、男の舌を絡めとっていく。そして、両者の口づけが終わり口を話すと唾液でできた 銀の橋が作られぷっつりと切れた。 「据え膳食わば男の恥ぞ…」 男の耳元で女狐が艶っぽくそうささやくと、もう若いこの陰陽師の男に抗う術はなかった。 「してやられたわ…、だがしかし今回こそ」 それから、2週間立ったころ。男は戦支度をしていた、あの女狐の元へ再度挑戦しにいくためである。 結局のところ、あの日は精が尽きるまであの狐を抱いていた。しかしながら、あの日を思い返す度に男は腹 の底がカッっとなり熱くなってきてしまう。いつもならばねっとりと女狐に体中を舐められ、あの狐の思い のままに精を吐き出させられていたが、あの日に限っては違っていた。 化生の物とはいえ柔らかい女の肌と肉の感触、弄びがいのある乳首、独特の舌の感触、そして交わした時に 得られる女の肉の味。それに加えて快楽に耐え、もしくは流される女狐の声と顔。 これらが思い出されたところで男は首を振った。 「いかんいかん、今日こそ…奴を」 「主様、お客です」 「なんぞ」 かたかたとからくり仕掛けのきゃたぴら音を響かせ、従者にしてある式神が客が来たとの報せを伝えにやってきた。 ちなみに、この式神の素体自体は友人のからくり職人に造ってもらった。段差があるところではきゃたぴらが人の 脚に変形するあたりなかなか高性能なやつである。 「客人、すまないが今日のところ…は」 「よう、その様子だと我の所に来るところだったか。いや、これは余計な手間だったか」 「貴様!、何の用できた!」 そこにはあの女狐がいた。 「いや、なんだ。その、いつものように争いにきたわけではない」 「なんだと!」 「主の子を孕んだようじゃ、責任をとってくりゃれ」 「何をいうか、そんな事」 「考えてみれば、主と睦み合う時はいつも主が我の中で果てておる。まぁ、一番怪しいのは先の睦みあい  であろうとは思うんだがの。とはいえ、どの道これからも中で果て続けるのであろうから変わりはないと」 「何をいっているんだ、そんな幻想俺がぶちのめしてやる!」 「やれやれ、仕方のないやつじゃのう」 と、女狐は男の胸に飛びかかりそのまま男の唇を奪った。 「んむ…ふむ…ちゅぅっ…それならば今ここで確かめてみるか?」 「ぬぅ…」 女狐は頬を染め、男に対し上目使いでそうのたまい男の胸もとに顔を擦り寄せ甘えて見せた。 男はどうしたらよいかわからず、とりあえず女狐の頭を優しく撫でて見せた。それは上質な絹のような 感触であった。

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