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身たしなみ…よし。耳と尻尾の毛並みは…よし。笑顔は…うん、ばっちり♪ あ、午前7時だ!よーし! ご主人様の部屋の戸を開け放って声をかける。 「ご主人様!おはようございます!今日はとってもいい天気ですよ! さあ起きてください♪」 ―――うーん、あと少しだけ。 「もう。昨日も一昨日も同じ事を言ってますよ! 早く起きないと遅刻ですよ!」 ご主人様のベッドを揺さぶるがまるで反応がない。ほんとに寝坊助なんですから…。 「制服はここに置いておきますね。着替えて早くきて下さいね! 今日の朝ご飯は目玉焼きですからね~。」 きれいに畳んだ制服をベッドの脇に置いておく。窓の外は春の陽気でいっぱいだ。 昔も、今も、これからも。 “緊張状態の続く合衆国と共和国連邦ですが、本会議にて両国の譲歩が…”ピッ 「ご主人様、ご飯の時はテレビはめっ!です。」 ―――もう、ミィは猫属性なのにマナーに厳しすぎるよ~。僕の家だけだよ?こんなの…。 テレビを消されたご主人様が愚痴をこぼすけど、これもご主人様の為と思えばのことです! パタパタとご主人様を高校に送り出し、一息つく。今日は天気がいいから…午後からお布団干そうっと♪ お洗濯…おっけー!晩御飯の仕込み…おっけー! うーん、あとは…あっ、いけない!お布団干さなきゃ! 時計を見るとちょうど14時を回った所で、ご主人様が帰ってくる頃だ。 足音が近づき、いつものように玄関からドアの音がした。 ―――ただいま~。 「あら?ご主人様…今日はどうされましたか?」 ―――うん、なんか四時間目が終わったあと学校の先生から臨時休校って言われたんだよ。 「あら、それは変ですね…」 ―――なにか手伝うこと、ある? 「手伝うことでしたら…そうですね、晩の食材を買ってきて下さいませんか?」 買い物のメモを渡すとご主人様は制服姿のまま元気よく駆けていき、私は笑顔で見送った。 ドアを開けてご主人様の部屋に入る。私はこの部屋が好きだ…朽ちた本棚も、ベッドの脇に揃えた革靴も、壊れたクローゼットに吊したご主人様の服も、 壁を埋め尽くすご主人様の写真も、ご主人様と交わったベッドも、畳んだまま置いてあるご主人様の制服も、 私の耳や尻尾や髪の毛を梳いて下さったご主人様の櫛も、ご主人様が私の誕生日に買って下さったテディベアも、 ご主人様の大切なカセットテープも、この部屋を満たすご主人様の匂いも、 壁に刻まれた言葉も。 「…ん…ご主人…様…あっ」 ベッドに倒れ込み、ベッドに積もった灰を握りしめ、温もりを感じる。 下着越しに触る割れ目からは愛液が溢れ、指を伝っていく。 「ご主人様…はぁっ…ん…気持ちいい…」 やがてそれも限界を迎え、ついに絶頂へと達する。 「ご主人様っ…ふ…ぁ」 私が私じゃなくなる感じがする。 ―――ミィ…? 買い物袋が落ちた音に私が振り向くとそこには頬を紅潮させ、恥ずかしそうに頭を垂れるご主人様がいた。 「ご主人様…私と…交尾しましょう…」 そういって私はご主人様をベッドへ引き倒し、張り詰めたご主人様の肉棒に舌を這わせた。 記憶の固執…燃える人…降り止まない雪…止まった世界。 彼女は愛しい人と交わる。 快楽に、欲望に身を委ね、その身を焦がすような想いに支配される。 あの人の精液が子宮を満たしていくたびに私の心は快感と幸福に満たされていく。 机に置かれたカレンダー付きのオルゴールは鳴り続け、Kanonの音色は繰り返されていく。 ―――ミィ、愛してるよ。 「私も愛してます…ずっと…ずっと…」 そういえば…今日は私の誕生日…。 灰色の部屋にロウソクを灯してお祝いをする。 はっぴばーすでーとぅーゆー♪ はっぴばーすでーとぅーゆー♪ はっぴばーすでーでぃあ… 私はそこまで口ずさみ、ご主人様の部屋を訪ねる。 ご主人様の写真が私に微笑みかけて、私も尻尾をぶんぶん振って笑顔を返す。 そして壁にまた一字書き加える。 文字で黒く埋め尽くされた壁が、ラジカセから再生される声が、ご主人様が買って下さったテディベアが私に語りかけてくる。 ―――ミィ、愛してるよ。 ご主人様がお祝いしてくれる。
身たしなみ…よし。耳と尻尾の毛並みは…よし。笑顔は…うん、ばっちり♪ あ、午前7時だ!よーし! ご主人様の部屋の戸を開け放って声をかける。 「ご主人様!おはようございます!今日はとってもいい天気ですよ! さあ起きてください♪」 ―――うーん、あと少しだけ。 「もう。昨日も一昨日も同じ事を言ってますよ! 早く起きないと遅刻ですよ!」 ご主人様のベッドを揺さぶるがまるで反応がない。ほんとに寝坊助なんですから…。 「制服はここに置いておきますね。着替えて早くきて下さいね! 今日の朝ご飯は目玉焼きですからね~。」 きれいに畳んだ制服をベッドの脇に置いておく。窓の外は春の陽気でいっぱいだ。 昔も、今も、これからも。 “緊張状態の続く合衆国と共和国連邦ですが、本会議にて両国の譲歩が…”ピッ 「ご主人様、ご飯の時はテレビはめっ!です。」 ―――もう、ミィは猫属性なのにマナーに厳しすぎるよ~。僕の家だけだよ?こんなの…。 テレビを消されたご主人様が愚痴をこぼすけど、これもご主人様の為と思えばのことです! パタパタとご主人様を高校に送り出し、一息つく。今日は天気がいいから…午後からお布団干そうっと♪ お洗濯…おっけー!晩御飯の仕込み…おっけー! うーん、あとは…あっ、いけない!お布団干さなきゃ! 時計を見るとちょうど14時を回った所で、ご主人様が帰ってくる頃だ。 足音が近づき、いつものように玄関からドアの音がした。 ―――ただいま~。 「あら?ご主人様…今日はどうされましたか?」 ―――うん、なんか四時間目が終わったあと学校の先生から臨時休校って言われたんだよ。 「あら、それは変ですね…」 ―――なにか手伝うこと、ある? 「手伝うことでしたら…そうですね、晩の食材を買ってきて下さいませんか?」 買い物のメモを渡すとご主人様は制服姿のまま元気よく駆けていき、私は笑顔で見送った。 ドアを開けてご主人様の部屋に入る。私はこの部屋が好きだ…朽ちた本棚も、ベッドの脇に揃えた革靴も、壊れたクローゼットに吊したご主人様の服も、 壁を埋め尽くすご主人様の写真も、ご主人様と交わったベッドも、畳んだまま置いてあるご主人様の制服も、 私の耳や尻尾や髪の毛を梳いて下さったご主人様の櫛も、ご主人様が私の誕生日に買って下さったテディベアも、 ご主人様の大切なカセットテープも、この部屋を満たすご主人様の匂いも、 壁に刻まれた言葉も。 「…ん…ご主人…様…あっ」 ベッドに倒れ込み、ベッドに積もった灰を握りしめ、温もりを感じる。 下着越しに触る割れ目からは愛液が溢れ、指を伝っていく。 「ご主人様…はぁっ…ん…気持ちいい…」 やがてそれも限界を迎え、ついに絶頂へと達する。 「ご主人様っ…ふ…ぁ」 私が私じゃなくなる感じがする。 ―――ミィ…? 買い物袋が落ちた音に私が振り向くとそこには頬を紅潮させ、恥ずかしそうに頭を垂れるご主人様がいた。 「ご主人様…私と…交尾しましょう…」 そういって私はご主人様をベッドへ引き倒し、張り詰めたご主人様の肉棒に舌を這わせた。 記憶の固執…燃える人…降り止まない雪…止まった世界。 彼女は愛しい人と交わる。 快楽に、欲望に身を委ね、その身を焦がすような想いに支配される。 あの人の精液が子宮を満たしていくたびに私の心は快感と幸福に満たされていく。 机に置かれたカレンダー付きのオルゴールは鳴り続け、Kanonの音色は繰り返されていく。 ―――ミィ、愛してるよ。 「私も愛してます…ずっと…ずっと…」 そういえば…今日は私の誕生日…。 灰色の部屋にロウソクを灯してお祝いをする。 はっぴばーすでーとぅーゆー♪ はっぴばーすでーとぅーゆー♪ はっぴばーすでーでぃあ… 私はそこまで口ずさみ、ご主人様の部屋を訪ねる。 ご主人様の写真が私に微笑みかけて、私も尻尾をぶんぶん振って笑顔を返す。 そして壁にまた一字書き加える。 文字で黒く埋め尽くされた壁が、ラジカセから再生される声が、ご主人様が買って下さったテディベアが私に語りかけてくる。 ―――ミィ、愛してるよ。 ご主人様がお祝いしてくれる。 ―――ミィ、愛してるよ。 ご主人様が愛してくれてる。 ―――ミィ、愛してるよ。 ご主人様がずっと一緒にいてくれる。 窓の外に広がる景色は変わらない。 崩れ落ちたビル、降り止まない黒い雨、14時を指したまま止まった時計塔、灰になった人々。 私は窓のカーテンを閉めてベッドで横になる。 明日はご主人様をどうやって起こそうかな、明日はご主人様と何を話そうかな。 色々と考えてるうちに瞼が重たくなってきた。 ご主人様…また明日。

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