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砂漠の猛者」(2007/07/23 (月) 00:07:23) の最新版変更点

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 ――空気を貫く音が、耳の真横を通過する。 「うおッ!」  瞬間、閃光のような一撃が一瞬前まで脇腹のあった位置を貫いた。  反撃とばかりに剣を繰り出す。相手は突き出した得物――槍を旋回させ、難なく一撃を防いだ。  刹那、またしても空気を貫く音。 「ちぃッ!」  勘と予測で盾を押し出し、次の瞬間には火花が散る。  凄まじい速度で打ち出された「尾」が、間一髪で盾に弾かれた。 「やりにくい……!」  後ろに跳んで距離を取る。  奴は追撃せずに、優雅に槍を旋回。構え直した。  同時に尾が引き戻され、その背後で奇妙に踊る。 「流石は歴戦の傭兵と賞されるだけはありますね。私の攻撃をここまで往なし切ったのは貴方が初めてです」 「へっ、言ってろ」  奴が初めて口を開く。  その丁寧な口調に皮肉を込めて言葉を返すと、奴は素直な感嘆の言葉を返して来る。 「誇張ではありません。もう一度言いますが、私の攻撃をそこまで往なし切ったのは貴方が初めてです」 「そりゃどうも」  言いながら、互いに距離を計る。 「こんな状況で無ければ、求婚したい所なのですが」 「お断りだ。蠍女と付き合う趣味はない」 「残念です」  ――今!  そう判断し、乾いた砂を蹴る。  即座に反応、振るわれた尾を盾で打ち払い、更に距離を詰める。  正面からの槍の一撃を剣で逸らし、空いた隙間に盾を突き出した。  重い衝撃があって、奴の身体が僅かにたたらを踏む。  踏み込んだ砂が散って舞い、俺の視界の端で輝いた。 「貰った!」  剣を旋回させる。  渾身の力を込めて振るった剣が弧を描き、奴の胸元に到達する。  ――浅いか!?  硬質な音を立てて、剣先が奴の黒い甲殻に弾かれる。  ならば首を、と即座に水平へ放った一撃は、奴の短く切り揃えられた金髪を掠めるに止まった。  致命的な一瞬。  それでも俺は半ば無理矢理に動かした盾で槍を払い―― 「――ぐあッ!」  ――俺の背後に回り込んだ尾の、その先端にある針が、俺の右足に打ち込まれた。  壮絶な痛みに襲われながらも、何とか奴と距離を離す。  だが、砂に右足を着いた瞬間……俺は崩れ落ちるように座り込む羽目になり、思い切り尻餅を着いてしまった。 「くそッ!」  悪態を吐いて右足を見遣る。  丈夫なパンツを切り裂いて腿に到達したらしい針の先端が、一文字の切り傷を作っていた。 「終わりですね」  俺の視界を影が覆う。  見上げれば、奴の顔が手に届く距離にあった。  端正な顔。  このクソ暑い砂漠の中、あれだけ闘って平然としてやがる。 「……そーみたいだな」  いい闘いだった。  文句の一つも出ない。 「ったく、アンタが相手だと分かってれば、フルプレートぐらい着込んで来たんだが」 「だからこその砂漠ですが」 「ちげぇねェ」  下半身全体が痺れ、肉体の制御を離れていく感覚を覚えながら、俺は笑った。 「――で、どうするよ? 個人的には一思いにヤってくれる方が嬉しいんだが。自分の毒に自信があるなら放置でもいいぞ?」 「抵抗しないのですか?」 「足が動かないのに剣で槍にか? アホらしい」  俺が剣を投げ捨てると、奴は、ふむ、と考え込む様子を見せる。 「――では、勝者の権利というモノを実行します」  そう言って、奴は尾を伸ばし、俺の胴を絡め取った。 「? 何をする気だ?」 「ですから勝者の権利を――分かり易く言うと、貴方を犯す事にします」 「はぁ!?」  俺の頭が少しばかり混乱している間に、奴はどんどんと俺の身体を引き摺って行く。 「待て待て!」 「なんでしょうか?」 「訳が分からん! お前、そういう趣味なのか!?」 「そういう趣味というのがどういう趣味を指すのかはよく分かりませんが」  そうこう言い合っている内に、俺は砂丘の影まで連行されてしまった。 「強いて言うならば、母性本能というモノです」 「母性って…… それはアレか、俺が子供っぽいという事か!?」 「違います。私が言うのは、種族生存上の母性本能の事です」 「……なんだそりゃ」 「より強い子孫を残す為に、より強い相手の精を受ける、という事です」  奴は拘束を解き、俺の身体に手を掛ける。 「貴方は強い。貴方とならば――より良い子孫を成す事が出来るでしょう」 「んっ、ふ、ちゅ…… れろ、ふぅ」 「く、うぉ……」  人間と寸前違わない舌が、肉棒を這い回る。  蠍女は男の肉棒を露出させ、舌をそこに這わしていた。 「ふ、ん…… はぁ、だいぶ大きくなりましたね」 「う、うるせぇ」  金の髪を掻き上げながら、男の肉棒を頬張る。  その根元に手を添えて睾丸を撫でると、肉棒はたちまち硬くなり、その長さと太さを増した。 「ん…… これは、顎が疲れそうです」 「く……」  男が屈辱の声を上げると、彼女は上目遣いで見上げ、 「抵抗はしないようお願いします。約束を違える男は嫌いですので」  そう言い、毒針を先端に光らせる尾を背中で揺らした。  そして視線を戻す。 「ん、ちゅ、ふ、れろ……」 「く、あ……!」  男の手が所在なく砂を掴む。 「ぐ……! 出るっ……!」 「いいですよ。出して下さい」  蠍女は表情を変えずにそう答え、口の奥深くまで肉棒を咥え込んだ。  瞬間、口内で精が爆発する。 「ん……っ!」 「ぐ、おっ……!」  どくどく、という脈動の音が蠍女の口内で響く。  溢れかえる白濁を、やはり彼女は顔色一つ変えずに、こくこくと飲み干した。 「ふぅ…… 美味でした」  息一つ吐いて、彼女は肉棒から唇を離す。  つぅ、と唾液か精か分からぬ液が糸を引き、垂れた。 「では次は――」  荒い息を吐く男の前で立ち上がり、黒い甲殻に覆われた恥丘に両手を当て、左右に割り開いた。  黒い甲殻のその隙間から、鮮やかなサーモンピンクの胎が姿を覗かせる。 「こちらに子種を注いで頂きます」 「ぐ…… 待てって! 蠍とヤる趣味はねーんだよ、マジで!」 「往生際が悪いですよ」  彼女が腰を下ろす。  一度射精しても僅かにしか硬さを失っていない肉棒のその先端が、彼女の陰唇部分の甲殻にこつこつと当たる。 「では、頂きます」  狙いを定め、蠍女は勢いよく腰を沈めた。 「……っ!」 「ぐっ、あ……!?」  初めて彼女の表情が僅かに歪む。  新鮮な肉塊に無理矢理肉棒を突き刺したような、奇妙で甘美な感覚を覚えながら、男は呻き声を上げた。 「っ…… 入りました、ね」  彼女の声に男が視線を戻す。  恥丘の黒い甲殻の隙間をこじ開けるように肉棒が突き刺さり、赤く滲んだその隙間から血が筋を作っていた。  痛みの所為か、彼女はその身体を小さく痙攣させ、口を真一文字に結んでいる。  まるで、彼女の身体を肉の槍が貫通したかのようだった。 「動き、ますよ」  男が言葉を発する前に、蠍女は腰を振った。  血を潤滑油にして、ぐちゃぐちゃ、と肉槍が彼女の甲殻を貫いていく。  同時に男を襲う、凄まじい締め付けと快楽。 「ふ、あ……! く、あ……っ!」 「く、ぐぉ……!」  速度が上がり、血と先走りと愛液の混合液が互いの下腹に散る。  次第に、強い摩擦による痛みが男を襲う。  だが、その痛みを訴える暇が無い程、それ以上の快楽が襲ってくる。 「は……! くっ、おぉ……っ!」 「どう、です? そろそろ、イきますか?」  男の脳に響く、重い水音。  それが極上の毒となって、脳をも犯していく。 「ぐ、ううぅっ……! で、出るッ……! イくぞッ……!」 「たっぷりと、出して下さい。私がッ、少しでも、孕めるように……ッ!」 「う、おおおおおッ!」  どくり、と脈動の音が胎内で響く。  多量の白濁が彼女の胎を染め上げ、血と混じり合いながら逆流する。 「っ…… ご馳走さまでした」  んっ、と艶めかしい息を吐いて、彼女が肉槍を胎から引き抜く。  黒い甲殻は何事も無かったかのように抉られていた隙間を埋め――しかし、僅かにピンク色の液を滲ませていた。 「っ、は…… 畜生、屈辱だ」  男は荒い息を吐き、上体を砂に投げ出した。  気付けば、足の感覚が僅かに戻ってきている。 「あと少しばかりで歩けるようになるでしょう。そこから先は貴方の判断です」 「ああ…… 畜生」  蠍女はゆっくりと踵を返し、砂に突き立てた槍を引き抜いて払った。 「また相見える事もあるでしょう。その時は――今日の逆になるといいですね」 「ああ…… 絶対に泣かせてやるからな」 「楽しみにしています」  小さく笑った気配と共に、彼女は歩みを進める。  男が手を上げると、彼女は振り返らずに、その尾で応え――砂の向こうに姿を消した。

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