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ハブられた犬の話」(2008/08/07 (木) 00:18:18) の最新版変更点

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沖縄県では、ハブの被害は年間100件以上に上る。 これでも大分減った方で、昔は500件にも及んでいた。 ハブは7月に生殖期を迎えることもあって、 その前の5月、6月は活動が活発になり、その結果被害件数も増える。 ……そう、ちょうど今の時期だ。 鳴り響く電話の着信音に急かされ、私は受話器を取った。 「はい、もしもし……役場の方?  はい……はい、わかりました! すぐに行きます!」 私は電話にそう答えて、やや乱暴に受話器を置く。 そんな私の様子をいつの間にやら見ていたらしい私の『飼い犬』は、 クリクリとした大きな瞳で私を見ながら尋ねてきた。 「どうしたんですか? ご主人様ぁ?」 「ナナ、出番だ。ハブの被害があったらしい」 「わっかりましたぁ! それなら早く行きましょう、ご主人様!」 まるでこれから遊びに行くかのようにナナは目を輝かせて微笑む。 ……やれやれ、もう少し緊張感を持ってほしいものだ。 黒い耳と黒い尻尾、黒いショートカットの髪、 そして大きな目が特徴の彼女、ナナは、 私の飼い犬であると同時に、ハブ探索犬だ。 小さい頃から(といっても、今もまだ十分若いが)ハブの臭いを 覚えこませた甲斐があって、 被害のあった場所に連れていけば臭いを追跡して その住処までたちどころに突きとめてしまう。 まさに、どんな人間にも勝るハブハンター、それがナナだ。 そのため今回のように、役場からも時折ハブ駆除の依頼が来る。 そんなときは被害場所へ出向き、ナナが探索をして、私が捕獲する。 この役割分担で、今まで何匹ものハブを捕まえてきた。 ただ、経験を積むほど、 それに比例して「慣れ」と「油断」も起こりやすくなるもので……。 「ご、ご主人様ぁあああ?!! 大丈夫ですかぁ?!」 ハブを追跡して山に足を踏み入れた私は、 今、うっかり足を滑らせてしまい、崖下にいる。 崖……と言っても、それほど高いわけではなくて、 せいぜい身長の倍程度の高さのものだ。 とはいえ、落ち方がまずかったらしく、 ハブ捕獲用にと持ってきたハサミは折れ、 さらには右足を挫いてしまった。 そもそも山の中で生活しているハブならば、 大体において住み分けも出来ているし、 むしろ絶滅の危惧から捕獲すべきではない。 今回被害があったのは、 本当にたまたま野に出てきていただけなのだろう。 今更後悔しても遅いとはいえ、もっと冷静になるべきだった。 「ご主人様っ!!」 崖を降りてきたナナが、私の顔を心配そうに覗き込んでくる。 「ああ、平気だ、ナナ。それと、今回はもう帰ろう。  こんな山の中だし、道具も壊してしまったしね」 ちらりとハブ捕獲用のハサミを見る。 ハブを挟む部分が折れて使い物にならない上、 持ち手の竿の部分も真っ二つに折れてしまっている。 役所からの借り物なので少し申し訳ない気分だ。 もっとも、それ以上の問題として、 足を挫いたこの状態で帰らなければならないという困難を どう乗り越えたものか。 「あら、人間と犬がこんなところまで何の用かしら?」 その声は突然響いた。 声のした方向を見ると、そこには一人の女性が立っていた。 木々の間を通る風が、 彼女のダークブラウンの髪の毛をゆっくりと揺らす。 黒い瞳を縁取る黄金色の眼球が、 彼女が人間でないことを物語っていた。 彼女こそが、私とナナが先ほどまで探し回っていた生物、 『ハブ』だった。 彼女の鋭い眼が、まずナナを、続いて壊れたハサミを捕える。 「ふぅん……わざわざこんなところまで、  私たちを捕まえに来たわけね。  それにそこの犬……あなたたちが私の仲間を大勢捕えた  『人間と犬のペア』ね?」 スッ、と、彼女の眼が細まる。 その瞳は、ありありとわかるほどに憎しみをたたえていた。 私としては『大勢』と表現できるほど捕えた気はないのだが、 しかし彼女の瞳に気押され、思わず目を反らしてしまう。 「グルルルル……ウゥ……」 危険を察知してか、ナナはハブを睨みつけ威嚇するように唸る。 いや、彼女が現れた時点で、既に非常に危険な状態なのは明白だ。 道具が壊れている以上、ハブを安全に捕獲することは不可能。 おまけに私は右足を捻っていて逃げるのも絶望的。 頼みの綱はナナだが、それでもハブ相手ではせいぜい五分五分、 それに相打ちの危険も高い。 ナナもそれはわかっているのだろう。 普段の明るい様子は消え、 緊張がありありとわかるほどに耳と尻尾をピンと立てながら、 ハブとの距離を一歩ずつ詰めていく。 「グアアッ!!!!」 先に動いたのはナナだった。 咆哮を上げ、爪を構えて、一気にハブに飛び付く。 「くっ!」 ハブはすんでのところでそれを避ける。 ナナはハブからの反撃に備えて素早く構え直し―― 「あっ?!」 不意を突かれ、ナナは驚きの声を上げた。 ハブの向かってきた先は――私の方だった。 「もらったわ!」 ハブは牙をギラつかせ、私を見て嗤う。 元々距離もそれほどない、ハブはあっという間に私の元へ。 ……そこで、何故か突然ハブは横に跳んだ。 その行動の意味を考える前に、 ハブのすぐ後ろから全力で走ってきたナナが視界に飛び込んでくる。 「わ、わわっ!! ご主人さ……」 「うわっ?!!」 結果から言えば、見事な体当たりだった。 思い切り後ろの崖に頭をぶつけて、一瞬だけ意識が飛ぶ。 「づ……ぅう……」 「ご、ごめんなさい、ご主人様……ぁっ?」 意識を戻すと、目の前にはナナ。 そして、その首筋にキラリと光る牙が食い込んでいた。 「な……ナナ……」 ゆっくりとハブがナナの首から牙を抜く。 同時に、ナナは私にしなだれかかるように崩れ落ちた。 「おい、ナナ! しっかりしろっ!」 「ぁ、ぁ……は、ぁ……はぁ……」 ナナは私の体にもたれかかったまま、荒く息を付く。 無理もない、よりにもよって首を噛まれたのだから、 あっという間に全身に毒が回ってしまったのだろう。 ここままでは…… 「ふふっ、安心しなさい。別に死にはしないわ」 余裕の表情でこちらを見ながら、 ハブは私の不安を見透かしたかのように言った。 「どういうことだ?  ハブの毒が回れば人だろうと犬だろうと……」 「そうね、たしかにそれでも良かったんだけど、  それだけじゃ割に合わないわ。  捕えられた私の仲間の分、  あなたにはしっかり償ってもらわないと、ね?」 言いながら、ハブは自らの唇にゆっくりと舌を這わせる。 その艶っぽい仕草と瞳に、 何故だか私の中の本能的な何かが疼き、 背筋をゾクリと震わせる。 ハブは私の前までゆっくりと歩み寄った。 私はもはや蛇に睨まれた蛙状態で、 ハブの眼を見つめたまま何もできない。 ハブはぐったりとしたナナを押しのけると、 代わって私に圧し掛かった。 噛まれる――その私の予想に反し、 ハブはその長い舌を私の唇の間に差し入れて 強引に私の口を開けさせ、 そのまま私の口内に舌を這わせた。 説明しながら、ハブは自分のズボンを下ろした。 黒いショーツが露わになり、 思わず視線がそれに釘付けになってしまう。 「ふふっ、何見てるの?  ひょっとして私にコレを挿れてみたいのかしら?」 ハブは妖艶に微笑むと、私のモノをズボンから取り出し、 優しく上下に撫で扱いてきた。 「ぅ……ぅあっ……くっ……!」 ハブの毒の効果は思った以上に強く、 それだけで全身が震え、射精しそうになってしまう。 耐えるのに精一杯で、 恥ずかしさを感じる余裕も 状況の異常さを考える余裕もない。 「ふふっ、まるで童貞の小学生ね。  たくさん感じさせてあげるから、  その分たくさん注ぎ込んでもらうわよ?」 ハブはそっとショーツをずらすと、 手で私のモノを持ち、ゆっくりと腰を沈めてきた。 「あっ……ふぅ……んっ……」 「うっ?! うあっ……ああっ!」 ハブの中がまだ十分に濡れていないためか、 すんなりとは入らず膣壁とモノが強く擦れる。 ハブにとっても私にとっても痛みを伴う挿入行為だが、 異常に敏感になった射精寸前の私のモノには それすら過剰な快感となってしまう。 「くっ、ぅ……っ!!!」 ドビュ、ビュルルルルル、ビュルルル、ビュク、ビュッ―――― 私は半ばまで挿れられたところで、 耐えきれず精液を吐き出してしまった。 結合部の間から、白濁した液体がボタリ、ボタリとこぼれ落ちる。 「ぁん……あったかい……。んんっ!」 ハブは恍惚とした表情で私の出した精液を受けとめながら、 それを潤滑油代わりにして一気に最後まで腰を落とした。 「どうして、くぅっ、こんなこと、を……?」 ハブの膣壁が与える快感に思考を奪われそうになりながらも、 かろうじて尋ねる。 このハブは私を恨んでいたはずだ。 それがどうしてこんな状況になっているのかさっぱりわからない。 「どうしてって? そんなのさっき言ったでしょう?  捕えられた私の仲間の分償ってもらうって」 「え?」 「あなたたちのせいで、仲間がたくさん減ったわ。  特に……男がね。  おかげでこの時期なのに男が見つからなくて、  このままだと子供が産めないのよ」 言いながら、ハブはゆっくりと腰を上下に動かし始めた。 「う……ぁあっ」 膣壁がうねり、絡みつき、すぐにでも再び精液を搾り出そうと蠢く。 たとえ毒がなかったとしても、正直耐えられる気がしない。 「だから、ぁんっ、あなたの精で償ってもらうの。  あなたが、んっ、捕えた仲間の分だけ、  ううん、その十倍以上の子を、はぁっ、産んでやるわ!」 そう言い終えた途端、ハブの腰使いが激しくなる。 「くっ……ぅううっ!!」 それに耐えられるはずもなく、私は再びハブの中に、 叩きつけるように精液を放出してしまう。 「さあ、まだまだよ。  どんなに運が悪くても100%孕むくらいに、  たっぷりと注ぎ込んでもらわないとね」 そう言うと、ハブは私の首に牙を立て、そっと噛み付いた。 さらに毒を流し込まれた私の体は、 モノを萎えさせることもできず、 再び訪れる射精の瞬間を心待ちにする他なかった。 づ つ く。
沖縄県では、ハブの被害は年間100件以上に上る。 これでも大分減った方で、昔は500件にも及んでいた。 ハブは7月に生殖期を迎えることもあって、 その前の5月、6月は活動が活発になり、その結果被害件数も増える。 ……そう、ちょうど今の時期だ。 鳴り響く電話の着信音に急かされ、私は受話器を取った。 「はい、もしもし……役場の方?  はい……はい、わかりました! すぐに行きます!」 私は電話にそう答えて、やや乱暴に受話器を置く。 そんな私の様子をいつの間にやら見ていたらしい私の『飼い犬』は、 クリクリとした大きな瞳で私を見ながら尋ねてきた。 「どうしたんですか? ご主人様ぁ?」 「ナナ、出番だ。ハブの被害があったらしい」 「わっかりましたぁ! それなら早く行きましょう、ご主人様!」 まるでこれから遊びに行くかのようにナナは目を輝かせて微笑む。 ……やれやれ、もう少し緊張感を持ってほしいものだ。 黒い耳と黒い尻尾、黒いショートカットの髪、 そして大きな目が特徴の彼女、ナナは、 私の飼い犬であると同時に、ハブ探索犬だ。 小さい頃から(といっても、今もまだ十分若いが)ハブの臭いを 覚えこませた甲斐があって、 被害のあった場所に連れていけば臭いを追跡して その住処までたちどころに突きとめてしまう。 まさに、どんな人間にも勝るハブハンター、それがナナだ。 そのため今回のように、役場からも時折ハブ駆除の依頼が来る。 そんなときは被害場所へ出向き、ナナが探索をして、私が捕獲する。 この役割分担で、今まで何匹ものハブを捕まえてきた。 ただ、経験を積むほど、 それに比例して「慣れ」と「油断」も起こりやすくなるもので……。 「ご、ご主人様ぁあああ?!! 大丈夫ですかぁ?!」 ハブを追跡して山に足を踏み入れた私は、 今、うっかり足を滑らせてしまい、崖下にいる。 崖……と言っても、それほど高いわけではなくて、 せいぜい身長の倍程度の高さのものだ。 とはいえ、落ち方がまずかったらしく、 ハブ捕獲用にと持ってきたハサミは折れ、 さらには右足を挫いてしまった。 そもそも山の中で生活しているハブならば、 大体において住み分けも出来ているし、 むしろ絶滅の危惧から捕獲すべきではない。 今回被害があったのは、 本当にたまたま野に出てきていただけなのだろう。 今更後悔しても遅いとはいえ、もっと冷静になるべきだった。 「ご主人様っ!!」 崖を降りてきたナナが、私の顔を心配そうに覗き込んでくる。 「ああ、平気だ、ナナ。それと、今回はもう帰ろう。  こんな山の中だし、道具も壊してしまったしね」 ちらりとハブ捕獲用のハサミを見る。 ハブを挟む部分が折れて使い物にならない上、 持ち手の竿の部分も真っ二つに折れてしまっている。 役所からの借り物なので少し申し訳ない気分だ。 もっとも、それ以上の問題として、 足を挫いたこの状態で帰らなければならないという困難を どう乗り越えたものか。 「あら、人間と犬がこんなところまで何の用かしら?」 その声は突然響いた。 声のした方向を見ると、そこには一人の女性が立っていた。 木々の間を通る風が、 彼女のダークブラウンの髪の毛をゆっくりと揺らす。 黒い瞳を縁取る黄金色の眼球が、 彼女が人間でないことを物語っていた。 彼女こそが、私とナナが先ほどまで探し回っていた生物、 『ハブ』だった。 彼女の鋭い眼が、まずナナを、続いて壊れたハサミを捕える。 「ふぅん……わざわざこんなところまで、  私たちを捕まえに来たわけね。  それにそこの犬……あなたたちが私の仲間を大勢捕えた  『人間と犬のペア』ね?」 スッ、と、彼女の眼が細まる。 その瞳は、ありありとわかるほどに憎しみをたたえていた。 私としては『大勢』と表現できるほど捕えた気はないのだが、 しかし彼女の瞳に気押され、思わず目を反らしてしまう。 「グルルルル……ウゥ……」 危険を察知してか、ナナはハブを睨みつけ威嚇するように唸る。 いや、彼女が現れた時点で、既に非常に危険な状態なのは明白だ。 道具が壊れている以上、ハブを安全に捕獲することは不可能。 おまけに私は右足を捻っていて逃げるのも絶望的。 頼みの綱はナナだが、それでもハブ相手ではせいぜい五分五分、 それに相打ちの危険も高い。 ナナもそれはわかっているのだろう。 普段の明るい様子は消え、 緊張がありありとわかるほどに耳と尻尾をピンと立てながら、 ハブとの距離を一歩ずつ詰めていく。 「グアアッ!!!!」 先に動いたのはナナだった。 咆哮を上げ、爪を構えて、一気にハブに飛び付く。 「くっ!」 ハブはすんでのところでそれを避ける。 ナナはハブからの反撃に備えて素早く構え直し―― 「あっ?!」 不意を突かれ、ナナは驚きの声を上げた。 ハブの向かってきた先は――私の方だった。 「もらったわ!」 ハブは牙をギラつかせ、私を見て嗤う。 元々距離もそれほどない、ハブはあっという間に私の元へ。 ……そこで、何故か突然ハブは横に跳んだ。 その行動の意味を考える前に、 ハブのすぐ後ろから全力で走ってきたナナが視界に飛び込んでくる。 「わ、わわっ!! ご主人さ……」 「うわっ?!!」 結果から言えば、見事な体当たりだった。 思い切り後ろの崖に頭をぶつけて、一瞬だけ意識が飛ぶ。 「づ……ぅう……」 「ご、ごめんなさい、ご主人様……ぁっ?」 意識を戻すと、目の前にはナナ。 そして、その首筋にキラリと光る牙が食い込んでいた。 「な……ナナ……」 ゆっくりとハブがナナの首から牙を抜く。 同時に、ナナは私にしなだれかかるように崩れ落ちた。 「おい、ナナ! しっかりしろっ!」 「ぁ、ぁ……は、ぁ……はぁ……」 ナナは私の体にもたれかかったまま、荒く息を付く。 無理もない、よりにもよって首を噛まれたのだから、 あっという間に全身に毒が回ってしまったのだろう。 ここままでは…… 「ふふっ、安心しなさい。別に死にはしないわ」 余裕の表情でこちらを見ながら、 ハブは私の不安を見透かしたかのように言った。 「どういうことだ?  ハブの毒が回れば人だろうと犬だろうと……」 「そうね、たしかにそれでも良かったんだけど、  それだけじゃ割に合わないわ。  捕えられた私の仲間の分、  あなたにはしっかり償ってもらわないと、ね?」 言いながら、ハブは自らの唇にゆっくりと舌を這わせる。 その艶っぽい仕草と瞳に、 何故だか私の中の本能的な何かが疼き、 背筋をゾクリと震わせる。 ハブは私の前までゆっくりと歩み寄った。 私はもはや蛇に睨まれた蛙状態で、 ハブの眼を見つめたまま何もできない。 ハブはぐったりとしたナナを押しのけると、 代わって私に圧し掛かった。 噛まれる――その私の予想に反し、 ハブはその長い舌を私の唇の間に差し入れて 強引に私の口を開けさせ、 そのまま私の口内に舌を這わせた。 説明しながら、ハブは自分のズボンを下ろした。 黒いショーツが露わになり、 思わず視線がそれに釘付けになってしまう。 「ふふっ、何見てるの?  ひょっとして私にコレを挿れてみたいのかしら?」 ハブは妖艶に微笑むと、私のモノをズボンから取り出し、 優しく上下に撫で扱いてきた。 「ぅ……ぅあっ……くっ……!」 ハブの毒の効果は思った以上に強く、 それだけで全身が震え、射精しそうになってしまう。 耐えるのに精一杯で、 恥ずかしさを感じる余裕も 状況の異常さを考える余裕もない。 「ふふっ、まるで童貞の小学生ね。  たくさん感じさせてあげるから、  その分たくさん注ぎ込んでもらうわよ?」 ハブはそっとショーツをずらすと、 手で私のモノを持ち、ゆっくりと腰を沈めてきた。 「あっ……ふぅ……んっ……」 「うっ?! うあっ……ああっ!」 ハブの中がまだ十分に濡れていないためか、 すんなりとは入らず膣壁とモノが強く擦れる。 ハブにとっても私にとっても痛みを伴う挿入行為だが、 異常に敏感になった射精寸前の私のモノには それすら過剰な快感となってしまう。 「くっ、ぅ……っ!!!」 ドビュ、ビュルルルルル、ビュルルル、ビュク、ビュッ―――― 私は半ばまで挿れられたところで、 耐えきれず精液を吐き出してしまった。 結合部の間から、白濁した液体がボタリ、ボタリとこぼれ落ちる。 「ぁん……あったかい……。んんっ!」 ハブは恍惚とした表情で私の出した精液を受けとめながら、 それを潤滑油代わりにして一気に最後まで腰を落とした。 「どうして、くぅっ、こんなこと、を……?」 ハブの膣壁が与える快感に思考を奪われそうになりながらも、 かろうじて尋ねる。 このハブは私を恨んでいたはずだ。 それがどうしてこんな状況になっているのかさっぱりわからない。 「どうしてって? そんなのさっき言ったでしょう?  捕えられた私の仲間の分償ってもらうって」 「え?」 「あなたたちのせいで、仲間がたくさん減ったわ。  特に……男がね。  おかげでこの時期なのに男が見つからなくて、  このままだと子供が産めないのよ」 言いながら、ハブはゆっくりと腰を上下に動かし始めた。 「う……ぁあっ」 膣壁がうねり、絡みつき、すぐにでも再び精液を搾り出そうと蠢く。 たとえ毒がなかったとしても、正直耐えられる気がしない。 「だから、ぁんっ、あなたの精で償ってもらうの。  あなたが、んっ、捕えた仲間の分だけ、  ううん、その十倍以上の子を、はぁっ、産んでやるわ!」 そう言い終えた途端、ハブの腰使いが激しくなる。 「くっ……ぅううっ!!」 それに耐えられるはずもなく、私は再びハブの中に、 叩きつけるように精液を放出してしまう。 「さあ、まだまだよ。  どんなに運が悪くても100%孕むくらいに、  たっぷりと注ぎ込んでもらわないとね」 そう言うと、ハブは私の首に牙を立て、そっと噛み付いた。 さらに毒を流し込まれた私の体は、 モノを萎えさせることもできず、 再び訪れる射精の瞬間を心待ちにする他なかった。 と、そのとき、ハブとは異なる甘い鳴き声が横から聞こえた。 「ク……ウゥ……ン」 何事かと思い、快感に震えながら鳴き声の方をみると、 そこにはナナの顔があった。 正直言って、振り向き確認するまで、 その甘い鳴き声がナナのものだとわからなかった。 それほどまでに、今のナナは、乱れていた。 トロンとした瞳でこちらを見つめ、 舌を出して息を荒げ、開いた口の端からは唾液が滴り落ち、 右手は自らの秘所を弄び、 流れ出る愛液は既に服に大きなシミを作っていた。 「ハッ、ハッ、ハッ、ァッ、ハァッ……」 当然と言えば当然だった。 私同様ナナも、ハブに噛まれたときに 『もう一つの毒』をその身に流し込まれたのだから。 だが、そんなことを考えるよりも何よりも先に、 私は……そのナナの痴態に見とれてしまった。 たとえ発情期であろうとも、 主人である私には決して乱れた場面は見せないナナ。 それが、こうして今、恥も外聞もなく痴態を晒している。 「ァッ、ハァッ……み、見ない、で、ご主人様、ハァッ……」 私に見られたことでわずかに正気を取り戻したのか、 快楽に流されながらもナナは恥ずかしげに顔を歪める。 ただでさえ毒とハブの膣の感触に浸されていた私は、 その表情に耐えきれずに、 もう早三度目となる精液をハブの中へと放ってしまった。 「く、ぅっ!!」 「あんっ!  ……へぇ、まさかこの子を見ただけで出しちゃうなんてね。  そんなにもこの子が可愛いの?」 ハブは妖艶な、それでいて見下すような視線で私を射抜く。 「……」 狙いがわからず、私は呼吸を整えながらただ沈黙するしかない。 肩口に柔らかい感触を感じた。 確認するまでもなく、それは私に擦り寄ってきたナナの肌だ。 耳のすぐそばでナナの呼吸を感じる。 「私に代わって、今度はこの子とさせてあげる」 ハブの唐突な言葉の意味が理解できず、私は少しの間固まる。 構わず、ハブは今度はナナの耳元に口を寄せる。 「ね、あなたの方も我慢の限界でしょう?  あなたの『ご主人様』としてみない?」 「ハッ、ハァッ、ァウン……?」 私はようやく言葉の意味だけはどうにか理解し、ナナの方を見る。 眼が合った。 正気の状態のナナなら、今からでもハブを攻撃し、 何としても私を逃がそうとするだろう。 しかし、毒のせいですっかり快楽に染められたナナは、 ただ熱に浮かされた瞳で私を見つめるだけだった。 「さ、こっちにいらっしゃい。……んっ!」 グチュッ、と音を立てて、ハブの秘部から私のモノが引き抜かれる。 その快感だけで、今の私は喘ぎを漏らしそうになってしまう。 「ご主人っ、さま、ぁっ、ハァッ……」 ナナは誘われるまま、ハブがどくなりすぐに私に圧し掛かった。 さきほどまでわずかに残っていた理性の光も、 今のナナには見られなかった。 ハブはナナの後ろに回り込み、 私のモノを手で掴んで、ナナの秘所にあてがった。 「さあ、挿れてあげる。そう……そのまま腰を落としなさい」 ナナはハブの導くまま、従順に、焦るように私のモノを飲み込んだ。 「アアアアアッ!」 「んっ、く……!」 ナナの中は、ハブとはまた違った締め付け方で私のモノを悦ばせる。 何より、乱れたナナの表情がすぐ目の前にあることが私の興奮を誘った。 「ンァアッ?!!」 ナナの突然の喘ぎに何事かと見ると、 ハブの指がナナの淫核を弄っていた。 既に毒と自慰で十二分に高まっていたナナは それに耐えられなかったのだろう、 膣壁が痛いほどに締め付けてきて―― 「ぅぐ……っ!」 「ァアアアァアア――――!!」 ナナと私が達するのは同時だった。 既にハブの中に何度も出しているにもかかわらず、 私のモノは激しく、そして何度も脈打つ。 ナナはといえば、後ろからハブに抱きしめられるようにしながら、 背筋を反らせ、ガクガクと身体を震わせた。 「さてと、念のためもう少し毒を入れておこうかしら?」 ハブは、未だ絶頂の余韻を残すナナの、 最初噛んだ方とは逆側の首筋に牙を立てる。 「ァッ……アッ……ゥッ……」 今や、ナナは完全にハブの為すがままだった。 今のナナの主人は私ではなく、間違いなくハブだ―― 強い脱力感と、未だ治まらない熱の中で、私はふとそんなことを思った。 「ふぅっ……さあ、もっとあなたの『ご主人様』が欲しいでしょう?  好きなだけ感じ合っていいのよ、子犬ちゃん?」 「ア、アア……アアアッ!」 ナナが私の上で狂ったように腰を動かし始める。 そのまま私はナナの胎内に、何度も精液を吐き出すのだった……。 「アアッ、ふぁ……アンッ、アァッ」 あれからしばらく経った。 今、私の上ではナナが狂ったように咆哮を上げながら 腰を振り続けている。 少しハブの毒が弱まってきたのか、ナナはともかく、 私の方は何とかまともな思考をできるようになってきた。 「ァ、ハッ、ァアン、ハッ……アンッ!」 ふと気付くと、さっきまでいたはずのハブが何故か見当たらない。 理由はわからない。 しかし、おそらく今は逃げ出すチャンスなのだろう。 異常なほどにダルい体に鞭打って、なんとか上半身を起こす。 「ァウ……ン?」 「ナナ、正気に戻ってくれ……。  ハブのいない今のうちに逃げるぞ」 気付けば右足も完全ではないが、 どうにか動かせる程度には回復していた。 さっきまでの行為のせいで頭はだいぶグラグラするが、 逃げられないことは―― 「ほら、こっちよ」 希望を持ち掛けたところで、先ほどのハブの声がする。 おまけに、なんだか異様に足音が多い気が…… 「ふふっ、ただいま。  次は仲間のみんなにも子種を注いで頂戴ね」 「へぇ……これが私の仲間たちの仇ね」 「ふ~ん、まだ起き上がれる程度の元気はあるんだ~?  じゃ、まだまだ出せそうだね♪」 「順番は……どうする……?」 「揉めるのも嫌だし、若い順でいいんじゃない?  若い子の方が元気な子をたくさん産めるだろうし」 ああ、そういえばゴキブリじゃないけれど、 ハブは一匹見かけたら近くに数匹はいると思え、という。 ハブが私との交わりを譲ってまでナナをあてがったのは、 こうして仲間を呼びに行くためだったのか……。 何ともいえない絶望感と共に、 私は未だ正気を取り戻すこともなく上で動き続けるナナの中に、 今日何度目とも知れない精を吐き出すのだった。 でめたしでめたし。

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