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犬娘9」(2009/10/09 (金) 13:07:44) の最新版変更点

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「んじゃ、言ってくるよ母さん」 「はいはい、いってらっしゃい」  朝のとある家の玄関先にて、青年は鞄を手に学校へ向かおうとしている。  4月になり、桜舞い散る光景は美しく、今日から新しい学園生活が始まる青年の心は、少なからず晴れ晴れしている。  まぁ、次の瞬間その気持ちも崩れるのだが……。 「ち~こ~く~~!」  家の奥からバタバタと音を立てて走ってくる一人の影。 「うおっ!!」 「はわっ!」  そして見事に青年にぶつかり、見事にしりもちをついたのは、ピンク色の髪にポニーテールの女の子。 「ってぇな! なに朝から体当たりかましてんだよ光!」 「そ、そんな所に立ってるのが悪いんでしょ!」 「んだと~!」  ピンク少女、光(こう)は立ち上がり、二人は朝から口喧嘩。その真ん中で笑顔ながら微妙に困っている母親。  その母親を背後から、もう一人の女の子。  光と同じ顔だが、黒髪のポニーテールで横髪が長い。  そして何より、光より落ち着いた雰囲気を漂わせている少女は、光と青年が喧嘩しているのに気づくと軽くため息を吐いた。 「光、お兄さま、朝からご近所迷惑です」 「あ、闇」  黒髪少女、闇(あん)は冷静かつ結構威圧感を込めて二人に言う。  光は少し驚くが、すぐに大人しくなった。  光と闇、二人は双子の姉妹にて青年の妹である。  明るく元気な姉の光に、冷静で大人しめな妹の闇。  よく姉と妹は逆じゃね? とよく言われるこの姉妹は青年とは血の繋がりがない。  それは母親にも言えることで、数年前に他界した青年の父親と結婚した現母親との娘である。  そしてもう一つ、彼女たちは青年とは全く違う点がある。それは、今の光に現れていた。 「あらあら光? 耳と尻尾が出てるわよ?」 「え? きゃん! いっけなーい!!」  母親の笑顔の指摘に、光は慌てて生えている耳と尻尾を隠した。  そう、この母親と双子は人間ではなく、犬である。  その証拠に、家族である青年の前だけ、犬耳とフサフサした尻尾を出し本来の姿に戻り、普段は人間として暮らしている。  ちなみに犬耳と尻尾の色は髪の色と同じで、光はピンク、闇は黒、そして母親は綺麗な紫と、何ともカラフルな犬達である。  光は青年とぶつかった勢いで出てしまった犬耳を寝かせ、尻尾も隠して苦笑いを浮かべた。 「ほらいくぞ。そろそろ本当に遅刻だ」 「そうですね。行きましょう光」 「うん! それじゃいってくるねお母さん!」 「いってきます、ユウミお母さま」 「いってらっしゃい。光、闇、真人」  そして三人は、母ユウミに見送られて家を後にする。  今日も青年、真人(マサト)の一日が始まった。  この日の昼休みの屋上。  今日は気候が良く暖かい。よって真人は友人数人と屋上で昼飯。  高校三年の真人は、小学六年の光と闇と違い、ユウミの手作り弁当だ。 「はいアニキあ~ん……」 「あ~」 「おいし?」 「あぁ」  目の前に広がる雪と春の双子カップルの、少しイラつく光景を見ながら真人とその友人、巧が弁当を食べている。   彼女いない歴が年齢と一緒な真人は、さっさと食べ終えて空を眺めている。  前方を見れば忌々しい光景しか映らないから上しか見るほか無いのだ。 「……彼女欲しいなぁ~……」  思わず呟いてしまった真人の一言に、隣に座っていた巧が反応した。 「まぁそう言うなよ」 「お前はいいよな巧君よぅ。あのキチガイが造った嫁が二人もいてさ」  真人が少し皮肉に巧の家にいるシアとグランゾンの事を言うと、巧は苦笑しながら弁当を食べ終える。  キチガイ、秀が造ったという点は巧にとってあまり指摘されたくないのだ。 「巧様……」 「どわぁぁ!!」  そんな時、巧と真人の背後から不意に声がし、真人達は勿論の事、雪と春も驚いている。  真人達の背後には、このメンバー誰もが見た女性が立っていたのだ。 「て、天后先生!」  その名は天后(てんこう)。  真人達が通っている学園の保健室の先生。  新しく新任したと、全校生徒の前で挨拶したことがあり、長く綺麗な白い髪にスタイルも良く美人な先生と、男子生徒から人気がある。  しかし、その正体は巧の実家にいる九尾の一人。  天一、六合同様十二神将の名を与えられ、神崎家現当主の命令で教師として巧の様子を見るためにいる。  まず何で保健の先生がこんな所にいるんだろうと驚きがあった。  しかし、巧はともかく、真人達が驚いているのにはもう一カ所あった。 「アニキ、なにあれ?」 「狐か……?」  それは天后の頭には白い狐の耳、そして尻部からは九本の大きな尻尾が生えているということ。  雪と春はひそひそ話している中、天后は気にすることなく巧の手を取った。 「な、ちょっ……」 「お仕事です。行きますよ巧様」  そしてそのまま空高く飛び立っていってしまった。  どうやら巧の有無は聞かず強制のようだ。  巧の悲鳴が響き、真人達のみならず屋上にいた全ての人が注目し、男は丁度見えた天后のパンツに注目した。 「あいつも大変だなぁ」  真人の一言は、おそらくこの場にいた人全員が思ったことだろう。  最初こそ騒然となる屋上だが、すぐにいつもの様子に戻り、真人と雪と春は仲良く喋っていた。 「あ、いたいた! マサ兄~!」 「ん? 光に闇……」  そんな中、入り口から真人を呼ぶ元気な声がし、真人達はその方向を見る。  そこには真人の妹、光と闇がおり、笑顔で真人のそばまで走ってきた。 「どうした? 高等部に来るなんて珍しい」 「マサ兄って今日も明日もバイト無いんだよね?」 「ん……まぁな」  何やら楽しそうに光は真人に訪ねる。  確かに珍しく二日連日でバイトが休みの真人は、怪しがりながも答えると、双子は嬉しそうに笑った。 「やった、やっぱり無いって闇!」 「よかったですね光!」 「今日から楽しみだね闇!」 「さっそくお母さまにご報告です!」 「んじゃ、そうゆーことだから、じゃーねーマサ兄♪」 「今日は早く帰ってきてくださいねお兄さま♪」  そして二人で勝手に盛り上がり、可愛らしい満面の笑顔を真人に残してスキップで去っていった。  その際に光が見事に転んで、くまさんパンツを公開したわけで、今日はよくパンツ見る日だと思いつつ、一体何しに来たんだと、真人と雪と春は困惑。  しかし、真人は何かを察して、深い溜め息を吐いた。  「なぁ雪……お前春と一日中ヤッたこっあるか?」 「はっ!?」  不意に真人は雪に質問、雪は思いっきり驚き春は顔を真っ赤にさせて俯いていた。  バイトが連日で無く、次の日が休みの場合……真人の家族、年がら年中発情してるあの犬親子が真人に襲いかかるのだ。  果たして真人は、生き残ることができるか………。 「犬って怖い……」  夜の真人の家では、既に発情した犬親子が目を光らせ、真人は内心ビクビクしながら呟いた。 「真人、光か闇でもいいから、お風呂沸いたから入っちゃってね」  リビングで双子が借りたビデオ、『男の子女の子 カラダのヒミツ!』を兄妹が見ていたとき、リビングの入り口からユウミが兄妹に笑顔で話しかける。  すると、その声に反応し双子の犬耳がピクンと立った。 「じゃあ、あたし達から入る~! ねー闇?」 「はい、まずは綺麗にしなければいけませんもんね光!」 「すぐに汗掻いちゃうけどね!」 「ッ!」  双子は楽しげで怪しげな笑顔で、肩を震わせた真人に意味ありげなことを言い残し、小走りで風呂へと向かった。  今回はどのくらいやらされるのかと、真人は相当な不安から深いため息を吐く。  無論、今も油断はできない。きっと双子同様、発情してるに違いないユウミ母がいるのだから。 「あの子達ったら……やる気満々ね。頑張ってね、真人」 「なぁ母さん、あいつらにも彼氏が出来れば、俺が干からびる必要もないと思うんだけど……」 「無理ね。あの子達は真人にゾッコンだから  真人の願いもユウミの笑顔の一言により終わった。 「はい、お茶」 「あ、あぁ、ありがとう」  ユウミは尻尾を振りながら真人に熱いお茶を渡す。  おかしい……そう不信に思いながら真人は受け取り、じっとお茶を見つめている。  ユウミも発情しているはず……現に今朝も……。  ふと朝のことを思い出しながら、あまりに普通なユウミに、真人は警戒しっぱなし。  そんな息子の様子に気づくと、ユウミは笑みを浮かべて口を開いた。 「大丈夫、毒なんて入ってないから」  過去に痺れ薬を混入した犬が言っても、説得力の欠片もなかった。  しかし飲まずにいると、温くなる上にユウミが涙目になってくる。  もうすぐ二〇代ともおさらばだというのに、ユウミはかなりの童顔、よってその涙目は真人にとって結構な一撃となる。  だが、飲んでも何かあるに違いないと真人は確信していた。ユウミはそういう犬なのだ。 「マサ兄あがったよ~!」 「お兄さまも早く綺麗になってきて下さい!」  その時、割と早めに風呂からあがった双子がやってきた。  正直この時ばかりは双子に感謝しつつ、真人はユウミから逃げるように風呂へと向かっていった。 かぽーん 「ふぅ……」  妹たちのエキス的なものが入っている湯船に浸かり、疲れで一息吐く真人。  おそらく風呂から出れば犬親子に、犬で言う交尾を求められるだろう。  何でウチの親と妹はああなんだろう、そう考えると頭が少し痛くなり真人は風呂からあがった。  そして、脱衣場にて体を白いバスタオルで拭いていた時、入り口の扉が開くと同時にそれは起こった。 「お兄さま! ではさっそく!」 「おりゃあ!」 「だあああぁっ!!」  真人は光と闇の突撃により、まだ全裸で仰向けに押し倒された。  その際、背中に体重計が当たり痛みが走るが、すぐに股間の刺激にかき消された。  しかしそれは快感ではなく、痛み。 「まずはあたしからぁ!」 「光は以前最初だったじゃないですか~!」 「こういうっ、時はぁっ、お姉ちゃんが先っ!」 「そんなのっ、関係っ、ないですっ!!」  どちらが先にくわえるかで、真人の半勃ちの肉棒を引っ張りながら争う双子。  真人はもがき苦しんでいたが、手を伸ばし何とか自分の衣服を取ると、勢い良く立ち上がる。  少し突き飛ばされ驚く双子を後目に、真人はそのまま風呂場を全力で飛び出していった。 「あ! 待ってください、お兄さま!」 「マサ兄、逃げるな~!」 「うるさい! 生きることは戦いなんだよ!!」  意味がよく分からない台詞を言いながら、全裸で自室に向かって走る真人の姿は、変態としか言いようがない。  真人は全力で逃げ、何とか自室に入り内側から鍵をする。  その直後、双子も追いついたようで、しばらく部屋の前には性欲全開の気配を感じていたが、やがてその気配が遠のいていくと真人はホッとしながら服を着る。  真っ暗な部屋……無駄に汗を掻き、ようやく安全と感じたのか、真人は急に眠くなった。 「寝るか……」  一度欠伸をし、ゆっくりベッドに歩み寄る真人。  そしてベッドの中に入ると、真人はまた異変を感じ背筋を震わす。  すぐ横、ほぼゼロ距離に気配を感じるのだ……。  真人は錆び付いた機械のようにゆっくりと横を向く……そしてベッドの上から落ちた。 「か、母さん!」  ベッドの中には、息子の行動を先読みして待ち続けていたユウミがいた。  それも裸であり、暗闇に目が慣れてきた真人は顔を赤くしながらも逃げようとした。  しかしその前にユウミに体の上に乗られ、身動きが取れなくなってしまった。 「逃げちゃだめよ、真人」 「ど、退いてくれ母さん! だいたいおかしいだろっ、親子でこんなこ――」  必死に発情しているユウミから逃れようとする真人の言葉が中断される……ユウミが唇を重ねたことによって。  嬉しそうに尻尾を振りながら、ユウミは更に舌を真人の口内に入れる。  真人は頭を横にして逃れようとするが、ユウミの両手に頭を押さえられ、気持ち悪い舌の感触に力が徐々に抜けていった。 「んッ……んちゅッ、ふふ」  口内を舐め回られ、嫌だと思いながらも真人の肉棒は反応し硬くなっていく。  ユウミはそれを感じ取り、唇を離すと体を少し浮かせて素早く下に穿いているものを脱がせた。 「あら、私でこんなにしてくれるなんて、嬉しいわ真人」 「ぅぅ……」  ディープキスされれば当然の反応、と真人は言いたいが羞恥心と、肉棒を軽くしごかれる刺激に言葉がでなかった。 「か、母さん……やっぱ、やめない?」 「だからイヤよぉ。私ずっと我慢してきたのよ?」  ユウミは妖艶な笑みを浮かべている。 双子の場合、割と平日などにもお構いなしに交尾を求める傾向がある……まぁ、多少は遠慮するが。  それに対し、ユウミはさすが大人である。  真人を思ってか、こういった条件が揃わないと求めない……息子に交尾を求める自体どうかと思うが。  だが、溜まりすぎてその我慢はきかなくなってしまい、今の状況となったのだ。 「真人? もう入れちゃうわね」 「ちょっ! ちょっと、待って……」 「待たない……んっ……」  真人の肉棒はユウミにしごかれすっかりそそり立っていた。  更にユウミの秘所も発情により十分に濡れ、ユウミは真人の上に跨ぎ、片手で握り秘所にあてがう。  腰をゆっくりと降ろし、亀頭が入ると久々の感覚にユウミは笑みを浮かべた。  もう母親ではなく、淫らな雌犬となったユウミは一気に肉棒を膣内に挿入した。 「はッあぁッ! ほ、ほらぁッ、はいったわよぉ? うごくわね……あんッ!」  暗闇の室内で、ユウミの喘ぎと、真人との結合部から卑猥な音が流れている。  前かがみになり、笑みを浮かべながら夢中で腰を上下に振るユウミ。  真人はなおも逃れようと無駄な抵抗をするが、両肩を強く押さえられているため、起きあがることもできなかった。 「あぅッ……き、きもちいッ、久しぶりッ、あぁッ!」 「くっ……母さん、抜いて」 「ふふ、もう止まら、ないよぉ……ああぁッ!」  ユウミの腰使いは更に激しくなる。  肉棒を締め付けながらも、うねうねと動くユウミの膣は真人を射精へと追いつめていった。 「はぁ、はぁ、はッッんぁッ……んッ!」  やがてユウミの腰使いも変化を見せ、上下運動から、回転運動や前後運動も使い始め、動く度に二人は体を震わせていた。 「んッ……んちゅッ……ッふぅッ……」  前かがみから上体を寝かせ、ユウミと真人の唇が再び重なる。  そしてまた舌を絡めるが、今度はユウミの一方的なものではなく、真人もユウミの口内を舐め回す。  ついに真人も理性がきかなくなってしまい、上と下の口から卑猥な音が流れる。  さらに真人も腰を使い突き上げる。  不意に攻められ、ユウミは犬耳をぴくんと動かし、尻尾を振り、自らも腰を振った。 「ッ……くぅッ……母さん、もう、出る……そ、外に……」 「い、いやッ………ぬかなぁい、中に、あぁッ、出しなさいッ……ッ!」  身を震わせ絶頂を訴える真人は、まだ理性は完全に無くなったわけではないので肉棒を引き抜こうとする。  しかし騎乗位ではどうすることもできず、ユウミが膣内を締め付けるものだから、ついに我慢が切れて真人は絶頂してしまった。 「んんッ!! あッはぁッ……熱い……いっぱい、真人、溜まってたのね」 「ぅッ……くっ」  動きを止め、久々の射精の感覚に、笑みを浮かべて犬耳を動かしつつユウミは味わう。  濃い精液が膣内を満たし、真人は体を痙攣させる。  義理とはいえ、また母親の中に出してしまい、真人は嫌そうだったが、射精後にも関わらずユウミが腰を動かした。 「ぅあッ……か、母さん?」 「まだよ、まだ、足りない……ッ」  より敏感になっていた肉棒はすぐに硬くなり、快感が真人を襲う。  そして自分も攻める。  既に母親との背徳感も逆に興奮を高めていたのだ。 「「あ~~!!」」  そんな息子と母親が交わっていた時、室内が少し明るくなると同時に、双子の揃った声が響きわたった。  真人は驚く。  何故なら閉めたはず鍵が何故か開いているのだ。 「あなた達、どうやって、入ったの?」 「こんな事もあろうかと、秘密で合い鍵作っといたの!」 「何処に置いてしまったか忘れてしまって、今まで探していたんですけど」  その疑問は、動きを止めたユウミの問いで解決された。  もう唯一の安全地帯も無効とかしてしまい、真人は絶望した。 「はいッお母さんどいてッ!」 「あら、ちょっと乱暴なんだから」  光、闇は真人と繋がっているユウミを無理矢理引き離し、そのまま肉棒にむしゃぶりついた。 「くおっ!」 「んッ……精子の、味がしますッ……ぴちゅッ」 「んちゅッ……おいし、んんッ……ッ」  双子の小さな舌が音を立てて肉棒を攻める。  二つの舌は、亀頭、竿、袋と余すところなく味わうように舐めあげ、光が亀頭の先を唾液と共に強く吸い上げたとき、真人は二度目の絶頂を迎えた。 「んんんッ!」 「あ! ず、ずるい……」  尻尾を振りながら、口内に流れる精液を飲んでいく光を、羨ましそうに少し涙目で見つめる闇。  やがて射精が終わると、光は暗を抱き寄せた。 「ごめんね。ほら、闇にも分けてあげる」  そして唇を重ね、口内に残った精液を舌を使い闇に送る。  闇も光と舌を絡めて精液を味わい、嬉しそうに尻尾を振る。 「ねえ光? 私にも」 「あ、うん」  光はユウミともキスをする。  目の前に広がる母と妹たちのレズな光景に、真人はまた興奮し肉棒を硬くさせる。  そして誰から挿入するかで親子喧嘩が始まった。真人の有無はないようだ……。  せめて双子に早く彼氏できないかなと、心の底から願いつつ、真人の夜はまだ続く……。
「んじゃ、行ってくるよ母さん」 「はいはい、いってらっしゃい」  朝のとある家の玄関先にて、青年は鞄を手に学校へ向かおうとしている。  4月になり、桜舞い散る光景は美しく、今日から新しい学園生活が始まる青年の心は、少なからず晴れ晴れしている。  まぁ、次の瞬間その気持ちも崩れるのだが……。 「ち~こ~く~~!」  家の奥からバタバタと音を立てて走ってくる一人の影。 「うおっ!!」 「はわっ!」  そして見事に青年にぶつかり、見事にしりもちをついたのは、ピンク色の髪にポニーテールの女の子。 「ってぇな! なに朝から体当たりかましてんだよ光!」 「そ、そんな所に立ってるのが悪いんでしょ!」 「んだと~!」  ピンク少女、光(こう)は立ち上がり、二人は朝から口喧嘩。その真ん中で笑顔ながら微妙に困っている母親。  その母親を背後から、もう一人の女の子。  光と同じ顔だが、黒髪のポニーテールで横髪が長い。  そして何より、光より落ち着いた雰囲気を漂わせている少女は、光と青年が喧嘩しているのに気づくと軽くため息を吐いた。 「光、お兄さま、朝からご近所迷惑です」 「あ、闇」  黒髪少女、闇(あん)は冷静かつ結構威圧感を込めて二人に言う。  光は少し驚くが、すぐに大人しくなった。  光と闇、二人は双子の姉妹にて青年の妹である。  明るく元気な姉の光に、冷静で大人しめな妹の闇。  よく姉と妹は逆じゃね? とよく言われるこの姉妹は青年とは血の繋がりがない。  それは母親にも言えることで、数年前に他界した青年の父親と結婚した現母親との娘である。  そしてもう一つ、彼女たちは青年とは全く違う点がある。それは、今の光に現れていた。 「あらあら光? 耳と尻尾が出てるわよ?」 「え? きゃん! いっけなーい!!」  母親の笑顔の指摘に、光は慌てて生えている耳と尻尾を隠した。  そう、この母親と双子は人間ではなく、犬である。  その証拠に、家族である青年の前だけ、犬耳とフサフサした尻尾を出し本来の姿に戻り、普段は人間として暮らしている。  ちなみに犬耳と尻尾の色は髪の色と同じで、光はピンク、闇は黒、そして母親は綺麗な紫と、何ともカラフルな犬達である。  光は青年とぶつかった勢いで出てしまった犬耳を寝かせ、尻尾も隠して苦笑いを浮かべた。 「ほらいくぞ。そろそろ本当に遅刻だ」 「そうですね。行きましょう光」 「うん! それじゃいってくるねお母さん!」 「いってきます、ユウミお母さま」 「いってらっしゃい。光、闇、真人」  そして三人は、母ユウミに見送られて家を後にする。  今日も青年、真人(マサト)の一日が始まった。  この日の昼休みの屋上。  今日は気候が良く暖かい。よって真人は友人数人と屋上で昼飯。  高校三年の真人は、小学六年の光と闇と違い、ユウミの手作り弁当だ。 「はいアニキあ~ん……」 「あ~」 「おいし?」 「あぁ」  目の前に広がる雪と春の双子カップルの、少しイラつく光景を見ながら真人とその友人、巧が弁当を食べている。   彼女いない歴が年齢と一緒な真人は、さっさと食べ終えて空を眺めている。  前方を見れば忌々しい光景しか映らないから上しか見るほか無いのだ。 「……彼女欲しいなぁ~……」  思わず呟いてしまった真人の一言に、隣に座っていた巧が反応した。 「まぁそう言うなよ」 「お前はいいよな巧君よぅ。あのキチガイが造った嫁が二人もいてさ」  真人が少し皮肉に巧の家にいるシアとグランゾンの事を言うと、巧は苦笑しながら弁当を食べ終える。  キチガイ、秀が造ったという点は巧にとってあまり指摘されたくないのだ。 「巧様……」 「どわぁぁ!!」  そんな時、巧と真人の背後から不意に声がし、真人達は勿論の事、雪と春も驚いている。  真人達の背後には、このメンバー誰もが見た女性が立っていたのだ。 「て、天后先生!」  その名は天后(てんこう)。  真人達が通っている学園の保健室の先生。  新しく新任したと、全校生徒の前で挨拶したことがあり、長く綺麗な白い髪にスタイルも良く美人な先生と、男子生徒から人気がある。  しかし、その正体は巧の実家にいる九尾の一人。  天一、六合同様十二神将の名を与えられ、神崎家現当主の命令で教師として巧の様子を見るためにいる。  まず何で保健の先生がこんな所にいるんだろうと驚きがあった。  しかし、巧はともかく、真人達が驚いているのにはもう一カ所あった。 「アニキ、なにあれ?」 「狐か……?」  それは天后の頭には白い狐の耳、そして尻部からは九本の大きな尻尾が生えているということ。  雪と春はひそひそ話している中、天后は気にすることなく巧の手を取った。 「な、ちょっ……」 「お仕事です。行きますよ巧様」  そしてそのまま空高く飛び立っていってしまった。  どうやら巧の有無は聞かず強制のようだ。  巧の悲鳴が響き、真人達のみならず屋上にいた全ての人が注目し、男は丁度見えた天后のパンツに注目した。 「あいつも大変だなぁ」  真人の一言は、おそらくこの場にいた人全員が思ったことだろう。  最初こそ騒然となる屋上だが、すぐにいつもの様子に戻り、真人と雪と春は仲良く喋っていた。 「あ、いたいた! マサ兄~!」 「ん? 光に闇……」  そんな中、入り口から真人を呼ぶ元気な声がし、真人達はその方向を見る。  そこには真人の妹、光と闇がおり、笑顔で真人のそばまで走ってきた。 「どうした? 高等部に来るなんて珍しい」 「マサ兄って今日も明日もバイト無いんだよね?」 「ん……まぁな」  何やら楽しそうに光は真人に訪ねる。  確かに珍しく二日連日でバイトが休みの真人は、怪しがりながも答えると、双子は嬉しそうに笑った。 「やった、やっぱり無いって闇!」 「よかったですね光!」 「今日から楽しみだね闇!」 「さっそくお母さまにご報告です!」 「んじゃ、そうゆーことだから、じゃーねーマサ兄♪」 「今日は早く帰ってきてくださいねお兄さま♪」  そして二人で勝手に盛り上がり、可愛らしい満面の笑顔を真人に残してスキップで去っていった。  その際に光が見事に転んで、くまさんパンツを公開したわけで、今日はよくパンツ見る日だと思いつつ、一体何しに来たんだと、真人と雪と春は困惑。  しかし、真人は何かを察して、深い溜め息を吐いた。  「なぁ雪……お前春と一日中ヤッたこっあるか?」 「はっ!?」  不意に真人は雪に質問、雪は思いっきり驚き春は顔を真っ赤にさせて俯いていた。  バイトが連日で無く、次の日が休みの場合……真人の家族、年がら年中発情してるあの犬親子が真人に襲いかかるのだ。  果たして真人は、生き残ることができるか………。 「犬って怖い……」  夜の真人の家では、既に発情した犬親子が目を光らせ、真人は内心ビクビクしながら呟いた。 「真人、光か闇でもいいから、お風呂沸いたから入っちゃってね」  リビングで双子が借りたビデオ、『男の子女の子 カラダのヒミツ!』を兄妹が見ていたとき、リビングの入り口からユウミが兄妹に笑顔で話しかける。  すると、その声に反応し双子の犬耳がピクンと立った。 「じゃあ、あたし達から入る~! ねー闇?」 「はい、まずは綺麗にしなければいけませんもんね光!」 「すぐに汗掻いちゃうけどね!」 「ッ!」  双子は楽しげで怪しげな笑顔で、肩を震わせた真人に意味ありげなことを言い残し、小走りで風呂へと向かった。  今回はどのくらいやらされるのかと、真人は相当な不安から深いため息を吐く。  無論、今も油断はできない。きっと双子同様、発情してるに違いないユウミ母がいるのだから。 「あの子達ったら……やる気満々ね。頑張ってね、真人」 「なぁ母さん、あいつらにも彼氏が出来れば、俺が干からびる必要もないと思うんだけど……」 「無理ね。あの子達は真人にゾッコンだから  真人の願いもユウミの笑顔の一言により終わった。 「はい、お茶」 「あ、あぁ、ありがとう」  ユウミは尻尾を振りながら真人に熱いお茶を渡す。  おかしい……そう不信に思いながら真人は受け取り、じっとお茶を見つめている。  ユウミも発情しているはず……現に今朝も……。  ふと朝のことを思い出しながら、あまりに普通なユウミに、真人は警戒しっぱなし。  そんな息子の様子に気づくと、ユウミは笑みを浮かべて口を開いた。 「大丈夫、毒なんて入ってないから」  過去に痺れ薬を混入した犬が言っても、説得力の欠片もなかった。  しかし飲まずにいると、温くなる上にユウミが涙目になってくる。  もうすぐ二〇代ともおさらばだというのに、ユウミはかなりの童顔、よってその涙目は真人にとって結構な一撃となる。  だが、飲んでも何かあるに違いないと真人は確信していた。ユウミはそういう犬なのだ。 「マサ兄あがったよ~!」 「お兄さまも早く綺麗になってきて下さい!」  その時、割と早めに風呂からあがった双子がやってきた。  正直この時ばかりは双子に感謝しつつ、真人はユウミから逃げるように風呂へと向かっていった。 かぽーん 「ふぅ……」  妹たちのエキス的なものが入っている湯船に浸かり、疲れで一息吐く真人。  おそらく風呂から出れば犬親子に、犬で言う交尾を求められるだろう。  何でウチの親と妹はああなんだろう、そう考えると頭が少し痛くなり真人は風呂からあがった。  そして、脱衣場にて体を白いバスタオルで拭いていた時、入り口の扉が開くと同時にそれは起こった。 「お兄さま! ではさっそく!」 「おりゃあ!」 「だあああぁっ!!」  真人は光と闇の突撃により、まだ全裸で仰向けに押し倒された。  その際、背中に体重計が当たり痛みが走るが、すぐに股間の刺激にかき消された。  しかしそれは快感ではなく、痛み。 「まずはあたしからぁ!」 「光は以前最初だったじゃないですか~!」 「こういうっ、時はぁっ、お姉ちゃんが先っ!」 「そんなのっ、関係っ、ないですっ!!」  どちらが先にくわえるかで、真人の半勃ちの肉棒を引っ張りながら争う双子。  真人はもがき苦しんでいたが、手を伸ばし何とか自分の衣服を取ると、勢い良く立ち上がる。  少し突き飛ばされ驚く双子を後目に、真人はそのまま風呂場を全力で飛び出していった。 「あ! 待ってください、お兄さま!」 「マサ兄、逃げるな~!」 「うるさい! 生きることは戦いなんだよ!!」  意味がよく分からない台詞を言いながら、全裸で自室に向かって走る真人の姿は、変態としか言いようがない。  真人は全力で逃げ、何とか自室に入り内側から鍵をする。  その直後、双子も追いついたようで、しばらく部屋の前には性欲全開の気配を感じていたが、やがてその気配が遠のいていくと真人はホッとしながら服を着る。  真っ暗な部屋……無駄に汗を掻き、ようやく安全と感じたのか、真人は急に眠くなった。 「寝るか……」  一度欠伸をし、ゆっくりベッドに歩み寄る真人。  そしてベッドの中に入ると、真人はまた異変を感じ背筋を震わす。  すぐ横、ほぼゼロ距離に気配を感じるのだ……。  真人は錆び付いた機械のようにゆっくりと横を向く……そしてベッドの上から落ちた。 「か、母さん!」  ベッドの中には、息子の行動を先読みして待ち続けていたユウミがいた。  それも裸であり、暗闇に目が慣れてきた真人は顔を赤くしながらも逃げようとした。  しかしその前にユウミに体の上に乗られ、身動きが取れなくなってしまった。 「逃げちゃだめよ、真人」 「ど、退いてくれ母さん! だいたいおかしいだろっ、親子でこんなこ――」  必死に発情しているユウミから逃れようとする真人の言葉が中断される……ユウミが唇を重ねたことによって。  嬉しそうに尻尾を振りながら、ユウミは更に舌を真人の口内に入れる。  真人は頭を横にして逃れようとするが、ユウミの両手に頭を押さえられ、気持ち悪い舌の感触に力が徐々に抜けていった。 「んッ……んちゅッ、ふふ」  口内を舐め回られ、嫌だと思いながらも真人の肉棒は反応し硬くなっていく。  ユウミはそれを感じ取り、唇を離すと体を少し浮かせて素早く下に穿いているものを脱がせた。 「あら、私でこんなにしてくれるなんて、嬉しいわ真人」 「ぅぅ……」  ディープキスされれば当然の反応、と真人は言いたいが羞恥心と、肉棒を軽くしごかれる刺激に言葉がでなかった。 「か、母さん……やっぱ、やめない?」 「だからイヤよぉ。私ずっと我慢してきたのよ?」  ユウミは妖艶な笑みを浮かべている。 双子の場合、割と平日などにもお構いなしに交尾を求める傾向がある……まぁ、多少は遠慮するが。  それに対し、ユウミはさすが大人である。  真人を思ってか、こういった条件が揃わないと求めない……息子に交尾を求める自体どうかと思うが。  だが、溜まりすぎてその我慢はきかなくなってしまい、今の状況となったのだ。 「真人? もう入れちゃうわね」 「ちょっ! ちょっと、待って……」 「待たない……んっ……」  真人の肉棒はユウミにしごかれすっかりそそり立っていた。  更にユウミの秘所も発情により十分に濡れ、ユウミは真人の上に跨ぎ、片手で握り秘所にあてがう。  腰をゆっくりと降ろし、亀頭が入ると久々の感覚にユウミは笑みを浮かべた。  もう母親ではなく、淫らな雌犬となったユウミは一気に肉棒を膣内に挿入した。 「はッあぁッ! ほ、ほらぁッ、はいったわよぉ? うごくわね……あんッ!」  暗闇の室内で、ユウミの喘ぎと、真人との結合部から卑猥な音が流れている。  前かがみになり、笑みを浮かべながら夢中で腰を上下に振るユウミ。  真人はなおも逃れようと無駄な抵抗をするが、両肩を強く押さえられているため、起きあがることもできなかった。 「あぅッ……き、きもちいッ、久しぶりッ、あぁッ!」 「くっ……母さん、抜いて」 「ふふ、もう止まら、ないよぉ……ああぁッ!」  ユウミの腰使いは更に激しくなる。  肉棒を締め付けながらも、うねうねと動くユウミの膣は真人を射精へと追いつめていった。 「はぁ、はぁ、はッッんぁッ……んッ!」  やがてユウミの腰使いも変化を見せ、上下運動から、回転運動や前後運動も使い始め、動く度に二人は体を震わせていた。 「んッ……んちゅッ……ッふぅッ……」  前かがみから上体を寝かせ、ユウミと真人の唇が再び重なる。  そしてまた舌を絡めるが、今度はユウミの一方的なものではなく、真人もユウミの口内を舐め回す。  ついに真人も理性がきかなくなってしまい、上と下の口から卑猥な音が流れる。  さらに真人も腰を使い突き上げる。  不意に攻められ、ユウミは犬耳をぴくんと動かし、尻尾を振り、自らも腰を振った。 「ッ……くぅッ……母さん、もう、出る……そ、外に……」 「い、いやッ………ぬかなぁい、中に、あぁッ、出しなさいッ……ッ!」  身を震わせ絶頂を訴える真人は、まだ理性は完全に無くなったわけではないので肉棒を引き抜こうとする。  しかし騎乗位ではどうすることもできず、ユウミが膣内を締め付けるものだから、ついに我慢が切れて真人は絶頂してしまった。 「んんッ!! あッはぁッ……熱い……いっぱい、真人、溜まってたのね」 「ぅッ……くっ」  動きを止め、久々の射精の感覚に、笑みを浮かべて犬耳を動かしつつユウミは味わう。  濃い精液が膣内を満たし、真人は体を痙攣させる。  義理とはいえ、また母親の中に出してしまい、真人は嫌そうだったが、射精後にも関わらずユウミが腰を動かした。 「ぅあッ……か、母さん?」 「まだよ、まだ、足りない……ッ」  より敏感になっていた肉棒はすぐに硬くなり、快感が真人を襲う。  そして自分も攻める。  既に母親との背徳感も逆に興奮を高めていたのだ。 「「あ~~!!」」  そんな息子と母親が交わっていた時、室内が少し明るくなると同時に、双子の揃った声が響きわたった。  真人は驚く。  何故なら閉めたはず鍵が何故か開いているのだ。 「あなた達、どうやって、入ったの?」 「こんな事もあろうかと、秘密で合い鍵作っといたの!」 「何処に置いてしまったか忘れてしまって、今まで探していたんですけど」  その疑問は、動きを止めたユウミの問いで解決された。  もう唯一の安全地帯も無効とかしてしまい、真人は絶望した。 「はいッお母さんどいてッ!」 「あら、ちょっと乱暴なんだから」  光、闇は真人と繋がっているユウミを無理矢理引き離し、そのまま肉棒にむしゃぶりついた。 「くおっ!」 「んッ……精子の、味がしますッ……ぴちゅッ」 「んちゅッ……おいし、んんッ……ッ」  双子の小さな舌が音を立てて肉棒を攻める。  二つの舌は、亀頭、竿、袋と余すところなく味わうように舐めあげ、光が亀頭の先を唾液と共に強く吸い上げたとき、真人は二度目の絶頂を迎えた。 「んんんッ!」 「あ! ず、ずるい……」  尻尾を振りながら、口内に流れる精液を飲んでいく光を、羨ましそうに少し涙目で見つめる闇。  やがて射精が終わると、光は暗を抱き寄せた。 「ごめんね。ほら、闇にも分けてあげる」  そして唇を重ね、口内に残った精液を舌を使い闇に送る。  闇も光と舌を絡めて精液を味わい、嬉しそうに尻尾を振る。 「ねえ光? 私にも」 「あ、うん」  光はユウミともキスをする。  目の前に広がる母と妹たちのレズな光景に、真人はまた興奮し肉棒を硬くさせる。  そして誰から挿入するかで親子喧嘩が始まった。真人の有無はないようだ……。  せめて双子に早く彼氏できないかなと、心の底から願いつつ、真人の夜はまだ続く……。

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